米国のワシントンDCを訪問中のトルコのフルシ・アカル国防大臣は記者団に対して、シリアの主権を尊重するが、テロ撲滅という目的を放棄しないと述べた。
アカル国防大臣は「テロリストを武装解除し、トルコ国境から30~40キロ遠ざけることが我々の基本的な目的だ…。トルコはシリア領の統一を尊重し、シリアの領土を少しも奪おうとはしていない。だが、我が国の国境、我が国の市民をテロリストから守りたい」と述べた。
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これに対し、ジェームズ・ジェフリー米国務省シリア問題担当特使は、トルコの安全保障上の脅威を排除するため、民主統一党(PYD)を排除した安全地帯の設置宣言をトルコと共に行うと述べた。
ジェフリー特使はまた、「イラン人はシリアから立ち去り、家に帰らねばならない」、「米国はPYDに対するトルコの懸念を理解している」、「シリア政府は化学兵器、核兵器を放棄し、テロの温床となってはならない」などと述べた。
そのうえで「トルコはアスタナ会議保障国であり、シリアの住民の約半数を占めるシリア反体制派の代弁者だ。こうしたトルコのありようは、シリアにおける政治プロセスに向けた米国の諸目的との関連で重要だ」と締めくくった。
アナトリア通信(4月16日付)などが伝えた。
AFP, April 16, 2019、Anadolu Ajansı, April 15, 2019、ANHA, April 16, 2019、AP, April 16, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 16, 2019、al-Hayat, April 17, 2019、Reuters, April 16, 2019、SANA, April 16, 2019、UPI, April 16, 2019などをもとに作成。
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