ダマスカス郊外県カラムーン地方でイスラーム国(ダーイシュ)司令官が別の司令官を暗殺(2015年2月22日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)のカラムーン地区アミールを名のるアブー・ウサーマ・バーニヤースィー氏が、同じくダーイシュのアミールを名のるアブー・ワリード・マクディスィー氏によって要撃され、死亡した。

マクディスィー氏による襲撃は、カラムーン地区に対して「背教宣告」(タクフィール)を行い、バーニヤースィー氏暗殺に及んだという。

マクディスィー氏はその後、捕らえられ、法廷で裁かれるという。

なおバーニヤースィー氏はタルトゥース県バーニヤース市郊外のバイダー町出身。

AFP, February 23, 2015、AP, February 23, 2015、ARA News, February 23, 2015、Champress, February 23, 2015、al-Hayat, February 24, 2015、Iraqi News, February 23, 2015、Kull-na Shuraka’, February 23, 2015、al-Mada Press, February 23, 2015、Naharnet, February 23, 2015、NNA, February 23, 2015、Reuters, February 23, 2015、SANA, February 23, 2015、UPI, February 23, 2015などをもとに作成。

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シリア国民連合はスライマーン・シャー廟をめぐるトルコ軍の作戦が「連合と自由シリア軍に知らされていた」と発表(2015年2月22日)

トルコ軍によるスライマーン・シャー廟破壊と棺の持ち出しのための越境作戦に関して、トルコのイスタンブールで活動するシリア革命反体制勢力国民連立のハーリド・ハウジャ代表はフェイスブックを通じて声明を出し、「連立と自由シリア軍に知らされたうえで、実施された」としたうえで、その成功に「安堵する」と発表した。

AFP, February 22, 2015、AP, February 22, 2015、ARA News, February 22, 2015、Champress, February 22, 2015、al-Hayat, February 23, 2015、Iraqi News, February 22, 2015、Kull-na Shuraka’, February 22, 2015、al-Mada Press, February 22, 2015、Naharnet, February 22, 2015、NNA, February 22, 2015、Reuters, February 22, 2015、SANA, February 22, 2015、UPI, February 22, 2015などをもとに作成。

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シリア外務省:トルコ軍によるスライマーン・シャー廟破壊と棺の持ち出しを「あからさまな敵対行為」と非難(2015年2月22日)

トルコ軍によるスライマーン・シャー廟破壊と棺の持ち出しのための越境作戦に関して、シリア外務在外居住者省公式筋は、SANA(2月22日付)に対して「あからさまな敵対行為」としたうえで、「その悪影響に対するすべての責任はトルコ政府にある」と非難した。

同消息筋は「トルコは、ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線など、アル=カーイダとつながりのあるテロ組織にあらゆる支援を提供するだけでは飽き足らず、今日(22日)早朝、シリア領内に対してあからさまな敵対行為を行った」と述べた。

また「トルコ外務省は、この敵対行為の直前に、イスタンブールのシリア領事館に対して、スライマーン・シャー廟を別の場所に移動させる意思を伝えてきたが、1921年にトルコとフランス占領当局が締結した条約に従い、これまでと同じくシリア側の同意を得ることはなかった」と付言した。

そのうえで「スライマーン・シャー廟は、ラッカ県のテロ組織「ダーイシュ」(ダーイシュ)が活動する地域にあり、この組織はモスク、教会、廟を破壊してきたが、スライマーン・シャー廟だけは攻撃を受けなかった。このことは、トルコ政府とこのテロ集団の間に深い結びつきがあることを強く示すものだ…この敵対行為がもたらす影響の責任はトルコ当局にある」と批判した。

SANA, February 22, 2015をもとに作成。

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トルコ軍はシリア領内の飛び地スライマーン・シャー廟の駐留部隊救出と称して越境作戦を敢行、廟を破壊、棺を持ち出す(2015年2月22日)

トルコのアフメト・ダウトオール首相は記者会見で、シリア領内の飛び地スライマーン・シャー廟の警備に当たっていた駐留部隊40人を帰還させるための大規模軍事作戦を敢行したと発表した。

ダウトオール首相は、この作戦が、スライマーン・シャー廟を含むシリア北部の情勢悪化を受けて決定されたと述べた。

だが同地一帯では、アイン・アラブ市での攻防戦に勝利した西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の攻勢が続いており、ダーイシュ(イスラーム国)の脅威は低下していた。

