2014年3月25日のシリア情勢:諸外国の動き(追記)

ホラサン・アル=カーイダ機構の幹部の一人アブー・フダー・スーダーニー氏はユーチューブ(3月25日付)を通じて音声声明(https://www.youtube.com/watch?v=9M85kgVCXvk)を出し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)指導者のアブー・バクル・バグダーディー氏に「預言者の導きに従いカリフ制を復興」するよう呼びかけるとともに、シャームの民のヌスラ戦線を「背教者」と評し、暗に批判した。

Youtube, March 25, 2014などをもとに作成。

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2014年3月25日のシリア情勢:反体制勢力の動き(追記)

民主的変革諸勢力国民調整委員会は声明を出し、ラタキア県カサブ町一帯へのシャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団の侵攻に関して「シリア内政へのトルコのあからさまな介入」と非難した。

委員会は声明で、ヌスラ戦線などが、民間人を攻撃するためトルコ領から潜入し、「国際法と国連憲章に明らかに違反したトルコ軍の攻撃を隠蔽している」としたうえで、トルコの内政干渉が「事態をさらに複雑化し、シリアにさらなる流血と破壊をもたらす」と非難した。

そのうえで、トルコ軍によるシリア軍戦闘機撃墜についての調査を呼びかける一方、トルコを初めとする諸外国に対して、紛争の一当事者への軍事支援ではなく、人道支援を行うよう求めた。

またすべての外国人戦闘員に対して、シリアからの退去を求めた。

Kull-na Shuraka’, March 25, 2014などをもとに作成。

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2014年3月25日のシリア情勢:諸外国の動き

トルコ軍は声明を出し、シリア軍戦闘機を撃墜した23日に、トルコ空軍のF-16戦闘機5機が、ハタイ県上空での偵察活動中に、シリアの対空ミサイル・システムによる追跡を12回にわたって受けていたと発表した。

同声明によると、トルコ軍戦闘機の追跡は1時間53分にわたって続けられ、シリア軍はSAM2、SAM5、SAM17を使用したという。

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SANA, March 25, 2014
SANA, March 25, 2014

SANA(3月25日付)は、「アレキサンドレッタ地方」(トルコのハタイ県)ハラビーヤート地方で、レジェップ・タイイップ・エルドアン政権によるシリアでの武装テロ集団支援に抗議するデモが行われ、多数の住民が参加したと報じ、その写真を掲載した。

AFP, March 25, 2014、AP, March 25, 2014、ARA News, March 25, 2014、Champress, March 25, 2014、al-Hayat, March 26, 2014、Iraqinews.com, March 25, 2014、Kull-na Shuraka’, March 25, 2014、Naharnet, March 25, 2014、NNA, March 25, 2014、Reuters, March 25, 2014、SANA, March 25, 2014、UPI, March 25, 2014などをもとに作成。

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2014年3月25日のシリア情勢:イラクの動き

イラキー・ニュース(3月25日付)によると、アンバール県ラマーディー市で、軍がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員3人を殺害した。

AFP, March 25, 2014、AP, March 25, 2014、ARA News, March 25, 2014、Champress, March 25, 2014、al-Hayat, March 26, 2014、Iraqinews.com, March 25, 2014、Kull-na Shuraka’, March 25, 2014、Naharnet, March 25, 2014、NNA, March 25, 2014、Reuters, March 25, 2014、SANA, March 25, 2014、UPI, March 25, 2014などをもとに作成。

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2014年3月25日のシリア情勢:レバノンの動き

NNA(3月25日付)によると、ベカーア県バアルベック郡アルサール村のアイン・シャアブ検問所で、軍がシリア人「最重要容疑者」のムハンマド・ハカミー氏と、レバノン人(M.H.)を逮捕した。

AFP, March 25, 2014、AP, March 25, 2014、ARA News, March 25, 2014、Champress, March 25, 2014、al-Hayat, March 26, 2014、Iraqinews.com, March 25, 2014、Kull-na Shuraka’, March 25, 2014、Naharnet, March 25, 2014、NNA, March 25, 2014、Reuters, March 25, 2014、SANA, March 25, 2014、UPI, March 25, 2014などをもとに作成。

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2014年3月25日のシリア情勢:国内の暴力

ラタキア県では、シリア人権監視団が、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団がカサブ町郊外のサムラー村を制圧したと発表した。

Kull-na Shuraka', March 25, 2014
Kull-na Shuraka’, March 25, 2014

しかし、AFP(3月25日付)によると、シリア治安当局はこれを否定している。

また複数の活動家によると、トルクメン山(ラビーア町一帯)にある第45電波棟監視ポストにジハード主義武装集団が自爆攻撃を行い、軍兵士14人(シリア人兼監視団発表)を殺害、同ポストを制圧したという。

しかし、SANA(3月25日付)は、第45電波塔監視ポストを襲撃した「武装テロ集団」を軍が撃退したと報じた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ハーン・シャイフーン市を軍が砲撃し、女性1人を含む4人が死亡した。

