諸外国の動き:ヘーゲル米国防長官事実上の更迭(2014年11月24日追記)

バラク・オバマ米大統領は記者会見で、チャック・ヘーゲル米国防長官が辞任したと発表した。

オバマ大統領は「難しい決断だったが、彼が公務を終えるのにふさわしい時期と考えた」と説明した。

ロイター通信(11月24日付)などによると、ヘーゲル国防長官の辞任は本人の合意によるというが、ある関係筋は「更迭であることに疑いはない」と述べるなど、辞任に追い込まれたとの見方も出ている。

ヘーゲル氏はこれまで私的な場で、オバマ政権のイラクやシリアでの政策や、意思決定プロセスに自身の意向が反映されにくいことなどに不満を示していたとされる。

当局者によるとヘーゲル氏は10月以降、オバマ大統領と話し合いを重ねてきたが、この日、辞表を提出した。後任が決まるまで職務を続けるという。

AFP, November 24, 2014、AP, November 24, 2014、ARA News, November 24, 2014、Alarabia, November 24, 2014、Champress, November 24, 2014、al-Hayat, November 25, 2014、Kull-na Shuraka’, November 24, 2014、al-Mada Press, November 24, 2014、Naharnet, November 24, 2014、NNA, November 24, 2014、Reuters, November 24, 2014、SANA, November 24, 2014、UPI, November 24, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き:イスラエルでダーイシュの教練を受けた48年パレスチナ人が逮捕(2014年11月24日)

イスラエルのシンベイトは声明を出し、10月24日にイスラエル・アラブ人(48年パレスチナ人)のハムザ・マガーミサ氏がダーイシュ(イスラーム国)の教練を受けたとして逮捕した、と発表した。

同声明によると、マガーミサ氏は、友人2人とともにトルコ経由でシリアに潜入、ダーイシュのキャンプで教練を受けたのち、イスラエルに帰国したところを逮捕されたという。

AFP(11月24日付)が伝えた。

AFP, November 24, 2014、AP, November 24, 2014、ARA News, November 24, 2014、Champress, November 24, 2014、al-Hayat, November 25, 2014、Kull-na Shuraka’, November 24, 2014、al-Mada Press, November 24, 2014、Naharnet, November 24, 2014、NNA, November 24, 2014、Reuters, November 24, 2014、SANA, November 24, 2014、UPI, November 24, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国をめぐる動き:ダイル・ザウル、ハサカ、アレッポで、シリア軍、有志連合がダーイシュを爆撃(2014年11月24日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市でダーイシュ(イスラーム国)の宗教警察(ヒスバ)が外国人戦闘員22人を処刑した。

またブーカマール市で車に仕掛けられた爆弾が爆発し、サウジアラビア人、チュニジア人などダーイシュ戦闘員6人が爆殺された。

さらにシリア軍がダイル・ザウル市フワイジャト・サクル地区を空爆し、外国人戦闘員ら13人が死亡した。

また米国など有志連合がブーカマール市を空爆し、ダーイシュ戦闘員3人が死亡した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アイン・アラブ市内各所で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、市庁舎周辺の複数の建物、治安厳戒地区周辺の街区を制圧した。

この戦闘で、ダーイシュの戦闘員18人が死亡、人民防衛隊側にも多数の死者が出たという。

また米国など有志連合も少なくとも5回にわたって同地を空爆した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シャーイル・ガス採掘所一帯でシリア軍とイスラーム国(ダーイシュ)が交戦、シリア軍がジバーブ・ハマド村、ファースィダ村、ジャズル村、ドワイズィーン村一帯を砲撃した。

また、クッルナー・シュラカー(11月24日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が、シャーイル・ガス採掘所に至る戦略的要衝のタッル・マフルを奪還した。

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米中央軍によると、21日以降、シリア領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して9回の空爆を行った。

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ダーイシュ(イスラーム国)のハイル州(ダイル・ザウル)は布告を発し、ラッカ州とは逆に、シリアの夏時間を採用することを決定したと発表、住民に対して夏時間での生活を行うよう求めた。

Kull-na Shuraka', November 24, 2014
Kull-na Shuraka’, November 24, 2014

 

AFP, November 24, 2014、AP, November 24, 2014、ARA News, November 24, 2014、Champress, November 24, 2014、al-Hayat, November 25, 2014、Kull-na Shuraka’, November 24, 2014、al-Mada Press, November 24, 2014、Naharnet, November 24, 2014、NNA, November 24, 2014、Reuters, November 24, 2014、SANA, November 24, 2014、UPI, November 24, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力:ヌッブル市、ザフラー町へのヌスラ戦線らの攻勢を受け、シリア軍、国防隊、YPGが連携しこれを撃退(2014年11月24日)

アレッポ県では、『ハヤート』(11月25日付)などによると、シャームの民のヌスラ戦線、ムジャーヒディーン軍などからなる武装集団がヌッブル市、ザフラー町への砲撃を行う一方、国防隊と交戦した。

この戦闘で、国防隊はヌスラ戦線側の戦闘員数十人を殲滅、戦車などを破壊したという。

これに関して、複数の反体制活動家らは、武装集団によるヌッブル市とザフラー町制圧は間近だったが、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が、援軍、武器弾薬を派遣し、国防隊が劣勢を脱したと主張した。

アフリーン市の複数の活動家によると、人民防衛隊が派遣したのは、戦闘員数十人と大量の武器弾薬。

またシリア軍のヘリコプターが、西クルディスタン移行期民政局アフリーン地区の首都でヌスラ戦線などに包囲されているアフリーン市に武器弾薬、食糧などからなる救援物資数十箱を投下したという。

