2014年3月28日のシリア情勢:諸外国の動き

『ハヤート』(3月29日付)は、シリアの反体制勢力への支援策に関する米国務省の「陳述書」のアラビア語版を入手したと報じ、その概要を紹介した。

「陳述書」は2014年3月15日付で、アラビア語版は28日に回付されたという。

「陳述書」によると、米国は、シリアの危機に対してこれまで17億米ドルを供与、うち2億6,000万ドルが、自由シリア軍参謀委員会、地元評議会、市民社会団体など「穏健な反体制勢力核派」に対する「非殺傷兵器」の直接支援で、これにより「解放区」における反体制勢力の自治、法治、安定、復興が拡充しているのだという。

また「非殺傷兵器」の支援のなかには、教練と装備の供与も含まれており、これにより300以上の団体(地元評議会など)、女性、青年を含む4,000人以上の活動家が訓練を受けたという。

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『ワシントン・ポスト』(3月28日付)は、バラク・オバマ米政権が、6項目からなるシリア反体制勢力支援を検討していると報じた。

同紙によると、オバマ政権は、①毎月600人の反体制武装集団戦闘員の教練、②CIAによる教練監督と特殊部隊派遣の検討、③反体制武装集団への地対空ミサイル供与の検討、④シャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)、シャーム自由人イスラーム運動といったアル=カーイダ系組織と共闘する過激派の排除、⑤カタールを含む「シリアの友連絡グループ」による「アル=カーイダ」系組織への支援停止の保障、⑥地元評議会による自治支援、を検討しているのだという。

AFP, March 28, 2014、AP, March 28, 2014、ARA News, March 28, 2014、Champress, March 28, 2014、al-Hayat, March 29, 2014、Iraqinews.com, March 28, 2014、Kull-na Shuraka’, March 28, 2014、Naharnet, March 28, 2014、NNA, March 28, 2014、Reuters, March 28, 2014、SANA, March 28, 2014、UPI, March 28, 2014、The Washington Post, March 28, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

2014年3月28日のシリア情勢:レバノンの動き

NNA(3月28日付)によると、北部県トリポリ市クッバ地区で内務治安軍総局の隊員1人が何者かに撃たれ死亡した。

27日にも同市内でレバノン軍兵士が何者かに殺害されている。

AFP, March 28, 2014、AP, March 28, 2014、ARA News, March 28, 2014、Champress, March 28, 2014、al-Hayat, March 29, 2014、Iraqinews.com, March 28, 2014、Kull-na Shuraka’, March 28, 2014、Naharnet, March 28, 2014、NNA, March 28, 2014、Reuters, March 28, 2014、SANA, March 28, 2014、UPI, March 28, 2014などをもとに作成。

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2014年3月28日のシリア情勢:国内の暴力

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、軍がカサブ町郊外の第45監視塔周辺、ナスル山、ナブアイン村、サムラ村、ナブア・ムッル村、タシャールマー山などを砲撃、軍、国防隊、アレキサンドレッタ地方解放シリア抵抗運動が、シャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(3月28日付)によると、カサブ町郊外のスーラース村、第45監視塔周辺、サムラ村などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トゥウーム村を軍が砲撃、フーア市周辺で、国防隊、人民諸委員会とともに、ジハード主義武装集団と交戦し、戦闘員6人を殺害する一方、イスラーム戦線はカフラヤー村を砲撃した。

またクッルナー・シュラカー(3月28日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線がフーア市を襲撃し、軍、国防隊と交戦する一方、イスラーム戦線がカフリヤー村を手製の迫撃砲などで攻撃した。

一方、SANA(3月28日付)によると、タラブ村、フータ村、タッル・サラムー村、ラーミー村、カフルシャラーヤー村、ビンニシュ市、ダイル・サンバル村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、ハージブ町、サミーリーヤ村を軍が空爆・砲撃した。

またイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)は、バーブ市で自爆攻撃を行おうとした男性2人を処刑した。

一方、SANA(3月28日付)によると、アレッポ市アアザミーヤ地区、ブアイディーン地区、ブスターン・カスル地区、アーミリーヤ地区、ライラムーン地区、フライターン市・カフルハムラ村回廊、ジュダイダ村、アルバイド村、ラスム・アッブード村、アレッポ中央刑務所周辺、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、ムスリミーヤ村、マンスーラ村、ハンダラート・キャンプ、カースィティールー地方、アンジャーラ村、アターリブ市、ハーン・アサル村、バッラース村、バシュカーティーン村、カフルナーハー村、フライターン市、ダイル・ハーフィル市、カフルサギール村、バービース村、マアッラト・アルティーク村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ジャズア村周辺で、民主統一党人民防衛隊がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と交戦し、戦闘員5人を殺害した。

一方、SANA(3月28日付)によると、ハサカ市グワイラーン地区で反体制武装集団メンバー16人が関係当局に投降し、その後釈放された。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区を軍が砲撃した。

一方、SANA(3月28日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市を軍が砲撃し、ジハード主義武装集団の戦闘員6人が死亡した。

一方、SANA(3月28日付)によると、マシュラファ村北部、ラアス・マアッラ町、ザバダーニー市東部山岳地帯、アドラー市旧市街およびウンマーリーヤ地区、ドゥーマー市南東部、ハラスター市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