またサラーキブ市では、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の司令官が武装集団に暗殺されたという。

このほか、イドリブ市東部、サルキーン村、カフルタハーリーム町、カフルフーム村周辺、フーア市周辺で、軍が反体制武装集団と交戦し、地対地ミサイルによる攻撃が行われた。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ムーリク市南部で、軍、国防隊が、シャームの民のヌスラ戦線などからなる武装集団と交戦した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市シャイフ・サイード地区、ライラムーン地区、アズィーザ村、などで、軍、国防隊、クドス旅団(パレスチナ人義勇兵)が、シャームの民のヌスラ戦線、ムジャーヒディーン軍などと交戦し、反体制武装集団戦闘員5人が死亡する一方、アレッポ市ハムダーニーヤ地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾した。

またカフルナーハー村を軍が「樽爆弾」などで空爆した。

一方、SANA(3月25日付)によると、アズィーザ村、アレッポ中央刑務所周辺、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、ムスリミーヤ村、ハンダラート・キャンプ、カフルハムラ村、ダーラト・イッザ市、アブティーン村、ワディーヒー村、ブライジュ村、カフルナーハー村、アッザーン村、アナダーン市、アレッポ市カースティールー地区、ラスム・アッブード村、クワイリス村、ダイル・ハーフィル市、アターリブ市、フライターン市、アレッポ市マサーキン・ハナーヌー地区、ハイダリーヤ地区、サーフール地区、マンスーラ地区、ブスターン・カスル地区、マシュハド地区、サーリヒーヤ地区、ジャンドゥール地区、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区、カダム区、タダームン区を軍が砲撃、ヤルムーク区で軍とジハード主義武装集団が交戦した。

一方、SANA(3月25日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またザーヒラ地区にあるムウタスィム学校に反体制武装集団が撃った迫撃砲が着弾し、子供5人、女性6人が死亡、11人が負傷した。

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ダマスカス郊外県では、アジュナード・シャーム・イスラーム連合が声明を出し、ムライハ市郊外の軍拠点複数カ所を制圧したと発表した。

一方、SANA(3月25日付)によると、アドラー市旧市街、同ウンマーリーヤ地区、アーリヤ農場、フーシュ・アラブ村、ランクース市、ルハイバ市郊外、ムカイラビーヤ市、ハーン・シャイフ・キャンプで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

また兵役を拒否し潜伏していたヤブルード市、マアルーラー市、ルハイバ市、ジャブアディーン町、ジャッバ市の男性34人が、当局に出頭した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ジャースィム市で爆弾が仕掛けられた車が爆発し、市民20人(ARA News(3月25日付)発表)が負傷、またムハッジャ村で軍の拷問により男性1人が死亡した。

一方、SANA(3月25日付)によると、ヒルバト・ガザーラ町郊外、ナスィーブ国境通行所・ズィービーン交差点間、東ガーリヤ町、ダルアー市内(ハムザ・モスク周辺、郵便局周辺など)、アトマーン村、ヌアイマ村、ダルアー中央刑務所東部、小ダワーヤ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(3月25日付)によると、マルイヤーン村、マアッラトミスリーン市、タフタナーズ市、アルバイーン山周辺、ラーミー村、バザーブー村ダイルサンバル村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(3月25日付)によると、ダイル・ザウル市ハウィーカ地区、ラシュディー地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(3月25日付)によると、ジュッブ・ジャッラーフ町、ウユーン・フサイン村、フーシュ・ハッジュー村、ダイル・フール村、ダール・カビーラ村、タッル・ウマリー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またヒムス市旧市街に籠城していた反体制武装集団戦闘員65人と、ハスヤー市一帯に潜伏していた96人が当局に投降した。

AFP, March 25, 2014、AP, March 25, 2014、ARA News, March 25, 2014、Champress, March 25, 2014、al-Hayat, March 26, 2014、Iraqinews.com, March 25, 2014、Kull-na Shuraka’, March 25, 2014、Naharnet, March 25, 2014、NNA, March 25, 2014、Reuters, March 25, 2014、SANA, March 25, 2014、UPI, March 25, 2014などをもとに作成。

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2014年3月25日のシリア情勢:シリア政府の動き

SANA(3月25日付)によると、ヒムス市のバアス大学キャンパス内で、軍による「テロとの戦い」を支持するデモが行われ、多数の学生が参加した。

AFP, March 25, 2014、AP, March 25, 2014、ARA News, March 25, 2014、Champress, March 25, 2014、al-Hayat, March 26, 2014、Iraqinews.com, March 25, 2014、Kull-na Shuraka’, March 25, 2014、Naharnet, March 25, 2014、NNA, March 25, 2014、Reuters, March 25, 2014、SANA, March 25, 2014、UPI, March 25, 2014などをもとに作成。

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2014年3月25日のシリア情勢:反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、ラタキア県カサブ町一帯に対するシャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団の攻撃に関して、アサド政権が武装勢力が占拠している同市のアルメニア教会などを標的に砲撃を行っていると非難した。

