2014年3月3日のシリア情勢:国内の暴力(追記)

アレッポ県では、ARA News(3月4日付)によると、シリア自由人旅団、クルド戦線旅団からなる「自由シリア軍」が、ジャラーブルス市でイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)との交戦の末、同市を制圧した。

この戦闘で、「自由シリア軍」はダーイシュの戦闘員7人を殺害したという。

ARA News, March 4, 2014などをもとに作成。

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2014年3月3日のシリア情勢:反体制勢力の動き(追記)

ARA News(3月4日付)によると、ハサカ県タッル・タムル町のアドナーン・マーリキー高校で、民主統一党人民防衛隊の「女性防衛部隊」(YPJ)の女性司令官らが集会を開き、同地の高校生らと治安対策などについて意見を交わした。

ARA News, March 4, 2014などをもとに作成。

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2014年3月3日のシリア情勢:諸外国の動き

国連のハーリド・ミスリー報道官はAFP(3月3日付)に、ダマスカスにあるアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表事務局のムフタール・ラマーニー局長が自身に対する解任要請を出していることを明らかにした。

ラマーニー局長は辞表を提出しておらず、解任要請が受理されるかどうかは不明だという。

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国連の潘基文事務総長はジュネーブでの第25回人権理事会で、「都市を完全に包囲し、餓死させ、樽爆弾を無差別に使用することは容認できないことだ」とアサド政権を非難した。

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RT(3月3日付)はロシア外務省の話として、セルゲイ・ラブロフ外務大臣がアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表と、ジュネーブ2大会のこれまでの成果について検討したと伝えた。

ロシア外務省によると、ラブロフ外務省はその際、紛争当事者の対話継続の必要を強調したという。

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RT(3月3日付)によると、ロシアのミハイル・ボグダノフ外務副大臣が、イランのホセイン・エミール・アブドゥッラフヤーン外務副大臣とモスクワで会談し、シリア情勢などについて協議した。

会談では、シリア人どうしによる紛争解決に向けた対話継続の必要が確認されたという。

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RT(3月3日付)は、IAEAの天野之弥事務局長が、シリア政府が、ダマスカス郊外県にある小型原子炉へのIAEA査察団の立ち入り調査に同意したと述べた、と伝えた。

天野事務局長は、IAEAの会合で「シリアは先月、ダマスカスの原子炉でのIAEA査察団の調査を許可する用意があると表明したが、同国の治安状況が専門家派遣を許さない」と述べたという。

AFP, March 3, 2014、AP, March 3, 2014、ARA News, March 3, 2014、Champress, March 3, 2014、al-Hayat, March 4, 2014、Iraqinews.com, March 3, 2014、Kull-na Shuraka’, March 3, 2014、Naharnet, March 3, 2014、NNA, March 3, 2014、Reuters, March 3, 2014、RT, March 3, 2014、SANA, March 3, 2014、UPI, March 3, 2014などをもとに作成。

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2014年3月3日のシリア情勢:レバノンの動き

NNA(3月3日付)によると、ベカーア県バアルベック郡タルヤー村・ブリータール村街道とブリータール村の住宅地などに迫撃砲弾8発が着弾し、4人が軽傷を負った。

この攻撃に関して、シャームの民のヌスラ戦線は「イランの党(ヒズブッラー)の虐殺への報復として党のねぐらを迫撃砲で攻撃した」とする声明を出し、犯行を認めた。

またナハールネット(3月3日付)によると、同郡アルサール村郊外のワーディーハイル地区にシリア軍戦闘機が侵犯し、同地に潜伏する反体制武装集団をミサイル18発で攻撃した。

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シリア人権監視団は、2月24日にイスラエル軍がベカーア県バアルベック郡に対して行った空爆にで、ヒズブッラー戦闘員2人が死亡したとの情報を得たと発表した。

