シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表がアレッポ市の「戦闘中止」イニシアチブに関する報告書を安保理に提出(2015年2月17日)

『ハヤート』(2月18日付)などによると、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表は、アレッポ市の「戦闘中止」イニシアチブに関する報告書を国連安保理に提出した。

AFP, February 17, 2015、AP, February 17, 2015、ARA News, February 17, 2015、Champress, February 17, 2015、al-Hayat, February 18, 2015、Iraqi News, February 17, 2015、Kull-na Shuraka’, February 17, 2015、al-Mada Press, February 17, 2015、Naharnet, February 17, 2015、NNA, February 17, 2015、Reuters, February 17, 2015、SANA, February 17, 2015、UPI, February 17, 2015などをもとに作成。

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レバノンの動き:ジュンブラート氏がヒズブッラーのナスルッラー書記長の演説に反論(2015年2月17日)

進歩社会主義党のワリード・ジュンブラート党首は、ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長の16日のテレビ演説に関して、ツイッターで「バッシャール・アサドのテロ体制と戦うシリア人が1人でもいる限り、私はそのシリア人を支持する」とつぶやいた。

このつぶやきは、ナスルッラー書記長がテレビ演説で「我々はヌスラ戦線とダーイシュを区別するという主張で馬鹿にされるべきでない。両者は同じ本質、精神、行動、目標を持っている…。こういうことを我々に言った者を、レバノンで探してみよう」と述べ、2013年10月にヌスラ戦線をテロ組織と認定するべきでないと主張していたジュンブラート党首を暗に批判したことを受けたもの。

AFP, February 17, 2015、AP, February 17, 2015、ARA News, February 17, 2015、Champress, February 17, 2015、al-Hayat, February 18, 2015、Iraqi News, February 17, 2015、Kull-na Shuraka’, February 17, 2015、al-Mada Press, February 17, 2015、Naharnet, February 17, 2015、NNA, February 17, 2015、Reuters, February 17, 2015、SANA, February 17, 2015、UPI, February 17, 2015などをもとに作成。

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YPGがラッカ、アレッポ、ハサカの各県でダーイシュ(イスラーム国)を追撃(2015年2月17日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊、ラッカ革命家戦線、クルド戦線旅団、北の太陽大隊が、アレッポ市とハサカ市を結ぶ国際幹線道路(通称ロドコ高速道路)一帯からダーイシュ(イスラーム国)を放逐、同地を制圧した。

人民防衛隊はまた、ダーイシュが占拠していた7ヵ村を奪還、戦闘員10人を殲滅した。

また、クッルナー・シュラカー(2月17日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)はラッカ市で、表示量よりも少なく米を販売していたとして同市有数の業者であるマフムード・サフラーニー氏を100回の公開むち打ち刑に処した。

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ハサカ県では、ARA News(2月17日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がカーミシュリー市南部郊外でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、拠点複数カ所を破壊した。

一方、SANA(2月17日付)によると、ハサカ市西部のマフラク・サディーク村、ハーウーズ村、タッル・マジュダル村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ県では、ARA News(2月17日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊のシュユーフ・タフターニー区方面への進軍を受けるかたちで、米国など有志連合が同地一帯のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して激しい空爆を行った。

また、ダーイシュ(イスラーム国)がマンビジュ市で、モスクで礼拝中のシャイフ、イッズッディーン・ハサン氏ら多数を逮捕した。

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ヒムス県では、SANA(2月17日付)によると、ジャズル・ガス採掘所一帯などで、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, February 17, 2015、AP, February 17, 2015、ARA News, February 17, 2015、Champress, February 17, 2015、al-Hayat, February 18, 2015、Iraqi News, February 17, 2015、Kull-na Shuraka’, February 17, 2015、al-Mada Press, February 17, 2015、Naharnet, February 17, 2015、NNA, February 17, 2015、Reuters, February 17, 2015、SANA, February 17, 2015、UPI, February 17, 2015などをもとに作成。

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シリア軍がアレッポ県でヌスラ戦線らに対して大攻勢、ヌスラ戦線がTOWミサイルでシリア軍ヘリを撃墜(2015年2月17日)

アレッポ県では、『ハヤート』(2月18日付)によると、シリア軍が、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、クドス旅団、イラン人・アフガン人戦闘員の支援を受け、トルコからの兵站路を寸断し、シャームの民のヌスラ戦線などによるヌッブル市とザフラー町の包囲を解除するため、アレッポ市北部一帯での攻撃を激化させた。

