トランプ米大統領「イランは変わった。シリアから部隊撤退を開始した」(2018年6月13日)

ドナルド・トランプ米大統領は米フォックス・ニュース(6月13日付)のインタビューに応じ、米国がイラン核合意から離脱したことを受け、イランがシリア国内に展開させていた民兵の撤退を開始したと述べる一方、シリアへのミサイル攻撃が中国へのメッセージだったことを明らかにした。

トランプ大統領は「イランは変わったと思う。イランが地中海、シリア、イエメンに今も向かおうとしているとは思わない。彼らはシリアやイランから兵士を率先して撤退させている」と述べた。

トランプ大統領はまた、2017年4月のハーン・シャイフーン市(イドリブ県)での化学兵器使用疑惑への対抗措置としてシリアをミサイル攻撃したことに関して、米国が化学兵器や大量破壊兵器使用に対してどのように対応するかを中国に警告する狙いがあったことを明らかにした。

トランプ大統領は、フロリダ州での習近平国家主席との会談中に米軍がシリア領内にミサイル攻撃を行った際、習主席に対して「我々はシリアにミサイル58発を撃った、と言うと、習主席は通訳を通じて、私に聞き返した。だから、発射されたミサイルは700マイル先の標的を破壊したと答えた」と述べたことを明かした。

そのうえで「アサドは子供に対して化学兵器を使った。だからこうしなければならないのだ。バラク・オバマ前大統領がこのレッド・ラインを踏み越えていれば、中東情勢は異なっていただろう」と述べた。

Fox News, Jnue 13, 2018

AFP, June 13, 2018、ANHA, June 13, 2018、AP, June 13, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 13, 2018、Fox News, June 13, 2018、al-Hayat, June 14, 2018、Reuters, June 13, 2018、SANA, June 13, 2018、UPI, June 13, 2018などをもとに作成。

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