AFP, March 3, 2014、AP, March 3, 2014、ARA News, March 3, 2014、Champress, March 3, 2014、al-Hayat, March 4, 2014、Iraqinews.com, March 3, 2014、Kull-na Shuraka’, March 3, 2014、Naharnet, March 3, 2014、NNA, March 3, 2014、Reuters, March 3, 2014、SANA, March 3, 2014、UPI, March 3, 2014などをもとに作成。

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2014年3月3日のシリア情勢:国内の暴力

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、軍がヤルムーク区およびジャウバル区各所を砲撃し、救急車両運転手1人が死亡したほか、アッバースィーイーン地区のバス発着場に迫撃砲弾が着弾した。

これに関して、シリア革命総合委員会は、軍がヤルムーク区およびジャウバル区から3月4日までに撤退しなければ、パレスチナ人の人民諸委員会とともに大規模な軍事作戦を行う、との最後通告を出し、タダームン区に軍、国防隊、人民諸委員会に大号令が出されていると主張した。

またロイター通信(3月3日付)は、ヤルムーク区で戦闘が再開し、UNRWAによる2日の人道支援物資搬入作業が中止を余儀なくされたと伝えた。

一方、SANA(3月3日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またバーブ・トゥーマー地区、ジャウラ地区、シャーグール区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民5人が負傷した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、サフル村周辺で、軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と交戦した。

またザーキヤ町に対して、軍が「樽爆弾」で空爆する一方、ジハード主義武装集団は、ムライハ市近郊の防空総局の軍拠点を砲撃した。

このほか、ダイル・ムクリン町・アフラフ村間の街道、ダーライヤー市東部で、軍とジハード主義武装集団が交戦した。

一方、SANA(3月3日付)によると、ヤブルード市北部のサフル村で、軍が多数の「テロリスト」を殲滅し、同市が完全制圧した。

またヤブルード市各所およびその周辺、ラアス・アイン市、ハーン・シャイフ・キャンプおよびその周辺、ザバダーニー市東部山岳地帯、ダーライヤー市、アーリヤ農場、ヒジャーリーヤ農場、ムライハ市、アルバイン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、ハラスター市の警察病院を反体制武装集団が砲撃し、市民4人が負傷した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タルビーサ市各所を軍が砲撃し、ダール・カビーラ村などで軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(3月3日付)によると、タルビーサ市、カルアト・ヒスン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、北部の複数カ所を軍が砲撃した。

一方、SANA(3月3日付)によると、カルマス村に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、女性1人が負傷した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ビンニシュ市、サルミーン市を軍が砲撃する一方、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺で爆弾を敷設しようとしていたジハード主義武装集団戦闘員が地雷に触れて死亡した。

一方、SANA(3月3日付)によると、ビカフルーン村、カフルラーター村、ナイラブ村、ファイルーン村、ナリラヤー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またタラール・バラーズィー県知事は、ハスヤー町一帯で投降した反体制活動家291人が、「祖国と市民に危害を与えない」ことを誓約し、釈放されたと発表した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市ザバディーヤ地区を軍が砲撃する一方、アッサーン村、ラスム・シャイフ村、ディーマーン村で、軍、国防隊がジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(3月3日付)によると、アレッポ市旧市街、ブスターン・カスル地区、バニー・ザイド地区、ハナーヌー地区、アーミリーヤ地区、サラーフッディーン地区、ジュダイダ地区、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、アレッポ中央刑務所周辺、タッル・スースィーン、サイイド・アリー地区、アルバイド村、クワイリス村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市ハーリディーヤ地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民2人が死亡した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(3月3日付)によると、ハウィージャト・マリーイーヤ村を軍が制圧し、治安を回復した。

またダイル・ザウル市ハミーディーヤ地区、ラシュディーヤ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(3月3日付)によると、シャムスィーヤ村、マフミヤト・ラルラック村、ダッラ村、マジュダル・キーヒヤー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、ARA News(3月3日付)によると、マルカダ町周辺で、シャームの民のヌスラ戦線とイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が交戦し、ダーイシュのメンバー4人が死亡した。

