イスラーム国をめぐる動き:シリア軍がダイル・ザウル、ラッカでダーイシュを爆撃(2014年11月28日追記)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)によって実効支配されているブー・ウマル村をシリア軍が2度にわたって空爆した。

またダイル・ザウル市フワイジャト・サクル地区でシリア軍とダーイシュが交戦、スィヤーサ橋一帯をシリア軍が空爆した。

このほか、マヤーディーン市ジャラーディク広場で、ダーイシュが、若者1人を姦通罪により石打の刑に処し、殺害した。

一方、SANA(11月28日付)によると、ダイル・ザウル市工業地区、フワイジャト・サクル地区、ブーライル村・スブハ村間で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がラッカ市内のバヤーティラ地区、マンスーラ通りなどを4度にわたり空爆し、子供2人が死亡した。

一方、SANA(11月28日付)によると、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)のアジト複数カ所を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(11月28日付)によると、シャーイル・ガス採掘所周辺で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がアイン・アラブ市内の治安警戒地区、ハール市場などの大部分から撤退、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が同地に徐々に進軍を開始した。

また人民防衛隊はアイン・アラブ市郊外のダーイシュの拠点を攻撃する一方、アイン・アラブ市アーザーディー広場一帯で交戦、双方に多数の死傷者が出た。

一方、同監視団によると、ダーイシュは晩に、アイン・アラブ市上空を旋回中のダーイシュの偵察機が、人民防衛隊によって撃墜された。

**

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ブーカマール市郊外のラマーディー村で、ダーイシュ(イスラーム国)のクウェート人アミールが何者かに暗殺された。

**

米中央軍によると、米国など有志連合は、イラクとシリアのダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して15回にわたって空爆を行った。

AFP, November 28, 2014、AP, November 28, 2014、ARA News, November 28, 2014、Champress, November 28, 2014、al-Hayat, November 29, 2014、Kull-na Shuraka’, November 28, 2014、November 29, 2014、al-Mada Press, November 28, 2014、Naharnet, November 28, 2014、NNA, November 28, 2014、Reuters, November 28, 2014、SANA, November 28, 2014、UPI, November 28, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア国内の暴力:アレッポ、ダルアーなどでシリア軍がヌスラ戦線と交戦(2014年11月28日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ヌッブル市、ザフラー町一帯で、国防隊がアンサール・ディーン戦線、シャームの民のヌスラ戦線との戦闘を続けるなか、シリア軍ヘリコプターが同地に武器・支援物資を投下した。

またハンダラート・キャンプ郊外のサイファーン村周辺、アレッポ中央刑務所近郊のヒーラーン村一帯で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、クドス旅団、イラン人・アフガン人戦闘員が、アンサール・ディーン戦線、ヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

このほか両者はアレッポ市西部のハーン・トゥーマーン村近郊の丘陵地帯でも交戦した。

一方、SANA(11月28日付)によると、バヤーヌーン町、タームーラ村、マーイル町、フライターン市、ウワイジャ地区、アレッポ市ラーシディーン地区、ハナーヌー地区、ラームーサ地区、サラーフッディーン地区で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がサルジャ村に対して5回にわたり空爆、またザーウィヤ山一帯を2回にわたって空爆した。

またヌスラ戦線などによって包囲されているワーディー・ダイフ軍事基地、ハーミディーヤ航空基地に対して、シリア軍ヘリコプターが物資を投下した。

一方、SANA(11月28日付)によると、カフルサジュナ村、イブリーン村、フバイト村、サルジャ村、ナイラブ村、ジャーヌーディーヤ町、カフルルーマー村、マアッラトミスリーン市、下カスタン村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、カフルズィーター市、ウカイリバート町をシリア軍が「樽爆弾」などで空爆した。

またクッルナー・シュラカー(11月28日付)によると、ハマー市郊外にある「樽爆弾」製造工場とされる施設で大きな爆発が起きた。

一方、SANA(11月28日付)によると、中カスタル村、ウカイリバート町、ラスム・カティーシャ村、クライブ・サウル村、ジャニー・アルバーウィー村、カフルズィーター市で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タルビーサ市をシリア軍が「樽爆弾」で空爆し、子供1人、女性1人が死亡、またヒムス市ワアル地区で発砲した。

一方、SANA(11月28日付)によると、タルビーサ市、カリーム村、ラッジュ村、アドラ村、ウンム・ジャリーム村、シャンダーヒーヤ村、ガズィーラ村、ウンム・サフリージュ村、カスル・ハイル村、ダブアト・ムッラ村、ジバーブ・ハマド村、ウンム・シャルシューフ村、サアン村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線など反体制武装集団が侵攻を続けるイブタア町、シャイフ・マスキーン市に対して、シリア軍が21回の空爆、12回の「樽爆弾」の投下を行うなど、同県に対して60回の空爆を行った。

シリア軍はシャイフ・マスキーン市を「樽爆弾」、地対地ミサイルで攻撃、また同町一帯で、シリア軍、ヒズブッラー戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦したという。

一方、SANA(11月28日付)によると、インヒル市、シャイフ・マスキーン市で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、マイダアー町をシリア軍が地対地ミサイルで攻撃、またムカイラビーヤ町、カナーキル町を砲撃した。

