2014年3月29日のシリア情勢:国内の暴力(追記)

クッルナー・シュラカー(3月30日付)によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)はツイッターを通じて声明を出し、ハサカ県マルカダ町でのシャームの民のヌスラ戦線などとの戦闘の末、同村を制圧したと発表した。

しかしこの戦闘で、ダーイシュ司令官のアブドゥルファールーク・トゥルキー氏らが戦死したという。

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『ハヤート』(3月31日付)によると、ダマスカス郊外県ドゥーマー市など東グータ地方に国連の人道支援物資が搬入された。

物資は「自由シリア軍」の護衛のもとシリア赤新月社が16台の貨物車両で搬入したという。

al-Hayat, March 31, 2014、Kull-na Shuraka’, March 30, 2014などをもとに作成。

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2014年3月29日のシリア情勢:反体制勢力の動き(追記)

ARA News(3月30日付)によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)は2013年9月にラッカ県タッル・アブヤド市の国境通行所近くで拉致したスペイン人記者2人を解放した。

ARA News, March 29, 2014などをもとに作成。

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2014年3月29日のシリア情勢:諸外国の動き

イスラエル軍は声明を出し、28日深夜から29日未明にかけて、シリア領内から占領下ゴラン高原に侵入しようとした2人にイスラエル軍兵士が発砲、死亡した「と思われる」と発表した。

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バラク・オバマ米大統領は2日間にわたるサウジアラビア訪問を終え、リヤドを去った。

リヤド滞在中にアブドゥッラー国王らサウジ首脳と会談したオバマ大統領は、シリア情勢、イラン核開発問題などに関して協議した。

UPI(3月30日付)は、米高官の話として、会談ではシリア情勢などをめぐる両者の意見の相違が率直に議論され、サウジ側がシリアの反体制武装集団を支援するため、米国に防空システムの供与を求めたのに対し、米国側は慎重な姿勢を示したという。

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国連安保理で、決議第2139号の実施状況に関する非公式会合が行われた。

『ハヤート』(3月30日付)などによると、米英仏は、アサド政権が人道支援物資の搬入・配給を妨害していると非難する一方、バッシャール・ジャアファリー国連代表大使は、潘基文事務総長が提出した実施状況に関する報告書が「信頼できる情報を欠いている」と一蹴した。

AFP, March 29, 2014、AP, March 29, 2014、ARA News, March 29, 2014、Champress, March 29, 2014、al-Hayat, March 30, 2014、Iraqinews.com, March 29, 2014、Kull-na Shuraka’, March 29, 2014、Naharnet, March 29, 2014、NNA, March 29, 2014、Reuters, March 29, 2014、SANA, March 29, 2014、UPI, March 29, 2014などをもとに作成。

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2014年3月29日のシリア情勢:レバノンの動き

ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長はテレビ演説を行い、レバノン大統領選挙、国民対話会合、シリア情勢、対イスラエル抵抗運動などについて語った。

シリア情勢に関して、ナスルッラー書記長は「シリアでの戦闘が、レバノンに対するイスラエルの戦争の門戸を開くという者がいるが、我々は彼らに間違っていると言いたい…。イスラエルはレジスタンスが単に強力なのではなく、これまで以上に強力…だということを知っている。これまで以上に勝つ準備ができている」と述べた。

ナスルッラー書記長はまた「我々はシリアの主権を侵害していない。我々はシリアの内閣の合意を受けて(シリアに)赴いたのだ」と述べる一方、「しかし、まったく無名の廟を守るために、シリアに介入し、主権を侵害しようとする国がいる」と付言し、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン政権を暗に批判した。