シリア人権監視団によると、この戦闘により、シリア軍はアレッポ市北部のバーシュカウィー村、ラトヤーン村など複数の村を制圧、反体制武装集団戦闘員12人が死亡した。

またシリア軍によるバーシュカウィー村制圧後、ハルダトニーン村、ラトヤーン村・バヤーヌーン町間などで、シリア軍、国防隊などは、シャームの民のヌスラ戦線、アンサール・ディーン戦線などジハード主義武装集団と交戦した。

さらにバヤーヌーン町、アナダーン市、フライターン市がシリア軍の砲撃を受けた。

この戦闘に関して、シリア軍筋は、AFP(2月17日付)に対して、「非常に重要な戦いだ。またアレッポでの戦いは総じて我々にとって需要だ」としたうえで、「目標はアレッポ市の包囲解除、ヌッブル市、ザフラー町の包囲解除だ」と述べた。

一方、アレッポ市バニー・ザイド地区、アズィーズィーヤ地区、ムーカンブー地区、ハムダーニヤ地区、ナイル通り、ティシュリーン通り、ラーシディーン地区郊外、アズィーザ村、タッル・ムサイビーン村

などでは、シリア軍、国防隊らが、ヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦、シリア軍の砲撃などにより、戦闘員少なくとも6人、民間人20人が死亡する一方、ドゥラル・シャーミーヤ(2月17日付)によると、シリア軍側にも30人の死者が出た。

また、シリア軍はアレッポ市ザフラー協会地区で進軍を続け、ヌスラ戦線、アンサール・ディーン戦線などジハード主義武装集団の戦闘員18人を殲滅、地区内の複数の建物を制圧した。

なお、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表が17日、アレッポ市の「戦闘中止」イニシアチブに関する報告書を国連安保理に提出したことに関して、上記のシリア軍筋はAFPに「今日の攻撃は(デミストゥラ氏の動きとは)無関係だ…。(アレッポ県での)軍事作戦は、シリア軍が同時に複数の戦線を開くことができることを示すものだ」と答えた。

他方、SANA(2月17日付)によると、シリア軍が、国防隊の支援のもとダイル・ザイトゥーン町、カフルトゥーナ村、バーシュカウィー村、タッル・ムサイビーン村、ハルダトニーン村、ラトヤーン村に対して特殊作戦を実施し、「テロリスト」多数を殲滅、同地を制圧した。

シリア軍はまた、アレッポ市ザフラー協会地区内の複数の建物を制圧したほか、カールフール、アルド・マッラーフ地区、アレッポ市カースティールー地区、ナアナーイー広場、バニー・ザイド地区、スーク・ジャバル地区、旧市街、ライラムーン地区、ラーシディーン地区、カフルハムラ村、マアーッラト・アルティーク村、アターリブ市、ズィルバ村、アナダーン市、ハイヤーン町、ハンダラート・キャンプ一帯、フライターン市、バヤーヌーン町などで反体制武装集団を攻撃、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

Kull-na Shuraka', February 17, 2015
Kull-na Shuraka’, February 17, 2015

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アブー・ズフール軍事基地飛行場一帯で、シャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団がシリア軍と交戦し、同飛行場上空でシリア軍ヘリコプター1機を撃墜し、ムラースィル・イドリブ(2月17日付)がその映像(https://www.youtube.com/watch?v=Euq1Lv_qn_w)を公開した。

ヌスラ戦線によると、シリア軍ヘリコプターは飛行場に着陸しようとしたところ、米国製のTOW対戦車ミサイルを被弾し、墜落したという。

ヌスラ戦線はまた、自由シリア軍参謀委員会に所属するとされる武装集団が掌握していたアイン・ラールーズ村に突入し、同地を制圧、活動家数十人を拘束した。

一方、SANA(2月17日付)によると、ハミーディーヤ村、タッル・サラムー村、ウンム・ジャリーン村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

Murasil Idlib, February 16, 2015
Murasil Idlib, February 16, 2015

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ダルアー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(2月17日付)によると、反体制武装集団がダルアー市内の政府関連施設、旧競技場などシリア軍展開地域を砲撃した。

