諸外国の動き:サウジアラビアが国連安保理でヒズブッラーなどをテロ組織に認定するよう主張(2014年11月20日)

『ハヤート』(11月21日付)によると、サウジアラビアのアブドゥッラー・ムアッリミー国連代表大使は安保理で、シリアで活動するすべてのテロ組織を国連の制裁対象とする決議の採択を呼びかけ、ヒズブッラー、イラク人民兵からなるアブー・アッバース軍団(アブー・ファドル・アッバース旅団のこと)などもテロ組織に認定するよう求めた。

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『ハヤート』(11月21日付)は、ワシントンDCの信頼できる複数の消息筋の情報として、バラク・オバマ政権内で、シリアへの対応をめぐりホワイト・ハウスと国務省に根強い対立が存在している、と報じた。

同報道によると、両者はシリアへの対応をめぐる現下の戦略が失敗している点で意見を共有しているが、国務省はさらなる介入をめざしている一方、ホワイト・ハウスは、シリアの紛争に巻き込まれることを懸念しているという。

AFP, November 20, 2014、AP, November 20, 2014、ARA News, November 20, 2014、Champress, November 20, 2014、al-Hayat, November 21, 2014、Kull-na Shuraka’, November 20, 2014、al-Mada Press, November 20, 2014、Naharnet, November 20, 2014、NNA, November 20, 2014、Reuters, November 20, 2014、SANA, November 20, 2014、UPI, November 20, 2014などをもとに作成。

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レバノンの動き:シリア領からの迫撃砲がシャブアー農場に着弾(2014年11月20日)

NNA(11月20日付)によると、シリア領から発射された迫撃砲弾2発が、イスラエル占領下のシャブアー農場(ナバティーヤ県ハースバイヤー郡)に着弾した。

迫撃砲弾はヘルモン山の東側から発射されたが、シリア軍と、シャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団のいずれかが撃ったは不明。

なお、これまでは、クナイトラ県のゴラン高原付近でシリア軍によるヌスラ戦線などへの攻撃が激化すると、イスラエル軍がシリア軍の哨所などを攻撃してきた。

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ARA News(11月20日付)は、ダマスカス郊外県カラムーン地方で反体制活動しているというアブー・カースィム・シャーミーなる人物が、同地方でのヒズブッラー戦闘員の犠牲者増加を受け、アサド政権とヒズブッラーが同地での軍事作戦をめぐって対立を深めている一方、イランからヒズブッラーへの支援も25%減少していると主張している、と報じた。

AFP, November 20, 2014、AP, November 20, 2014、ARA News, November 20, 2014、Champress, November 20, 2014、al-Hayat, November 21, 2014、Kull-na Shuraka’, November 20, 2014、al-Mada Press, November 20, 2014、Naharnet, November 20, 2014、NNA, November 20, 2014、Reuters, November 20, 2014、SANA, November 20, 2014、UPI, November 20, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国をめぐる動き:シリア軍が、ラッカ、アイン・アラブ郊外のダーイシュへの攻撃を激化(2014年11月20日)

ラッカ県では、マサール・プレス(11月20日付)によると、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)の本拠地ラッカ市とその周辺を空爆、民間人9人が死亡、29人が負傷した。

シリア軍の空爆はラッカ市のイグン・ハルドゥーン学校、交通警察本部、ジャワード・アンズール公園、スワイディーヤ村に対して行われた。

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アレッポ県では、SANA(11月20日付)によると、シリア軍がアイン・アラブ市郊外のワーウィヤ村でダーイシュ(イスラーム国)を攻撃、戦闘員数十人を死傷させた。

シリア軍はダイル・ハーフィル市郊外のラスム・シャイフ村でダーイシュに忠誠を誓う武装集団と交戦、多数の戦闘員を殺傷した。

一方、『ハヤート』(11月21日付)によると、アイン・アラブ市ハール市場地区一帯、市庁舎周辺、自由広場一帯、ブーターン地区で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、双方合わせて11人が死亡した。

