2014年3月14日のシリア情勢:諸外国の動き

国連の潘基文事務総長は、安保理会合後記者団に対して、「影響力を行使し得るロシアやイランに、より建設的な姿勢でジュネーブ2会議に出席せねばならないとシリア政府に伝えて欲しい」と述べた。

また潘事務総長は「アサド大統領が(大統領選挙に)立候補すれば、ジュネーブでの和平プロセスは困難になるだろう…。当事者が一つの部屋に集まるだけでは不十分で、より重要なのが集まって何をするかだ」と付言した。

**

トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、アレッポ県にあるスライマーン・シャー(オスマン1世の祖父)廟がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)によって攻撃・破壊されたらどう対応するかとの記者団の問いに対して「シリア政府、過激派のいずれによるいかなる攻撃に対しても、報復が伴われるだろう。トルコは自国領土を護るのに必要なすべての処置を躊躇なく講じるだろう」と答えた。

**

ロシア外務省安全保障軍縮問題局のミハイル・ウリヤノフ局長は、シリアでの化学兵器廃棄プロセスに関して「困難がなければ、化学兵器破棄は、今月中、ないしは4月13日までに完了するだろう…。シリアは今月末、化学兵器機関に化学兵器製造工場破壊に関する新計画を提出するだろう」と述べた。

ロイター通信(3月14日付)が伝えた。

AFP, March 14, 2014、AP, March 14, 2014、ARA News, March 14, 2014、Champress, March 14, 2014、al-Hayat, March 15, 2014、Iraqinews.com, March 14, 2014、Kull-na Shuraka’, March 14, 2014、Naharnet, March 14, 2014、NNA, March 14, 2014、Reuters, March 14, 2014、al-Safir, March 14, 2014、SANA, March 14, 2014、UPI, March 14, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

2014年3月14日のシリア情勢:イラクの動き

イラキー・ニュース(3月14日付)によると、アンバール県ラマーディー市内で、軍とイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が交戦した。

AFP, March 14, 2014、AP, March 14, 2014、ARA News, March 14, 2014、Champress, March 14, 2014、al-Hayat, March 15, 2014、Iraqinews.com, March 14, 2014、Kull-na Shuraka’, March 14, 2014、Naharnet, March 14, 2014、NNA, March 14, 2014、Reuters, March 14, 2014、SANA, March 14, 2014、UPI, March 14, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

2014年3月14日のシリア情勢:レバノンの動き

『サフィール』(3月14日付)は、最近シリアを訪問しアサド大統領と会談した複数のレバノン人の話として、アサド大統領が2014年末に任期終了となるミシェル・スライマーン大統領の後任のレバノン大統領に関して、「我々はレバノンの次期大統領が持つ見解、とくにどの程度「レジスタンス枢軸」を支持できるかということに関心がある。これが我々にとって基本となる基準だ」と述べたと伝えた。

**

Naharnet, March 14, 2014
Naharnet, March 14, 2014

ナハールネット(3月14日付)は、トリポリ市を拠点とするサラフィー主義指導者のシャイフ、サーリム・ラーフィイー氏が、金曜礼拝で、シリアのダマスカス郊外県カラムーン地方での戦闘に参加するよう若者らに呼びかけたと伝えた。

ラーフィイー氏は「我々の若者が、シリアに行き、戻ると逮捕されるのはなぜか? なぜこうした措置がヒズブッラーの戦闘員には適用されないのか…? 我々は声を大にして明言したい。我々はシリアにいる我らが信徒への支持を取り下げてはならない。どんな代償を払おうともだ。クサイルにいる我らが信徒が我々に懇願したとき、我々は彼らに応えた。ヤブルードの人々が我々に行動を求めれば、我々は彼らとともにジハードを行うことに躊躇してはならない」と述べた。

**

Naharnet, March 14, 2014
Naharnet, March 14, 2014

AFP(3月14日付)は、レバノン治安筋の情報として、レバノン・イスラエル間のブルーライン近く(ナバティーヤ県ハースバイヤー郡)での爆発を受け、イスラエル軍がレバノン領内にロケット弾10発で砲撃した、と伝えた。

複数のメディアによると、爆発は、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)による爆弾攻撃だと思われる。

これに関して、イスラエル軍は、爆発がイスラエル軍パトロール部隊を狙ったものだとしたうえで、「レバノン南部のヒズブッラーのインフラに向けて発砲した」ことを認めた。

**

NNA(3月14日付)によると、ベカーア県バアルベック郡アルサール地方で、シリア(ダマスカス郊外県カラムーン地方)に武器を密輸しようとしていたレバノン人1人を軍が逮捕した。

