西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)を主導する民主統一党(PYD)の前共同党首で民主連合運動(TEV-DEM)の渉外メンバーを務めるサーリフ・ムスリム氏は、DPA(6月8日付)に対し、アレッポ県マンビジュ市の処遇にかかる「工程表」をトルコと米国が合意したことを批判した。
ムスリム氏は「我々は事態が異なったものになることを望んでいたが、こうした結果になってしまった。我々は結局のところ、米国の決定を制御できていない。米国は自分たちの利益のために決定をするだけだ…。我々にも、自分達の利益に基づいて誰を同盟者とするかを決める権利がある。我々は誰の奴隷でもなければ、召使いでもない。米国との利害が一致すれば、米国と共に歩む。ロシアと一致すれば、ロシアと共に歩む。政権と一致すれば、政権と共に歩む」と述べた。
ムスリム氏はまた「米国は、我々の部隊が血を流して解放した地域を譲歩しようとしている…。おそらくはシリア内外の他の地域と引き替えにだ。こうしたことは、我々にしてみれば、多いな不義であるが、アフリーンで起きている」と非難した。
一方、アサド政権がロジャヴァに対して武力行使も辞さないとの姿勢を示していることに関しては「実際はそうではない。我々は常にみなに門戸を開いてきた。我々はアサドの最近の言説に変化を見出している。2ヶ月前に彼は、我々をテロリストと言っていた。だが、今は交渉すると行っている。進展があるのだ…。みなが自分達の利益を考えているように、我々も同じことを考えている」と述べた。
AFP, June 8, 2018、ANHA, June 8, 2018、AP, June 8, 2018、DPA, June 8, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 8, 2018、al-Hayat, June 9, 2018、Reuters, June 8, 2018、SANA, June 8, 2018、UPI, June 8, 2018などをもとに作成。
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