米国家情長官「トルコにとってダーイシュ(イスラーム国)との戦いは最優先事項ではない」(2015年2月27日)

ジェームズ・クラッパー米国家情報長官は、「トルコにとってダーイシュ(イスラーム国)との戦いは最優先事項ではない」と述べ、そのことがトルコ経由でのシリアへの外国人戦闘員の潜入を容易にしていると批判した。

クラッパー氏は上院軍事委員会で、トルコがダーイシュとの戦いにこれまで以上に関与するかとの質問に対して、「そうは思わない。トルコには別の優先事項、別の関心があると思う」と証言した。

AFP(2月27日付)が伝えた。

AFP, February 27, 2015、AP, February 27, 2015、ARA News, February 27, 2015、Champress, February 27, 2015、al-Hayat, February 28, 2015、Iraqi News, February 27, 2015、Kull-na Shuraka’, February 27, 2015、al-Mada Press, February 27, 2015、Naharnet, February 27, 2015、NNA, February 27, 2015、Reuters, February 27, 2015、SANA, February 27, 2015、UPI, February 27, 2015などをもとに作成。

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アレッポ市での国連の「戦闘停止」イニシアチブをめぐる動き(2015年2月27日)

『ワタン』(2月27日付)によると、ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣は、7日にシリアの首都ダマスカスを訪問する予定のスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表が前回訪問時に「アレッポ市の2地区、すなわちサラーフッディーン地区とサイフ・ダウラ地区における現地情勢を「凍結」することなどに関する簡単なペーパーを新たに持参した」としたうえで、「我々は、1地区、つまりサラーフッディーンでまず戦闘停止を、と述べた」ことを明らかにした。

ミクダード副大臣はまた「我々は同地区、さらにアレッポ市全土で空爆、砲撃、重火器使用を停止し、サラーフッディーン地区に人道支援を行い、市内の他の地区のモデルとする用意がある」と付言した。

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バレリー・アモス国連人道問題担当事務次長は、インターネットを通じて声明を出し、「反体制派と接触し、両当事者(シリア政府と反体制派)の仲介において重要な役割を担っていた幹部職員2人」をシリア政府が強制退去に処したと発表、こうした措置がシリア国内の停戦を阻害すると批判した。

ARA News(2月27日付)が伝えた。

AFP, February 27, 2015、AP, February 27, 2015、ARA News, February 27, 2015、Champress, February 27, 2015、al-Hayat, February 28, 2015、Iraqi News, February 27, 2015、Kull-na Shuraka’, February 27, 2015、al-Mada Press, February 27, 2015、Naharnet, February 27, 2015、NNA, February 27, 2015、Reuters, February 27, 2015、SANA, February 27, 2015、UPI, February 27, 2015、al-Watan, February 27, 2015などをもとに作成。

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シリア国民連合が改めてアサド政権の退陣要求(2015年2月27日)

トルコのイスタンブールで活動するシリア革命反体制勢力国民連立のサーリム・ムスラト報道官は声明を出し、「アサド退任があらゆる政治的正常化の基本条件だ」と改めて表明した。

AFP, February 27, 2015、AP, February 27, 2015、ARA News, February 27, 2015、Champress, February 27, 2015、al-Hayat, February 28, 2015、Iraqi News, February 27, 2015、Kull-na Shuraka’, February 27, 2015、al-Mada Press, February 27, 2015、Naharnet, February 27, 2015、NNA, February 27, 2015、Reuters, February 27, 2015、SANA, February 27, 2015、UPI, February 27, 2015などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)が首都ダマスカス近郊で勢力増大か?(2015年2月27日)

ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(2月27日付)が、イスラーム戦線東グータ作戦司令官のサフヤーン・ハマウィー司令官の話として、「東グータ地方外で自由シリア軍の哨所複数カ所」がダーイシュ(イスラーム国)の攻撃を受け、「イスラーム軍戦闘員8人を含む自由シリア軍メンバー11人が捕捉された」と伝えた。

一方、東カラムーン・シャリーア委員会は声明を出し、ダーイシュ(イスラーム国)が潜伏しているとされるバトラー地区、ジャバル地区への民間人の通行を禁止すると発表した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、同県におけるダーイシュ(イスラーム国)の最重要拠点の一つタッル・ハミース市に西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が突入し、ダーイシュと交戦、同市東部および南東部一帯を制圧した。

一方、SANA(2月27日付)によると、カーミシュリー市南部のファルファラ村、タッル・アフマド村、ヒルバト・ヌーラー村、トゥファイヒーヤ村、ハズナ村で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、同地を制圧した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がタッル・アブヤド市一帯で、クルド人5人を含む9人を、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊に近い武装集団、ないしはシリア政府のスリーパー・セルに所属していた理由で処刑した。

