2014年3月20日のシリア情勢:反体制勢力の動き(追記)

シャームの民のヌスラ戦線、シャーム・イスラーム運動、シャーム・アンサール大隊(イスラーム戦線)はユーチューブを通じて共同声明(http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=C-ngB4fOZOw)を出し、「アンファールの戦い」の開始を宣言、「シリア海岸(ラタキア県)において、我々は剣を抜いた。シリアの土地で我らが住民がお前らの不正から身を守り、すべての都市の包囲を解除し、お前らの刑務所から逮捕者を解放するまで、再び剣を鞘に戻すことはないだろう」と発表した。

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ハラブ・ニュース(3月21日付)は、20日に反体制活動家からなる「欧州電子軍」を名乗るグループが、シリア電子軍によるシリア革命反体制勢力国民連立のウェブサイトへのサイバー攻撃に対抗して、シリア国内のインターネット・システムにサイバー攻撃を仕掛け、数時間にわたってインターネットが不通になったと報じた。

これに関して、クッルナー・シュラカー(3月20日付)は、シリア全土でインターネットが不通になったと報じる一方、SANA(3月20日付)は、地中海とラタキア県を結ぶ老朽化したインターネット回線の修復が行われたと報じた。

Halabnews.com, March 21, 2014、Kull-na Shuraka’, March 20, 2014、March 21, 2014、SANA, March 20, 2014などをもとに作成。

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2014年3月20日のシリア情勢:諸外国の動き

化学兵器禁止機関・国連合同派遣団特別調整官のスィグリッド・カーグ国連事務次長補は声明を出し、シリアが保有する化学兵器・物質の53.6%が、国内で破壊されるか、国外に搬出されることで廃棄されたと発表、廃棄プロセスが「大きな進展」を遂げていると述べた。

同声明によると、廃棄プロセスに遅れが見られるもの、シリアが保有する化学物質の45.6%がすでにラタキア港を経由して国外に搬出されたという。

危険度の高い化学物質は29.5%が、危険度の低い物質は82.6%が国外に搬出されたという。

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『ハヤート』(3月21日付)は、米上院議員9人がバラク・オバマ米大統領に連名で書簡を提出、アサド政権退陣とジュネーブ合意履行のために「現地のパワー・バランスを変えるための政策」の実施を求めたと報じた。

議員9人は、「自由シリア軍」を名乗る武装集団および自由シリア軍参謀委員会(最高軍事評議会)に、「アサドだけでなく、アル=カーイダが支援する過激な集団と戦う」よう支援すべきだと主張しているという。

書簡を提出したのは、ロバート・メネンデス上院外交委員会委員長、カール・レヴィン上院軍事委員会委員長(以上民主党)、ジョン・マケイン議員、リンゼー・グラハム議員(以上共和党)ら。

AFP, March 20, 2014、AP, March 20, 2014、ARA News, March 20, 2014、Champress, March 20, 2014、al-Hayat, March 21, 2014、Iraqinews.com, March 20, 2014、Kull-na Shuraka’, March 20, 2014、Naharnet, March 20, 2014、NNA, March 20, 2014、Reuters, March 20, 2014、SANA, March 20, 2014、UPI, March 20, 2014などをもとに作成。

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2014年3月20日のシリア情勢:イラクの動き

イラキー・ニュース(3月20日付)によると、バービル県ファーリスィーヤ地方、ラアス・アブド地区で軍がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と交戦し、ダーイシュ戦闘員6人を殺害、15人を逮捕した。

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合同作戦司令部は声明を出し、アンバール県スブハヤート地方で軍がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員約10人を殺害したと発表した。

AFP, March 20, 2014、AP, March 20, 2014、ARA News, March 20, 2014、Champress, March 20, 2014、al-Hayat, March 21, 2014、Iraqinews.com, March 20, 2014、Kull-na Shuraka’, March 20, 2014、Naharnet, March 20, 2014、NNA, March 20, 2014、Reuters, March 20, 2014、SANA, March 20, 2014、UPI, March 20, 2014などをもとに作成。

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2014年3月20日のシリア情勢:レバノンの動き

NNA(3月20日付)によると、北部県アッカール郡ワーディー・ハーリド地方付近でシリア軍と反体制武装集団が激しく交戦、シリア領内からの砲撃、銃撃で民家などが被害を受ける一方、反体制武装集団戦闘員35人が負傷し、レバノン領内に搬送された。

