ヌスラ戦線はイドリブ市でキリスト教徒を「兄弟」と呼んだ幹部2人をシャリーア法廷に起訴(2015年4月5日)

シャームの民のヌスラ戦線は、ファトフ軍によって制圧されたイドリブ市内のキリスト教地区を視察した幹部2人が、キリスト教徒を「兄弟」と呼び、一部のメンバーの行き過ぎた行動を謝罪したことに関して、組織の規則に反するとしてシャリーア法廷に起訴した。

クッルナー・シュラカー(4月5日付)が伝えた。

起訴されたのは、イドリブ地区司令官(アミール)のアブー・サアド・スーリー氏(アブー・カッドゥール)と幹部のアブー・ワヒード・シャイフ氏の2人。

2人の視察の様子は、ヌスラ戦線が運営するアルワーン・ラジオを通じてサラーキブ市内で放送されたが、ヌスラ戦線メンバーらがラジオ局を訪れ抗議し、放送中止を迫った。

これを受け、アルワーン・ラジオは、この「不祥事」への責任をとるかたちでサラーキブ市内での放送を中止すると発表した。

サラーキブ市以外の地域での放送およびインターネット放送は継続するという。

AFP, April 5, 2015、AP, April 5, 2015、ARA News, April 5, 2015、Champress, April 5, 2015、al-Hayat, April 6, 2015、Iraqi News, April 5, 2015、Kull-na Shuraka’, April 5, 2015、al-Mada Press, April 5, 2015、Naharnet, April 5, 2015、NNA, April 5, 2015、Reuters, April 5, 2015、SANA, April 5, 2015、UPI, April 5, 2015などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)がハサカ県でキリスト教会を破壊(2015年4月5日)

ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(4月5日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がナスリー村(タッル・タムル町郊外)にある聖マリア教会を破壊した。

Kull-na Shuraka', April 5, 2015
Kull-na Shuraka’, April 5, 2015

 

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ダイル・ザウル県では、クッルナー・シュラカー(4月5日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がダイル・ザウル市のハミーディーヤ地区などで、軍事キャンプでの教練を拒否した児童20人を逮捕した。

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ヒムス県では、SANA(4月5日付)によると、ラッフーム村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, April 5, 2015、AP, April 5, 2015、ARA News, April 5, 2015、Champress, April 5, 2015、al-Hayat, April 6, 2015、Iraqi News, April 5, 2015、Kull-na Shuraka’, April 5, 2015、al-Mada Press, April 5, 2015、Naharnet, April 5, 2015、NNA, April 5, 2015、Reuters, April 5, 2015、SANA, April 5, 2015、UPI, April 5, 2015などをもとに作成。

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ヌスラ戦線がナスィーブ国境通行所を「ハウラーン法務局」に移管し、撤退(2015年4月5日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線が他のジハード主義武装集団とともにナスィーブ国境通行所から撤退、また「ハウラーン法務局」が声明を出し、ヤルムーク軍前線司令官のイマード・アブー・ズライク氏が同国境通行所の管理の任にあたると発表した。

またハウラーン法務局は、国境通行所で略奪を行った者たちに対して、48時間以内に盗品を返還するよう呼びかけた。

Kull-na Shuraka', April 5, 2015
Kull-na Shuraka’, April 5, 2015

これに対して、シリア軍はカフル・ナースィジュ村などを砲撃する一方、インヒル市などで、国防隊、ヒズブッラー戦闘員などとともにヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦したという。

一方、SANA(4月5日付)によると、スマード村、バアヤート村、アトマーン村一帯、ダルアー市内各所で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団が、ティシュリーン発電所、ナースィリーヤ発電所へのガス供給パイプラインを破壊し、ダマスカス県などへの送電が中断した。

また、ARA News(4月5日付)などによると、シリア軍がキスワ市を戦車で砲撃し、住民数十人が死傷した。

一方、SANA(4月5日付)によると、ダイルハビーヤ市で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(4月5日付)によると、マスハラ村、ハミーディーヤ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(4月5日付)によると、ウンク・ハワー村、ラジャム・カスル村、サーリヒーヤ村、ヒブラ村、ウンム・サフリージュ村、アブー・ハワーディート村、アルシューナ村、マスアダ村、西サラーム村、ムシャイリファ村などで、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(4月5日付)によると、アイドゥーン村、ラターミナ町、スカイク村、カフルズィーター市、ハマーミーヤート村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。


AFP, April 5, 2015、AP, April 5, 2015、ARA News, April 5, 2015、Champress, April 5, 2015、al-Hayat, April 6, 2015、Iraqi News, April 5, 2015、Kull-na Shuraka’, April 5, 2015、al-Mada Press, April 5, 2015、Naharnet, April 5, 2015、NNA, April 5, 2015、Reuters, April 5, 2015、SANA, April 5, 2015、UPI, April 5, 2015などをもとに作成。

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ヌスラ戦線は、ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプでの中立を宣言する一方、ダーイシュ(イスラーム国)を支援したのは、反体制武装集団とシリア政府が和解したためと自己弁護(2015年4月5日)

シャームの民のヌスラ戦線は声明を出し、ダーイシュ(イスラーム国)およびヌスラ戦線によるダマスカス県ヤルムーク区(ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ)への侵入、占拠に関して、「中立」の立場をとっていると主張した。