一方、SANA(2月17日付)によると、アクラバー村、カフル・ナースィジュ村、ラジャート高地一帯、カルクで、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(2月17日付)によると、ハラスター市、アルバイーン市、アーリヤ農場、カラムーン山地一帯郊外無人地帯、ラアス・マアッラ町無人地帯、マシュラファ村無人地帯、ザバダーニー市で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(2月17日付)によると、ハミーディーヤ村、ウンム・バーティン村、マフハラ村、ハーン・アルナバ市、ウンム・アッザーム・ダム一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(2月17日付)によると、ウンク・ハワー村、マクサル・ヒサーン村一帯などで、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(2月17日付)によると、ハーン・ジャウズ村、ワーディー村、カイヤーラ村、ワーディー・シャイハーン村、キンサッバー町で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(2月17日付)によると、アトシャーン村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, February 17, 2015、AP, February 17, 2015、ARA News, February 17, 2015、Champress, February 17, 2015、al-Durar al-Shamiya, February 17, 2015、al-Hayat, February 18, 2015、Iraqi News, February 17, 2015、Kull-na Shuraka’, February 17, 2015、al-Mada Press, February 17, 2015、Murasil Idlib, February 17, 2015、Naharnet, February 17, 2015、NNA, February 17, 2015、Reuters, February 17, 2015、SANA, February 17, 2015、UPI, February 17, 2015などをもとに作成。

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オランダ外相「シリア危機解決に至るため、すべての当事者と話すべき」(2015年2月17日)

オランダのベルト・クーンデルス外務大臣は『ハヤート』の取材に対して、「ダーイシュ(イスラーム国)か、シリア政府かという選択肢を強いられる」ことがないよう、「穏健な反体制派」とスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表を支援しつつ、シリア政府を含む「すべての当事者」と対話する必要があると述べた。

クーンデルス外務大臣は、オランダがダーイシュに対する有志連合の一員として、イラクの空爆にF16戦闘機を参加させ、バグダード、アルビールでの教練のために専門家を派遣しているとしたうえで、シリア情勢に関して「我々は非殺傷装備を穏健な反体制派に支援している。これは成功しているか、いないか? ダーイシュの殲滅には…長い時間がかかるということを理解しなければならない…。我々は解決策が軍事的なものではなく、イラクとシリアのスンナ派排除を終わらせるような政治的解決が不可欠だと考えている」と主張した。

また「シリア政府への放棄は…今や中東における宗派戦争の一部をなしている」との持論を展開したうえで、「我々は穏健な反体制派強化の可能性について議論した…。シリアでの軍事行動には関与せず、(反体制派支配地域)の復興、警察の強化…などに関与している」と述べた。

そのうえで「(シリアの)現状は、我々にダーイシュかアサド政権下という選択肢を迫っている。しかしこれは、偽りの選択だ。我々はオルターナティブをしっかりと作り出さねばならない」と述べ、穏健な反体制派の強化し、停戦に向けた「ボトムアップ」、「トップダウン」の動きを糾合すべきだと主張、「それゆえ、我々はデミストゥラ氏を支援する」と付言した。

「アサド大統領は暴力を軽減するための解決策の一部」とのデミストゥラ氏の発言については「シリア人の血でその手を染めた者がシリアの将来の一部を形成することは受け入れられない」としつつ、「解決に居たるため、すべての当事者と話してはいけないという意味ではない」と答えた。

『ハヤート』(2月18日付)が伝えた。

AFP, February 17, 2015、AP, February 17, 2015、ARA News, February 17, 2015、Champress, February 17, 2015、al-Hayat, February 18, 2015、Iraqi News, February 17, 2015、Kull-na Shuraka’, February 17, 2015、al-Mada Press, February 17, 2015、Naharnet, February 17, 2015、NNA, February 17, 2015、Reuters, February 17, 2015、SANA, February 17, 2015、UPI, February 17, 2015などをもとに作成。

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シリア人権監視団発表:ダーイシュ(イスラーム国)との戦闘での死者数は1,835人(2015年2月17日)

シリア人権監視団は、アイン・アラブ市(アレッポ県)での攻防戦が本格化した2014年9月16日以降、ダーイシュ(イスラーム国)と西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊などとの戦闘での犠牲者数が1,835人に達すると発表した。

このうちクルド人(民間人)は、アイン・アラブ市一帯でダーイシュに処刑された住民17人を含めると39人(うち斬首は4人)にのぼっているという。

またダーイシュの戦闘員の死者は1,271人で、そのなかの49人がアイン・アラブ市一帯での自爆攻撃で死亡したという。

一方、人民防衛隊などクルド人戦闘員の死者は500人にのぼるという。

AFP, February 17, 2015、AP, February 17, 2015、ARA News, February 17, 2015、Champress, February 17, 2015、al-Hayat, February 18, 2015、Iraqi News, February 17, 2015、Kull-na Shuraka’, February 17, 2015、al-Mada Press, February 17, 2015、Naharnet, February 17, 2015、NNA, February 17, 2015、Reuters, February 17, 2015、SANA, February 17, 2015、UPI, February 17, 2015などをもとに作成。

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