シリア・レバノン国境地帯での戦闘激化は、ヒムス県でのカルアト・ヒスン市への軍の攻勢を受けた動きだという。

また、レバノン治安筋によると、カルアト・ヒスン市一帯での戦闘激化を受け、北部県アッカール郡に3日前から避難民の流入が増加しているという。

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NNA(3月20日付)によると、シリア軍ヘリコプターがベカーア県バアルベック郡アルサール村郊外を2回にわたって空爆した。

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ジャディード・チャンネル(3月20日付)は、レバノン山地県シューフ郡のナーイマ市で大量の武器弾薬が押収されたと報じた。

AFP, March 20, 2014、AP, March 20, 2014、ARA News, March 20, 2014、Champress, March 20, 2014、al-Hayat, March 21, 2014、Iraqinews.com, March 20, 2014、al-Jadid TV, March 20, 2014、Kull-na Shuraka’, March 20, 2014、Naharnet, March 20, 2014、NNA, March 20, 2014、Reuters, March 20, 2014、SANA, March 20, 2014、UPI, March 20, 2014などをもとに作成。

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2014年3月20日のシリア情勢:国内の暴力

ヒムス県では、『ハヤート』(3月21日付)によると、軍がカルアト・ヒスン市に突入し、総攻撃を開始した。

カルアト・ヒスン市は、ヒムス県に残された反体制武装集団最後の一大拠点で、同県各地とレバノン(ベカーア県)を結ぶ要衝の一つ。

SANA(3月20日付)などシリアの主要メディアは、同村にある古城カルアト・ヒスン(クラーク・ド・シュバリエ)を制圧し、シリア国旗を掲揚したと報じた。

SANA, March 21, 2014
SANA, March 21, 2014

シリア軍の大佐はマヤーディーン(3月20日付)に対して、クラーク・ド・シュバリエ、郊外、隣接する村落を制圧したことを明らかにした。

またAFP(3月20日付)は、カルアト・ヒスン市から敗走した反体制武装集団を軍が要撃し、戦闘員11人が死亡したと報じた。

Kull-na Shuraka', March 20, 2014
Kull-na Shuraka’, March 20, 2014

一方、SANA(3月20日付)によると、軍が、国防隊の支援のもと、カルアト・ヒスン市を制圧、同地の治安と安全を回復、クラーク・ド・シュバリエにシリア国旗を掲揚した。

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ラタキア県では、『ハヤート』(3月21日付)によると、サルマー町、ドゥワイリカ村、アーラー村街道、ラタキア・アレッポ街道各所を軍が砲撃・空爆した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市アズィーズィーヤ地区に迫撃砲弾が着弾し、複数名が負傷、またブアイディーン地区、ハイダリーヤ地区、サカン・シャバービー地区、カラム・ベク地区が軍の「樽爆弾」などによる空爆を受けた。

また軍は、ジハード主義武装集団が占拠するキンディー大学病院付近、アレッポ市カースティールー地区、アレッポ中央刑務所周辺、フライターン市などを空爆、サバーヒーヤ村周辺では、軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(3月20日付)によると、アレッポ市旧市街、サーフール地区、ジャンドゥール交差点、ジュダイダ地区、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、カースティールー地区、ナイラブ地区、バニー・ザイド地区、アレッポ中央刑務所周辺、アッザーン村、カフルハムラ村、ダフラト・アブドゥラッブフ地区、ラスム・アッブード村周辺、クワイリス村、ファースィーン村、ザバディーヤ村、フマイマ村、マーリア市、タッル・リフアト市、バービース村、フライターン市、ウワイジャ地区、アルバイド村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ラターミナ町一帯を軍が空爆した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハーン・シャイフ・キャンプ周辺、ドゥーマー市などを軍が空爆・砲撃した。

ドゥーマー市への砲撃は、同市への人道支援搬入直後に行われたという。

一方、SANA(3月20日付)によると、ヤブルード市西部のマシュラファ村、ダーライヤー市、ハラスター市、ザーキヤ町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

