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反体制勢力の動き
反体制活動家はインターネットを通じて7月22日を「ハーリドの子孫たちの金曜日」と銘打ち、各地で反体制デモを行うよう呼びかけた。
「ハーリド」とはヒムス市に埋葬されているアラブの指導者ハーリド・ブン・ワリードのこと。
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またシリア革命調整連合は、「ダマスカスの木曜日」を宣言し、ダマスカス郊外県の住民との連帯を呼びかけた。
シリア政府の動き
SANA(7月21日付)によると、ダマスカス県、ラタキア市、スワイダー市、ハサカ市、アレッポ市などで、アサド大統領の包括的改革プログラム支持、外国の干渉拒否を訴える集会が開かれ、多数の市民が参加した。
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SANA(7月17日付)によると、イドリブ県ジスル・シュグール市の住民187人が避難先のトルコから自宅に帰宅した。
国内の暴力
ダマスカス郊外県では、複数の活動家・目撃者によると、現地では、治安部隊が昨日、ハラスター市内複数の地区を家宅捜索し、住民を逮捕、市街地の複数地点に展開し、逮捕作戦を実施した。
複数の活動家によると、当局は軍の兵士・士官の住居があるダーヒヤト・アサド町にも増援軍を派遣した。
シリア人権監視団によると、治安部隊はグータ地方で大規模な逮捕を行った。
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ダマスカス県では、複数の活動家・目撃者によると、アクラード地区、ルクン・ディーン区で大規模な逮捕が行われた。
ヒムス県では、複数の活動家・目撃者によると、ヒムス市各所で治安部隊が治安活動を継続し、家宅捜索、逮捕を行い、一部の地区を封鎖し、軍が検問所を設置した。
彼らによると、住民は激しい対立の痕が残る市の一部から避難し、また同市が「ほぼ閉鎖状態」にあり、周辺には戦車が展開し、市内には治安部隊が集中的に展開しているため、同市に入ることができないという。
また市内には多数の「シャッビーハ」がいるという。
これに関して、シリア人権連盟は「治安部隊が包囲しているハーリディーヤ地区、バーブ・アムル地区、ナズハ地区で激しい銃撃があり、治安部隊の銃弾で民間人2人が殺害された」と発表した。
住民はスィバーア地区でも銃撃や爆発の音がしたと語っており、その一人はロイター通信(7月21日付)に対して「犠牲者が出て、多数が逮捕された。我々は激しい恐怖を感じている」と述べた。
シリア人権監視団は「ヒムス市は昨日朝から、非常に激しい治安作戦に曝されている。軍の検問所がすべての通りに設置されている」と述べた。
また「人権状況は悲惨なもので、市内の多くの地区で通信は途絶えている。ほとんどの地区が軍の作戦によって困窮している。複数の戦車がヒムス城周辺を包囲し、一部の地区の入り口は封鎖されている」と続けた。
諸外国の動き
フランスは、20日のワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣の発言に対して、「任国での自由な移動は大使の活動の当然の一部である…。我が国のシリア大使は好きなように移動できる」と反論、こうした発言がアサド政権の「孤立」を反映したものだと非難した。
AFP, July 21, 2011、Akhbar al-Sharq, July 21, 2011、al-Hayat, July 22, 2011、Kull-na Shuraka’, July 21, 2011、Naharnet, July 21, 2011、Reuters,
July 21, 2011、SANA, July 21, 2011などをもとに作成。
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