2014年3月16日のシリア情勢:反体制勢力の動き(追記)

アレッポ県では、ARA News(3月17日付)によると、アイン・アラブ(コバネ)市郊外で、民主統一党人民防衛隊と「自由シリア軍」が、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と交戦した。

ARA, March 17, 2014
ARA, March 17, 2014

人民防衛隊と「自由シリア軍」が共闘するのはこれが「初めて」で、両部隊はシュユーフ地方のジャアダ村、クッバ村でダーイシュと交戦した。

人民防衛隊と共闘した「自由シリア軍」は、シリア自由人旅団、クルド戦線旅団、クッバ自由人旅団、タウヒード旅団だという。

戦闘では、ダーイシュの戦闘員多数が死傷する一方、民主統一党の戦闘員1人が死亡、「自由シリア軍」の戦闘員7人も負傷した。

ARA News, March 17, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

2014年3月16日のシリア情勢:諸外国の動き

PFLP-GCのフサーム・アラファート氏は『ハヤート』(3月17日付)に、ダマスカス県ヤルムーク区での停戦に関して、「キャンプの危機への対処にあたるPLOおよびパレスチナ14組織からなる代表団は、シリア政府のもとで、ヤルムーク・キャンプの危機解決に向けた新たな合意に至った。この合意は昨日(16日)発効し、2週間継続される」と述べた。

同合意は、パレスチナ諸派による合同部隊とシリア警察部隊のキャンプへの展開と、展開後の食糧、福祉サービスなどの支援を骨子としているという。

**

ペトラ通信(3月16日付)によると、ヨルダンのマフラク県民間防衛局のナーイフ・ワナーイサ局長が、15日晩に、ザアタリー市を移動中のシリア人避難民のテントで火災が発生し、子供2人が焼死したと発表した。

**

サウジアラビアと中国は共同声明を出し、シリア情勢の悪化に対して懸念を表明、ジュネーブ合の完全履行と、早急な政治的解決の必要を強調した。

共同声明は、サルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズ副首相兼国防大臣の北京訪問を受けたもので、シリア情勢以外にも中東危機における公正且つ包括的和平実現の重要性などが強調された。

AFP, March 16, 2014、AP, March 16, 2014、ARA News, March 16, 2014、Champress, March 16, 2014、al-Hayat, March 17, 2014、Iraqinews.com, March 16, 2014、Kull-na Shuraka’, March 16, 2014、Naharnet, March 16, 2014、NNA, March 16, 2014、Petra, March 16, 2014、Reuters, March 16, 2014、SANA, March 16, 2014、UPI, March 16, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

2014年3月16日のシリア情勢:イラクの動き

イラキー・ニュース(3月16日付)によると、バービル県ジュルフ・サフル地方のユーフラテス川沿いで、沿岸警察がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員1人の遺体を発見した。

AFP, March 16, 2014、AP, March 16, 2014、ARA News, March 16, 2014、Champress, March 16, 2014、al-Hayat, March 17, 2014、Iraqinews.com, March 16, 2014、Kull-na Shuraka’, March 16, 2014、Naharnet, March 16, 2014、NNA, March 16, 2014、Reuters, March 16, 2014、SANA, March 16, 2014、UPI, March 16, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

2014年3月16日のシリア情勢:レバノンの動き

アシュラフ・リーフィー法務大臣は声明を出し、シリア軍によるヤブルード市(ダマスカス郊外県)完全制圧に関して「幻想の勝利」と非難、戦勝を祝う一部のヒズブッラーの支持者に自重するよう求めた。

Naharnet, March 16, 2014
Naharnet, March 16, 2014

リーフィー法務大臣は「ヤブルード市での出来事など…シリアでの一連の事件、そしてアルサール村への越境避難をめぐって、レバノンを危険に曝すようなシリア情勢への介入を拒否すると繰り返し警告している」としたうえで、「国家機関(内閣)における我々の最優先課題はヒズブッラーにシリアからの撤退を要求することだ」と述べた。

**

NNA(3月16日付)によると、シリア軍の戦闘機が、ベカーア県バアルベック郡アルサール村郊外で、シリア領内から逃走する反体制武装集団を複数回にわたって空爆した。

LBCI(3月16日付)によると、シリア軍によるヤブルード市制圧を受け、約1,000人の戦闘員がアルサール地方に入り、これを受けレバノン軍がアルサール村・ラブワ村街道を閉鎖するなど、同地で厳戒態勢を敷いた。