Naharnet, March 29, 2014
Naharnet, March 29, 2014

ナスルッラー書記長はそのうえで「当初から、我々は対話、改革を支持し、戦略的な選択を行うことに反対していると言ってきた。なぜアラブ諸国は、政治的解決が必要だと確信するまで、殺戮や苦悩を3年も放置してきたのか? 彼らは対話に参加することを拒否し、政権を転覆しようとしてきた」と非難するとともに、「我々は当初から、シリアで起きていることがこの地域をタクフィール主義の脅威に陥れると言ってきた。これに対して、あなた方はそれが人道であり革命だと言ってきた…。レバノンには未だにシリアで起きていることが自国にとって脅威になることを理解していない者がいる…。シリアで起きていることを再評価するよう呼びかけたい。レバノンにおける問題とは、ヒズブッラーがシリアでの戦争に参加することが遅れたことであり、あなた方にとっての問題とは、自分の国にとどまり戦闘に赴かなかったことなのだ」と強調した。

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NNA(3月29日付)によると、ベカーア県バアルベック郡アルサール村の軍検問所で、爆弾が仕掛けられた車が自爆し、レバノン軍兵士3人が死亡、4人が負傷した。

この自爆テロに関して、バアルベック・スンナ派自由人旅団がツイッターを通じて声明を出し、「サーミー・アトラシュ氏の血に対する復讐」だと発表し、犯行を認めた。

アトラシュ氏は3月27日にアルサール村で軍が殺害した反体制武装集団メンバー。

また同村の軍検問所では、軍の制止を無視して通過しようとした車に、兵士が発砲し、女性1人、子供1人が死亡、男性1人が負傷した。

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NNA(3月29日付)によると、ベカーア県で治安当局は、ラーシャイヤー郡からシリア領内に武器を密輸しようとしていたグループのメンバー3人を逮捕した。

AFP, March 29, 2014、AP, March 29, 2014、ARA News, March 29, 2014、Champress, March 29, 2014、al-Hayat, March 30, 2014、Iraqinews.com, March 29, 2014、Kull-na Shuraka’, March 29, 2014、Naharnet, March 29, 2014、NNA, March 29, 2014、Reuters, March 29, 2014、SANA, March 29, 2014、UPI, March 29, 2014などをもとに作成。

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2014年3月29日のシリア情勢:国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、軍がフリータ市、ラアス・マアッラ町を空爆する一方、国防隊、ヒズブッラー戦闘員とともにシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と両市周辺で交戦した。

またダーライヤー市、ジャイルード市、バフア村およびその周辺、バイト・ナーイム村などを軍が空爆・砲撃した。

SANA(3月29日付)によると、軍は、ヤブルード市郊外のラアス・マアッラ町、フリータ市を制圧、同地の治安と安定を回復した。

またバスィーマ町、シャイフーニーヤ村、ドゥーマー市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

これに関して、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表は、AFP(3月30日付)に「たとえフリータとラアス・マアッラを制圧したとしても」、軍がカラムーン地方の数十キロにおよぶ対レバノン国境を完全に掌握することは不可能だと指摘した。

NNA(3月29日付)によると、これを受け、レバノン領内(ベカーア県バアルベック軍アルサール村一帯)にシリア人避難民約700人が流入した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、タファス市を軍が「樽爆弾」で空爆し、女性4人を含む7人が死亡した。

一方、SANA(3月29日付)によると、ダルアー市マンシヤ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、カサブ町郊外のガマーム村、第45監視塔周辺を軍が砲撃する一方、カサブ町周辺で、国防隊とともに、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

この戦闘で、士官1人を含むシリア軍兵士4と、ジハード主義武装集団の戦闘員2人が死亡したという。

一方、SANA(3月29日付)によると、カビール山などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ハーン・シャイフーン市東部の武器庫前の検問所で、軍と反体制武装集団が交戦、軍の兵士複数が死傷した。

一方、SANA(3月29日付)によると、ビンニシュ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市マサーキン・ハナーヌー地区、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、カースティールー地区、アンジャーラ村を軍が砲撃・空爆した。

またクッルナー・シュラカー(3月29日付)によると、アレッポ市ライラムーン地区で、共和国護衛隊第419大隊のクサイ・ムハンマド司令官(准将)が反体制武装集団との戦闘で戦死した。

