米軍の教練を受けた「穏健な反体制派」の第30師団が、ヌスラ戦線に事実上の降伏宣言、米国の意に反して活動方針をダーイシュ掃討から、ダーイシュおよびシリア政府との戦いに転換(2015年8月5日)

トルコ領内で米軍の教練を受け、シリア潜入直後にシャームの民のヌスラ戦線によって司令官らを拉致された「穏健な反体制派」の第30師団は、インターネットを通じて声明を出し、ダーイシュ(イスラーム国)とシリア政府と戦うために結成されており、ヌスラ戦線を含むそれ以外のいかなる武装集団とも戦闘は行わないと表明し、ヌスラ戦線に事実上の降伏宣言を行うとともに、活動方針をダーイシュ掃討から、ダーイシュおよびシリア政府との戦いへと転換した。

Kull-na Shuraka', August 5, 2015
Kull-na Shuraka’, August 5, 2015

 

「自由シリア軍第30歩兵師団」司令部の名で出されたこの声明のなかで、第30師団は、「ヌスラ戦線の攻撃後も活動を継続する」としたうえで、「第30師団は、高潔なシリア人によって設立され、アサドの悪党とダーイシュから国を解放することをめざす」としたうえで、「第30師団は、ヌスラ戦線、それ以外のいかなる名称、方針の組織とも戦ったことはなく、今後も戦わない」と表明した。

米国が主導する有志連合が、第30師団を援護するため、アレッポ県アアザーズ市一帯のヌスラ戦線の拠点に対して空爆を行ったことに関しては、「自由アレッポ県で最近設置された最高司法評議会において、いかなる容疑であっても審理を受ける用意がある」と述べた。

なお、米軍の軍事教練プログラムは、ダーイシュとシリア政府の双方ではなく、ダーイシュのみとの戦闘を目的として施されている。

Kull-na Shuraka', August 5, 2015
Kull-na Shuraka’, August 5, 2015

AFP, August 5, 2015、AP, August 5, 2015、ARA News, August 5, 2015、Champress, August 5, 2015、al-Hayat, August 6, 2015、Iraqi News, August 5, 2015、Kull-na Shuraka’, August 5, 2015、al-Mada Press, August 5, 2015、Naharnet, August 5, 2015、NNA, August 5, 2015、Reuters, August 5, 2015、SANA, August 5, 2015、UPI, August 5, 2015などをもとに作成。

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イドリブ県南部、ハマー県北部でシリア軍とファトフ軍らの戦闘続く(2015年8月4日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、フライカ村一帯、ハムカ丘一帯で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、アジア人・アラブ人戦闘員が、ハック旅団、ジュンド・アクサー機構、シャームの民のヌスラ戦線、スンナ軍、アンサール・ディーン戦線、トルキスターン・イスラーム党、アンサール・シャーム、アジュナード・シャーム・イスラーム連合、シャーム軍団、第111歩兵師団、第101歩兵師団、ジュヌード・シャーム(チェチェン人)、シャーム自由人イスラーム運動、山地の鷹旅団、ガーブの鷹などとの戦闘を続けた。

この戦闘で、シャーム軍団の戦闘員2人が死亡した。

一方、SANA(8月4日付)によると、シリア軍がアブー・ズフール町一帯、イブリーン村、マルイヤーン村、ジャズフ村、カンスフラ村、タマーニア町、フバイト村を空爆し、ファトフ軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、イドリブ県フライカ村一帯での戦闘と並行して、シリア軍がフールー村一帯を空爆した。

一方、SANA(8月4日付)によると、カフルズィーター市、ムーリク市東部、カルアト・マディーク町で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(8月4日付)によると、シリア軍がレバノンのレジスタンス(ヒズブッラー戦闘員)とともに、ザバダーニー市内でシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などに対する作戦を継続し、戦闘員多数を殺傷、拠点を破壊、ジャムイーヤート地区南東の3月8日協会に隣接するヴィーラート・アブー・アーイシャの建物群を制圧した。

シリア軍はまた、ザマルカー町、ドゥーマー市南部入り口、ミスラーバー市方面、ダイル・アサーフィール市農場地帯、ハラスター市でイスラーム軍と交戦し、戦闘員28人を殲滅したほか、東グータ地方一帯を空爆した。

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スワイダー県では、SANA(8月4日付)によると、サアラ航空基地南部のシャイフ・フサイン丘一帯に潜入しようとした反体制武装集団をシリア軍が撃退し、複数の戦闘員を殺傷した。

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ダルアー県では、SANA(8月4日付)によると、ダルアー市マンシヤ地区など、マアルバ町、ブスラー・シャーム市、ヌアイマ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(8月4日付)によると、アイン・フサイン村、ハラーリーヤ村、ガントゥー市、ラスタン市、タスニーン村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(8月4日付)によると、シリア軍がマルジュ・フーハ村を空爆し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。


AFP, August 4, 2015、AP, August 4, 2015、ARA News, August 4, 2015、Champress, August 4, 2015、al-Hayat, August 5, 2015、Iraqi News, August 4, 2015、Kull-na Shuraka’, August 4, 2015、al-Mada Press, August 4, 2015、Naharnet, August 4, 2015、NNA, August 4, 2015、Reuters, August 4, 2015、SANA, August 4, 2015、UPI, August 4, 2015などをもとに作成。

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シリア軍がタドムル市郊外でダーイシュ(イスラーム国)と交戦(2015年8月4日)

ヒムス県では、SANA(8月4日付)によると、タドムル市郊外のタマースィール村、タドムル市とワーディー・アブヤド・ダム一帯を結ぶ三角地帯、ジャズル・ガス採掘所一帯、シャーイル・ガス採掘所一帯で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。


AFP, August 4, 2015、AP, August 4, 2015、ARA News, August 4, 2015、Champress, August 4, 2015、al-Hayat, August 5, 2015、Iraqi News, August 4, 2015、Kull-na Shuraka’, August 4, 2015、al-Mada Press, August 4, 2015、Naharnet, August 4, 2015、NNA, August 4, 2015、Reuters, August 4, 2015、SANA, August 4, 2015、UPI, August 4, 2015などをもとに作成。

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ムアッリム外務在外居住者大臣がイランでアブドゥッラフヤーン外務副大臣およびボグダノフ露外務副大臣とそれぞれ会談(2015年8月4日)

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣(兼副首相)がイランを訪問し、テヘランでホセイン・エミール・アブドゥッラフヤーン外務副大臣(アラブ・アフリカ担当)と会談、二国間関係、「テロとの戦い」への対応などについて協議した。

ムアッリム外務在外居住者大臣はまた、イラン訪問中のロシアのミハイル・ボグダノフ外務副大臣とも会談し、シリアの危機への対応、ダーイシュ(イスラーム国)などへの「テロとの戦い」強化のために、ヴラジミール・プーチン大統領が提案した国際・地域同盟をめぐる問題などについて意見を交わした。

SANA(8月4日付)が伝えた。


AFP, August 4, 2015、AP, August 4, 2015、ARA News, August 4, 2015、Champress, August 4, 2015、al-Hayat, August 5, 2015、Iraqi News, August 4, 2015、Kull-na Shuraka’, August 4, 2015、al-Mada Press, August 4, 2015、Naharnet, August 4, 2015、NNA, August 4, 2015、Reuters, August 4, 2015、SANA, August 4, 2015、UPI, August 4, 2015などをもとに作成。

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