またクドスィーヤー市に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民3人が死亡した。

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ダマスカス県では、SANA(3月20日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(3月20日付)によると、イドリブ・ラタキア街道、ラーム・ハムダーン村、マアッラトミスリーン市、カフル・ヤフムール村、マアッルバリート村、ジダール・ビカフルーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、ARA News(3月20日付)によると、マルカダ町でイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が、シャームの民のヌスラ戦線の拠点に対して爆弾を仕掛けた車で自爆攻撃を行った。

また同村の穀物サイロ近くでは、ヌスラ戦線、イスラーム戦線がダーイシュと交戦し、ヌスラ戦線はダーイシュ戦闘員40人以上を殺害したと発表したという。

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ラッカ県では、ARA News(3月20日付)が、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がタッル・アブヤド市近郊の村々に住むクルド人の強制排除を進め、タッル・ファンダル村の住民約500人がトルコ領内に追放されたと報じた。

AFP, March 20, 2014、AP, March 20, 2014、ARA News, March 20, 2014、Champress, March 20, 2014、al-Hayat, March 21, 2014、Iraqinews.com, March 20, 2014、Kull-na Shuraka’, March 20, 2014、Naharnet, March 20, 2014、NNA, March 20, 2014、Qanat al-Mayadin, March 20, 2014、Reuters, March 20, 2014、SANA, March 20, 2014、UPI, March 20, 2014などをもとに作成。

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2014年3月20日のシリア情勢:シリア政府の動き

SANA(3月20日付)は、アサド大統領とアスマー・アフラス夫人が、教師の日を記念して、「武装テロ集団の脅威にさらされながらも、教育活動を続ける」教員らと懇談したと報じ、その写真を公開した。

SANA, March 20, 2014
SANA, March 20, 2014
SANA, March 20, 2014
SANA, March 20, 2014
SANA, March 20, 2014
SANA, March 20, 2014

AFP, March 20, 2014、AP, March 20, 2014、ARA News, March 20, 2014、Champress, March 20, 2014、al-Hayat, March 21, 2014、Iraqinews.com, March 20, 2014、Kull-na Shuraka’, March 20, 2014、Naharnet, March 20, 2014、NNA, March 20, 2014、Reuters, March 20, 2014、SANA, March 20, 2014、UPI, March 20, 2014などをもとに作成。

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2014年3月20日のシリア情勢:反体制勢力の動き

シリア革命家戦線司令官の一人ジャマール・マアルーフ氏は『デイリー・テレグラフ』(3月20日付)に、サウジアラビアや米国から約400万ドルの資金を得ていることを明らかにしたうえで、同組織が略奪や密輸に関与しているとの一部報道を否定した。

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スカイ・ニュース(3月20日付)は、民主的変革諸勢力国民連立が、7月に予定されている大統領選挙に関して、紛争和解に向けた政治プロセスを妨害する動きと非難、拒否する姿勢を示したと報じた。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・トゥウマ暫定内閣は、イスタンブールで避難生活を送るシリア人児童を対象に6ヶ月で総額5万ドルの支援を行うと発表した。

イヤード・クドスィー暫定政府副首班が視察したイスタンブール市内の学校で明らかにした。

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シリア公務員国民自由連合がトルコのガズィアンテップ市で総会を開催し、執行部選挙を行った。

クッルナー・シュラカー(3月20日付)によると、選挙では、リヤード・ヒジャーブ元首相が全会一致で連合の議長に再選された。

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シリア革命反体制勢力国民連立政治委員会のファーイズ・サーラ氏は声明を出し、18日のイスラエル軍によるゴラン高原への攻撃に関して、「アサド政権は自らがイスラエルに対峙している…と示そうとしてきたが、真実がこうした幻想とは異なることを露呈した…。過去10年、イスラエルが行ってきたことに対して、何らの軍事的報復も行っていない」と批判した。

AFP, March 20, 2014、AP, March 20, 2014、ARA News, March 20, 2014、Champress, March 20, 2014、The Daily Telegraph, March 20, 2014、al-Hayat, March 21, 2014、Iraqinews.com, March 20, 2014、Kull-na Shuraka’, March 20, 2014、Naharnet, March 20, 2014、NNA, March 20, 2014、Reuters, March 20, 2014、SANA, March 20, 2014、Sky News Arabic, March 20, 2014、UPI, March 20, 2014などをもとに作成。

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