アフリーン市一帯でYPG主体のシリア民主軍とトルコ軍が一進一退の攻防を続けるなか、アル=カーイダ系のシャーム解放機構がアレッポ市北部のシリア民主軍拠点2カ所を奪取(2018年1月24日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団がアフリーン市東部のバルサーヤー山一帯で西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍と交戦した。

同監視団によると、トルコ軍・反体制武装集団とシリア民主軍は国境地帯で一進一退の攻防を続け、シリア民主軍が過去5日にわたる戦闘で喪失した拠点複数カ所を奪還したという。

これに対して、アナトリア通信(1月27日付)によると、トルコ軍はハタイ県に増援部隊を派遣したという。

一方、ANHA(1月24日付)によると、トルコ軍がブルブル町を越境爆撃し、住宅などに被害が出た。

ANHA, January 24, 2018

また、SANA(1月24日付)によると、トルコ軍はアフリーン市一帯への越境上下機を続け、ラージュー町で1人が死亡、女性2人が負傷した。

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他方、シャーム解放機構に近いイバー通信(1月24日付)によると、シャーム解放機構が、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍との戦闘の末、アレッポ市西部のスィムアーン山に近い軍事拠点2カ所を制圧した。

al-Durar al-Shamiya, January 24, 2018

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トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は地方自治体首長との会合で、アレッポ県アフリーン市一帯で続行中の「オリーブの枝」作戦の戦況について言及し、過去4日間の戦闘で「テロリスト」(西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の戦闘員)268人を殲滅する一方、トルコ軍およびその支援を受ける反体制武装集団の戦闘員の犠牲者が7人に留まっていると述べた。

ドゥラル・シャーミーヤ(1月24日付)、スプートニク・ニュース(1月24日付)などが伝えた。

AFP, January 24, 2018、Anadolu Ajansı, January 24, 2018、ANHA, January 24, 2018、AP, January 24, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 24, 2018、al-Hayat, January 25, 2018、Reuters, January 24, 2018、SANA, January 24, 2018、Sputnik News, January 24, 2018、UPI, January 24, 2018、Wikalat al-Iba’ al-Ikhbariya, January 24, 2018などをもとに作成。

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