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民主統一党人民防衛隊の総司令部は声明を出し、イラク・クルディスタン地域のマスウード・バールザーニー大統領に対して、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の攻撃に対する西クルディスタン(シリア北東部)の防衛に介入、参加するよう呼びかけた。

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シリア・クルド・イェキーティー党(シリア・クルド国民評議会)のイブラーヒーム・バッルー書記長は、声明を出し、西クルディスタン人民議会に対して、統一クルド人部隊結成に関する合意を履行するよう呼びかけた。

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ARA News, March 25, 2014
ARA News, March 25, 2014

ARA News(3月25日付)によると、ハサカ県カフターニーヤ(ディルベ・スピーイェ)市で、シリア・クルド国民評議会およびクルド青年運動、民主統一党女性機構が呼びかけた二つのデモが行われた。

いずれのデモでも、参加者はアレッポ県アイン・アラブ(コバネ)市一帯に対するイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の攻撃を非難した。

AFP, March 25, 2014、AP, March 25, 2014、ARA News, March 25, 2014、Champress, March 25, 2014、al-Hayat, March 26, 2014、Iraqinews.com, March 25, 2014、Kull-na Shuraka’, March 25, 2014、Naharnet, March 25, 2014、NNA, March 25, 2014、Reuters, March 25, 2014、SANA, March 25, 2014、UPI, March 25, 2014などをもとに作成。

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2014年3月25日のシリア情勢:アラブ連盟首脳会議

アラブ連盟首脳会議がクウェートで開会した。会議は2日間の予定。

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サウジアラビアのサルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズ副首相は開会式で演説し、シリア情勢に関して、国際社会がシリアの反体制勢力を「見捨てた」と非難、「シリア情勢の行き詰まりを打開するには、現地のパワー・バランスの変化を実現することが必要だ」と述べた。

そのうえで、シリア革命反体制勢力国民連立にアラブ連盟の代表権を正式付与するよう求めた。

しかし、『ハヤート』(3月26日付)などによると、多くの連盟加盟国が、シリア国内で活動する反体制組織の民主的変革諸勢力国民調整委員会の異議申し立てなどを受けるかたちで、シリア革命反体制勢力国民連立への代表権付与に反対し、シリアの代表ポストを空席のままとするとの姿勢を示したという。

また、サルマーン副首相は「テロが我々の治安と安定に深刻な脅威を与えている」としつつ「地域の治安と安定は、殺傷兵器保有によってはもたらされず、こうした兵器を入手・保持することは危機をもたらす」と述べ、「相互信頼と尊重に基づく関係」構築が必要だと強調した。

なおサルマーン副首相は開会式出席後、サウジアラビアに早々に帰国した。

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カタールのタミーム・ビン・ハマド首長は開会式の演説で、「国民統合維持に失敗している国が、自国のテロを支援しているのはそれ以外のアラブ諸国だと非難することは失礼だ」と述べ、イラク政府やサウジアラビア政府を暗に批判した。

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首脳会談にオブザーバーとして出席したシリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長は開会式で演説し、反体制勢力に武器供与を行うよう国際社会に圧力をかけるよう主張するととともに、国内外での人道支援、ヨルダン、レバノン、イラク、エジプト、トルコのシリア人避難民救済を求めた。

また「シリア政府は正統性を失った」と主張し、アラブ諸国に対して、各国の首都にあるシリア大使館を連立に引き渡すよう要求した。

しかし、ジャルバー議長の演説中、レバノンの代表団に参加していたアリー・ハサン・ハリール財務大臣が、連立の参加に抗議の意を示し、議場から退席した。

ハリール財務大臣は、アマル運動の幹部で、ナビーフ・ビッリー国民議会議長の腹心の一人。

ハリール財務大臣はその後、ツイッターを通じて「私の信念に従い、ジャルバー演説中退席した」と発表した。

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ミシェル・スライマーン大統領は開会式で演説し、シリア人避難民の流入による負担をアラブ諸国で分担するよう呼びかけた。

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は、潘基文国連事務総長の代理としてアラブ連盟首脳会議に出席し、開会式で演説、シリア情勢に関して「この紛争に軍事的解決がないということを確認させて欲しい。改めて、すべての当事者に武器供与を停止するよう求める」と述べた。

またブラーヒーミー共同特別代表は「地域全体がこの紛争に脅かされている。とくにレバノンはこうした脅威に曝されている」と付言した。

AFP, March 25, 2014、AP, March 25, 2014、ARA News, March 25, 2014、Champress, March 25, 2014、al-Hayat, March 26, 2014、Iraqinews.com, March 25, 2014、Kull-na Shuraka’, March 25, 2014、Naharnet, March 25, 2014、NNA, March 25, 2014、Reuters, March 25, 2014、SANA, March 25, 2014、UPI, March 25, 2014などをもとに作成。

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