ヌスラ戦線は声明で、「我々はみなに明らかにしたい。ダマスカス南部の我々ヌスラ戦線は、ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプでのアクナーフ・バイト・マクディス大隊とダーイシュの戦闘において中立の立場にある。我々だけでなく、シャーム自由人イスラーム運動などの組織も同じ立場である。中立の立場をとることは、自らの責任を回避することではない。我々を追究しようとする者たちは、我々はこの地域で新たな負担に耐えていることを忘れている。この負担は、ヌサイリー体制軍(シリア政府)、アフマド・ジブリールのシャッビーハ(PLFL-GC)、ファタハ・インティファーダに…加えて、ヤルダー、バッビーラー、バイト・サフムといった地域で(シリア政府と)和解したグループと対決しなければならないという負担だ」と主張した。

そのうえで、ザフラーン・アッルーシュ司令官率いるイスラーム軍がダーイシュと戦うためにヤルムーク・パレスチナ難民キャンプに突入する意思を示していることに関して、ヌスラ戦線制圧地域の通過を許可するとしつつも、「イスラーム軍は誰と突入しようとしているのか? 犯罪者政権との和解に関与した使徒シャーム旅団とか? この旅団はバイト・サフムで我々を裏切った…。我々ヌスラ戦線は要請を拒否せざるを得なかった。どうして我々が、バイト・サフムで戦った者たちのために、ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプに突入しようか?」と述べ、シリア政府と反体制勢力の和解ゆえにダーイシュ寄りの姿勢をとったことを認めた。

Kull-na Shuraka', April 5, 2015
Kull-na Shuraka’, April 5, 2015

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イスラーム軍のザフラーン・アッルーシュ司令官はダマスカス郊外県東グータ地方で記者会見を行い、「もし彼ら(有志連合)が我々に1,000億ドルをくれたら、ダーイシュ(イスラーム国)、シリア政府、シーア派のヒズブッラー民兵を殲滅し、イランや中国にまで到達していたことだろう」と豪語、ダーイシュ掃討の意思を明らかにした。

AFP, April 5, 2015、AP, April 5, 2015、ARA News, April 5, 2015、Champress, April 5, 2015、al-Hayat, April 6, 2015、Iraqi News, April 5, 2015、Kull-na Shuraka’, April 5, 2015、al-Mada Press, April 5, 2015、Naharnet, April 5, 2015、NNA, April 5, 2015、Reuters, April 5, 2015、SANA, April 5, 2015、UPI, April 5, 2015などをもとに作成。

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シリア政府、支援機関の協力により、ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ住民約2,000人が避難に成功(2015年4月5日)

PLO(パレスチナ解放機構)のアンワル・アブドゥルハーディー政治局長は、シリア政府の支援を受けて、ダーイシュ(イスラーム国)やシャームの民のヌスラ戦線が占拠するヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ(ダマスカス県)から住民の避難を行ったことを明らかにした。

アブドゥルハーディー政治局長は「我々は(ダマスカス郊外県)バイト・サフム市(南東部)など…の安全な通行所を経由して、金曜日と土曜日(3、4日)にシリア政府や支援組織の支援のもと、400世帯、約2,000人をザフラー地区に避難させた」と述べた。

なおアブドゥルハーディー政治局長によると、ダーイシュ、ヌスラ戦線はキャンプ中心部および南西部一帯を占拠しているのに対して、アクナーフ・バイト・マクディス大隊側がキャンプ北東部を維持しているという。

『ハヤート』(4月6日付)が伝えた。

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シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)とシャームの民のヌスラ戦線が占拠するダマスカス県ヤルムーク区(ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ)に対して、シリア軍が「樽爆弾」13発を投下、また同地ではハマースに近いパレスチナ人武装組織「アクナーフ・バイト・マクディス大隊」などジハード主義武装集団がダーイシュ、ヌスラ戦線と交戦した。

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PLO(パレスチナ解放機構)執行委員会メンバーでダマスカス在住のアフマド・マジュダラーニー氏は、ダマスカス県ヤルムーク区(ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ)へのダーイシュ(イスラーム国)とシャームの民のヌスラ戦線の侵攻・占拠に関して、「キャンプ住民はきわめて複雑で困難な状況下で暮らしており、ダーイシュがキャンプの広範囲を制圧したことを受け、深刻な人道的悲劇を…もたらしかねない状況に彼らは置かれている」と警鐘を鳴らした。

そのうえで「シリア政府や一部の当事者と集中的に連絡をとり、ヤルムーク・キャンプの住民に悪影響が及ばないようにしている」と強調した。

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ハマースは、ダマスカス県ヤルムーク区(ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ)へのダーイシュ(イスラーム国)とシャームの民のヌスラ戦線の侵攻・占拠に関して声明を出し、「パレスチナ人の流血をもたらし、彼らをさらなる人道的悲劇に追いやるような…戦闘の即時停止」を呼びかけた。

ハマースによると、ハーリド・ミシュアル政治局長も事態の推移を注視し、「さまざまな連絡を介して、キャンプ内での流血停止のために何が必要かを追求」するとともに、ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプを含むすべてのパレスチナ難民キャンプの「中立化」、シリア危機からの拝披が必要だと確認したという。

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PFLPは、ダマスカス県ヤルムーク区(ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ)へのダーイシュ(イスラーム国)とシャームの民のヌスラ戦線の侵攻・占拠に関して声明を出し、「国際社会、アラブ世界でキャンプ救済と同地からの武装集団退去のための政治的行動計画を準備」するよう呼びかけた。

AFP, April 5, 2015、AP, April 5, 2015、ARA News, April 5, 2015、Champress, April 5, 2015、al-Hayat, April 6, 2015、Iraqi News, April 5, 2015、Kull-na Shuraka’, April 5, 2015、al-Mada Press, April 5, 2015、Naharnet, April 5, 2015、NNA, April 5, 2015、Reuters, April 5, 2015、SANA, April 5, 2015、UPI, April 5, 2015などをもとに作成。

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