トルコ軍本営で行われた記者会見にはイスメト・ユルマズ国防大臣も同席した。

ダウトオール首相によると、「ユーフラテスのシャー」と名づけられた作戦は、現地時間21日午後9時に開始され、トルコ軍兵士572人を載せた戦車約40輌、装甲車、兵員輸送車など数十輌が、ミュルシトプナルの国境通行所からシリア領内のアイン・アラブ市(アレッポ県)に侵入し、同市南西約35キロの地点にあるユーフラテス河畔のスライマーン・シャー廟に進軍、いかなる武装集団とも交戦せずに駐留部隊の帰還を成功させたという。

攻撃は、ダーイシュ掃討を進める有志連合にも事前に通告されたという。

また、トルコ軍は、スライマーン・シャー廟に安置されていた棺もトルコ領内に持ち去るとともに、軍事拠点となることを防ぐために廟を破壊され、跡地にトルコ国旗を掲揚して撤退した。

スライマーン・シャーの棺に関して、ダウトオール首相は、「トルコへの移送は一時的なもので、いずれシリア国内に安置される」と述べたうえで、アシュマ村(アレッポ県アイン・アラブ市郊外)の安全確保を確認したうえで、数日中に同地に棺を移送する意思を示した。

またシリア領内に侵入したことに関しては、「我々は国際法に関するいかなる違反もしていない…。我々の軍に対して行われ得るあらゆる攻撃に対して、もっとも強いかたちで報復する用意があった」と主張した。

スライマーン・シャー廟は1921年にシリアを委任統治(1920~46年)していたフランスとトルコが交わした条約でトルコ領と定められた。

その後、1973年、廟はダム建設のために北部に移設されたが、領有権はトルコのままとされた。

なお、スライマーン・シャー廟をめぐっては、2014年3月、ダーイシュによる攻撃の可能性に関して「我々にとってのチャンス」だと話すレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領(当時首相)の音声テープが公開されていた(https://syriaarabspring.info/wp/?p=5641)。

この会話で、国家諜報機構(MİT)のハカン・フィダン長官は「そうする(スライマーン・シャー廟を攻撃する)必要があるのなら、シリアから4人を送りましょう。トルコにミサイル攻撃を行うよう命令し、戦争の理由を作り出しましょう。必要なら、スライマーン・シャー廟への攻撃も準備できます」と応えていた。

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トルコの最大野党、共和民主党(CHP)のギュルセル・テキン書記長は、トルコ軍の越境作戦に関して「トルコ共和国史上初めて、我々は戦闘もせずに我々の領土を失った。これは受け入れられないことだ」と非難した。

また民族主義者行動党のスィナン・オーアン議員もツイッターで「これはスキャンダルだ…。あなた方(トルコ政府)は我々の国祖の廟の防衛に失敗し、我々の兵士たちは撤退を強いられた…。恥を知れ」と批判した。

ARA News, February 22, 2015
ARA News, February 22, 2015
ARA News, February 22, 2015
ARA News, February 22, 2015
ARA News, February 22, 2015
ARA News, February 22, 2015
ARA News, February 22, 2015
ARA News, February 22, 2015

 

AFP, February 22, 2015、AP, February 22, 2015、ARA News, February 22, 2015、Champress, February 22, 2015、al-Hayat, February 23, 2015、Iraqi News, February 22, 2015、Kull-na Shuraka’, February 22, 2015、al-Mada Press, February 22, 2015、Naharnet, February 22, 2015、NNA, February 22, 2015、Reuters, February 22, 2015、SANA, February 22, 2015、UPI, February 22, 2015などをもとに作成。

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有志連合によるダーイシュ(イスラーム国)拠点への爆撃で女性、子供を含む住民6人が死亡(2015年2月22日)

ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(2月22日付)によると、米国など有志連合がジャズア村南部のサリーマ村を空爆し、女性、子供を含む住民6人が死亡した。

またARA News(2月22日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がイラク国境のヤアルビーヤ(タッル・クージャル)町郊外で、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

両者はカーミシュリー市南部郊外でも交戦、人民防衛隊が約20カ村を制圧したという。

一方、ARA News(2月23日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊は、ダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、イラク国境に位置するジャズア村郊外の3カ村を制圧した。

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アレッポ県では、ARA News(2月22日付)によると、米国など有志連合はダーイシュ(イスラーム国)が支配するトルコ国境の町ジャラーブルス市周辺一帯に対して空爆を行った。

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ハトワ通信(2015年2月21日付)は、「クルド・イスラーム国」を名のる集団がアレッポ市アフリーン市やジンディールス町のクルド人の村でビラを配布し、民主統一党を「背教者の党」と非難、その拠点などの破壊を唱導していると伝えた。

