ヌスラ戦線、イスラーム戦線などからなる「一つの旗同盟」が東グータ地方で「腐敗者」との戦いを行うと発表(2015年4月8日)

「一つの旗同盟」を名乗るジハード主義武装集団もこれに先立って声明を出し、東グータ地方の「腐敗者」との戦いを行うと発表し、非ジハード主義反体制武装集団やシリア政府に協力する武装集団を粛清する意思を表明した。

「一つの旗同盟」は、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム戦線、首都タウヒード旅団大隊、アンサール・イスラーム戦線、イッズ・アクナーフ・バイト・マクディス旅団、イスラーム殉教者旅団、フルサーン・スンナ旅団、アジュナード・シャーム・イスラーム運動からなる。

Kull-na Shuraka', April 8, 2015
Kull-na Shuraka’, April 8, 2015
Kull-na Shuraka', April 8, 2015
Kull-na Shuraka’, April 8, 2015

 

AFP, April 9, 2015、AP, April 9, 2015、ARA News, April 9, 2015、Champress, April 9, 2015、al-Hayat, April 10, 2015、Iraqi News, April 9, 2015、Kull-na Shuraka’, April 9, 2015、al-Mada Press, April 9, 2015、Naharnet, April 9, 2015、NNA, April 9, 2015、Reuters, April 9, 2015、SANA, April 9, 2015、UPI, April 9, 2015などをもとに作成。

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フランスNGO「東方キリスト教救済」教会がキリスト教徒支援のためフランス政府の反対を押し切ってシリアに入国(2015年4月8日)

AFP(4月8日付)は、フランスのNGO「東方キリスト教救済」教会のメンバー32人が7日、フランス政府の反対を押し切ってシリアに入国した。

「東方キリスト教救済」はシリア国内のキリスト教徒・キリスト教関連施設の支援を行う団体で、シリアに入国した32人は1週間の予定で、マアルーラー市(ダマスカス郊外県)などシリア政府支配下のキリスト教関連施設を視察・慰問する予定だという。

AFP, April 8, 2015、AP, April 8, 2015、ARA News, April 8, 2015、Champress, April 8, 2015、al-Hayat, April 9, 2015、Iraqi News, April 8, 2015、Kull-na Shuraka’, April 8, 2015、al-Mada Press, April 8, 2015、Naharnet, April 8, 2015、NNA, April 8, 2015、Reuters, April 8, 2015、SANA, April 8, 2015、UPI, April 8, 2015などをもとに作成。

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ロンドン北西部でシリア人反体制活動家が遺体で発見(2015年4月8日)

BBC(4月8日付)などによると、ロンドン北西部で、英国在住のシリア人、アブドゥルハーディー・アルワーニー氏が遺体で発見された。

アルワーニー氏は、1982年のハマー市でのいわゆる「ハマー虐殺」(シリア政府によるシリア・ムスリム同胞団掃討)を逃れ、ロンドンのモスクでイマームを務めた経歴を持つ。

またシリア政府への批判的姿勢でも広く知られていた。

AFP, April 8, 2015、AP, April 8, 2015、ARA News, April 8, 2015、Champress, April 8, 2015、al-Hayat, April 9, 2015、Iraqi News, April 8, 2015、Kull-na Shuraka’, April 8, 2015、al-Mada Press, April 8, 2015、Naharnet, April 8, 2015、NNA, April 8, 2015、Reuters, April 8, 2015、SANA, April 8, 2015、UPI, April 8, 2015などをもとに作成。

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PLO幹部「ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ内での政治的解決の可能性について言及することは難しい」;ハイダル大臣「軍事的な事態収拾が不可欠」(2015年4月8日)

アリー・ハイダル国民和解担当大臣は、ダマスカスを訪問中のPLO(パレスチナ解放機構)執行委員会メンバーのアフマド・マジュダラーニー氏と会談し、ダーイシュ(イスラーム国)とシャームの民のヌスラ戦線によるヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ侵攻・占拠への対応について意見を交わした。

『ハヤート』(4月9日付)などによると、ハイダル大臣は会談後の共同記者会見で「現在の最優先事項は、キャンプから武装集団とテロリストを排除することで、現状を踏まえると、軍事的な事態収拾が不可欠だが、それを選択したのは国家(シリア)ではなく、キャンプに侵入し、我々が継続してきたこと(国民和解への試み)のすべてを打ち壊した者だ…。軍事行動はいかなる状況でも開始されるし、軍および軍とともに戦う勢力は成果を得てきた」と述べた。