一方、SANA(3月29日付)によると、アレッポ市ハミーディーヤ地区、サッド・アリー地区、バニー・ザイド地区、ハナーヌー地区、ライラムーン地区、アレッポ中央刑務所周辺、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、ラスム・アッブード村、フライターン市、カフルハムラ村、アターリブ市、マンスーラ村、マアーッラト・アルティーク村、カフルダーイル村、バッラース村、アナダーン市、シュハイヒナ村、アンジャーラ村、ハンダラート・キャンプ、バービース村、ワディーヒー村、マンスーラ村、カフルナーハー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(3月29日付)によると、ダール・カビーラ村、ラスタン市、タルビーサ市、サウラ村、ハウラ地方、バイト・カサワート村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(3月29日付)によると、ハッジャ村郊外、カフルシャムス町・アウサジュ村街道、ダワーヤ・スグラー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, March 29, 2014、AP, March 29, 2014、ARA News, March 29, 2014、Champress, March 29, 2014、al-Hayat, March 30, 2014、Iraqinews.com, March 29, 2014、Kull-na Shuraka’, March 29, 2014、Naharnet, March 29, 2014、NNA, March 29, 2014、Reuters, March 29, 2014、SANA, March 29, 2014、UPI, March 29, 2014などをもとに作成。

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2014年3月29日のシリア情勢:シリア政府の動き

クッルナー・シュラカー(3月29日付)は、バアス党シリア地域指導部のアンマール・サーアーティー氏(シリア学生国民連合総裁)に近い消息筋の話として、シリア学生国民連合指導部が、進歩国民戦線加盟政党に「バアス大隊」のもとで教練に参加することを「強要」している、と報じた。

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クッルナー・シュラカー(3月29日付)はロンドン駐在のシリア人外交官の情報として、リフアト・アサド前副大統領がラタキア県カルダーハ市を防衛するために戦闘員を動員することでアサド政権と合意したと報じた。

同報道によると、リフアト・アサド前副大統領は、ラタキア県の若者約800人を戦闘員として動員できるという。

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クッルナー・シュラカー(3月29日付)は、アアザーズ市(アレッポ県)で拉致されていたレバノン人巡礼者との「捕虜交換」の一環として2013年10月にシリア当局によって釈放された女性ブロガーのタッル・マルーヒーさんが、アドラー刑務所に再び収監されたとの情報を得たと報じた。

AFP, March 29, 2014、AP, March 29, 2014、ARA News, March 29, 2014、Champress, March 29, 2014、al-Hayat, March 30, 2014、Iraqinews.com, March 29, 2014、Kull-na Shuraka’, March 29, 2014、Naharnet, March 29, 2014、NNA, March 29, 2014、Reuters, March 29, 2014、SANA, March 29, 2014、UPI, March 29, 2014などをもとに作成。

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2014年3月29日のシリア情勢:反体制勢力の動き

シリア人権監視団によると、ラッカ県で活動するイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)は、他の武装集団やアラブ系部族民兵約1,500人からなる「アンサール軍」を創設した。

アンサール軍は、ラッカ県、タッル・アブヤド市、ジャラーブルス市(アレッポ県)、マンビジュ市(アレッポ県)などで、民主統一党人民防衛隊、イスラーム戦線との戦闘に投入されるという。

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ARA News(3月29日付)によると、民主統一党人民防衛隊総司令部は声明を出し、ハサカ県ジャズア村一帯でのイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)との戦闘で、26日にダーイシュ戦闘員56人を殺害したと発表した。

この戦闘での人民防衛隊戦闘員4人も戦死したという。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・トゥウマ暫定内閣は声明を出し、トルコでの統一地方選挙(29、30日)に関して、「トルコ国内に居住するシリア人避難民および在留者に…トルコの各政党の事務所、投票所に近づかず、いかなる政党活動、デモにも参加しないよう」呼びかけた。

AFP, March 29, 2014、AP, March 29, 2014、ARA News, March 29, 2014、Champress, March 29, 2014、al-Hayat, March 30, 2014、Iraqinews.com, March 29, 2014、Kull-na Shuraka’, March 29, 2014、Naharnet, March 29, 2014、NNA, March 29, 2014、Reuters, March 29, 2014、SANA, March 29, 2014、UPI, March 29, 2014などをもとに作成。

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