レバノンの動き:レバノン軍が自由シリア軍の大佐を逮捕(2014年11月9日)

ナハールネット(11月9日付)によると、ベカーア県バアルベック郡アルサール村郊外のワーディー・フマイイド検問所で、レバノン軍が「自由シリア軍」のアブドゥッラー・リファーイー大佐を逮捕した。

リファーイー大佐は偽のレバノンの身分証明書を提示し、レバノン人男性1人とともにレバノン領内に入ろうとしたところを逮捕されたという。

AFP, November 9, 2014、AP, November 9, 2014、ARA News, November 9, 2014、Champress, November 9, 2014、al-Hayat, November 10, 2014、Kull-na Shuraka’, November 9, 2014、al-Mada Press, November 9, 2014、Naharnet, November 9, 2014、NNA, November 9, 2014、Reuters, November 9, 2014、SANA, November 9, 2014、UPI, November 9, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国をめぐる動き:バグダーディー氏重傷か?(2014年11月9日)

アラビーヤ(11月9日付)は、米国など有志連合が7日夜、イラクのアンバール県カーイム市を空爆、同市内の民家で会合を開いていたダーイシュ(イスラーム国)のカリフを名乗るアブー・バクル・バグダーディー氏が致命傷を追ったと報じた(未確認情報)。

アラビーヤによると、この空爆で、ダーイシュのムフティー、アフマド・アワド・サルマーニー氏、治安担当官のサーミル・ムハンマド・マハッラーウィー氏、ザーワ村組織部門担当のカナアーン・アッブード・ムハイディー氏、アーナ村組織部門担当のワリード・ズィヤーブ・アーニー氏、ユーフラテス州ワーリーのアブー・ザフラー・ムハンマディー氏が死亡したという。

また、クッルナー・シュラカー(11月9日付)によると、有志連合の空爆は、ダーイシュが接収しカーイム市議会議員の自宅に対して行われ、アンバール県ワーリーのアドナーン・ラティーフ・スワイダーウィー氏も殺害された。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市マナーズィー地区、イザーア地区などで、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とダーイシュ(イスラーム国)が激しく迫撃砲戦を行う一方、ハーッジ・ラシャード・モスク、ハール市場、同市南部でも両者が交戦した。

またシリア軍は、ダーイシュが占拠するバーブ市を「樽爆弾」などで空爆し、21人が死亡、約100人が負傷した。

なおARA News(11月10日付)によると、ダーイシュのインドネシア人戦闘員1人が市内で自爆攻撃を行ったという。

またARA News(11月9日付)によると、ダーイシュはハーッジ・ラシャード・モスク一帯からの撤退時に同モスクを爆破した。

一方、SANA(11月9日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が占拠するバーブ市一帯をシリア軍が攻撃した。

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ダイル・ザウル県では、クッルナー・シュラカー(11月9日付)が複数の地元活動家の話として、米国など有志連合が、ダーイシュ(イスラーム国)が占拠するハリータ村を空爆したが、住民らが使用している井戸を油田と間違って破壊した。

一方、SANA(11月9日付)によると、ダイル・ザウル市ジュバイリーヤ地区、ハッラータ油田一帯で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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シリア人権監視団は、アイン・アラブ市(アレッポ県)一帯へのダーイシュ(イスラーム国)が本格化した9月16日以降の戦闘での死者数が1,013人に達したと発表した。

このうち609人がダーイシュ・メンバー、363人が西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊隊員、16人が親政権の民兵戦闘員、24人が民間人、だという。

AFP, November 9, 2014、Alarabia, November 9, 2014、AP, November 9, 2014、ARA News, November 9, 2014、November 10, 2014、Champress, November 9, 2014、al-Hayat, November 10, 2014、Kull-na Shuraka’, November 9, 2014、al-Mada Press, November 9, 2014、Naharnet, November 9, 2014、NNA, November 9, 2014、Reuters, November 9, 2014、SANA, November 9, 2014、UPI, November 9, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力:ダマスカスでイラン人1人を含む原子力技師暗殺(2014年11月9日)

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区の科学研究センター(国防省付置機関)で、原子力技師5人が何者かに暗殺された。

シリア人権監視団は10日、殺害された技師のなかにイラン人1人が含まれていたと発表した。

同監視団によると、残る4人はいずれもシリア人(ニザール・サマル氏、カーミル・サワーディー氏、イバーダ・ウユーン氏、ニダール・ガーズィー氏)。

5人はバルザ区に近いハルナ橋近くをバスで移動中に襲撃され、射殺されたという。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(11月9日付)によると、アクナーフ・バイト・ムカッダス大隊が、ヤルムーク区で、シリア軍やPFLP-GC民兵の塹壕、地下トンネルを破壊した。

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ダルアー県では、ARA News(11月9日付)によると、「自由シリア軍」がナワー市を完全制圧、これを受けシリア軍が37回にわたって同市を空爆した。