ハイダル大臣は、シリア軍のキャンプ突入の可能性に関して「シリア国家が作戦遂行上、突入の必要があると決定し、シリア国家がそう決定すれば、パレスチナ自治政府と本件への対応を任された(パレスチナ側の)委員会はこれを支援するだろう」と述べる一方、「キャンプがシリア領であり、シリアの主権がキャンプとの関係を司るものである」との合意をパレスチナ側から得ていることを明らかにした。

そのうえで「キャンプ内の問題への対応を任された(パレスチナ側の)委員会は、キャンプにかかるあらゆる問題に対するシリア国家の決定を待っている」と強調した。

ハイダル大臣によると、この委員会は、現地での武装集団との交渉(国民和解)にあたってきたパレスチナ諸派の代表からなっており、「キャンプでの戦闘をシリア側との調整のもとに行っている」のだという。

一方、マジュダラーニー氏も「ヤルムーク・キャンプの事態の変化を踏まえると、キャンプ内での政治的解決の可能性について言及することは、近い将来は難しい」と述べ、シリア軍の介入を認める意思を暗に示した。

AFP, April 8, 2015、AP, April 8, 2015、ARA News, April 8, 2015、Champress, April 8, 2015、al-Hayat, April 9, 2015、Iraqi News, April 8, 2015、Kull-na Shuraka’, April 8, 2015、al-Mada Press, April 8, 2015、Naharnet, April 8, 2015、NNA, April 8, 2015、Reuters, April 8, 2015、SANA, April 8, 2015、UPI, April 8, 2015などをもとに作成。

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西クルディスタン移行期民政局がシリア・クルド国民評議会指導者の出国を禁止(2015年4月8日)

クッルナー・シュラカー(4月8日付)は、西クルディスタン移行期民政局(ジャズィーラ地区)アサーイシュが、シリア・クルド国民評議会(シリア革命反体制勢力国民連立)のターヒル・サフーク代表とニウマト・ダーウド副代表の出国を禁止した、と報じた。

2人はイラク・クルディスタン地域に向かっており、同地を経由して、ジュネーブに入り、反体制派の会合に出席する予定だったという。

AFP, April 8, 2015、AP, April 8, 2015、ARA News, April 8, 2015、Champress, April 8, 2015、al-Hayat, April 9, 2015、Iraqi News, April 8, 2015、Kull-na Shuraka’, April 8, 2015、al-Mada Press, April 8, 2015、Naharnet, April 8, 2015、NNA, April 8, 2015、Reuters, April 8, 2015、SANA, April 8, 2015、UPI, April 8, 2015などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)がアレッポ県のシャーム戦線、ヌスラ戦線に対して自爆攻撃(2015年4月8日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、マーリア市でダーイシュ(イスラーム国)が自爆攻撃を行い、シャームの民のヌスラ戦線のアミール(司令官)アブー・マーリヤー・バービー氏が死亡した。

この自爆攻撃に先立ち、ダーイシュは7日、ハワール・キリス村で爆発物を積んだ自動車2台を相次いで自爆させ、シャーム戦線司令官2人を含む23人を殺害していた。

クッルナー・シュラカー(4月8日付)によると、この連続自爆攻撃で、シャーム戦線のヤフヤー・ザカリヤー・ハーフィズ(アブー・マリヤム)氏、ハーズィム・サーリフ(アブー・ナジーブ)氏、ルワイユ・サリーム・ハーフィズ氏、アリー・フサイン氏、ハサン・アクラマ氏、アリー・フサイン・ナーイフ氏が死亡したという。

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、8日から9日にかけてのダーイシュによる自爆攻撃を非難し、反体制武装集団の糾合なくしてテロとの戦いは不可能だと主張したうえで、「(シリア革命の)原則と道徳を遵守する革命勢力を信頼し…、体制崩壊まであらゆる政治的レベルでの自衛を継続する」と表明した。

なおシャーム戦線に参加する一部の武装集団は8日、シャーム革命家大隊の結成を宣言し、離反していた。

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ダイル・ザウル県では、クッルナー・シュラカー(4月9日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)支配地域から家族を脱出させようとしたメンバー20人以上がダイル・ザウル市でダーイシュによって逮捕された。
逮捕された20人はまた、シリア政府支配地域に食糧物資などを密輸していたという

