ハマー県、イドリブ県でシリア軍がヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団との戦闘を続ける(2015年8月8日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、県北部ガーブ平原のマシーク村、マンスーラ村一帯で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、アジア系・アラブ系民兵が、ハック旅団、シャーム軍団、スンナ軍、第101歩兵師団、第111歩兵師団、ジュンド・アクサー、シャームの民のヌスラ戦線、アンサール・シャーム、シャーム自由人イスラーム運動、アンサール・ディーン戦線、山地の鷹旅団、ガーブの鷹、ジュヌード・シャーム(チェチェン人)、アジュナード・シャーム・イスラーム連合、トルキスターン・イスラーム党などと交戦した。

一方、SANA(8月8日付)によると、ダクマーク村、バフサ村、ラターミナ町、ザカート村、カーヒラ村、ハミーマート村、ハミーディーヤ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がジスル・シュグール市一帯、サラーキブ市一帯、アリーハー市を空爆し、医療スタッフ3人を含む6人が死亡した。

一方、SANA(8月8日付)によると、ムハンビル街道、カンスフラ村東部、ズィヤーディーヤ村、クファイル丘、ザイズーン村、キャンプ・アルマーン村、スフーフン村、フライカ村、カルクール村、カフル・ウワイド村、ジスル・シュグール市、アブー・ズフール町一帯、ジュッブ・アフマル村をシリア軍が空爆し、ファトフ軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市南部のハーントゥーマーン丘一帯、フジャイラ村、ラシャーディーヤ村一帯で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、パレスチナ人のクドス旅団が、アンサール・ディーン戦線、シャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(8月8日付)によると、シリア軍がアレッポ市内で反体制武装集団の拠点を攻撃し、スライマーン・ハラビー地区内の複数の建物を制圧した。

シリア軍はまた、ラスム・アッブード村、アレッポ市西部の科学研究センター一帯などで反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、ARA News(8月8日付)によると、シャーム戦線がアレッポ市サラーフッディーン地区、スライマーン・ハラビー地区、サーフール地区、アズィーザ村方面に進軍したシリア軍と交戦し、これを撃退した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、中心街バグダード通りにある技師組合ビルに迫撃砲弾1発が着弾した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市一帯でシリア軍、国防隊がジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(8月8日付)によると、シリア軍がレバノンのレジスタンス(ヒズブッラー戦闘員)とともにザバダーニー市内でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団との戦闘を続け、市南西部のコルニーシュ交差点、ザアトゥート地区の建物群を制圧した。

シリア軍はまた、アイン・タルマー村、ハラスター市、ドゥマイル市東部、ダイル・アサーフィール市農場地帯、カースィミーヤ町農場地帯で反体制武装集団と交戦し、外国人戦闘員、シャーム自由人イスラーム運動、イスラーム殉教者旅団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハーン・ジャウズ村などを空爆し、ガマーム村一帯で、ジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(8月8日付)によると、バラードゥーン・ダム一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダルアー市ダム街道地区、避難民キャンプ一帯、サイダー町、アトマーン村を空爆した。

一方、SANA(8月8日付)によると、ブスラー・シャーム市、ウンム・ワラド村、ジュビーブ村、東カラク村・西ムライハ村間、ダルアー市電力会社一帯、ミスリー交差点一帯などで、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(8月8日付)によると、ガントゥー市、イッズッディーン町で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

スワイダー県では、SANA(8月8日付)によると、ブサイナ丘一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, August 8, 2015、AP, August 8, 2015、ARA News, August 8, 2015、Champress, August 8, 2015、al-Hayat, August 9, 2015、Iraqi News, August 8, 2015、Kull-na Shuraka’, August 8, 2015、al-Mada Press, August 8, 2015、Naharnet, August 8, 2015、NNA, August 8, 2015、Reuters, August 8, 2015、SANA, August 8, 2015、UPI, August 8, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ県でダーイシュ(イスラーム国)と戦う「穏健な反体制派」の司令官が何者かによって拉致(2015年8月8日)

アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(8月8日付)が、ウンム・フーシュ村一帯でダーイシュ(イスラーム国)と戦っていたスルターン・ムラード旅団のアンマール・ハーッジ・ガーズィー司令官が同地で6日に何者かに拉致され、消息が不明だと報じた。

一方、SANA(8月8日付)によると、アレッポ市東部の航空士官学校一帯で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また、ARA News(8月8日付)によると、スィッリーン町で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とダーイシュ(イスラーム国)が交戦した。

**

ヒムス県では、SANA(8月8日付)によると、タドムル市、ジャズル・ガス採掘所一帯、カルヤタイン市で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, August 8, 2015、AP, August 8, 2015、ARA News, August 8, 2015、Champress, August 8, 2015、al-Hayat, August 9, 2015、Iraqi News, August 8, 2015、Kull-na Shuraka’, August 8, 2015、al-Mada Press, August 8, 2015、Naharnet, August 8, 2015、NNA, August 8, 2015、Reuters, August 8, 2015、SANA, August 8, 2015、UPI, August 8, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

YPGは負傷した隊員6人をトルコ当局がアル=カーイダ系組織のヌスラ戦線に引き渡したと非難(2015年8月8日)

西クルディスタン移行期民政局コバネの人民防衛隊総司令部は声明を出し、アレッポ県アイン・アラブ(コバネ)市からミュルシトプナル国境通行所を通ってトルコ領内の病院に搬送された人民防衛隊の負傷兵6人が、トルコ領内で消息を絶ったとしたうえで、トルコ当局がこの6人を、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線に引き渡し、バーブ・ハワー・ギュヴェッジ国境通行所を経由して、シリア領内(イドリブ県バーブ・ハワー国境通行所方面)に連行されたと主張した。