またNNA(3月16日付)は、ベカーア県バアルベック郡ライヤーン渓谷の検問所を突破しようとした車輌にレバノン軍が発砲したと伝えるとともに、アルサール村で軍が武器弾薬を所持していたシリア人グループを摘発したと報じた。

これに関連して、複数の反体制筋は『ハヤート』(3月17日付)に対し、ヤブルード市陥落に先だって未明に、「複数の民間人がレバノン領内に避難した」と述べた。

また、ベカーア県バアルベック郡アルサール村のバクル・フジャイリー村長はAFP(3月16日付)に、対シリア国境地域に少なくとも4回にわたってシリア軍が攻撃を行ったと述べた。

しかし、アサド政権に批判的なフジャイリー村長は、シリア領(ヤブルード市)から敗走する反体制武装集団がアルサール地方に入ったとの情報を否定し、シリア政府がレバノンに爆弾を積んだ車を送り込むことで、レバノンの安定を揺るがそうとしていると断じた。

**

AFP(3月16日付)によると、ベカーア県バアルベック郡ナビー・シート村で、爆弾を仕掛けた車が自爆し、4人が死亡した。

ジャディード(3月16日付)によると、犠牲者のなかにはヒズブッラー幹部が含まれている模様。

クッルナー・シュラカー(3月17日付)によると、死亡したヒズブッラー高官はアブドゥッラフマーン・カーディー氏だという。

この自爆テロに関して、バアルベック・スンナ派自由人旅団を名乗る集団がツイッターで「ヒズブ・ラート(ヒズブッラー)が無謀な振る舞いを続け、アルサール住民に嫌がらせをするのなら、レバノン国内で大量殺戮を行うと我々は警告した」とする声明を出し、犯行を認めた。

またシャームの民のヌスラ戦線もツイッターで声明を出し、犯行を認める一方、「バアルベック・スンナ派自由人なる(ツイッターの)アカウントは、ウソと中傷に根ざした諜報アカウントに過ぎない」とバアルベック・スンナ派自由人旅団を非難した。

AFP, March 16, 2014、AP, March 16, 2014、ARA News, March 16, 2014、Champress, March 16, 2014、al-Hayat, March 17, 2014、Iraqinews.com, March 16, 2014、al-Jadid TV, March 16, 2014、Kull-na Shuraka’, March 16, 2014、March 17, 2014、LBCI, March 16, 2014、Naharnet, March 16, 2014、NNA, March 16, 2014、Reuters, March 16, 2014、SANA, March 16, 2014、UPI, March 16, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

2014年3月16日のシリア情勢:国内の暴力

ダマスカス郊外県では、AFP(3月16日付)などによると、国防隊、ヒズブッラー戦闘員の支援を受けた軍が、ヤブルード市を完全制圧した。

シリア軍武装部隊総司令部は声明を出し、「一連の特殊作戦により、本日(16日)早朝、シリア・アラブ軍は、国防隊の支援のもとに、ヤブルード市に籠城していた傭兵テロリスト多数を殲滅し…、同市およびその周辺地域の治安と安定を回復した」と発表した。

SANA, March 16, 2014
SANA, March 16, 2014
SANA, March 16, 2014
SANA, March 16, 2014
SANA, March 16, 2014
SANA, March 16, 2014

声明はまた「この新たな戦果は…対レバノン国境地域の安全を保障し、ダマスカス郊外県に残留するテロリストの拠点への兵站路を絶つ…重要な成果」だと強調した。

これに関して、シリア人権監視団は、軍とヒズブッラー戦闘員がヤブルード市の「大部分を制圧」したと認めつつ、シャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)などとの戦闘がまだ続いていると付言した。

一方、SANA(3月16日付)は、ヤルムーク市完全制圧を受け、ファフド・ジャースィム・フライジュ国防大臣(兼軍武装部隊副司令官)が総司令部の士官らとともに、ヤブルード市の前線を視察したと報じた。

**

同じくダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、首都ダマスカスとクナイトラ県を結ぶ街道(サラーム高速道路)の要衝であるサアサア町周辺の軍拠点・検問所を反体制武装集団が襲撃、バイト・ジン市・ルハイバ市交差点検問所などを制圧した。

SANA, March 16, 2014
SANA, March 16, 2014

攻撃を行ったのは、シリア革命家戦線シャームの剣旅団キリスト旅団を名乗る組織。

反体制武装集団はまた、サアサア町内の空軍情報部施設、第168連隊基地、第137連隊基地などを砲撃した。

**

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、ズバイダ村、ビイル・アジャム村を軍が砲撃した。

一方、SANA(3月16日付)によると、ダワーヤ・スグラー村、ハッジャ村、ブライカ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、シャームの民の合同司令部が声明を出し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)との交戦の末、ダイルナッタ村、フザーミーヤ村、マザール村を制圧したと発表した。