「クルド・イスラーム国」を名のる集団は、ダーイシュ(イスラーム国)への忠誠などについては一切触れていないという。

AFP, February 22, 2015、AP, February 22, 2015、ARA News, February 22, 2015、February 23, 2015、Champress, February 22, 2015、al-Hayat, February 23, 2015、Iraqi News, February 22, 2015、Wikarat Khatwa al-Ikhbariya, February 22, 2015、Kull-na Shuraka’, February 22, 2015、al-Mada Press, February 22, 2015、Naharnet, February 22, 2015、NNA, February 22, 2015、Reuters, February 22, 2015、SANA, February 22, 2015、UPI, February 22, 2015などをもとに作成。

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シリア軍がアレッポ市などを激しく爆撃(2015年2月22日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機が21日深夜から22日未明にかけて、アレッポ市ブスターン・バーシャー地区、ブスターン・カスル地区、旧市街、ジスル・ハッジ軸などを空爆、またアーミリーヤ地区、バーブ・ナイラブ地区、カッラーサ地区に迫撃砲弾が着弾した。

ライラムーン地区でも、シリア軍、国防隊が、ジハード主義武装集団と交戦した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区、ヤルムーク区をシリア軍が砲撃した。

一方、SANA(2月22日付)によると、ジャウバル区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(2月22日付)によると、イスラーム軍が拠点を置くドゥーマー市内のタウバ・センターなどシリア軍が空爆し、同センターに拘置されていたシリア軍将兵が死亡した。

死亡したのは、第274連隊司令官のスハイル・スライマーン准将、ワフィーク・シャーリーシュ少佐、ファーティル・サーリム警察官、ヌーラーン・アフマド・マイヤー兵卒、イラク人民兵のルワイユ・タラール氏、空軍情報部のターリク・サルマーン氏。

シリア軍のドゥーマー市への空爆は14回におよび、女性や子供を含む10人が死亡したという。

一方、SANA(2月22日付)によると、ドゥーマー市、アルバイン市、マルジュ・スルターン村、ザブディーン村、ザバダーニー市一帯、アイン・ブスターン村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャーム自由人イスラーム運動、イスラーム軍、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダイル・アダス村北部郊外、カフルシャムス町北部高地など、シャイフ・マスキーン市などをシリア軍が砲撃した。

一方、SANA(2月22日付)によると、ラジャート高地一帯、アトマーン村西部、ダルアー市、ズィムリーン村、ブスル・ハリール市、ハーッラ市で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、クッルナー・シュラカー(2月22日付)によると、ジャルマ村の検問所で爆弾が仕掛けられた車が爆発し、シリア軍兵士3人が死亡した。

一方、SANA(2月22日付)によると、カフルズィーター市、ウカイリバート町、サルハー村、ラフジャーン村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(2月22日付)によると、シリア軍がアイドゥー村、アイン・ハウル村にあるシャームの民のヌスラ戦線拠点を攻撃し、トルコ人戦闘員(ロケット弾技術に関する専門家)2人を含む複数名を殲滅、武器・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(2月22日付)によると、タッル・ブラーク町で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(2月22日付)によると、タフタナーズ市、タマーニア町、カンスフラ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの鷹旅団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(2月22日付)によると、ラスタン湖一帯、ウンク・ハワー村、ムシャイリファ村、ラジャム・カスル村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, February 22, 2015、AP, February 22, 2015、ARA News, February 22, 2015、Champress, February 22, 2015、al-Hayat, February 23, 2015、Iraqi News, February 22, 2015、Kull-na Shuraka’, February 22, 2015、al-Mada Press, February 22, 2015、Naharnet, February 22, 2015、NNA, February 22, 2015、Reuters, February 22, 2015、SANA, February 22, 2015、UPI, February 22, 2015などをもとに作成。

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人権団体発表(2015年2月22日)

シリア人権ネットワークは、2012年12月1日以降、シリア軍が各地に「樽爆弾」5,150発を投下し、1万2,193人が犠牲となったと発表した。

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シリア人権監視団は、18日以降のアレッポ県北部でのシリア軍、国防隊などとシャームの民のヌスラ戦線、アンサール・ディーン戦線などジハード主義武装集団との攻防戦でのシリア軍側の死者数が152人に達したと発表した。

AFP, February 22, 2015、AP, February 22, 2015、ARA News, February 22, 2015、Champress, February 22, 2015、al-Hayat, February 23, 2015、Iraqi News, February 22, 2015、Kull-na Shuraka’, February 22, 2015、al-Mada Press, February 22, 2015、Naharnet, February 22, 2015、NNA, February 22, 2015、Reuters, February 22, 2015、SANA, February 22, 2015、UPI, February 22, 2015などをもとに作成。

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