Kull-na Shuraka', April 7, 2015
Kull-na Shuraka’, April 7, 2015

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ハサカ県では、ARA News(4月8日付)によると、シリア軍、国防隊とダーイシュ(イスラーム国)がウンム・キバル村一帯で交戦した。

またタッル・タムル町郊外のハリータ村一帯では、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がダーイシュと交戦した。

さらに、クッルナー・シュラカー(4月8日付)によると、人民防衛隊は、ラアス・アイン市西部のナッル・ヒンズィール村一帯、タッル・タムル町周辺一帯のダーイシュ拠点を攻撃した。

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ダイル・ザウル県では、ARA News(4月8日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が、ティーム油田で働くすべての労働者・技術者を撤退させた。

シリア軍による空爆を避けるための措置だという。

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ハマー県では、SANA(4月8日付)によると、北カスタル村、ダキーラ村、ムウダミーヤ村、アブー・フバイラート村、マスウード村、ジュッブ・マラービア村、トゥービーヤ村で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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スワイダー県では、SANA(4月8日付)によると、カスル村で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, April 8, 2015、AP, April 8, 2015、ARA News, April 8, 2015、April 9, 2015、Champress, April 8, 2015、al-Hayat, April 9, 2015、Iraqi News, April 8, 2015、Kull-na Shuraka’, April 8, 2015、al-Mada Press, April 8, 2015、Naharnet, April 8, 2015、NNA, April 8, 2015、Reuters, April 8, 2015、SANA, April 8, 2015、UPI, April 8, 2015などをもとに作成。

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シャーム自由人イスラーム運動がハマー県でシリア軍兵士12人を殺害(2015年4月8日)

ハマー県では、クッルナー・シュラカー(4月8日付)によると、シャーム自由人イスラーム運動がバーリド村にあるカーヒラ検問所に対して自爆攻撃を行い、シリア軍兵士12人を殺害した。

またドゥラル・シャーミーヤ(4月8日付)は、この戦闘で武装集団側は150人ものシリア軍、国防隊兵士を捕捉したと伝えた。

一方、SANA(4月8日付)によると、カフルタハーリーム町、スーダー町、ビンニシュ市、ジューバース村、バイヤーアト・サハーナ村、ダブスィーヤ村、カフルハーヤー村、マアッルバリート村、カフルルーマー村、タッル・アース村、カフルズィーター市、サイヤード村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、シリア革命家戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(4月8日付)によると、ドゥーマー市、タッル・クルディー町一帯、アッブ農場、マシュラファ村無人地帯、フライタ村無人地帯、バイト・ジン村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、イスラーム軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(4月8日付)によると、ジャウバル区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(4月8日付)によると、ラビーア町郊外の第767哨所、第803哨所一帯でシリア軍が「テロ集団」と交戦、同地を制圧した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、インヒル市、サムリーン村、ハーッラ市、ジーザ町をシリア軍が「樽爆弾」などで空爆した。

一方、SANA(4月8日付)によると、ジーザ町、サムリーン村、インヒル市、ヒルバト・アウワーディーヤ村、ウンム・アウサジュ村、ヒルバト・ムライハ村、ジャディード村、カフルシャムス町、ダルアー市各所で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム・ムサンナー運動の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(4月8日付)によると、マスハラ村、ハミーディーヤ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、カフルラーター村、バザーブール町、ラスム・アフマル村、ラスム・ナイヤース村をシリア軍が空爆した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市ハムダーニーヤ地区、ヌッブル市、ザフラー町一帯、アズィーザ村をジハード主義武装集団が砲撃した。

このほか、アイン・アラブ市のトルコ国境付近で、男性1人が何者かの発砲を受け死亡、1人が負傷した。

これに関して、ARA News(4月8日付)は、トルコの国境警備隊の発砲だと断じた。

AFP, April 8, 2015、AP, April 8, 2015、ARA News, April 8, 2015、Champress, April 8, 2015、al-Durar al-Shamiya, April 8, 2015、al-Hayat, April 9, 2015、Iraqi News, April 8, 2015、Kull-na Shuraka’, April 8, 2015、al-Mada Press, April 8, 2015、Naharnet, April 8, 2015、NNA, April 8, 2015、Reuters, April 8, 2015、SANA, April 8, 2015、UPI, April 8, 2015などをもとに作成。

