シリア外務省高官はイランの核開発に関する枠組み合意に歓迎の意を表明(2015年4月3日)

SANA(4月3日付)は、シリア外務在外居住者省高官筋の話として、イランが国連安保理常任理事国およびドイツと結んだ核開発に関する枠組み合意に関して、シリア政府が歓迎の意を表明するとともに、「欧米諸国がイラン国民に対して課している不正な経済制裁を解除するという約束を履行する」ことが重要だとの見解を示した、と伝えた。


AFP, April 3, 2015、AP, April 3, 2015、ARA News, April 3, 2015、Champress, April 3, 2015、al-Hayat, April 4, 2015、Iraqi News, April 3, 2015、Kull-na Shuraka’, April 3, 2015、al-Mada Press, April 3, 2015、Naharnet, April 3, 2015、NNA, April 3, 2015、Reuters, April 3, 2015、SANA, April 3, 2015、UPI, April 3, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプでダーイシュ(イスラーム国)とハマース系武装組織の戦闘続く:ダマスカス郊外県でダーイシュのキャンプ侵入を批判するデモ発生(2015年4月3日)

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク区(ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ)一帯で、ハマースに近いパレスチナ人武装組織「アクナーフ・バイト・マクディス大隊」などからなる武装集団とダーイシュ(イスラーム国)の戦闘が続いた。

『ハヤート』(4月4日付)によると、ダーイシュによるヤルムーク区のバースィル病院、ハイファー通り、ルービーヤ通り一帯の占拠に伴う戦闘激化を受け、同地区の住民数十世帯が、ダマスカス郊外県のヤルダー市、バービッラー市への避難を余儀なくされているという。

またシリア現地消息筋は、AFP(4月3日付)に対して、シリア軍がヤルムーク区周辺での厳戒態勢を強化している…。こうした措置はダーイシュ戦闘員がキャンプの外へと拡大し、シリア軍の保護下にある安全な地域に向かうことを阻止することが目的だ」と述べた。

同消息筋によると、ダーイシュが首都ダマスカスにこれほどまでに接近したのはこれが初めてだが、「首都ダマスカスに至るキャンプのメイン・ゲートは安全だ」と述べ、シリア軍とPFLP-GCなどシリア政府寄りのパレスチナ人民兵が防衛にあたっていることを強調した。

ダマスカス郊外県で活動するイスラーム軍は声明を出し、ダマスカス県ヤルムーク区(ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ)へのダーイシュの潜入を支援しているシャームの民のヌスラ戦線に対して、「革命家部隊の側につき、ダーイシュと戦い、彼らとダーイシュの(戦闘の)妨げになるべきでない」と批判した。

また「我々の原則に反するかたちで戦闘を行うヌスラ戦線に対して、ダーイシュとの戦いにおいて周知の権利に従うよう呼びかける。ヌスラ戦線の司令官(アミール)たちはダーイシュと戦うよう命じている」と警鐘を鳴らした。

一方、ARA News(4月3日付)は、ジャーナリストのワリード・アーガー氏の話として、ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦するハマース寄りのパレスチナ人武装集団「アクナーフ・バイト・マクディス」に対して、関係当局に投降するよう求めている、と伝えた。

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SANA(4月3日付)は、ダマスカス郊外県のバイト・サフム市、バービッラー市の住民数百人が、ダマスカス県ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプへのダーイシュ(イスラーム国)の侵入・占拠と、シャームの民のヌスラ戦線によるダーイシュ侵入の支援を非難したと報じ、その写真を公開した。

SANA, April 3, 2015
SANA, April 3, 2015

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ヒムス県では、SANA(4月3日付)によると、ラッフーム村で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、ARA News(4月3日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)ヒムス州がビデオ声明を出し、シリア軍検問所で逮捕後に殺害されたヒムス市出身のサーミル・ムハンマド・アフマド氏の妻が、復讐としてシリア軍兵士1人を銃殺した、と発表した。

また、ARA News(4月4日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がシャッダーディー市で、「シリア政府に内通している」と自供した男性複数を処刑、その映像を公開した。

一方、クッルナー・シュラカー(4月4日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がタッル・タムル町への突入を試み、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊と交戦した。

AFP, April 3, 2015、AP, April 3, 2015、ARA News, April 3, 2015、April 4, 2015、Champress, April 3, 2015、al-Hayat, April 4, 2015、Iraqi News, April 3, 2015、Kull-na Shuraka’, April 3, 2015、April 4, 2015、al-Mada Press, April 3, 2015、Naharnet, April 3, 2015、NNA, April 3, 2015、Reuters, April 3, 2015、SANA, April 3, 2015、UPI, April 3, 2015などをもとに作成。

