ベイルート中心街でゴミ問題への政府の対応に抗議するデモ発生、治安部隊が強制排除(2015年8月22日)

ナハールネット(8月22日付)などによると、レバノンの首都ベイルート県の中心部に位置するリヤード・スルフ広場一帯で、県内のゴミ処理問題への政府の対応に抗議するデモが行われ、数千人が参加した。

Naharnet, August 22, 2015
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デモ参加者は、国民議会議事堂があるナジュマ広場に向かって行進を始めたが、警官・治安部隊が催涙弾、実弾、放水車を投入してデモ参加者の強制排除を試み、活動家複数を拘束した。

これにより、デモ参加者複数が負傷する一方、内務治安軍総局によると警官35人も負傷した。

デモ参加者は、「国民は体制打倒を望む」、「革命」といった言葉を連呼し、タンマーム・サラーム内閣の総辞職や、2013年6月に任期終了後も選挙が実施されずに任期が延長され続けている国民議会(第18期)の議員の辞職を訴えた。

また、一部の活動家は、レバノンの主要な政治家がゴミ袋に詰められ、「リサイクルすべきでない」と書かれたプラカードを掲げて、抗議の意思を表明した。

治安部隊によるデモの強制排除に関して、エリヤース・ブー・サアブ教育・高等教育大臣(自由国民潮流)はLBCI(8月22日付)に対して、「現内閣の一員であることを誇りに思えない」と述べ、デモ弾圧の責任がヌハード・マシュヌーク内務地方自治大臣(ムスタクバル潮流)にあると批判した。

同じく自由国民潮流メンバーのナビール・サブア・ニコラー国民議会議員は、デモ参加者の強制排除の責任者が処罰されるまで、議員としての活動を中止すると表明した。

しかし、レバノン国外に滞在中のマシュヌーク内務地方自治大臣は、自らの批判に対して、国外にいるために、警察に発表命令を行っていない、と反論した。

またワーイル・アブー・ファーウール公共保健大臣(進歩社会主義党)は、デモの強制排除を非難、「力を行使する決定を下した者は処罰されるべきだ」と述べた。

さらに、進歩社会主義党のワリード・ジュンブラート党首は、マシュヌーク内務地方自治大臣の発言に関して「嘘は充分だ」と批判、「マシュヌーク氏に責任があり、彼は去らねばならない」と述べた。

一方、レバノン・カターイブ党のサーミー・ジュマイイル党首も「デモにこのようなかたちで対処することは受け入れられない」と非難したうえで、「あらゆる選択肢をとり得る」と述べ、アーラーン・ハキーム経済通商大臣、ラムズィー・ジュライジュ情報大臣、サジュアーン・カッズィー労働大臣の3名(いずれもカターイブ党員)の辞職の可能性を示唆した。

なお、ベイルート県のゴミ問題は、7月17日にベイルート県およびレバノン山地県の主要地域の清掃事業を委託されていたスクリーン社(ハリーリー家に近いとされる)と政府との契約が満了したのを受け、ナーイマ市(レバノン山地県シューフ郡)のゴミ処理所が閉鎖したことで深刻化し、1ヶ月以上にわたり市内からゴミが収集されない状況が続いている。

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AFP, August 22, 2015、AP, August 22, 2015、ARA News, August 22, 2015、Champress, August 22, 2015、al-Hayat, August 23, 2015、Iraqi News, August 22, 2015、Kull-na Shuraka’, August 22, 2015、LBCI, August 22, 2015、al-Mada Press, August 22, 2015、Naharnet, August 22, 2015、NNA, August 22, 2015、Reuters, August 22, 2015、SANA, August 22, 2015、UPI, August 22, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

 

シリア軍がドゥーマー市などダマスカス郊外県東グータ地方を「無差別爆撃」し20人以上が死亡、シリア国民連合の拠点が破壊、反体制派もダマスカス県内を「無差別砲撃」(2015年8月22日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がドゥーマー市に対して空爆、地対地ミサイルなどによる砲撃を加え、少なくとも住民20人が死亡、約200人が負傷、行方不明となった(シリア人権監視団は23日、シリア軍がドゥーマー市一帯への空爆による死者が、子供12人と女性8人を含む34人にのぼったと発表した)。

Kull-na Shuraka', August 22, 2015
Kull-na Shuraka’, August 22, 2015
Kull-na Shuraka', August 22, 2015
Kull-na Shuraka’, August 22, 2015