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ラブロフ露外相「モスクワはバッシャール・アサド大統領に対する欧米諸国の論調に変化が生じていると認識している」(2015年4月8日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、アルメニアのエドワルド・ナルバンジャン外務大臣との会談(モスクワ)後の共同記者会見でシリア情勢に触れ、欧米諸国とシリアの反体制派の双方がこれまで以上にシリア政府(アサド政権)との対話を行う構えを示すようになっているとの見方を示した。

ラブロフ外務大臣は「モスクワはバッシャール・アサド大統領に対する欧米諸国の論調に変化が生じていると認識している…。もちろん、これは言説における変化が生じたということを意味しているに過ぎない。なぜなら、これまでに発せられなかった言葉が述べられているだけだからだ。しかし、こうしたことがまったく生じないよりはよいことだ。シリアでは4年以上も流血が続き、人々は苦しんでいる」と述べた。

また「実際、この危機の第1段階とは、欧米諸国が「独裁者」と評した指導者を粛清するという誤った道を進んだことにあった。これは遺憾なことだ。なぜならこの道を進むことで、欧米諸国は手当たり次第に同盟者を選ぼうとし、そのなかに過激派が含まれ、より一般的に言うならば、彼らはテロリストと関係を持った」と批判した。

『ハヤート』(4月9日付)などが伝えた。

AFP, April 8, 2015、AP, April 8, 2015、ARA News, April 8, 2015、Champress, April 8, 2015、al-Hayat, April 9, 2015、Iraqi News, April 8, 2015、Kull-na Shuraka’, April 8, 2015、al-Mada Press, April 8, 2015、Naharnet, April 8, 2015、NNA, April 8, 2015、Reuters, April 8, 2015、SANA, April 8, 2015、UPI, April 8, 2015などをもとに作成。

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シリア政府代表と反体制派代表が「モスクワ2」で初めて直接会談(2015年4月8日)

6日にモスクワで開幕したシリア政府と反体制派の和平交渉「モスクワ2」において、シリア政府代表と反体制派代表が直接会談を行った。

『ハヤート』(4月9日付)によると、反体制派代表は、7日までに議題を統一文書として作成し、直接会談においてシリア政府、ロシア外務省に回付した。

この統一文書は11項目からなり、以下の点を骨子としているという:

1. ジュネーブ合意(2012年)の諸原則に基づいた政治的解決が必然であることの確認。

2. 2014年2月にスイスで行われた「ジュネーブ2」会議を継承するかたちでの「ジュネーブ3」会議の開催を可能とするような政策実施に向けた行動を行うこと。

3. すべてのシリア人が、政党、組織のいかんにかかわらず、政治的解決を信じており、政治プロセスの参加者であることの確認。

4. シリア国内でのすべての暴力行為と殺戮の即時停止、人道的悲劇すべてへの対処・解決、テロとの戦い、文民民主国家への民主的移行・変革の実施、シリアの国土を占領する国内外の勢力への対峙、という5点への対処を優先議題とすること。

5. 人種主義、宗派主義、教条主義に基づくようないかなる政治的関係正常化も拒否。

6. シリアでの流血停止に寄与させるため、地域諸国、諸外国の当事者に圧力をかけることを国際社会に要請。

7. 民間人を標的とすることを停止、言論犯・平和的活動家の釈放、人質・捕虜の解放、シリア全土への食糧・医療物資の配給、避難民・難民の即時帰宅、人権最高評議会の設置、メディアの独占の撤廃、逮捕者に関する問題の解決、すべてのシリア人へのパスポート発給・更新。

これに対して、シリア政府代表を率いるバッシャール・ジャアファリー国連代表大使は、直接会談の場で、シリア政府がロシア政府によって示された議題に同意すると表明したのに対し、反体制派代表は、この議題をめぐって意見の一致を見ることができず、独自の議案(統一文書)を提示したとことを明らかにした。

SANA(4月8日付)によると、シリア政府代表と反体制派代表との直接会談に先立ち、ロシア政府は以下の点からなる議題を提出していたという:

1. 国際社会に、カタール、サウジアラビア、トルコなどといったアラブ諸国、諸外国の当事者すべてにテロ支援を停止するよう、真剣且つ早急に圧力をかけるよう呼びかけること。