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アル=カーイダ系武装集団がイドリブ市郊外のシリア軍基地一帯でシリア軍と交戦、ハマー県北部での攻勢に向け準備(2015年4月3日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マストゥーマ軍事基地一帯で深夜から未明にかけて、シリア軍、国防隊がシャームの民のヌスラ戦線、ジュンド・アクサー機構などからなるジハード主義武装集団と激しく交戦した。

また、クッルナー・シュラカー(4月4日付)によると、シリア軍戦闘機がイドリブ市中心部の時計広場、シャイフ・ブルグル・モスク一帯を空爆し、住民数十人が死亡した。

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ハマー県では、『ハヤート』(4月4日付)によると、同県北部で活動するシャームの自由人イスラーム運動、シャーム軍団、ガーブの鷹、イッザ連合、第13師団、シャーム・ムジャーヒディーン旅団などのジハード主義武装集団が2日、「復位」の名で合同作戦司令室を設置したと報じた。

シャーム軍団広報局によると、「復位」合同作戦司令部は、カフルズィーター市西方のタッル・ハマーミーヤート検問所などを迫撃砲などで攻撃、これに対してシリア軍はラターミナ町、カフルズィータ市一帯を空爆・砲撃したという。

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ダルアー県では、SANA(4月3日付)によると、ウンム・マヤーズィン・サイダー街道、クーム・ワーワーヤート、シャイフ・マスキーン、アトマーン村、インヒルで、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム・ムサンナー運動の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、ドゥラル・シャーミーヤ(4月3日付)によると、ザバダーニー市一帯をシリア軍が「樽爆弾」などで空爆し、反体制武装集団と交戦する一方、フライタ村郊外無人地帯のシリア軍拠点を反体制武装集団が砲撃、交戦した。

一方、SANA(4月3日付)によると、ザバダーニー市西部、ハッザ、アルバイン市、ドゥーマー市郊外で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(4月3日付)によると、マスハラ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(4月3日付)によると、ラジャム・カスル村、ラジャム・アーリー村、ムシャイリファ村、ラスタン市で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、ヒムス軍団、ハーリド・ブン・ワリード旅団、ファールーク大隊の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, April 3, 2015、AP, April 3, 2015、ARA News, April 3, 2015、Champress, April 3, 2015、al-Durar al-Shamiya, April 3, 2015、al-Hayat, April 4, 2015、Iraqi News, April 3, 2015、Kull-na Shuraka’, April 3, 2015、April 4, 2015、al-Mada Press, April 3, 2015、Naharnet, April 3, 2015、NNA, April 3, 2015、Reuters, April 3, 2015、SANA, April 3, 2015、UPI, April 3, 2015などをもとに作成。

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ナスィーブ国境通行所喪失後のシリアの国境通行所の管理・支配状況:シリア政府はスワイダー県のヨルダン国境に新たな通行所設置を検討(2015年4月3日)

AKI(4月3日付)は、シリア政府筋の話として、シャームの民のヌスラ戦線と「自由シリア軍」(南部戦線)がヨルダンとを結ぶダルアー県のナスィーブ国境通行所を制圧したことを受け、スワイダー県に新たな国境通行所を設置する可能性を検討していると報じた。

同消息筋によると、シリア政府は2014年に、ナスィーブ国境通行所の税関局の施設をスワイダー県ルワイシダ村に移転していたという。

この移転作業は、ナスィーブ国境通行所の喪失を想定し、国境通行所の施設を、シリア政府の支配が強固なスワイダー県に移転したいとしていた軍事情報局をはじめとする治安機関のもとで進められていたという。

しかし、同消息筋は、スワイダー県の国境通行所が、ナスィーブ国境通行所にとって代わることはなく、またその規模や設備もそれには及ばず、ヨルダン側も新たな国境通行所の設置には同意していないと付言している。

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シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線や自由シリア軍南部戦線などによって制圧されたダルアー県のナスィーブ国境通行所のメイン・ゲード一帯をヌスラ戦線が掌握、また税関関連施設一帯にヌスラ戦線、ヤルムーク旅団、スンナの獅子旅団、タウヒード旅団、ファッルージャト・ハウラーン旅団の戦闘員が展開した。