『ハヤート』(11月11日付)によると、この空爆で女性、子供を含む11人が死亡したという。

なおナワー市制圧に関して、「自由シリア軍」、シャームの民ヌスラ戦線がインターネットを通じて、それぞれ声明・画像を出し、自らが同市を制圧したと発表した。

一方、SANA(11月9日付)によると、シャイフ・マスキーン市、ダーイル市、イブタア町、タファス市、ナワー市一帯で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市スッカリー地区で、イスラーム戦線の司令官(ブライジュ地区司令官)が何者かに暗殺された。

一方、シリア軍は、ハンダラート・キャンプ一帯を空爆、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、クドス旅団、イラン人・アフガン人戦闘員とともに、アンサール・ディーン戦線と交戦した。

これに対して、ジハード主義武装集団もサイファート村一帯を砲撃した。

他方、SANA(11月9日付)によると、アレッポ市旧市街、ハッダーディーン地区などで、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハーン・シャイフーン市を空爆し、女性1人を含む2人が死亡した。

シリア軍はまたマアッラト・ヌウマーン市、ジャバーラー村、ハーン・スブル村、クマイナース村、フバイト村、タマーニア町に対しても空爆を行った。

一方、SANA(11月9日付)によると、マアッルディブサ村、フバイト村、ダーディーフ村、マアッラト・ヌウマーン市、バスラジャ村、クーリーン村、アルバイーン山南部、サルミーン市、クマイナース村郊外、サイルーン村、シャイフ・ユースフ村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がヒムス市ワアル地区、ハウラ地方、ハーリディーヤ村を砲撃した。

一方、SANA(11月9日付)によると、シリア軍がラスタン市ガジャル村街道沿いの「武装テロ集団」拠点を攻撃し、多数の戦闘員を殺傷、武器・装備を破壊した。

またシリア軍は、ラスタン湖一帯、ザーラ村西部、ハッターブ村、ムシャイリファ村、ワディーヒー村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、地元和解プロセスの一環で、ヒムス市、ラスタン市、フルクルス町、クサイル市、マシャーヒダ村、ダイル・バアルバ村で当局に投降していた反体制武装集団元メンバー85人が放免となり、釈放された。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がラターミナ町を「樽爆弾」で空爆した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザブディーン村各所をシリア軍が空爆した。

一方、SANA(11月9日付)によると、当局に投降していた反体制武装集団元メンバー108人が放免となり、釈放された。

AFP, November 9, 2014、AP, November 9, 2014、ARA News, November 9, 2014、Champress, November 9, 2014、al-Durar al-Shamiya, November 10, 2014、al-Hayat, November 10, 2014、November 11, 2014、Kull-na Shuraka’, November 9, 2014、November 10, 2014、al-Mada Press, November 9, 2014、Naharnet, November 9, 2014、NNA, November 9, 2014、Reuters, November 9, 2014、SANA, November 9, 2014、UPI, November 9, 2014などをもとに作成。

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シリア政府の動き:デミストゥラ共同特別代表がムアッリム外相と会談(2014年11月9日)

シリアを訪問中のスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表は、ダマスカスでワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣と会談した。

SANA(11月10日付)によると、会談でデミストゥラ共同特別代表は、アレッポ市の「戦闘中止」(アレッポ市を占拠する反体制武装集団へのシリア軍の攻勢中止)などを提案、「終始和やかなムードで会談を行い、建設的な結論に達した」。

デミストゥラ共同特別代表は、10月31日に安保理で自身の行動計画を提示、そのなかでアレッポ市などへの人道物資搬入、停戦交渉のための「戦闘中止」を提案していた。

SANA, November 9, 2014
SANA, November 9, 2014

AFP, November 9, 2014、AP, November 9, 2014、ARA News, November 9, 2014、Champress, November 9, 2014、al-Hayat, November 10, 2014、Kull-na Shuraka’, November 9, 2014、al-Mada Press, November 9, 2014、Naharnet, November 9, 2014、NNA, November 9, 2014、Reuters, November 9, 2014、SANA, November 9, 2014、UPI, November 9, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き:民主的変革諸勢力国民調整委員会はイラク・クルディスタン地域のペシュメルガの撤退を要求(2014年11月9日)

民主的変革諸勢力国民調整委員会は、月例会合を開き、アイン・アラブ市に入ったイラク・クルディスタン地域のペシュメルガ戦闘員に関して「国際紛争にシリア人以外の武装集団が介入」したと非難、撤退を求めた。

民主的変革諸勢力国民調整委員会は国内で活動する最大の反体制政治同盟で、西クルディスタン移行期民政局を主導する民主統一党の参加している。

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ARA News(11月9日付)によると、シリア・クルド左派党(シャラール・カッドゥー氏が書記長を務める派閥)とシリア・クルディスタン自由党(アフマド・スライマーン・アッジャ氏が党首)を名乗るグループが合併した。

合併後の組織名は、シリア・クルド左派党。

AFP, November 9, 2014、AP, November 9, 2014、ARA News, November 9, 2014、Champress, November 9, 2014、al-Hayat, November 10, 2014、Kull-na Shuraka’, November 9, 2014、al-Mada Press, November 9, 2014、Naharnet, November 9, 2014、NNA, November 9, 2014、Reuters, November 9, 2014、SANA, November 9, 2014、UPI, November 9, 2014などをもとに作成。

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