またアイン・アラブ市東部各所な南部に米国など有志連合が少なくとも3度にわたって空爆を行い、ダーイシュの迫撃砲などを破壊した。

他方、アイン・アラブ市一帯でダーイシュへの砲撃を続けるイラク・クルディスタン地域のペシュメルガ戦闘員に対して、トルコ国境検問所を経由して、武器弾薬の増援物資(貨物車輌7輌分)が搬入された。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シャーイル・ガス採掘所周辺でシリア軍とダーイシュ(イスラーム国)の戦闘が続いた。

一方、SANA(11月20日付)によると、シャーイル・ガス油田周辺で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, November 20, 2014、AP, November 20, 2014、ARA News, November 20, 2014、Champress, November 20, 2014、al-Hayat, November 21, 2014、Kull-na Shuraka’, November 20, 2014、al-Mada Press, November 20, 2014、Masar Press Agency, November 20, 2014、Naharnet, November 20, 2014、NNA, November 20, 2014、Reuters, November 20, 2014、SANA, November 20, 2014、UPI, November 20, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力:アレッポ県各所で戦闘激化(2014年11月20日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アターリブ市で車に仕掛けられた爆弾が爆発し、反体制武装集団の治安要員2人が死亡した。

またアレッポ市マイダーン地区、マシャーリカ地区に迫撃砲弾複数発が着弾し、複数人が負傷、アシュラフィーヤ地区でも反体制武装集団による発砲があった。

さらにハーン・トゥーマーン村一帯で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、クドス旅団が、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、シリア軍が砲撃を加えた。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(11月20日付)によると、アターリブ市・アウラム・クブラー町間の街道で、ハズム運動治安部隊のアブー・アブドゥッラー司令官が乗った車が襲撃され、運転手を含む2人が死亡した。

アブドゥッラー司令官は無事だったという。

また、クッルナー・シュラカー(11月20日付)によると、アブー・アマーラ特殊任務大隊が、アレッポ市内でシリア政府のスパイ3人を逮捕したと発表し、3人の映像を公開した。

他方、SANA(11月20日付)によると、サフィーラ市郊外のサミーリーヤ村、クナイトラート村、バナーン・フッス村、ミンタール村、サドアーヤー村、ターター村、カフルカール村、スィムアーン山一帯、ハーン・アサル村、ハンダラート・キャンプ一帯、アブティーン村、アレッポ市ラームーサ地区、ブスターン・カスル地区、カーディー・アスカル地区で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、カルヤタイン市で、武装集団がバアス党支部書記長の自宅を襲撃、同書記長を暗殺した。

またヒムス市ワアル地区で、シリア軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(11月20日付)によると、ヒムス市ワアル地区、キースィーン村、フーシュ・ハッジュー村、サアン村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線のリビア人司令官がトルコ国境に近いマサーミク地方で、ウサーマ・ブン・ザイド大隊司令官を処刑した。

ウサーマ・ビン・ザイド大隊は、ダーイシュ(イスラーム国)を指示していたという。

一方、SANA(11月20日付)によると、サルミーン市およびその周辺、ハマーマ村、ムシュミシャーン村、マアッルシューリーン村、トゥウーム村、タッル・マドリーフ村、タマーニア町、ハーン・シャイフーン市、ダルクーシュ町、ダーディーフ村、サラーキブ市、カフルルーマー村、下カフタン村、シュグル村、ナフラ村、カフルシャラーヤー村などで、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダイル・アダス村をシリア軍が「樽爆弾」などで空、またシャイフ・マスキーン市、アイン・アファー遺跡検問所周辺、タッル・ウライド検問所周辺、第82師団基地周辺で、シャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(11月20日付)によると、ダイル・アダス村、アイン・アファー遺跡、カフル・ナースィジュ村、アクラバー村、マアスラ村、ダルアー市旧税関地区、Syriatel塔一帯などで、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、バアス市、ハーン・アルナバ市などで、シリア軍、国防隊がシャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦、双方が砲撃を行った。

一方、SANA(11月20日付)によると、クナイトラ市アラム交差点周辺、西サムダーニーヤ村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区、ヤルムーク区周辺で、シリア軍、国防隊がシャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦、シリア軍が同地を空爆した。