同監視団によると、ナスィーブ国境通行所の往来、物資の搬出・搬入を希望する者は、メイン・ゲートを掌握したヌスラ戦線の軍事司令官(アミール)の許可が求められているという。

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なお、アナトリア通信(4月3日付)など、シリアと周辺諸国を結ぶ国境通行所の管理・支配状況は以下の通り:

Anadolu Ajansı, April 3, 2015
Anadolu Ajansı, April 3, 2015

1. 対ヨルダン国境

ナスィーブ・ジャービル国境通行所(ダルアー県):ヌスラ戦線、「自由シリア軍」南部戦線などが2015年4月に制圧。

ダルアー(旧税関局)・ラムサー国境通行所(ダルアー県):ジハード主義武装集団が2013年11月に制圧。

2. 対イラク国境

ヤアルビーヤ・ラビーア国境通行所(ハサカ県):2012年7月に「自由シリア軍」が制圧、その後シリア軍とダーイシュ(イスラーム国)が争奪戦を繰り広げ、2014年10月以降は西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊、イラク・クルディスタン地域ペシュメルガが管理。

ブーカマール・カーイム国境通行所(ハサカ県):2012年11月に「自由シリア軍」が制圧、その後2014年7月にダーイシュ(イスラーム国)が掌握。

タンフ・ワリード国境通行所(ヒムス県):シリア側のタンフ国境通行所はシリア政府が掌握しているが、イラク側のワリード国境通行所はダーイシュ(イスラーム国)の攻撃を受け閉鎖。

3. 対トルコ国境

カサブ・ヤイラダーウ国境通行所(ラタキア県):シリア側のカサブ国境通行所はシリア政府が掌握しているが、トルコ側のヤイラダーウ国境通行所は閉鎖。

バーブ・ハワー・ジルヴェギョズ国境通行所(イドリブ県):シリア側のバーブ・ハワー国境通行所はアナトリア通信が言うところの「反体制勢力」が管理。

バーブ・サラーマ・オンジュプナル(アレッポ県):シリア側のバーブ・サラーマ国境通行所はアナトリア通信が言うところの「反体制勢力」が管理。

ジャラーブルス・カルカムシュ国境通行所(アレッポ県):シリア側のジャラーブルス国境通行所はダーイシュ(イスラーム国)が管理。

アイン・アラブ・ミュルシトプナル国境通行所(アレッポ県):シリア側のアイン・アラブ国境通行所は西クルディスタン移行期民政局が管理。

タッル・アブヤド・アクチャカレ国境通行所(ラッカ県):シリア側のタッル・アブヤド国境通行所はダーイシュ(イスラーム国)が管理。

ラアス・アイン・ジェイランプナル国境通行所(ハサカ県):シリア側のラアス・アイン国境通行所は西クルディスタン移行期民政局が管理。

カーミシュリー・ヌサイビン国境通行所(ハサカ県):シリア側のカーミシュリー国境通行所はシリア政府が管理し、国連の人道支援物資を搬入するために使用。

アイン・ディーワール・ジズレ国境通行所(ハサカ県):シリア側のアイン・ディーワール国境通行所は西クルディスタン移行期民政局が管理。

4. イスラエル占領下のゴラン高原

クナイトラ通行所:2014年8月にシャームの民のヌスラ戦線が制圧。

5. 対レバノン国境

ジュダイダト・ヤーブース・マスナア国境通行所(ダマスカス郊外県):シリア政府が管理。

ジュースィーヤ・カーラ国境通行所(ヒムス県):シリア政府が管理。

タッルカラフ国境通行所(ヒムス県):反体制武装集団がタッルカラフ市一帯を制圧。

ジスル・カマール・ワーディー・ハーリド国境通行所(ヒムス県):シリア政府が管理。

ダブースィーヤ・ウブーディヤ国境通行所(タルトゥース県):シリア政府が管理。

タルトゥース・アリーダ国境通行所(タルトゥース県):シリア政府が管理。

AFP, April 3, 2015、Anadolu Ajansı, April 3, 2015、AP, April 3, 2015、ARA News, April 3, 2015、Champress, April 3, 2015、al-Hayat, April 4, 2015、Iraqi News, April 3, 2015、Kull-na Shuraka’, April 3, 2015、al-Mada Press, April 3, 2015、Naharnet, April 3, 2015、NNA, April 3, 2015、Reuters, April 3, 2015、SANA, April 3, 2015、UPI, April 3, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.