2. 国際社会に、シリア国民に対して科せられている全ての経済制裁の即時・完全解除を呼びかけること。

3. ジュネーブ合意の原則を基点とした、合意に基づくシリアの危機の解消。

しかし、『ハヤート』は直接会談の雰囲気に関して、政府代表が「モスクワ1」時の強硬姿勢を緩和し、柔軟な勢で臨んだと積極的に評価した。

一方、ジャアファリー国連大使は「参加者の間で、さまざまな見解や考え方が真剣、深淵、そして実り多いかたちで交わされた」と評価するとともに、ロシアが提示した議題のうちの第1、第2の議題の協議に力点が置かれたことを明らかにした。

また「我々は何らかの共通項にたどり着き、反体制派の当事者らがその内容を検討、合意したうえで、明日、相互理解がなされることを願っており、それをロシアの友人らが提示した議題の第1、第2の議題の成果としたい」と付言した。

なお、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は会合には出席しなかった。

複数の外交筋によると、ラブロフ外務大臣は、最終日9日の協議の行方を見据えたうえで、会合への出席を最終決定するものと見られる。

SANA, April 8, 2015
SANA, April 8, 2015
SANA, April 8, 2015
SANA, April 8, 2015

 

AFP, April 8, 2015、AP, April 8, 2015、ARA News, April 8, 2015、Champress, April 8, 2015、al-Hayat, April 8, 2015、Iraqi News, April 8, 2015、Kull-na Shuraka’, April 8, 2015、al-Mada Press, April 8, 2015、Naharnet, April 8, 2015、NNA, April 8, 2015、Reuters, April 8, 2015、SANA, April 8, 2015、UPI, April 8, 2015などをもとに作成。

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シリア・アラブ航空はダイル・ザウル軍事飛行場とダマスカス国際空港を結ぶ旅客便を就航(2015年4月8日)

クッルナー・シュラカー(4月8日付)は、シリア・アラブ航空は、ダイル・ザウル航空基地とダマスカス国際空港を結ぶ旅客便を就航させたと報じた。

航空運賃は15,000シリア・ポンドだという。

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SANA(4月8日付)は、軍消息筋がメディア各社に対して、軍の公式筋の発表による事実確認なしに軍の作成に関する報道を行わないよう要請した、と伝えた。

AFP, April 8, 2015、AP, April 8, 2015、ARA News, April 8, 2015、Champress, April 8, 2015、al-Hayat, April 9, 2015、Iraqi News, April 8, 2015、Kull-na Shuraka’, April 8, 2015、al-Mada Press, April 8, 2015、Naharnet, April 8, 2015、NNA, April 8, 2015、Reuters, April 8, 2015、SANA, April 8, 2015、UPI, April 8, 2015などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)の侵攻により、ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプをめぐるパレスチナ諸派、シリア政府、ジハード主義者らの合従連衡に変化(2015年4月8日)

『ハヤート』(4月8日付、イブラーヒーム・ハミーディー記者)は、ダーイシュ(イスラーム国)とシャームの民のヌスラ戦線によるヤルムーク・パレスチナ難民キャンプへの侵攻・占拠によって、パレスチナ諸派、シリア政府、反体制武装集団の同盟関係に変化が生じている、と伝えた。

同記事によると、ダーイシュの侵攻により、「アラブの春」波及以降、シリア政府との戦略的関係を解消していたハマースに近い武装組織のアクナーフ・バイト・マクディス大隊が、国防隊と連携して、ダーイシュとの戦闘にあたる一方、シリア政権と緊密な関係を保ってきたPFLP-GC(パレスチナ解放人民戦線総司令部派)が、ダーイシュのキャンプへの潜入を促し、キャンプ内にあるシャームの民のヌスラ戦線の本部など拠点をダーイシュに移譲させようと画策していたとの疑義が呈されたという。

パレスチナの複数の消息筋によると、ダーイシュによるキャンプ侵攻を受け、ハマースのハーリド・ミシュアル政治局長が、PFLP-GCのアフマド・ジブリール書記長、タラール・ナージー副書記長に連絡し、シリア軍、国防隊、シリア政府に近いパレスチナ諸派によるヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ包囲の解除を要請、これを機に、国防隊、シリア治安機関と、ヤルムーク区のアクナーフ・バイト・マクディス大隊との間で「全面協力」に関する合意が成立したという。

