2014年3月26日のシリア情勢:反体制勢力の動き(追記2)

イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)のウスマーン・アール・ナーズィフ氏を含むサウジ人戦闘員らがビデオ声明(https://www.youtube.com/watch?v=AktXHH7bUD4)を出し、サウジアラビアのパスポートを破り捨て、シリアを離れ「アラビア半島」に帰還し、同地に「ダーイシュの指紋を残す」と宣言した。

ビデオ声明には、ムフティーを名乗るサウジ人ウスマーン・アール・ナーズィフ氏、その弟のハーリド氏、ファフド・ハーリス氏、ムンズィル・ズウビー氏(アブー・ガーダ・ムハージル、ないしはアブー・ガーダ・ズウビー)らが出演している。

 

Youtube
Youtube

 

al-Hayat, March 31, 2014、Youtube, March 26, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

2014年3月26日のシリア情勢:諸外国の動き(追記)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相が、シリア情勢をめぐって、アフメド・ダウトオール外務大臣らと交わした会話の音声(http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=c-1GooSDwJ8#t=0http://www.youtube.com/watch?v=lm7eg0-IjlI)がユーチューブ(3月26日付)にアップされた(英語訳はhttp://www.ibtimes.co.uk/turkey-youtube-ban-full-transcript-leaked-syria-war-conversation-between-erdogan-officials-1442161を参照)。

Youtube
Youtube

会話のなかで、エルドアン首相は「この攻撃(スライマーン・シャー廟への攻撃)を、我々にとってのチャンスと捉えねばならない」と述べたのに対し、国家諜報機構(MİT)のハカン・フィダン長官は「そうする必要があるのなら、シリアから4人を送りましょう。トルコにミサイル攻撃を行うよう命令し、戦争の理由を作り出しましょう。必要なら、スライマーン・シャー廟への攻撃も準備できます」と応えている。

スライマーン・シャー廟は、アレッポ県北部に位置する史跡で、トルコ軍が管轄しているが、最近になって、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)による襲撃の可能性が示唆されていた。

なお、ユーチューブにアップされた会話の音声に関して、トルコ外務省は「一部が改ざんされている」としたうえで、国家安全保障に対する「卑劣な攻撃」だと非難した。

IB Times, March 27, 2014、SANA, March 27, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

 

2014年3月26日のシリア情勢:国内の暴力(追記)

ハサカ県では、ARA News(3月27日付)によると、カフターニーヤ(ディルベ・スピーイェフ)市郊外の民主統一党人民防衛隊検問所前で爆弾が仕掛けられた車が爆発し、隊員2人が死亡した。

ARA News, March 27, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

2014年3月26日のシリア情勢:反体制勢力の動き(追記)

ARA(3月27日付)によると、ユーフラテス川東部(ジャズィーラ地方)のアラブ系部族の代表がハサカ県ジュワーディーヤ(ジル・アーガー)市近郊のトゥーバー村で会合を開き、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の攻撃に対抗するクルド人を支持・支援することを確認した。

ARA News, March 27, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

2014年3月26日のシリア情勢:諸外国の動き

トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣はAFP(3月26日付)に対し「トルコは国の安全を守るのに必要だと考えるあらゆる措置を躊躇なく講じる強い国家だ…。シリアのあらゆる運動、そしてダマスカスの政府に対して、トルコの力を試すようなことをしないよう忠告する」と述べた。

**

サウジアラビアのサルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズ副首相はリヤドでEUのクリスティナ・ゲオルギエヴァ国際協力・人道援助・危機対応担当委員と会談し、シリア人避難民への人道支援などについて協議した。