ダーイシュはまた、ラッカ市北西部のジャズラ交差点地区で、男性一人の手のひらを「バイクを盗んだ」罪で切断した。

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ヒムス県では、SANA(2月27日付)によると、アーラーク・ガス備蓄所一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、イッティハード・プレス(2月27日付)によると、マヤーディーン市内の商店主らが、ダーイシュ(イスラーム国)による商店の移転要請に抗議し、ゼネストを行った。

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有志連合合同司令部によると、米国など有志連合は、シリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して14回空爆を行った。

うち5回はハサカ県内、アレッポ県アイン・アラブ市一帯などに対して行われたという。

AFP, February 27, 2015、AP, February 27, 2015、ARA News, February 27, 2015、Champress, February 27, 2015、al-Hayat, February 28, 2015、Iraqi News, February 27, 2015、al-Ittihad Press, February 27, 2015、Kull-na Shuraka’, February 27, 2015、al-Mada Press, February 27, 2015、Naharnet, February 27, 2015、NNA, February 27, 2015、Reuters, February 27, 2015、SANA, February 27, 2015、UPI, February 27, 2015などをもとに作成。

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正体不明の戦闘機がイドリブ県のヌスラ戦線拠点を爆撃、ダマスカス郊外のモスク前で爆弾テロ(2015年2月27日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、サルキーン市近郊のアブー・タルハ村にあるシャームの民のヌスラ戦線の拠点複数カ所を正体不明の戦闘機が空爆し、外国人戦闘員2人が死亡した。

空爆を行ったのが、シリア軍戦闘機か有志連合の戦闘機かは不明だという。

しかし、この空爆と前後して、シリア軍戦闘機がヌスラ戦線の拠点であるアブー・ズフール航空基地一帯を空爆している。

一方、SANA(2月27日付)によると、シュグル村、アイン・バーリダ村、カトルーン村、アイン・ラールーズ村、タッル・サラムー村、ウンム・ジャリーン村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ドゥマイル市内のモスク近くで爆弾を仕掛けられた車が爆発し、11人が死亡した。

クッルナー・シュラカー(2月27日付)によると、爆発は金曜礼拝直後に発生、爆弾がしかけられた車3台が相次いで爆発したという。

Kull-na Shuraka', February 27, 2015
Kull-na Shuraka’, February 27, 2015

またシリア軍がマルジュ・スルターン村を空爆し、女性、子供ら7人が死亡、ドゥーマー市でも男性1人が死亡した。

一方、SANA(2月27日付)によると、ハサヌー村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、インヒル市、イブタア町、フィキーア村、シャイフ・マスキーン市、カフルシャムス町などをシリア軍が「樽爆弾」などで空爆した。

一方、SANA(2月27日付)によると、アンタル丘、タッル・カリーン村、タッル・アラーキーヤ、カフル・ナースィジュ村、カフルシャムス町、ダルアー市各所などで、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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スワイダー県では、シリア人権監視団、SANA(2月27日付)によると、マラフ町近郊のタッル・マジュダアでシリア軍、国防隊とジハード主義武装集団が交戦した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線がハズラ村でジハード主義武装集団の車列に乗っていた戦闘員複数を拘束、サハーラ村に連行した。

またマーリア市一帯では、ヌスラ戦線がジハード主義武装集団と交戦した。

このほか、ハーン・アサル村、カフルナーハー町などジハード主義武装集団が支配下に置く地域、ダマスカス・アレッポ国際幹線道路の上空で正体不明の偵察機が目撃された。

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ハマー県では、クッルナー・シュラカー(2月27日付)によると、「ムハンマドの兵」を名のる武装集団がジャルマ村・サフサーフィーヤ村を結ぶ橋を破壊、シリア軍の兵站路を遮断した。

AFP, February 27, 2015、AP, February 27, 2015、ARA News, February 27, 2015、Champress, February 27, 2015、al-Hayat, February 28, 2015、Iraqi News, February 27, 2015、Kull-na Shuraka’, February 27, 2015、al-Mada Press, February 27, 2015、Naharnet, February 27, 2015、NNA, February 27, 2015、Reuters, February 27, 2015、SANA, February 27, 2015、UPI, February 27, 2015などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)によるハサカ県住民(アッシリア教徒)拉致をめぐる動き(2015年2月27日)

外務在外居住者省は国連安保理議長と事務総長に宛てて書簡を提出、ハサカ県タッル・シャーミーラーン村一帯でのダーイシュ(イスラーム国)による住民(アッシリア教徒)拉致について、「ダーイシュ、シャームの民のヌスラ戦線、自由シリア軍、イスラーム軍といったテロ組織によるシリア国民への野蛮なテロ行為の一環」と位置づけ、国際社会に対して、こうした組織を支援する国家に対して断固たる対応をとるよう求めた。

