諸外国の動き:イランがイラク人、アフガン人民兵の統合を決定(2014年11月4日)

スィラージュ・プレス(11月4日付)は、複数の消息筋の話として、イランが、シリア領内に投入したとされるイラク人、アフガン人民兵を統一司令部の下に統合し、シリア軍と並立する「並列軍」を設置することを決定したと報じた。

同プレスによると、イランはアレッポ市郊外ハンダラート・キャンプ一帯での戦闘などにイラク人、アフガン人民兵数千人を投入しており、新設されるであろう「並列軍」は、ヒズブッラーの部隊を模し、同部隊とともにアサド政権と共闘するという。

複数の反体制筋によると、イランはこうした民兵に月額で400米ドルを支払っているという。

なお、イランのこの決定に先だって、シリア政府は予備役数千人を召集、また兵役免除の規制を強化したという。

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トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、TRT(11月4日付)のインタビューに応じ、アイン・アラブ市をめぐる米国の政策を批判した。

エルドアン大統領は、米軍によるアイン・アラブ市への武器・支援物資の投下に関して「あなたがた(米国)は、PKKもイスラーム国もテロリストだと言っていたが、前者に武器を供与し、両者に武器を投下した」と批判した。

また「あなたがた(米国)はアイン・アラブに囚われている…。純粋でない…邪悪な計略…意図がある…。アイン・アラブはトルコに隣接している。米国ではなくトルコにとって戦略的要衝なのだ」と述べた。

AFP, November 4, 2014、AP, November 4, 2014、ARA News, November 4, 2014、Champress, November 4, 2014、al-Hayat, November 5, 2014、Kull-na Shuraka’, November 4, 2014、al-Mada Press, November 4, 2014、Naharnet, November 4, 2014、NNA, November 4, 2014、Reuters, November 4, 2014、SANA, November 4, 2014、Siraj Press, November 4, 2014、TRT, November 4, 2014、UPI, November 4, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国をめぐる動き:アイン・アラブでの戦闘続く(2014年11月4日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アイン・アラブ市中心街(市庁舎一帯、自由広場、ハンサー学校、ハーッジ・ラシャード・モスクなど)、東部、南部(バアス学校)一帯、同市西部郊外のアルバルール村、マナーズィー村、アブルーシュ農場で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とダーイシュ(イスラーム国)が交戦する一方、イラク・クルディスタン地域のペシュメルガ部隊が、同市一帯のダーイシュ拠点を重火器で砲撃した。

この戦闘で双方に10人以上の死者が出た。

また同監視団によると、米国など有志連合によるアイン・アラブ市郊外イザーア地区、ジュールバク村へのダーイシュ拠点への空爆で、ダーイシュ戦闘員13人が死亡した。

一方、ARA News(11月4日付)によると、重火器などを積んだペシュメルガ増援部隊の車輌9輌がトルコからアイン・アラブ市に入った。

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『ハヤート』(11月5日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)は2014年2月にラッカ県タッル・アブヤド市・ハサカ県ラアス・アイン市街道で拘束したクルド人93人を釈放した。

このうち53人はトルコ領内に入国したという。

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ハサカ県では、ARA News(11月5日付)によると、米国など有志連合は、ヤアルビーヤ町一帯を空爆した。

AFP, November 4, 2014、AP, November 4, 2014、ARA News, November 4, 2014、November 5, 2014、Champress, November 4, 2014、al-Hayat, November 5, 2014、Kull-na Shuraka’, November 4, 2014、al-Mada Press, November 4, 2014、Naharnet, November 4, 2014、NNA, November 4, 2014、Reuters, November 4, 2014、SANA, November 4, 2014、UPI, November 4, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力:アレッポなどでシリア軍とアンサール・ディーン戦線の戦闘続く(2014年11月4日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ハンダラート・キャンプ一帯、サイファート村周辺、アレッポ市ザフラー協会地区(空軍情報部)、ハーリディーヤ地区、サーフール地区、ブスターン・カスル地区で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員が、アンサール・ディーン戦線などジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(11月4日付)によると、サフィーラ市、ダーラト・イッザ市、アレッポ市ブスターン・バーシャー地区、ハナーヌー地区で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線をはじめとするジハード主義武装集団と交戦する一方、迫撃砲弾複数発が着弾し、住民2人が死亡、28人が負傷した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハティータト・トゥルクマーン村、ザブディーン村、ジスリーン町、アイン・タルマー村、ハティータト・ジャルシュ町をシリア軍が地対地ミサイルなどで空爆する一方、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線をはじめとするジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(11月4日付)によると、ハーン・シャイフ・キャンプ一帯で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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スワイダー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(11月4日付)によると、反体制武装集団が、ハラバー村を制圧した。

同村はドゥルーズ派の村で、反体制武装集団がドゥルーズ派の村を制圧するのは2011年3月以降初めてだという。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、「彼らの扉へ入れ」の戦いを行う反体制武装集団(いわゆる「自由シリア軍」)が、タッル・ハマド、ナーヒヤ検問所、シャイフ・マスキーン市東部を制圧した。

シャイフ・マスキーン市西部では、シャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団が、「自由シリア軍」の作戦に同調するかたちで、シリア軍と交戦しているという。