一方、シリア人権監視団によると、ブライジュ村周辺、ハンダラート・キャンプ一帯、アレッポ市サカン・シャバービー地区、マイサルーン地区、アシュラフィーヤ地区、ハナーヌー地区でも、シリア軍とアンサル・ディーン戦線、ヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が交戦した。

他方、SANA(11月24日付)によると、シリア軍が、国防隊の支援のもと、製材所一帯、マクラア村一帯、ウワイジャ地区周辺の丘陵地帯で、シャームの民のヌスラ戦線など武装テロ集団を殲滅、同地の戦略的拠点複数カ所を制圧した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、バスィーマ町、アイン・フィージャ町一帯をシリア軍が地対地ミサイルで攻撃、またザブディーン村一帯で、シリア軍、国防隊がジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(11月24日付)によると、ミスラーバー村、ザマルカー町・アイン・タルマー村間、ドゥーマー市、ザブディーン村およびその周辺、ジャラージール無人地帯で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、アジュナード・シャーム・イスラーム連合戦闘員、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がフラーク、ムジャイディル村、カイラータ村、クーム・ラマール村を砲撃、ブスラー・シャーム市、シャイフ・マスキーン市で国防隊とともにジハード主義武装集団と交戦した。

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ダマスカス県では、SANA(11月24日付)によると、ジャウバル区で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(11月24日付)によると、アイン・ダナーニール村、マスアダ村近郊、マスウーディーヤ村、ジャッブーリーン村、ラスタン市、ウンク・ハワー村、ラッフーム村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(11月24日付)によると、サラーキブ市、シュグル村、カフルナジュド村、クーリーン村、タラブ村、サルミーン市近郊、アブー・ズフール町、ハーン・スブル村、ヒーラー村、クファイル村、シャイフ・スィンディヤーン村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(11月24日付)によると、シャイフ・マスキーン市およびその周辺、ブスラー・シャーム市、マアルバ、ジーザ、ナイーマ、アトマーン村、カフル・ナースィジュ村、イブタア町で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、ジスル・ハウラーン旅団、第1軍団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(11月24日付)によると、マスハラ村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, November 24, 2014、AP, November 24, 2014、ARA News, November 24, 2014、Champress, November 24, 2014、al-Hayat, November 25, 2014、Kull-na Shuraka’, November 24, 2014、al-Mada Press, November 24, 2014、Naharnet, November 24, 2014、NNA, November 24, 2014、Reuters, November 24, 2014、SANA, November 24, 2014、UPI, November 24, 2014などをもとに作成。

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アレッポ市(シリア政府支配地域)の生活の様子(2014年11月24日)

AFP(11月24日付)は、反体制勢力の支配を受けていないアレッポ市内の生活状況が活気を取り戻しつつあると報じ、夜間のレストラン、喫茶店などの様子を移した写真などを公開した。

Kull-na Shuraka', November 24, 2014
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シリア反体制勢力の動き:シリア国民連合、暫定政府閣僚人事をめぐって迷走(2014年11月24日)

21日からトルコのイスタンブールで開催されていたシリア革命反体制勢力国民連立の総合委員会(第17回)は、アフマド・トゥウマ暫定内閣の閣僚の信認投票を実施した。

しかし、シリア民主主義者連合、シリア・クルド国民評議会、自由シリア軍参謀委員会のメンバーら総合委員会メンバー50人は、閣僚人事案(トゥウマ暫定首班が提出)に反対し、信任投票を欠席し、シリア・ムスリム同胞団メンバーらのみで投票が行われた。

過半数(56票)を得て信認された閣僚は以下の通り:

サリーム・イドリース国防大臣(58票)

アワド・アフマド・アリー内務大臣(57票)

ムハンマド・ワジーフ・ジュムア保健大臣(57票)

ヤースィーン・ナッジャール運輸工業大臣(58票)

イマード・バラク教育大臣(57票)

フサイン・バクル地方自治難民大臣(56票)

ワリード・ズウビー農業大臣(56票)

また以下の5人は過半数の信任を得られなかった。

イブラーヒーム・ミールー経済大臣(45票)

カイス・シャイフ法務大臣(53票)

イリヤース・ワルダ・エネルギー石油大臣(52票)

タグリード・ハジュリー文化大臣(48票)

ガッサーン・ヒートゥー副首班(53票)

Kull-na Shuraka', November 24, 2014
Kull-na Shuraka’, November 24, 2014

この結果を受け、シリア革命反体制勢力国民連立のハーディー・バフラ議長は、総合委員会が開催された11月21日以降の委員会におけるすべての決定を廃す決定を下し、アフマド・トゥウマ暫定内閣の閣僚人事を凍結した。

一方、アラビーヤ・チャンネル(11月24日付)によると、トゥウマ暫定首班は、閣僚人事凍結を受け、ウバイダ・ナッハース氏を暫定外務大臣に推挙したが、これをめぐっても総合委員会内で対立が生じ、トゥウマ暫定首班は外務大臣職を事実上廃止、外務省を連立の所轄とすることを余儀なくされたという。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表がアレッポ市を中心に推し進める「戦闘中止」イニシアチブに関して、トルコの主張に準じるかたちで「安全地帯」の設置がこのイニシアチブを完成させるとの姿勢を示し、対トルコ国境に幅35キロの緩衝地帯、対ヨルダン国境に幅33キロの緩衝地帯を設置し、対レバノン国境のカラムーン地方とともに、シリア軍および親政権の民兵の駐留を禁止するよう求めた。

また声明では、これらの地域上空を飛行禁止空域とするよう求める一方、人道支援物資の供与、逮捕者の釈放が要求された。

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