ヌスラ戦線は現在、ほかのジハード主義武装集団とマルカダ町を包囲しているという。

またラアス・アイン市の地元消息筋によると、民主統一党人民防衛隊がダーイシュと交戦、司令官1人を含むダーイシュ戦闘員4人を殺害した。

AFP, March 3, 2014、AP, March 3, 2014、ARA News, March 3, 2014、Champress, March 3, 2014、al-Hayat, March 4, 2014、Iraqinews.com, March 3, 2014、Kull-na Shuraka’, March 3, 2014、Naharnet, March 3, 2014、NNA, March 3, 2014、Reuters, March 3, 2014、SANA, March 3, 2014、UPI, March 3, 2014などをもとに作成。

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2014年3月3日のシリア情勢:シリア政府の動き

外務在外居住者省は声明を出し、第25回人権理事会での潘基文国連事務総長の政権批判に関して「事実に反し、シリアの人権状況をめぐる客観的な対応やジュネーブ2会議におけるシリアの使節団の活動を排除しようとするものだ」と厳しく非難した。

また「潘事務総長は、これまでの安保理決議を実行することでシリアの問題の本質に対処する意思を確認して然るべきだった」と付言、「シリア政府はあらゆる手段でテロとの戦いを続ける」と表明した。

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SANA(3月3日付)によると、ヒムス市カラム・シャーミー地区で、軍による「テロとの戦い」を支持するデモが行われ、数千人の市民が参加した。

またヒムス県ハスヤー町でも同様のデモが行われ、周辺地域の住民など合わせて数千人が参加したほか、クナイトラ県バアス市でもデモが行われた。

AFP, March 3, 2014、AP, March 3, 2014、ARA News, March 3, 2014、Champress, March 3, 2014、al-Hayat, March 4, 2014、Iraqinews.com, March 3, 2014、Kull-na Shuraka’, March 3, 2014、Naharnet, March 3, 2014、NNA, March 3, 2014、Reuters, March 3, 2014、SANA, March 3, 2014、UPI, March 3, 2014などをもとに作成。

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2014年3月3日のシリア情勢:反体制勢力の動き

ダマスカス郊外革命指導評議会は声明を出し、3月2日に軍がアドラー市に対する攻撃で、サリンガスを使用したと主張した。

この攻撃で、「自由シリア軍」兵士4人が即死し、30人が中毒症状を訴えたという。

Kull-na Shuraka', March 3, 2014
Kull-na Shuraka’, March 3, 2014

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シリア革命調整連合のユースフ・ブスターニー報道官は、3月2日のアドラー市旧市街でのイスラーム軍との戦闘で軍がサリンガスを使用し、4人が死亡し、約30人が中毒症状になったと断じた。

クッルナー・シュラカー(3月3日付)が伝えた。

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イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)はSNSを通じて声明を出し、ハサカ県カーミシュリー市から「シオクルディスタン的」クルディスタン労働党に代表されるユダヤの末裔、十字軍末裔の武装集団、キリスト教背教者」を放逐するよう呼びかけた。

声明ではまた「シリアのヌサイリー体制、無神論の国防隊に代表されるシャッビーハ」の殲滅も呼びかけている。

「シオクルディスタン的」(صيهوكرديتاني)は「シオニズム」と「クルディスタン」から作られた造語で、「ユダヤの末裔」の末裔はクルド人を指す。

AFP, March 3, 2014、AP, March 3, 2014、ARA News, March 3, 2014、Champress, March 3, 2014、al-Hayat, March 4, 2014、Iraqinews.com, March 3, 2014、Kull-na Shuraka’, March 3, 2014、Naharnet, March 3, 2014、NNA, March 3, 2014、Reuters, March 3, 2014、SANA, March 3, 2014、UPI, March 3, 2014などをもとに作成。

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