人民防衛隊の声明によると、負傷兵6人は西クルディスタン移行期民政局の正式な要請のもとトルコ側に受け入れられていたという。

人民防衛隊とヌスラ戦線は、アレッポ県北部、イドリブ県での支配領域をめぐって対立している。

**

一方、HNN(8月9日付)によると、「アフリーン法務局」(シャームの民のヌスラ戦線)が、西クルディスタン移行期民政局アフリーン地区の拠点であるアレッポ県アフリーン市にいたるすべての街道を封鎖すると発表した。

道路封鎖は、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が2週間前にアアザーズ市内に戻ろうとした住民を検問所で拘束したことへの対抗措置で、これを受け、ヌスラ戦線がイドリブ県ダーナー市とアフリーン市を結ぶ街道を封鎖したという。

AFP, August 8, 2015、AP, August 8, 2015、ARA News, August 8, 2015、Champress, August 8, 2015、al-Hayat, August 9, 2015、HNN, August 9, 2015、Iraqi News, August 8, 2015、Kull-na Shuraka’, August 8, 2015、al-Mada Press, August 8, 2015、Naharnet, August 8, 2015、NNA, August 8, 2015、Reuters, August 8, 2015、SANA, August 8, 2015、UPI, August 8, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

サウジアラビア首脳とシリアのマムルーク国民安全保障会議議長がサウジアラビアで会談:サウジアラビアは、イラン、ヒズブッラーのシリアからの撤退を反体制派支援停止の条件として提示(2015年8月8日)

『ハヤート』(8月8日付)は、サウジアラビアの複数の高官筋の話として、サウジアラビア首脳が7月7日、シリアのアリー・マムルーク国民安全保障会議議長をジェッダに招いていたと報じた。

この「奇跡の会談」は、ロシアのヴラジミール・プーチン大統領とサウジアラビア国防大臣のムハンマド・ビン・サルマーン皇太子がサンクトペテルブルクで会談した約20日後に、ロシアの仲介により実現したという。

『ハヤート』が得た情報によると、マムルーク議長は、シリアのムハーバラートの高官1人と外務在外居住者省の高官1人を伴い、ジェッダを訪問したが、アサド大統領はこのことを承知していなかったという。

ジェッダを訪問したマムルーク議長に対して、ヒズブッラー、イラン、そしてイラン寄りのシーア派民兵が退去すれば、サウジアラビアは反体制派への支援を停止し、危機解決をシリア人に委ね、国連監視下で大統領選挙、国会選挙を進めることを提案したという。

これに対して、マムルーク議長は、ヒズブッラーへの対応についての議論が行われた会談の最後に、「検討の余地」を与えるよう答えたという。

なお、この会談には、ロシア使節もオブザーバーとして出席したという。

**

なお『ハヤート』(8月8日付)の報道に先立って、シリア政府に近い立場をとるレバノン日刊紙『アフバール』(7月31日付)も、6月19日のプーチン大統領とムハンマド国防大臣の会談を受けるかたちで、マムルーク議長がロシアを訪問した、と伝え、この訪問を「奇跡の訪問」と称していた。

それによると、19日の会談で、プーチン大統領は、ムハンマド国防大臣に対して「シリア軍が現地で善戦し、サウジアラビアとトルコ以外にシリアで体制転換が起きることを望んでいる国は世界にいないなか、テロとの戦いでの協力が必要だ」との持論を説明、ムハンマド国防大臣もこれに理解を示し、シリアの治安機関幹部とサウジ首脳の会談案が浮上したという。

またプーチン大統領は29日にモスクワを訪問したワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣との個別会談で、シリアの治安機関幹部とサウジ首脳の会談案を説明し、アサド大統領への同意を求めたという。

この段階で、会談案を承知していたシリア政府高官は、アサド大統領とムアッリム外務台がい居住大臣の2人だけで、プーチン大統領の提案を受けたアサド大統領はこれに同意し、マムルーク議長の派遣を決定したのだという。

その後、ロシアの諜報機関との調整を経て、マムルーク議長はロシアの特別機でダマスカス国際空港からサウジアラビアの首都リヤドに飛び、ムハンマド国防大臣らと会談したのだという。

なお、『アフバール』では、仲介国であるロシアが、サウジアラビアに配慮し、イランを排除したかたちでシリア・トルコ・サウジアラビア・ヨルダンによるダーイシュ(イスラーム国)掃討に向けた四カ国同盟の結成を提案していたこと、ムハンマド国防大臣がシリア政府との対立関係の主因がシリアとイランの同盟関係にあると述べたこと、などが紹介されているが、『ハヤート』の取材に応じたサウジアラビアの高官はこれを否定している。

また、会談場所、会談をアサド大統領が承知していたか否かについても両紙の間には食い違いが多い。

しかし、両紙とも、シリアの治安機関トップとサウジアラビア首脳の会談そのものについては事実として報道している。


AFP, August 7, 2015、al-Akhbar, July 31, 2015、AP, August 7, 2015、ARA News, August 7, 2015、Champress, August 7, 2015、al-Hayat, August 8, 2015、Iraqi News, August 7, 2015、Kull-na Shuraka’, August 7, 2015、al-Mada Press, August 7, 2015、Naharnet, August 7, 2015、NNA, August 7, 2015、Reuters, August 7, 2015、SANA, August 7, 2015、UPI, August 7, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.