『ハヤート』(3月27日付)などが伝えた。

**

フランス警察は、カンヌ近郊のマンドリュー・ラ・ナ・ナプール市内の建物で、約900グラムの爆発物を押収した。

これに関して、AFP(3月26日付)は、治安筋の話として、シリアから帰国したジハード主義者がテロを計画していたと報じた。

AFP, March 26, 2014、AP, March 26, 2014、ARA News, March 26, 2014、Champress, March 26, 2014、al-Hayat, March 27, 2014、Iraqinews.com, March 26, 2014、Kull-na Shuraka’, March 26, 2014、Naharnet, March 26, 2014、NNA, March 26, 2014、Reuters, March 26, 2014、SANA, March 26, 2014、UPI, March 26, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

2014年3月26日のシリア情勢:イラクの動き

イラキー・ニュース(3月26日付)によると、バービル県イスカンダリーヤ地方にあるファールーク・モスクの守衛を治安部隊が逮捕、その後の取り調べでイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の幹部であることを認めた。

AFP, March 26, 2014、AP, March 26, 2014、ARA News, March 26, 2014、Champress, March 26, 2014、al-Hayat, March 27, 2014、Iraqinews.com, March 26, 2014、Kull-na Shuraka’, March 26, 2014、Naharnet, March 26, 2014、NNA, March 26, 2014、Reuters, March 26, 2014、SANA, March 26, 2014、UPI, March 26, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

2014年3月26日のシリア情勢:レバノンの動き

サウジアラビア日刊紙『ウカーズ』(3月26日付)は、アサド政権が3月8日勢力に対して、レバノン大統領選挙の実施を阻止する必要があると伝えたと報じた。

同紙によると、アサド政権に近い匿名消息筋は「レバノンの大統領選挙の実施は隣国(シリア)の大統領選挙とリンクされるべきだ」と述べ、シリアの大統領選挙に先んじて、レバノンでの大統領選挙に向けたプロセスが進行することに難色を示したという。

なお、レバノンのミシェル・スライマーン大統領の任期は2014年5月に終了し、アサド大統領の任期は2014年7月に終了する。

AFP, March 26, 2014、AP, March 26, 2014、ARA News, March 26, 2014、Champress, March 26, 2014、al-Hayat, March 27, 2014、Iraqinews.com, March 26, 2014、Kull-na Shuraka’, March 26, 2014、Naharnet, March 26, 2014、NNA, March 26, 2014、Reuters, March 26, 2014、SANA, March 26, 2014、‘Ukaz, March 26, 2014、UPI, March 26, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

2014年3月26日のシリア情勢:国内の暴力

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、国防隊と「アレキサンドレッタ地方解放シリア抵抗運動」の支援を受けた軍が、シャームの民のヌスラ戦線などからなる武装集団とカサブ町、ナブアイン村、第45電波塔周辺で交戦した。

同監視団によると、ナブアイン村をヌスラ戦線などが制圧したとの情報が流れる一方、軍は第45電波塔周辺、サルマー町一帯、そしてアレッポ県のクルド山地方一帯を空爆した。

一方、SANA(3月26日付)によると、県北部で軍がテロ集団残党の追撃を続けた。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、アサーリー地区を軍が砲撃した。

またマッザ区で爆発音が2回聞こえた。自爆テロ、ないしは迫撃砲着弾による爆発音だという。

一方、SANA(3月26日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またルクンッディーン区、カッサーア地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民3人が負傷した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市を軍が「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(3月26日付)によると、サルハ市郊外、マシュラファ村西部、ヤブルード市北部、ルハイバ市東部、ザバダーニー市東部山岳地帯、アドラー市旧市街、アーリヤ農場で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、スブフーヤ村周辺で、ジハード主義武装集団が敷設した地雷に軍部隊が触れ、6人が死傷した。

またアレッポ市ライラムーン地区に対して、軍が空爆、女性1人、子供2人を含む4人が死亡した。

さらにアレッポ市内のカラージュ・ハジャズ通行所(ブスターン・カスル地区・マシャーリカ地区間)で住民が狙撃され、男性1人が死亡、女性2人が負傷した。

このほか、軍はアレッポ市ジャンドゥール交差点地区、カルム・フーミド地区、ライラムーン地区、ズィルバ村、ウワイジャ地区、アレッポ中央刑務所周辺を「樽爆弾」などで空爆、またアズィーザ村のSyriatel地区などを制圧した。