一方、SANA(11月20日付)によると、ジャウバル区で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(11月20日付)によると、ハラスター市、アイン・タルマー村、ドゥーマー市、タッル・クルディー町農場、フーシュ・ダワーヒラ村、シャイフーニーヤ農場、ザブディーン村、ダイル・アサーフィール市、カーラ市郊外無人地帯、マシュラファ村無人地帯で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム軍、ウンマ軍、アジュナード・シャーム・イスラーム連合、シャームの民のヌスラ戦線の外国人戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(11月20日付)によると、カフルズィーター市、ザカート村、ムーリク市東方、ジャークースィーヤ村、ウンム・マイヤール村、ワーディー・アッザーム村、ハッダージュ村、ムウダミーヤ村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, November 20, 2014、AP, November 20, 2014、ARA News, November 20, 2014、Champress, November 20, 2014、al-Durar al-Shamiya, November 20, 2014、al-Hayat, November 21, 2014、Kull-na Shuraka’, November 20, 2014、al-Mada Press, November 20, 2014、Naharnet, November 20, 2014、NNA, November 20, 2014、Reuters, November 20, 2014、SANA, November 20, 2014、UPI, November 20, 2014などをもとに作成。

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アサド大統領が公の場で4ヶ月ぶりに発言(2014年11月20日)

アサド大統領はダマスカスで、バアス党タルトゥース支部指導部および同支部所轄下の支局幹部らと会合を開き、国内情勢などについて報告を行った。

アサド大統領が公の場で発言するのは2014年7月16日の大統領就任演説以来4ヶ月ぶり。

SANA(11月20日付)によると、アサド大統領は、バアス党の役割について、今日シリアが直面している危機のなかで、万人に対して開かれたイデオロギー政党としての党の重要性が明らかになったと述べた。

アサド大統領によると、こうした重要性への認識は、領内でのテロとの戦いだけでなく、思想をもって対抗すべき過激思想との戦いが行われているなかで、より強まっているという。

アサド大統領はまた、現下の危機がこれまで以上に政治化しているがゆえ、バアス党の活動をさらに発展させる必要があると指摘し、アラブ性(ウルーバ)から発揚される明確な思想的・政治的計画を構築することで、こうした発展が可能になると述べた。

そのうえで、今後脅威に立ち向かうため党内のさまざまなレベルで対話を行うことが肝要だと強調した。

一方、シリア情勢、中東情勢、国際情勢に関して、アサド大統領は、シリア軍がさまざまなレベルで武装テロ集団との戦いを継続していると述べるとともに、国民和解を推し進めることが重要だとの認識を示した。

そのうえで国際社会が、テロリストに資金、武器を供与する諸外国に圧力をかけ、国民和解を支援する努力を行うべきだと述べた。

アサド大統領は、ダーイシュ(イスラーム国)をはじめとする武装テロ集団の犯罪に対して、国際社会がどのように対処すべきかというヴィジョンを欠いていると指摘、こうした組織の台頭が無の状態から生まれることはあり得ず、シリアを破壊し、その国民統合、治安、安定を脅かそうとするタクフィール主義組織への武器、資金援助の結果だと批判した。

最後にアサド大統領は、中東地域が分岐点にさしかかっていると指摘、今後の方向性がシリア国民の抵抗、友好諸国の姿勢、そしてそれ以外の国際社会の当事者(欧米諸国、アラブ湾岸諸国など)にテロの脅威を理解させることにかかっていると力説した。

アサド大統領の報告に続いて、出席者を交えた質疑応答が行われたという。

SANA, November 20, 2014
SANA, November 20, 2014

AFP, November 20, 2014、AP, November 20, 2014、ARA News, November 20, 2014、Champress, November 20, 2014、al-Hayat, November 21, 2014、Kull-na Shuraka’, November 20, 2014、al-Mada Press, November 20, 2014、Naharnet, November 20, 2014、NNA, November 20, 2014、Reuters, November 20, 2014、SANA, November 20, 2014、UPI, November 20, 2014などをもとに作成。

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