またヤルダー市では、反体制武装集団が仕掛けた爆弾が爆発し、ヤルダー市、バービッラー市、バイト・サフム市の国民和解委員会委員長でモスク説教師のサーリフ・ハティーブ氏が負傷した。

さらにクドスィーヤー市およびその郊外に、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾2発が着弾し、女の子1人が死亡、子供2人が負傷した。

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ダルアー県では、SANA(3月28日付)によると、ジャムラ村、リーシャ村、ズバイラ村、ワルダート村、ムハッジャ村、カラク村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(3月28日付)によると、ダール・カビーラ村、ハーリディーヤ村、ガースィビーヤ村、ラスタン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

またヒムス市カラービース地区で反体制武装集団戦闘員7人が投降した。

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クナイトラ県では、SANA(3月28日付)によると、バリーカ村・ダワーヤ・サギーラ村回廊、ハッジャ村北部、ダワーヤ・カビーラ村周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、80人以上の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(3月28日付)によると、サアン村郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, March 28, 2014、AP, March 28, 2014、ARA News, March 28, 2014、Champress, March 28, 2014、al-Hayat, March 29, 2014、Iraqinews.com, March 28, 2014、Kull-na Shuraka’, March 28, 2014、Naharnet, March 28, 2014、NNA, March 28, 2014、Reuters, March 28, 2014、SANA, March 28, 2014、UPI, March 28, 2014などをもとに作成。

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2014年3月28日のシリア情勢:シリア政府の動き

シリア民族社会党はフェイスブックで声明を出し、ラタキア県カサブ町一帯へのシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の侵攻に関して、「テロと過激主義」との戦闘に参加することを決定したと発表した。

AFP, March 28, 2014、AP, March 28, 2014、ARA News, March 28, 2014、Champress, March 28, 2014、al-Hayat, March 29, 2014、Iraqinews.com, March 28, 2014、Kull-na Shuraka’, March 28, 2014、Naharnet, March 28, 2014、NNA, March 28, 2014、Reuters, March 28, 2014、SANA, March 28, 2014、UPI, March 28, 2014などをもとに作成。

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2014年3月28日のシリア情勢:反体制勢力の動き

東グータ統一革命医療局は声明を出し、ダマスカス郊外県ハラスター市を、軍が毒ガス弾で砲撃、25人が窒息などの中毒症状を発症したと発表した。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・トゥウマ暫定内閣は、ラタキア県カサブ町一帯へのシャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団の侵攻に関して、3月27日付で50万米ドルの軍事支援を行うことを決定した。

暫定政府はこれまでにすでに20万ドルの軍事支援を同地での作戦のために供与しているという。

クッルナー・シュラカー(3月28日付)が、自由シリア軍消息筋の話として伝えた。

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シリア人権監視団は、ラタキア市の複数の医療筋の話として、カサブ町一帯へのシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の侵攻を受け、3月21日以降、士官13人を含む150人以上の軍将兵、国防隊の隊員が死亡、数百人が負傷したと発表した。

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民主的変革諸勢力国民調整委員会(広報局)は声明を出し、アレッポ県アイン・アラブ市、ラッカ県タッル・アブヤド市でのイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の攻勢と民主統一党人民防衛隊などとの戦闘に関して、ダーイシュの蛮行を非難するとともに、トルコにシリア国内でのテロ組織への支援を停止するよう強く求めた。

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民主統一党アサーイシュ総務局は、ロージュアーヴァー(Rojava、シリア北東部の「西クルディスタン」の別称)地域への外国(イラク)からの出入国の手続きを整備すると発表した。

同地域の国境通行所を経由した出入国は、申請書類、顔写真(カラー)2枚、IDカードのコピー、パスポートのコピー、同地域内の身元引受人の個人情報をあらかじめ提出することが求められるという。

クッルナー・シュラカー(3月28日付)が伝えた。

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ダマスカス郊外県東グータ地方を拠点とするアジュナード・シャーム・イスラーム連合(アブドゥッラー・シャーミー報道官)は声明を出し、2,000人以上のムジャーヒドゥーンが新たに隊列に加わったと発表した。

新たに参加した戦闘員は、ダマスカス郊外県カラムーン地方(ヤブルード市、ランクース市)、東グータ地方(ハラスター市、ザマルカー町、カフルバトナー町、マルジュ市)、ダマスカス県ジャウバル区、ヒムス県で活動する以下の部隊に配属されるという。

ワ・アイッドゥー旅団
イスラーム青年旅団
アムジャード・シャーム旅団
ハーフィズ・ザハビー旅団
イスラーム・ジハード大隊
バイアト・ラドワーン大隊
カーディスィーヤ大隊
ヌスール・シャーム大隊
ダマスカス真理の険大隊

AFP, March 28, 2014、AP, March 28, 2014、ARA News, March 28, 2014、Champress, March 28, 2014、al-Hayat, March 29, 2014、Iraqinews.com, March 28, 2014、Kull-na Shuraka’, March 28, 2014、Naharnet, March 28, 2014、NNA, March 28, 2014、Reuters, March 28, 2014、SANA, March 28, 2014、UPI, March 28, 2014などをもとに作成。

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