これに対し、シリア軍はタイバ町、ブスル・ハリール市を「樽爆弾」などで空爆した。

一方、SANA(11月4日付)によると、ダルアー市ヨルダン通り、ビイル・ウンム・ダラジュ地区など、カルファー村、ウンム・マヤーズィン町、シャイフ・マスキーン市、ブスル・ハリール市、西ガーリヤ村、アトマーン村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がフバイト村、ザーウィヤ山のバルユーン村、マガーラ村、バーラ村を「樽爆弾」などで空爆した。

一方、SANA(11月4日付)によると、ダイル・サンバル村、カンスフラ村、タマーニア町、イフスィム村、イブリーン村、ハーン・シャイフーン市、バルユーン村、バーラ村、フバイト村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(11月4日付)によると、ジャバーター・ハシャブ村一帯で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(11月4日付)によると、ジバーブ・ハマド村、タドミーリーヤ村、フーシュ・ハッジュー村、アイン・フサイン村、ダイル・フール村、タルビーサ市、タイバ村、フワイスィース村、タッラト・ミルフ、タッラト・ラージマ、ウカイリバート分岐点、ジャズル・ガス採掘所一帯、マフル油田一帯、ドゥワイズィーン村、イルハル村、ジャッハール・ガス採掘所南部、マジュバル村、ワーディー・バルアース、アブー・キッラ・ダム北部などで、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(11月4日付)によると、サイヤード村、ラターミナ町、カフルズィーター市、アトシャーン村、トゥルール・ハムル、アイドゥーン村、アブー・ジュバイラート村、ハーヌーティーヤ村、上カスタル村、ジャンナー・アルバーウィー村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, November 4, 2014、AP, November 4, 2014、ARA News, November 4, 2014、Champress, November 4, 2014、al-Durar al-Shamiya, November 4, 2014、al-Hayat, November 5, 2014、Kull-na Shuraka’, November 4, 2014、al-Mada Press, November 4, 2014、Naharnet, November 4, 2014、NNA, November 4, 2014、Reuters, November 4, 2014、SANA, November 4, 2014、UPI, November 4, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き:「ダーイシュおよび過激テロ勢力に対抗するシリア宣言」採択(2014年11月4日)

シリア国内で活動する反体制活動家が11月3日からダマスカス県内(ダーマー・ルーズ・ホテル)で開催されていた会合(民主的行動委員会)が「ダーイシュおよび過激テロ勢力に対抗するシリア宣言」を採択・発表して閉幕した。

声明では、ダーイシュ(イスラーム国)を「自由で尊厳あるシリア国民の生活、民主国家に向けた目標に敵対する」として拒否し、すべての勢力にダーイシュに対抗するよう求める一方、「シリア人の自由な意思を尊重する政府の樹立に向けた政治的解決」を主唱した。

会合には、シリア国民建設潮流メンバーら反体制活動家のほか、アリー・ハイダル国民和解担当国務大臣(シリア民族社会党インティファーダ派)も出席していた。

クッルナー・シュラカー(11月4日付)が伝えた。

Kull-na Shuraka', November 4, 2014
Kull-na Shuraka’, November 4, 2014
Kull-na Shuraka', November 4, 2014
Kull-na Shuraka’, November 4, 2014

AFP, November 4, 2014、AP, November 4, 2014、ARA News, November 4, 2014、Champress, November 4, 2014、al-Hayat, November 5, 2014、Kull-na Shuraka’, November 4, 2014、al-Mada Press, November 4, 2014、Naharnet, November 4, 2014、NNA, November 4, 2014、Reuters, November 4, 2014、SANA, November 4, 2014、UPI, November 4, 2014などをもとに作成。

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ヌスラ戦線指導者ジャウラーニー氏のインタビュー(2014年11月4日)

シャームの民のヌスラ戦線の指導者アブー・ムハンマド・ジャウラーニー氏とのインタビューを録音したとされる音声データ(http://www.youtube.com/watch?v=hFpIMi_hmRE)がインターネットにアップされた。

このなかでジャウラーニー氏は、「シャームの地は今日、多くの脅威に曝されている…。その最たるものが(米国が主導する)国際同盟だ」と批判、「西側や米国に与する諸派に連日、武器が供与されている」と述べ、米国など有志連合によるシリアへの軍事介入がヌスラ戦線にとって脅威を及ぼしているとの見方を示した。

一方、シリア革命家戦線司令官のジャマール・マアルーフ氏については「ザーウィヤ山(イドリブ県)の住民、ヌスラ戦線に敵対し、窃盗や道路封鎖を行う者たちを囲っていた」と述べ、その放逐を正当化した。

 

このほか、レバノンでの戦況に関して、「カラムーンの我らが同胞は、自らの懐にたくさんのサプライズを隠し持っている。真の戦闘はレバノンではまだ始まっていない」と主張した。

そのうえで「ムジャーヒディーンが彼ら(ヒズブッラー)とイスラエルとの国境地帯に達したときに、問題がセンスィティブなものになることを我々は忘れていない。間違いなく、これによってイスラエルの恐怖心は高まるだろう」と付言、イスラエルと直接対峙するがないことを暗示した。

AFP, November 4, 2014、AP, November 4, 2014、ARA News, November 4, 2014、Champress, November 4, 2014、al-Hayat, November 5, 2014、Kull-na Shuraka’, November 4, 2014、al-Mada Press, November 4, 2014、Naharnet, November 4, 2014、NNA, November 4, 2014、Reuters, November 4, 2014、SANA, November 4, 2014、UPI, November 4, 2014などをもとに作成。

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