諸外国の動き:トルコ大統領が対シリア政策をめぐって米国を酷評/NATOに飛行禁止空域設定の意思なし(2014年11月26日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、ジョー・バイデン米副大統領のトルコ訪問に関して「横柄と際限のない要求に私が反対していることを知って欲しい…。1万2,000キロも離れた場所から来て、いったいなぜこの地域への関心を示すのか」と非難した。

エルドアン大統領はまた、米国が「暴君(アサド大統領のこと)が30万人を殺害しているなか、見物人でいることに満足し、アサドの蛮行の前で沈黙してきたのに、今になって、コバネ(アイン・アラブ)の行方をめぐる国際世論をもてあそんでいる」と付言した。

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NATO中央司令部のジョン・ニコルソン司令官は、ロイター通信(11月26日付)に対し、トルコとフランスが求めている対シリア国境での安全保障地域の設置に関して、「現下のコンテキストにおいて我々はそれを検討していない」と述べ、設置の意向はないことを明らかにした。

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『ハヤート』(11月27日付)は、ヨルダン、オーストラリア、ルクセンブルグが、シリアへの人道支援物資の搬入方法を定めた国連安保理決議第2165号の修正案の作成を開始した、と報じた。

この改正案は搬入作業の円滑化を目的としたもので、12月半ばの採択をめざしているという。

AFP, November 26, 2014、AP, November 26, 2014、ARA News, November 26, 2014、Champress, November 26, 2014、al-Hayat, November 27, 2014、Kull-na Shuraka’, November 26, 2014、al-Mada Press, November 26, 2014、Naharnet, November 26, 2014、NNA, November 26, 2014、Reuters, November 26, 2014、SANA, November 26, 2014、UPI, November 26, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラーム国をめぐる動き:シリア国連代表は、ダーイシュが化学兵器を製造していると安保理に報告(2014年11月26日)

バッシャール・ジャアファリー国連代表大使は、国連安保理議長に「ダーイシュ(イスラーム国)がイラク人化学専門家に、ダイル・ザウル県マヤーディーン市で塩素ガス、マスタード・ガスを製造させ、砂漠地帯に隠している」と報告した。

『ハヤート』(11月27日付)が伝えた。

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ラッカ県では、『ハヤート』(11月27日付)によると、シリア軍の空爆を避けるためハマー県からダーイシュ(イスラーム国)が実効支配する対トルコ国境のタッル・アブヤド市に避難していた青年4人が、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の要撃を受け、ダーイシュのメンバーと疑われて拷問され、死亡した。

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ハサカ県では、ARA News(11月27日付)によると、シリア軍が国防軍の支援のもと、ハサカ市南部郊外各所でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、バーブ・ハイル村、ジャムウ村を制圧した。

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ダイル・ザウル県では、クッルナー・シュラカー(11月26日付)によると、イスラーム国(ダーイシュ)の宗教警察(ヒスバ)が、ダイル・ザウル市内の病院医師を「喫煙している」との容疑で逮捕した。

AFP, November 26, 2014、AP, November 26, 2014、ARA News, November 26, 2014、November 27, 2014、Champress, November 26, 2014、al-Hayat, November 27, 2014、Kull-na Shuraka’, November 26, 2014、al-Mada Press, November 26, 2014、Naharnet, November 26, 2014、NNA, November 26, 2014、Reuters, November 26, 2014、SANA, November 26, 2014、UPI, November 26, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力:ヒムスでダーイシュがイスマーイーリー派とされる男性を処刑(2014年11月26日)

ヒムス県では、AFP(11月26日付)は、ダーイシュ(イスラーム国)ヒムス州の宗教警察(ヒズバ)が、イスマーイーリー派とされる男性1人を背教の罪で公開処刑した。

しかし、クッルナー・シュラカー(11月27日付)などによると、処刑されたこの男性はスンナ派だったという。

ARA News, November 26, 2014
ARA News, November 26, 2014

一方、SANA(11月26日付)によると、ヒムス市ワアル地区で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、ファールーク大隊の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ムーリク市北部郊外で、シリア軍、国防隊が、シャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザブディーン村郊外、ライハーン軍事基地一帯で、シリア軍がシャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦、またシリア軍はタッル・クルディー町の農場などを砲撃した。

また両者はハラスター市一帯でも交戦した。

一方、SANA(11月26日付)によると、マイダアー町から逃走を試みた反体制武装集団をシリア軍が要撃し、戦闘員約50人を殲滅した。

またリーハーン農場、フーシュ・ダワーヒラ農場、ザブディーン村、ジャルバー村、バハーリーヤ村、マシュラファ村、ジャラージール町で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム軍、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区でシリア軍が、アジュナード・シャーム・イスラーム連合と「自由シリア軍」と交戦した。

一方、SANA(11月26日付)によると、ジャウバル区で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シャイフ・マスキーン市、ダーイル町、ハーッラ市で、シリア軍がシャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦、シリア軍が「樽爆弾」などで空爆・砲撃を行った。

一方、SANA(11月26日付)によると、アトマーン村、ダルアー市Syriatelビル一帯、マンシヤ地区で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、スマート・ニュース(11月26日付)によると、シリア軍がアレッポ市バーブ・ナイラブ地区、ナイラブ航空基地一帯を空爆し、3人が死亡した。

