2011年5月14日のシリア情勢

反体制勢力の動き

クッルナー・シュラカー(5月15日付)によると、ハサカ県カーミシュリー市で、シリア・クルド民主同盟加盟政党、民主連合党などクルド民族主義政党の代表、アラブ人、アッシリア教徒代表が集まり、「シリア・クルド国民運動諸政党イニシアチブ」を発表した。

Kull-na Shuraka', May 14, 2011

Kull-na Shuraka’, May 14, 2011

同イニシアチブにおいて、参加者は、独裁、一党支配の廃止、権力独占の廃止、近代的な市民国家の建設、すべての国民の国政への参加、クルド問題の解決、国民統合の強化、そして危機解決のための包括的国民対話の実現を訴えた。

シリア政府の動き

SANA(5月14日付)などによると、アサド大統領は、ドライド・ラッハーム、ムナー・ワースィフ、バッサーム・クーサー、ワファー・ムーサッリー、アスアド・フィッダ、スーザーン・ナジュムッディーンら32人の芸術家(芸能人)と会談した。

大統領府声明によると、約4時間にわたって行われた会談では、「シリアが直面する現状、現状を克服するためにとられた施策、芸術および芸術家が、社会の現状を進展させ、社会の要求を反映し、国民の結束を深め、シリアの治安と安全に対するさまざまな計略を国民に認知させるために担うべき役割」などがとりあげられたという。

芸術家たちは「アサド大統領の指導による改革路線への支持、シリアの将来、治安、繁栄のためにすべての能力を意識する心構え」を表明した。

これに対してアサド大統領は「社会改革における芸術家の役割、作品に現実を忠実に繁栄させ、問題解決に役立てることの必要、シリアの現実に関するすべての意見を「祖国の屋根」とその未来のもとで尊重すること」を確認した。

国内の暴力

ヒムス県では、AFP(5月14日付)などによると、対レバノン国境に面するタッルカラフ市でのデモを排除するため、軍…治安部隊が市民に発砲、4人が死亡した。

また軍・治安部隊の介入を逃れるため、数百人がレバノンの北部県アッカール郡ワーディー・ハーリド地方に避難した。

避難民のほとんどが、女性と子供で、負傷者もおり、銃撃で重傷を負った避難民の一人が病院(クバイヤート病院)に搬送後に死亡したという。

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クッルナー・シュラカー(5月14日付)は、ダイル・ザウル県でシリア・ニュース記者のニダール・マアルーフ氏が逮捕された、と報じた。

諸外国の動き

アナトリア通信(5月15日付)によると、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は記者団に「宗派主義的緊張」やシリア分裂が生じる可能性に恐怖を感じていると述べた。

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イランのアリー・アクバル・サーレヒー外務大臣は、ジャズィーラの女性記者ドゥールースィー・バールファーズ氏を5月1日付でイランに強制退去させたとの在米シリア大使館発表に関して、同記者に関する「情報を持っていない」と述べた。

AFP(5月14日付)が伝えた。

AFP, May 14, 2011、Akhbar al-Sharq, May 14, 2011、al-Hayat, May 15, 2011 , May 16, 2011、Kull-na Shuraka’, May 14, 2011、May 15, 2011、Naharnet, May 14, 2011、Reuters, May 14, 2011、SANA, May 14, 2011などをもとに作成。

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