AFP, March 14, 2014、AP, March 14, 2014、ARA News, March 14, 2014、Champress, March 14, 2014、al-Hayat, March 15, 2014、Iraqinews.com, March 14, 2014、Kull-na Shuraka’, March 14, 2014、Naharnet, March 14, 2014、NNA, March 14, 2014、Reuters, March 14, 2014、SANA, March 14, 2014、UPI, March 14, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

2014年3月14日のシリア情勢:国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、カラムーン地方制圧をめざす軍は、ヤブルード市東部入り口に到達し、アカバ地区検問所を制圧した。

また同市周辺、サフル村周辺では、軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)などからなる武装集団と交戦した。

これに関して、ヌスラ戦線のアブドゥッラ・アッザーム・シャーミー報道官も、軍がアカバ地区の検問所1カ所を制圧し、ここを拠点に同地区の他の拠点への攻撃を激化させたことを受け、戦線戦闘員が撤退したことを認めた。

一方、SANA(3月14日付)によると、軍がヤブルード市東部入口と北部境界線地帯を制圧した。

また軍はイフラ村郊外、ワーディー・バラダー、ハルブーン市郊外のヒスン山、ダーライヤー市、アーリヤ農場、アドラー市ウンマーリーヤ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、軍がジャウバル区を砲撃する一方、治安部隊がシャーグール区に展開し、通行人らを尋問した。

一方、SANA(3月14日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市カルム・タッラーブ地区、シャイフ・ナッジャール市、アレッポ中央刑務所周辺で、軍とジハード主義武装集団が交戦した。

また軍は、マンスーラ村、ハーン・アサル村を砲撃した。

一方、SANA(3月14日付)によると、アレッポ市ハナーヌー地区、バニー・ザイド地区、ブスターン・カスル地区、カルム・マイサル地区、ラーシディーン地区、バーブ・ナイラブ地区、ウワイジャ地区、ハンダラート・キャンプ、ムスリミーヤ村、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、ヒーラーン村、クワイリス村、ラスム・アッブード村、アレッポ中央刑務所周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(3月14日付)によると、ハスラジーヤ村周辺の丘陵地帯、カルアト・ヒスン市に通じる街道を軍、国防隊が制圧、またカルアト・ヒスン市から闘争しようとした反体制武装集団を軍が要撃、殲滅した。

**

ラタキア県では、SANA(3月14日付)によると、サルマー町、ドゥーリーン村、ダッラ村、ドゥワイリカ村、シャムスィーヤ村、ガマーム村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

また軍、国防隊が、ハムユーシーヤ村、バールーダ村、バルータ村で特殊作戦を行い、反体制武装集団が拉致していた女性市民3人を解放した。

**

ハマー県では、SANA(3月14日付)によると、ハマー市クスール地区で、関係当局が住民の協力のもとに反体制武装集団のアジトに投入、メンバーらを逮捕した。

**

イドリブ県では、SANA(3月14日付)によると、アブー・ズフール航空基地周辺、サルミーン市一帯で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(3月14日付)によると、ハッジャ地方で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、ARA News(3月14日付)によると、ハサカ市アズィーズィーヤ地区で爆発が起きた。

またマルカダ市では、シャームの民のヌスラ戦線とイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の交戦が続いた。

一方、アサーイシュは、カーミシュリー市ヒッティーン市場でシリア・クルド民主党アル・パールティが計画していた芸術展の開催を禁じた。

**

シリア人権監視団は、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が撤退したイドリブ県とラタキア県の拠点複数カ所をシャームの民のヌスラ戦線が掌握したと発表した。

同監視団によると、この撤退は、ダーイシュが両県での戦闘員を保護できなくなったことが理由で、数週間前から撤退を開始していたダーイシュは両県から「完全」に姿を消し、ラッカ県方面へと移動したのだという。

また同監視団によると、アレッポ市内に展開していたダーイシュの戦闘員も、ジャラーブルス市などアレッポ県東部に、またダイル・ザウル県の戦闘員もラッカ県方面に撤退したという。

AFP, March 14, 2014、AP, March 14, 2014、ARA News, March 14, 2014、Champress, March 14, 2014、al-Hayat, March 15, 2014、Iraqinews.com, March 14, 2014、Kull-na Shuraka’, March 14, 2014、Naharnet, March 14, 2014、NNA, March 14, 2014、Reuters, March 14, 2014、SANA, March 14, 2014、UPI, March 14, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

2014年3月14日のシリア情勢:シリア政府の動き

『ハヤート』(3月15日付)は、ヒムス市ナザーハ地区、アフラーム通りに、2014年7月予定の大統領選挙へのアサド大統領の出馬を求める横断幕が掲げられた、と伝えた。