一方、SANA(3月26日付)によると、アレッポ中央刑務所周辺、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、ムスリミーヤ村、ハンダラート・キャンプ、シュワイフナ村、マンスーラ村、ハーン・アサル村、ダーラト・イッザ市、バービース村、アターリブ市、アナダーン市、フライターン市、クワイリス村、アルバイド村、ラスム・アッブード村、アレッポ市ライラムーン地区、カースティールー地区、ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市スライマーニーヤ地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民2人が死亡した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アルバイーン山周辺、アレッポ・ラタキア街道などを軍が空爆した。

一方、SANA(3月26日付)によると、サラーキブ市、ビンニシュ市、マアッラトミスリーン市、アブー・ズフール町、タッル・ルーズ村、ハミーマート村、カルア・ガザール村、アルバイーン山周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、サイダー町一帯、アレッポ市ダム街道地区、ダーイル町周辺を軍が「樽爆弾」などで空爆した。

一方、SANA(3月26日付)によると、ダルアー市各所(ヨルダン通りなど)、サムリーン村西部、ムハッジャ村、フラーク市、西ガーリヤ村、東ガーリヤ町、カスル・ムシュミシュ村、ガバーギブ町、タッル・ジャアファル・ベク村、ガディール・ブスターン村、バッカール村、ジュバイリーヤ村、ナースィリーヤ村、カルマシュ村、ワラダート村、アトマーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、サウジアラビア人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

またダルアー市内で清掃業者が反体制武装集団に狙撃され、負傷した。

**

ヒムス県では、SANA(3月26日付)によると、ヒムス市ワアル地区、ダール・カビーラ村に潜入しようとした反体制武装集団を軍が撃退した。

またラッフーム村、ウンム・サフリージュ村、タッルカラフ市郊外、アブー・アラーヤー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、ヒムス市ジュッブ・ジャンダリー地区、カラービース地区で反体制武装集団メンバー27人が当局に投降した。

**

ハマー県では、SANA(3月26日付)によると、ムハルダ市に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民1人が負傷した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(3月26日付)によると、ダイル・ザウル市ウルフィー地区、労働者住宅地区、ハウィーカ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラッカ県では、Syria-News(3月26日付)によると、アーシマ村・ジャアダ村間の一帯で、民主統一党人民防衛隊とイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が激しく交戦した。

両者の戦闘は3日目を迎えているという。

**

ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(3月26日付)によると、ラアス・アイン市郊外でのイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)との戦闘で、民主統一党人民防衛隊がタッル・ヒンズィール村からの撤退を余儀なくされた。

この戦闘で、人民防衛隊は多数の戦闘員を捕虜にとられたという。

またARA News(3月26日付)によると、ダーイシュが民主統一党人民防衛隊との交戦の末、タッル・タムル町郊外のライラーン村近くの検問所3カ所を奪還した。

AFP, March 26, 2014、AP, March 26, 2014、ARA News, March 26, 2014、Champress, March 26, 2014、al-Hayat, March 27, 2014、Iraqinews.com, March 26, 2014、Kull-na Shuraka’, March 26, 2014、Naharnet, March 26, 2014、NNA, March 26, 2014、Reuters, March 26, 2014、SANA, March 26, 2014、Syria-news.com, March 26, 2014、UPI, March 26, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

2014年3月26日のシリア情勢:シリア政府の動き

外務在外居住者省は国連事務総長と安保理議長に宛てて書簡を送り、ラタキア県カサブ町一帯でのシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の侵攻へのトルコの関与を非難するための措置を直ちに講じるよう求めた。

**

SANA, March 26, 2014
SANA, March 26, 2014

SANA(3月26日付)によると、ダマスカス郊外県フジャイラ村で、軍による「テロとの戦い」を支持するデモが実施され、ゴラン高原出身者数千人が参加した。

またクッルナー・シュラカー(3月26日付)によると、ハサカ県カーミシュリー市で、軍による「テロとの戦い」を支持するデモ行進が行われ、アサド政権支持者多数が参加した。

