諸外国の動き:デミストゥラ共同特別代表がジュネーブ合意に囚われない紛争解決案を提示か(2014年11月17日)

『ハヤート』(11月18日付)は、複数の消息筋からの情報として、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表がジュネーブ合意(2012年)の原則に囚われない紛争解決案を策定したと報じた。

同報道によると、デミストゥラ共同特別代表の紛争解決案は人道的対話センターに対して定期したもので、以下の3点を骨子とする、という。

1. 移行プロセスや権力分有ではなく、戦闘中止による紛争解決。
2. 地方自治府の権限を強化し、分権国家としてシリアを承認。
3. アサド大統領退陣を前提条件とせず、国際的な監視・保証のもとでの政治プロセスを通じた紛争解決。

AFP, November 17, 2014、AP, November 17, 2014、ARA News, November 17, 2014、Champress, November 17, 2014、al-Hayat, November 18, 2014、Kull-na Shuraka’, November 17, 2014、al-Mada Press, November 17, 2014、Naharnet, November 17, 2014、NNA, November 17, 2014、Reuters, November 17, 2014、SANA, November 17, 2014、UPI, November 17, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラーム国をめぐる動き:ダイル・ザウル、ヒムスでシリア軍とダーイシュが交戦(2014年11月17日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダイル・ザウル市フジャイジャト・サクル地区、ウルフィー地区、ジュバイラ地区、旧空港地区のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して10以上にわたり空爆を行った。

一方、ダーイシュはダフラ村で男性1人とその息子2人を、「覚醒評議会」(部族民兵)と関係を持っていたとの罪で斬首刑に処した。

他方、SANA(11月17日付)によると、ダイル・ザウル市各所で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シャーイル油田一帯でシリア軍、国防隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

この戦闘で、シリア軍の騎兵大隊「砂漠の鷹」司令官で「砂漠の獅子」の名で知られるムフスィン・サイード・フサイン大佐(コードネーム「フドゥール」)が戦死した。

一方、SANA(11月17日付)によると、シリア軍、国防隊が、ジャズル・ガス採掘所方面からヒヤーン油田一帯に潜入しようとした「武装テロ集団」を撃退、殲滅した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が16日深夜から17日未明にかけて、アイン・アラブ市西部郊外にある西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の拠点複数カ所を攻撃し、同部隊と交戦した。

また両者は市内の自由広場一帯、治安厳戒地区、南部前線でも交戦し、ダーイシュは同市複数カ所を砲撃する一方、人民防衛隊、イラク・クルディスタン地域のペシュメルガ戦闘員は同市郊外のダーイシュ拠点を砲撃し、応戦した。

ARA News(11月17日付)によると、米国など有志連合はアイン・アラブ市一帯に「過去2週間でもっとも激しい」空爆を行った。

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ハサカ県では、マサール・プレス(11月17日付)によると、対イラク国境に面したヤアルビーヤ町一帯で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とダーイシュ(イスラーム国)が交戦した。

この戦闘で人民防衛隊隊員20人が死亡、またダーイシュはクライシュ村方面に進軍を続けた。

またジャズア村一帯では、人民防衛隊とカラーマ軍(国防隊)が、ダーイシュと交戦した。

なおヤアルビーヤ国境通行所は現在、人民防衛隊とカラーマ軍によって制圧されている。

一方、ARA News(11月18日付)によると、シリア軍、国防隊がハサカ県南部のアブドゥルアズィーズ山一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

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クッルナー・シュラカー(11月17日付)は、イスラーム国傘下のアブドゥッラー・アッザーム旅団が密かにダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓っていたことが、シャーム自由人イスラーム運動によるハマー県、イドリブ県でのダーイシュのスリーパー・セル摘発調査で明らかになったと報じた。

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シリア人権監視団は、ダーイシュ(イスラーム国)がカリフ制樹立を宣言した6月末以降、シリアで1,429人が処刑されている、と発表した。

このうち879人が民間人(シュアイタート部族子息約700人を含む)、63人がシャームの民のヌスラ戦線戦闘員、483人がシリア軍、国防隊兵士。

AFP, November 17, 2014、AP, November 17, 2014、ARA News, November 17, 2014、November 18, 2014、Champress, November 17, 2014、al-Hayat, November 18, 2014、Kull-na Shuraka’, November 17, 2014、al-Mada Press, November 17, 2014、Masar Press Agency, November 17, 2014、Naharnet, November 17, 2014、NNA, November 17, 2014、Reuters, November 17, 2014、SANA, November 17, 2014、UPI, November 17, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年11月17日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がシャイフ・マスキーン市、ダーイル町、ブルカー村、マハッジャ町各所などを「樽爆弾」などで空爆した。

またマサール・プレス(11月17日付)によると、反体制武装集団はナスィーブ国境通行所周辺でシリア軍と交戦した。

一方、SANA(11月17日付)によると、シャイフ・マスキーン市、フィキーア村、アトマーン村、ダリー村、イブタア町、マハッジャ町、ラジャート高原、ダーイル町、バイト・ジャマル村周辺、ダルアー市アバーズィード地区、Syriatelビル一帯、旧税関地区、ヨルダン街道地区、郵便局一帯、ダム街道地区で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市アーミリーヤ地区、シャイフ・サイード地区、アシュラフィーヤ地区、ティシュリーン通り地区で、シリア軍、国防隊がジハード主義武装集団と交戦した。

またアナダーン市では、イスラーム戦線司令官の車に仕掛けられていた爆弾が爆発した。

一方、SANA(11月17日付)によると、アレッポ市ハナーヌー地区、バニー・ザイド地区、ラームーサ地区、アーミリーヤ地区、ダフラト・アブドゥラッブブ地区、ウワイジャ地区、カフルハムラ村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機がサルマー町各所を空爆した。

一方、SANA(11月17日付)によると、カルト村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がマアッラト・ヌウマーン市各所を空爆した。

一方、SANA(11月17日付)によると、カフルラーター村、アルバイーン山、アブー・ズフール町、カフルシャラーヤー村、ハミーマート・ダーイル村、マジャース村、マアッラト・ヌウマーン市で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がジャウバル区を空爆した。

またシリア軍はバルザ区の住宅地を強制捜査した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザブディーン村をシリア軍が地対地ミサイルで攻撃、また同地およびアッブ農場、アーリヤ農場一帯でシリア軍、国防隊がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(11月17日付)によると、バーラー村、バハーリーヤ村、ジャルバー村、アイン・タルマー村、アルバイン市、リーハーン農場、カーラ市無人地帯、アッサール・ワルド町無人地帯、カフルフール村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(11月17日付)によると、バイト・ナッバハーン村、アブー・アラーヤー村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(11月17日付)によると、マスハラ村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(11月17日付)によると、フワイスィース村、中カスタル村、シューハ村、カフルズィーター市、タッル・アース村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊がハサカ市アズィーズィーヤ地区の住宅地を強制捜査し、複数の住民を逮捕、連行した。

AFP, November 17, 2014、AP, November 17, 2014、ARA News, November 17, 2014、Champress, November 17, 2014、al-Hayat, November 18, 2014、Kull-na Shuraka’, November 17, 2014、al-Mada Press, November 17, 2014、Masar Press Agency, November 17, 2014、Naharnet, November 17, 2014、NNA, November 17, 2014、Reuters, November 17, 2014、SANA, November 17, 2014、UPI, November 17, 2014などをもとに作成。

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