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アッシリア人権ネットワーク(在ストックホルム)は、ダーイシュ(イスラーム国)がタッル・シャーミーラーン村一帯で拉致した住民(アッシリア教徒)の解放をめぐる交渉が、ダーイシュと地元のアッシリア教徒名士、アラブ部族名士らとの間で始まったと発表した。

この交渉は、イフラーム・アスナーイール・ラーイー司教のイニシアチブのもとに開始されたという。

AFP, February 27, 2015、AP, February 27, 2015、ARA News, February 27, 2015、Champress, February 27, 2015、al-Hayat, February 28, 2015、Iraqi News, February 27, 2015、Kull-na Shuraka’, February 27, 2015、al-Mada Press, February 27, 2015、Naharnet, February 27, 2015、NNA, February 27, 2015、Reuters, February 27, 2015、SANA, February 27, 2015、UPI, February 27, 2015などをもとに作成。

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ヌスラ戦線がアレッポ県内のハズム戦線(穏健な反体制派)支配地域への攻撃準備(2015年2月27日)

シャームの民のヌスラ戦線は声明を出し、アレッポ県アターリブ市の住民に対して、同市内でのハズム運動との戦闘回避するため、住民に対してハズム運動から離反するよう呼びかけた。

Kull-na Shuraka', February 27, 2015
Kull-na Shuraka’, February 27, 2015

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クッルナー・シュラカー(2月27日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線に所属する武装集団とハズム運動が、アレッポ県ダーラト・イッザ市および第111連隊基地での戦闘を回避し、同連隊基地をシャーム戦線に引き渡すことで合意した。

Kull-na Shuraka', February 27, 2015
Kull-na Shuraka’, February 27, 2015

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シャーム自由人イスラーム運動とシャームの鷹旅団は、イスラーム戦線に所属する武装集団を代表して共同声明を出し、ハズム運動が処刑したとされるシャームの民のヌスラ戦線司令官の一人アブー・イーサー・タブカ氏に弔意を示すとともに、同運動に対して、拘束中のヌスラ戦線メンバーら全員の即時解放を求めた。

Kull-na Shuraka', February 27, 2015
Kull-na Shuraka’, February 27, 2015

AFP, February 27, 2015、AP, February 27, 2015、ARA News, February 27, 2015、Champress, February 27, 2015、al-Hayat, February 28, 2015、Iraqi News, February 27, 2015、Kull-na Shuraka’, February 27, 2015、al-Mada Press, February 27, 2015、Naharnet, February 27, 2015、NNA, February 27, 2015、Reuters, February 27, 2015、SANA, February 27, 2015、UPI, February 27, 2015などをもとに作成。

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英仏外相がシリアのアサド政権との協力を改めて拒否(2015年2月27日)

フィリップ・ハモンド英外務大臣とローラン・ファビウス仏外務大臣が、シリア政府を批判する文を『ハヤート』に共同寄稿、2月27日付で掲載された。

この寄稿文で、両外務大臣は以下の通り述べ、シリア政府の復権に警戒感を露わにした。

「バッシャール・アサドは自らが立て籠もっている宮殿から自国民に対して戦争をしかけるだけでは満足せず、世界での自身のイメージの改善を試みている。西側のメディアを通じて、アサドは過激派の残虐行為に乗じ、自国の混乱に立ち向かう我々のパートナーだと主張している。こうした主張になびいている者もいるようで、彼らはアサドの不正や独裁が過激派に対峙するのであれば、混乱よりましだ、と述べるようになっている」。

「しかし、アサド自身が実際には、不正、混乱、過激主義を育んでおり、フランスと英国は、断固としてこの三つに共同で立ち向かう」。

「アサドはもはや、自国の手綱を握ってはいない。シリア北部の領土を失い、そこでは、穏健な反体制派が勇敢に戦っている。東部では、アサドはダーイシュ(イスラーム国)に抵抗しているとは思えない。北西部では、親アル=カーイダ勢力が掌握し、国境はあらゆる場所で侵害されている」。

「我々(米英)の国家安全保障を維持するには、シリアのダーイシュを敗北させねばならず、我々は過激派と戦うために、シリアでパートナーが必要だ。これは、シリアの各当事者が合意する政治的に関係を正常化し、シリアにおいて挙国一致政府を樹立することを意味する。そのなかには、現体制の一部、シリア革命反体制勢力国民連立などの穏健派が含まれるだろう…。しかし明らかなのは、アサドはこうした政府の当事者とはなり得ないことだ」。

「こうして政治移行プロセスを進めるため…、我々はダーイシュが存在する根本原因に対処する必要があり、我々は政治的な努力を結集させている。これは簡単なことではなく、我々みなが自らの役割を果たさねばならない」。

al-Hayat, February 27, 201をもとに作成。

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