一方、SANA(11月26日付)によると、ヌッブル市、ザフラー町周辺、ハイヤーン町、タームーラ村、マーイル町、マアーッラト・アルティーク村、アレッポ市旧市街、カーディー・アスカル地区で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ラーミー村をシリア軍が、シャームの民のヌスラ戦線、ジュンド・アクサーなどからなるジハード主義武装集団と交戦、同地一帯を砲撃した。

AFP, November 26, 2014、AP, November 26, 2014、ARA News, November 26, 2014、Champress, November 26, 2014、al-Hayat, November 27, 2014、Kull-na Shuraka’, November 26, 2014、al-Mada Press, November 26, 2014、Naharnet, November 26, 2014、NNA, November 26, 2014、Reuters, November 26, 2014、SANA, November 26, 2014、SMART News, November 26, 2014、UPI, November 26, 2014などをもとに作成。

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シリア政府の動き:ムアッリム外相訪ロ(2014年11月26日)

シリアのワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣がロシアを訪問し、クレムリンでウラジーミル・プーチン大統領と初めて会談した。

ムアッリム外務在外居住者大臣には、ファイサル・ミクダード副大臣、ブサイナ・シャアバーン大統領府政治報道補佐官らが随行した。

SANA, November 26, 2014
SANA, November 26, 2014

会談に先立って、ムアッリム外務在外居住者大臣は、セルゲイ・ラブロフ外務大臣と会談した。

外相会談後、ラブロフ外務大臣は「両国はテロが中東の安定にとって主要な脅威であることで意見が一致している…。ロシアは引き続きこの脅威に対抗するためのシリアの能力を強化し続ける」と述べた。

またスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表の「戦闘中止」イニシアチブについては、「シリア政府と、反体制勢力のすべての当事者の対話を再開するための状況を作り出さなければならない」と付言した。

ムアッリム外務在外居住者大臣は「シリア、そしてバッシャール・アサド大統領と(ロシアとの)関係強化、戦略的関係の強化」について話し合ったと述べた。

なおロシア外務省は外相会談に先立って声明を出し、シリア情勢に関して「テロとの戦いへの努力を一つに結集することが目下の火急の任務である」と発表した。

また声明は「主要な当事者たちがシリア政府とテロとの戦いにおいて強調せず、ワシントンが主導する有志連合は成功を収めることはできない」と付言した。

一方、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表による「戦闘停止」イニシアチブについては、「シリア人なしに政治的関係正常化の問題を検討することはできない」との立場を示した。

SANA, November 26, 2014
SANA, November 26, 2014
SANA, November 26, 2014
SANA, November 26, 2014

 

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なお『アフバール』(11月26日付)によると、モスクワ訪問に先立って、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣ら一行は25日、ベイルート郊外のヤルザ市にあるシリア大使館に立ち寄り、レバノンの3月8日勢力の高官と会談した。

ムアッリム外務在外居住者大臣らが会談した高官は、ヒズブッラーのフサイン・ハリール氏、同ムハンマド・ラアド議員、アマル運動のアリー・ハサン・ハリール財務大臣、マラダ潮流のスライマーン・フランジーヤ代表、自由国民潮流のイリヤース・ブー・サアブ教育・高等教育大臣。

AFP, November 26, 2014、al-Akhbar, November 26, 2014、AP, November 26, 2014、ARA News, November 26, 2014、Champress, November 26, 2014、al-Hayat, November 27, 2014、Kull-na Shuraka’, November 26, 2014、al-Mada Press, November 26, 2014、Naharnet, November 26, 2014、NNA, November 26, 2014、Reuters, November 26, 2014、SANA, November 26, 2014、UPI, November 26, 2014などをもとに作成。

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人権団体発表:「ラッカ爆撃でダーイシュのメンバーも死亡しているだろう」(2014年11月26日)

シリア人権監視団は、11月25日のシリア軍によるラッカ市への空爆によって95人が死亡、121人が負傷したと発表した。 同監視団は「この空爆でダーイシュ(イスラーム国)のメンバーも死亡しているだろう」としつつ、95人のうち52人が市民だと付言した。 同監視団による前日の発表では死者数は63人だった。

ARA News, November 26, 2014
ARA News, November 26, 2014

AFP, November 26, 2014、AP, November 26, 2014、ARA News, November 26, 2014、Champress, November 26, 2014、al-Hayat, November 27, 2014、Kull-na Shuraka’, November 26, 2014、al-Mada Press, November 26, 2014、Naharnet, November 26, 2014、NNA, November 26, 2014、Reuters, November 26, 2014、SANA, November 26, 2014、UPI, November 26, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き:シリア・クルド国民評議会メンバー集団脱会(2014年11月26日)

ARA News(11月26日付)によると、ハサカ県ジュワーディーヤ村のシリア・クルド国民評議会メンバーが、同評議会執行部が現地の状況に真摯に対応していないと批判、集団脱会した。

AFP, November 26, 2014、AP, November 26, 2014、ARA News, November 26, 2014、Champress, November 26, 2014、al-Hayat, November 27, 2014、Kull-na Shuraka’, November 26, 2014、al-Mada Press, November 26, 2014、Naharnet, November 26, 2014、NNA, November 26, 2014、Reuters, November 26, 2014、SANA, November 26, 2014、UPI, November 26, 2014などをもとに作成。

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