横断幕には、「あなたは我々の尊厳であり、栄光です。ゆえに我々はあなたに、シリア・アラブ共和国大統領職への立候補を求めます」、「バッシャール・アサド大統領閣下が次期大統領選挙で立候補する求めます。我々は血にかけて彼が大統領にとどまると誓います」などと書かれているという。

**

人民議会は本会議で選挙法改正法案における大統領資格に関わる条項を承認した(選挙法改正法案における大統領資格に関する文言についてはhttps://syriaarabspring.info/wp/?p=5216を参照のこと)。

**

ウムラーン・ズウビー情報大臣はシリア・アラブ・テレビ(3月14日付)に対して「シリアの大統領選挙をめぐるブラーヒーミー共同特別代表の(国連での)発言は、彼の任務から逸脱しており、このような発言をすることは認められない」と述べた。

ズウビー情報大臣はまた「ブラーヒーミー氏は仲介者としての役割を尊重し、精錬且つ中立的でなければならない…。自分の任務と役割を守るべきで、シリア国内の問題に介入する資格は彼にも、彼以外の(国連の)人間にもない」と付言するとともに、「ジュネーブ2会議でのシリア革命反体制勢力国民連立の言葉に沿った、アメリカの政策寄り」の発言だと非難した。

**

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣(73歳)が、ベイルート・アメリカン大学病院で、心臓のバイパス手術を受けた。

ムアッリム外務在外居住者大臣は13日に、陸路でレバノンに入国、同病院に入院した。

ナハールネット(3月14日付)によると、数時間に及ぶ手術は成功し、ムアッリム外務在外居住者大臣の容態は安定しているという。

また同報道によると、大臣は1週間、アメリカン大学病院に入院するという。

**

『スードドイチェ・ツァイトゥング』(3月14日付)は、シリア当局がアレッポ中央刑務所に収監していたアル=カーイダのハンブルグ細胞に近い人物とされるムハンマド・ハイダル・ザンマール氏を釈放したと報じた。

同報道によると、ザンマール氏は、軍士官複数名とジハード主義武装集団メンバー5人との捕虜交換の一環として釈放されたという。

AFP, March 14, 2014、AP, March 14, 2014、ARA News, March 14, 2014、Champress, March 14, 2014、al-Hayat, March 15, 2014、Iraqinews.com, March 14, 2014、Kull-na Shuraka’, March 14, 2014、Naharnet, March 14, 2014、NNA, March 14, 2014、Reuters, March 14, 2014、SANA, March 14, 2014、Suddeutsche Zeitung, March 14, 2014、UPI, March 14, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

2014年3月14日のシリア情勢:反体制勢力の動き

アレッポ革命軍事評議会前議長のアブドゥルジャッバール・アカイディー大佐は、アレッポ市からビデオ・メッセージ(http://www.youtube.com/watch?v=0iKdxvwjrA4&feature=player_embedded)を発表し、「シリアを去った革命家たちに帰国して、各戦線に参加」するよう呼びかけた。

アカイディー大佐は3ヶ月前にシリア国外に避難していたという。

**

Kull-na Shuraka', March 14, 2014
Kull-na Shuraka’, March 14, 2014

カラムーン統一軍事司令部は声明を出し、カラムーン広報センター代表を名乗るアーミル・カラムーニー氏が「革命と殉教者の血を利用し、重大な違反を犯した…。カラムーン広報センターの活動は信頼できない。彼らは実際の戦場に身を置いていない」と非難し、同センターおよびカラムーニー氏との絶縁を発表した。

声明には、カラムーン統一軍資司令部のほか、ヤブルード市調整、カーラ市調整、ルハイバ市調整、バダー市調整、カラムーン調整連合、カーラ市メディアセンター、ナバク・ジャズィーラ・チャンネル、ヤブルード・ジャズィーラ・チャンネルなどが名を連ねている。

**

シリア革命反体制勢力国民連立のハーディー・バフラ氏、アブドゥルアハド・アスティーフー氏らからなる代表団はニューヨークの国連本部を訪問し、安保理に「現状において大統領選挙を実施するいかなる試みも、ジュネーブでの対話の崩壊をもたらす」と警鐘を鳴らした。

代表団は安保理メンバーである米国、英国、サウジアラビア、フランス、ルワンダ、チャドの代表、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表と個別に歓談した。

AFP, March 14, 2014、AP, March 14, 2014、ARA News, March 14, 2014、Champress, March 14, 2014、al-Hayat, March 15, 2014、Iraqinews.com, March 14, 2014、Kull-na Shuraka’, March 14, 2014、Naharnet, March 14, 2014、NNA, March 14, 2014、Reuters, March 14, 2014、SANA, March 14, 2014、UPI, March 14, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.