AFP, March 26, 2014、AP, March 26, 2014、ARA News, March 26, 2014、Champress, March 26, 2014、al-Hayat, March 27, 2014、Iraqinews.com, March 26, 2014、Kull-na Shuraka’, March 26, 2014、Naharnet, March 26, 2014、NNA, March 26, 2014、Reuters, March 26, 2014、SANA, March 26, 2014、UPI, March 26, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

2014年3月26日のシリア情勢:反体制勢力の動き

ARA News(3月26日付)によると、ハサカ県マルカダ町郊外のダシーシャ村で、住民がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の支配に反対するデモを行い、ダーイシュの退去を求めた。

AFP, March 26, 2014、AP, March 26, 2014、ARA News, March 26, 2014、Champress, March 26, 2014、al-Hayat, March 27, 2014、Iraqinews.com, March 26, 2014、Kull-na Shuraka’, March 26, 2014、Naharnet, March 26, 2014、NNA, March 26, 2014、Reuters, March 26, 2014、SANA, March 26, 2014、UPI, March 26, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

2014年3月26日のシリア情勢:アラブ連盟首脳会議

アラブ連盟首脳会議は2日間の日程を終え、閉幕声明(クウェート宣言)を採択し閉会した。

クウェート宣言(正式名「包括的アラブ覚醒実現のためのアラブ連帯強化」)は、シリア情勢をめぐって、イスラエルによるゴラン高原占領を非難、同高原回復を求めるシリアを断固として支援することを確認した。

またシリアでの紛争に関しては、シリア国民との連帯と、「シリア国民の唯一の正統な代表」であるシリア革命反体制勢力国民連立の支持を確認するとともに、シリア政府に対して市民に対する軍事行動の即時停止を要求、国民に対する政権の虐殺、殺戮を非難した。

そのうえで、ジュネーブ合意に従った危機の政治的解決を呼びかけた。

なお、クウェート宣言と合わせて採択されたシリア情勢に関する細目文書(「シリア危機」)は、以下8項目を確認し、紛争の政治的解決を呼びかけた。

1. シリア革命反体制勢力国民連立に、シリア・アラブ共和国の代表ではなく、「アラブ連盟の規則の例外として、2014年9月以降の連盟諸会合に参加」するよう呼びかけた。
2. シリア革命反体制勢力国民連立の参加は、本国のいかなる法的義務も伴わない。
3. シリア革命反体制勢力国民連立がアラブ連盟のシリア・アラブ共和国代表ポストを務めることを歓迎し、同連立をシリア国民の唯一の正統な代表と承認した2013年3月のドーハでの首脳会談の決定、同月の閣僚会議の決定を改めて確認する。
4. しかし両決定に関して、アルジェリアとイラクが態度を保留し、レバノンが棄権したことを考慮する。
5. ジュネーブ2会議の膠着状態の責任が国連安保理にあると追及し、国連事務総長に対して、国連・アラブ連盟共同特別代表、アラブ連盟、紛争当事者とともに交渉に基づく危機の政治的解決を実現するための共同行動に向けた決定を求める。
6. ジュネーブ合意(2012年6月)に基づき、政治解決を最優先事項とした努力継続の必要を確認する。
7. クウェートでの2014年1月の支援国会議(クウェート2)の決定を歓迎する。
8. シリア人避難民を受け入れている国々とともに、アラブ連盟事務局は支援拡充に努める。

AFP, March 26, 2014、AP, March 26, 2014、ARA News, March 26, 2014、Champress, March 26, 2014、al-Hayat, March 27, 2014、Iraqinews.com, March 26, 2014、Kull-na Shuraka’, March 26, 2014、Naharnet, March 26, 2014、NNA, March 26, 2014、Reuters, March 26, 2014、SANA, March 26, 2014、UPI, March 26, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.