さらにタイバ町一帯で、シリア軍はジハード主義武装集団と交戦する一方、アイン・タルマー村では軍の包囲を食糧品の価格高騰に反対するデモが発生した。

一方、ウンマ軍のムハンマド・アブー・ウダイ報道官を名乗る活動家は、ザブディーン村を制圧しようとしたシリア軍兵士および民間人約50人を拘束したと発表した。

クッルナー・シュラカー(11月28日付)が報じた。

他方、SANA(11月28日付)によると、ハサヌー村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カーブーン区で反体制武装集団の広報局長が狙撃され、死亡した。

またジャウバル区、タダームン区、カーブーン区周辺では、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦した。

AFP, November 28, 2014、AP, November 28, 2014、ARA News, November 28, 2014、Champress, November 28, 2014、al-Hayat, November 29, 2014、Kull-na Shuraka’, November 28, 2014、al-Mada Press, November 28, 2014、Naharnet, November 28, 2014、NNA, November 28, 2014、Reuters, November 28, 2014、SANA, November 28, 2014、UPI, November 28, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア政府の動き:ムアッリム外相「諸外国の干渉こそが政治的解決を阻害し、シリア人に対するテロを増加させている」(2014年11月28日追記)

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣は、RT(11月28日付)のインタビューに応じ、「諸外国の干渉こそが政治的解決を阻害し、シリア人に対するテロを増加させている」と述べた。

また米国が主導する有志連合に代表される外国の介入が続き、またシリア国内でテロが行われ続ける限り、紛争解決の行程について具体的には言及できないとしたうえで、紛争解決にはテロとの戦いを優先事項として議論されるべきだと述べた。

一方、米国など有志連合による空爆でダーイシュ(イスラーム国)を殲滅できるとの考えは幻想に過ぎないと指摘、米国の同盟国であるトルコがテロとの戦いに関する国連安保理決議を遵守せず、テロリストを教練していることがダーイシュ台頭主因だと非難した。

さらに国境地帯に緩衝地帯設置を求めるフランス、トルコ、シリア革命反体制勢力国民連立の主張についても、テロリストのシリアへの潜入に資するものだと批判した。

SANA, November 28, 2014
SANA, November 28, 2014

AFP, November 28, 2014、AP, November 28, 2014、ARA News, November 28, 2014、Champress, November 28, 2014、al-Hayat, November 29, 2014、Kull-na Shuraka’, November 28, 2014、al-Mada Press, November 28, 2014、Naharnet, November 28, 2014、NNA, November 28, 2014、Reuters, November 28, 2014、RT, November 28, 2014、SANA, November 28, 2014、UPI, November 28, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

人権団体発表:シリア人権ネットワークによるとシリア総人口の半分が避難民(2014年11月28日)

反体制組織のシリア人権ネットワークは、2011年3月以降の国内外避難民の数がシリアの総人口(約2,000万人)の半分以上に相当する1,233万人に達したと発表した。

うち国外避難民の数は583万5,000人で、この数値は国連に難民登録している避難民(約250万人)の倍。

また子供は660万人にのぼる、という。

シリア人権ネットワークの発表は、ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線による暴力の被害を加算せずに死傷者数を発表するなど著しい偏向が見られる。

AFP, November 28, 2014、AP, November 28, 2014、ARA News, November 28, 2014、Champress, November 28, 2014、al-Hayat, November 29, 2014、Kull-na Shuraka’, November 28, 2014、al-Mada Press, November 28, 2014、Naharnet, November 28, 2014、NNA, November 28, 2014、Reuters, November 28, 2014、SANA, November 28, 2014、UPI, November 28, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア反体制勢力の動き:民主的変革諸勢力国民調整委員会幹部が逮捕(2014年11月28日)

クッルナー・シュラカー(11月28日付)は、民主的変革諸勢力国民調整委員会ダマスカス支部指導部メンバーのアフマド・アスワド氏が、23日にヒムス県内の検問所で身柄を拘束されたと報じた。

AFP, November 28, 2014、AP, November 28, 2014、ARA News, November 28, 2014、Champress, November 28, 2014、al-Hayat, November 29, 2014、Kull-na Shuraka’, November 28, 2014、al-Mada Press, November 28, 2014、Naharnet, November 28, 2014、NNA, November 28, 2014、Reuters, November 28, 2014、SANA, November 28, 2014、UPI, November 28, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラーム国をめぐる動き:米国はシリア軍を標的としないと爆撃前にイラクを通じて通達(2014年11月28日)

『ハヤート』(11月28日付)は、信頼できる複数の消息筋の話として、米国など有志連合によるシリア空爆(9月23日付)の直前の9月16日にダマスカスを訪問していたイラクのファーリフ・ファイヤード国家安全保障顧問は、シリア領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点・車輌などへの空爆に際して、シリア軍を標的とすることはないとの米国政府のメッセージを代理で伝えていたと報じた。

al-Hayat, November 28, 2014をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア政府の動き:シリア軍のラッカ爆撃を批判する米国は、世界にテロ犯罪を無視させようとしている(2014年11月28日)

ウムラーン・ズウビー情報大臣は、シリア軍によるラッカ市空爆を非難した米国務省報道官の声明に関して、「ダーイシュ(イスラーム国)が行う拉致、殺戮、暴行、破壊、強盗といった行為を無視し…、シリアに対する嫌疑をもって、世界にテロ犯罪を無視させようとしている…。これはテロ組織に直接利するものだ」と批判した。

SANA(11月28日付)が伝えた。

SANA, November 28, 2014
SANA, November 28, 2014

SANA, November 28, 2014をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.