また、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)アレッポ州(ウィラーヤト・ハラブ)はツイッターを通じて、アレッポ州アミールのアミール、アブー・ウサーマ・マグリビー氏(モロッコ人)が戦死したと発表した。

これに先立ち、シャームの民のヌスラ戦線は16日、ツイッターを通じて、アレッポ市での戦闘で、ダーイシュ・アレッポ州のアミールであるアブー・ウサーマを殺害したと発表していた。

一方、『ハヤート』(3月17日付)によると、軍がハンダラート・キャンプ、アレッポ中央刑務所周辺、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区を砲撃する一方、ジハード主義武装集団はアレッポ中央刑務所周辺で軍を要撃、兵士4人を殺害した。

他方、SANA(3月16日付)によると、アレッポ市カルム・マイサル地区、アンサーリー地区、ハナーヌー地区、シャッアール地区、サカン・シャバービー地区、マアスラーニーヤ地区、アレッポ中央刑務所周辺、ラスム・アッブード村、アルバイド村、クワイリス村、ブライジュ村、ハンダラート・キャンプ、カフルサギール村、ムスリミーヤ村、ファーフィーン村、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、『ハヤート』(3月17日付)によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がイドリブ県境の山岳地帯に位置するクルド人とトルクメン人の村落から撤退し、同地にシャームの民のヌスラ戦線が展開し、ダーイシュの重火器を接収した。

**

ヒムス県では、SANA(3月16日付)によると、キースィーン港(ラスタン湖)、ダール・カビーラ村、サラーム・ガルビー村、サラーム・シャルキー村、ラスタン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また反体制武装集団メンバー15人が、関係当局に投降したという。

**

イドリブ県では、SANA(3月16日付)によると、カフルルーマー村、ビンニシュ市、アブー・ズフール町、ナリラヤー村、ラーミー村、アルバイーン山周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, March 16, 2014、AP, March 16, 2014、ARA News, March 16, 2014、Champress, March 16, 2014、al-Hayat, March 17, 2014、Iraqinews.com, March 16, 2014、Kull-na Shuraka’, March 16, 2014、Naharnet, March 16, 2014、NNA, March 16, 2014、Reuters, March 16, 2014、SANA, March 16, 2014、UPI, March 16, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

2014年3月16日のシリア情勢:シリア政府の動き

SANA(3月16日付)によると、ダイル・アティーヤ市(ダマスカス郊外県)では、軍による「テロとの戦い」を支持するデモが行われ、地元住民ら数千人が参加した。

AFP, March 16, 2014、AP, March 16, 2014、ARA News, March 16, 2014、Champress, March 16, 2014、al-Hayat, March 17, 2014、Iraqinews.com, March 16, 2014、Kull-na Shuraka’, March 16, 2014、Naharnet, March 16, 2014、NNA, March 16, 2014、Reuters, March 16, 2014、SANA, March 16, 2014、UPI, March 16, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

2014年3月16日のシリア情勢:反体制勢力の動き

ARA News(3月16日付)は、ハサカ県カーミシュリー市の複数カ所で、イラク(サッダーム・フセイン政権時代)での化学兵器によるハラブチャ住民虐殺(1988年)の追悼集会を民主統一党青年運動組織などが開催し、住民らが参加したと伝えた。

一方、アームーダー市でも、シリア・クルド国民評議会支持者らが同様の追悼集会を開催した。

**

ARA News(3月16日付)によると、アレッポ県アイン・アラブ(コバネ)市で、シリア・クルド国民評議会が「シリア革命」3周年を祝う集会を開催し、約1,500人が参加した。

民主統一党のアサーイシュ幹部によると、この集会は当局(西クルディスタン移行期民政局)の認可を得ていなかったが、アサーイシュがデモの安全を確保するために車輌2台を派遣したという。

AFP, March 16, 2014、AP, March 16, 2014、ARA News, March 16, 2014、Champress, March 16, 2014、al-Hayat, March 17, 2014、Iraqinews.com, March 16, 2014、Kull-na Shuraka’, March 16, 2014、Naharnet, March 16, 2014、NNA, March 16, 2014、Reuters, March 16, 2014、SANA, March 16, 2014、UPI, March 16, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.