同消息筋によると、この調整にかかる合意は、アクナーフ・バイト・マクディス大隊の司令官ニダール・アブー・アラー氏(アブー・ハマーム)、アブー・ウマル・マイダーニー氏(シリア人)と、国防隊のファーディー・サクル司令官、シリアの治安機関幹部が出席した会合で交わされた。

会合では、アクナーフ・バイト・マクディス大隊側が弾薬などの補給が要請し、国防隊がこれに応じることが決定されたという。

また会合では、アクナーフ・バイト・マクディス大隊側から、ダーイシュのキャンプ侵入時にPFLP-GCの拠点を経由するなど、PFLP-GCがダーイシュを支援しているとの疑義が呈され、PFLP-GCがアクナーフ・バイト・マクディス大隊と国防隊の協力関係の茅の外に置かれるかたちになったという。

なお、ダーイシュのキャンプ侵入・占拠をめぐっては、アル=カーイダ系のヌスラ戦線がダーイシュの侵入を支援、戦闘にも参加したと伝えられている。

すなわち、ヌスラ戦線は声明において、中立の姿勢をとると宣言しているが、複数の消息筋によると、キャンプ内のヌスラ戦線の本部などはダーイシュに明け渡され、ヌスラ戦線戦闘員はダーイシュ戦闘員とともに戦闘に参加し、住民やアクナーフ・バイト・マクディス大隊戦闘員の逮捕などを行っている。

さらに、ヌスラ戦線は、アクナーフ・バイト・マクディス大隊を支援するために、バービッラー市やヤルダー市方面からキャンプに向かおうとしたイスラーム軍戦闘員の進行を阻止したとの情報もある。

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『ハヤート』(4月8日付)によると、ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ内で活動するパレスチナ諸派とシリアの反体制武装集団(ジハード主義者)は現在、二つの陣営に分かれているという。

第1の陣営は、シリア政府を支持する陣営で、PFLP-GCのほか、ファタハ・インティファーダ、パレスチナ闘争戦線(ハーリド・アブドゥルマジード)からなり、約700人の戦闘員を擁している。

第2の陣営は、アクナーフ・バイト・マクディス大隊(200人)、シャームの民のヌスラ戦線(300人)、イブン・タイミーヤ大隊(70人)、アブー・ヒシャーム・ザグムート・グループ(数十人)などからなるジハード主義者で、約1,500人の戦闘員からなり、シリア政府に対して徹底抗戦を行っている。

またダーイシュのキャンプ侵入を受け、ダマスカス郊外県で活動するイスラーム軍、アバービール・ハウラーン旅団が、アクナーフ・バイト・マクディス大隊側を支援するため、3日に戦闘員を派遣する一方、使徒シャーム旅団、カラーイーン大隊といった武装集団は中立の姿勢をとっているという。

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『ハヤート』(4月8日付)はさらに、パレスチナ筋の話として、停戦に向けたいくつかの試みが進行中だと伝えた。

同消息筋によると、DFLP(パレスチナ解放民主戦線)メンバーでヌスラ戦線に近いとされるアブー・アフマド・ハワーリー氏がダーイシュとアクナーフ・バイト・マクディス大隊との仲介者に選ばれ、ヌスラ戦線のアブー・ムアーッズ・シャルアーン氏を通じてアクナーフ・バイト・マクディス大隊と協議するとともに、ヌスラ戦線に近い商人のアブー・バースィル・アイユーブ氏を通じてダーイシュと協議を行っているという。

しかし、ダーイシュはキャンプへの攻撃の停止と撤退の条件として、アクナーフ・バイト・マクディス大隊司令部の退去を求めているという。

このほかにも、PFLP-GCがアクナーフ・バイト・マクディス大隊との接触を試みたが、アクナーフ・バイト・マクディス大隊はパレスチナ諸派の介入を拒んだという。

AFP, April 7, 2015、AP, April 7, 2015、ARA News, April 7, 2015、Champress, April 7, 2015、al-Hayat, April 8, 2015、Iraqi News, April 7, 2015、Kull-na Shuraka’, April 7, 2015、al-Mada Press, April 7, 2015、Naharnet, April 7, 2015、NNA, April 7, 2015、Reuters, April 7, 2015、SANA, April 7, 2015、UPI, April 7, 2015などをもとに作成。

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