シリア軍はまたジャイルード市、マダーヤー町に対しても空爆を行い、マダーヤー町では子供1人、女性1人を含む5人が死亡したほか、ドゥラル・シャーミーヤ(8月23日付)も、シリア軍がハラスター市、ドゥーマー市、アルバイン市、ミスラーバー市などへの空爆を続け、ミスラーバー市で少なくとも住民4人が死亡したと伝えた。

これに関連して、クッルナー・シュラカー(8月22日付)は、シリア軍の空爆で、東グータ地方にあるシリア革命反体制勢力国民連立の事務所が半壊したと伝え、その写真を公開した。

この事務所が東グータ地方内のどこに設置されていたかは不明。

Kull-na Shuraka', August 22, 2015
Kull-na Shuraka’, August 22, 2015

一方、ザバダーニー市では、シリア軍が「樽爆弾」23発を投下し、地対地ミサイル12発で攻撃を行うなか、第4師団、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、パレスチナ解放軍が、ジハード主義武装集団、地元武装集団と交戦し、シリア軍士官1人が死亡した。

他方、SANA(8月22日付)によると、アルバイン市、マディーラー市、ハラスター市、ドゥーマー市で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、レバノンのレジスタンス(ヒズブッラー戦闘員)とともに、ザバダーニー市ナーブーア地区などでシャーム自由人イスラーム運動などジハード主義武装集団と交戦した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク区近郊のサラースィーン通り各所がシリア軍による砲撃を受ける一方、マッザ・シャイフ・サアド地区、第14ビル地区、マッザ86地区に迫撃砲複数発が着弾し、負傷者が出た。

これに関して、SANA(8月22日付)は、マッザ区とバーブ・トゥーマ区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾2発が着弾し、1人が死亡、8人が負傷したと伝えた。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がガーブ平原のカストゥーン村、ハミーディーヤ村、ザイズーン村近郊の火力発電所を空爆する一方、国防隊、ヒズブッラー戦闘員とともに、ハック旅団、スンナ軍、アンサール・ディーン戦線、アンサール・シャーム、アジュナード・シャーム・イスラーム連合、ジュンド・アクサー機構、シャームの民のヌスラ戦線、トルキスターン・イスラーム党、シャーム軍団、シャーム自由人イスラーム運動、第101歩兵師団、山地の鷹旅団、ガーブの鷹、第111歩兵師団、ジュヌード・シャーム(チェチェン人)などと交戦した。

一方、SANA(8月22日付)によると、ズィヤーディーヤ村、アムキーヤ町、カルクール村、カーヒラ村、バフサ村をシリア軍が空爆し、ファトフ軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また、クッルナー・シュラカー(8月24日付)によると、シリア軍とともにダーライヤー市での戦闘に参加していたシリア民族社会党の民兵組織司令官のアラブ・リフアト・ジャフニー氏が戦死した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市タッル・ザラーズィール地区に地対地ミサイルが着弾し、複数人が負傷した。

また反体制武装集団はアレッポ市ハーリディーヤ地区を砲撃した。

一方、SANA(8月22日付)によると、マンスーラ村、アレッポ市ラーシディーン地区、ライラムーン地区、サーフール地区、バニー・ザイド地区、ブスターン・バーシャー地区、シャイフ・ハドル地区、旧市街で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャーム戦線、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(8月22日付)によると、ハミーマート・ダーイル村、フータ村、キバーラー村、タッル・サラムー村、マジャース村、タラブ村、トゥルア村、アブー・ズフール町、ウンム・ジャリーン村、ムハムバル村、マストゥーマ村、タルマラタルマラ、ラカーヤー村、バーラ村、サルマーニーヤ村、ガーニヤ村、マルジュ・ズフール村、カンスフラ村、バサーミス村、ジューズィフ村、カトルーン村、ジャーヌーディーヤ町をシリア軍が空爆し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(8月22日付)によると、サルマー町、アイン・フール村、アブー・リーシャ村をシリア軍が空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

ヒムス県では、SANA(8月22日付)によると、アイン・フサイン村、アイン・ダナーニール村、キースィーン村、タルビーサ市で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(8月22日付)によると、ダルアー市カラク地区、タファス市で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(8月22日付)によると、ハミーディーヤ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, August 22, 2015、AP, August 22, 2015、ARA News, August 22, 2015、Champress, August 22, 2015、al-Hayat, August 23, 2015、Iraqi News, August 22, 2015、Kull-na Shuraka’, August 22, 2015、August 24, 2015、al-Mada Press, August 22, 2015、Naharnet, August 22, 2015、NNA, August 22, 2015、Reuters, August 22, 2015、SANA, August 22, 2015、UPI, August 22, 2015などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)がアレッポ県のクワイリス航空基地一帯でシリア軍に対して、また「安全保障地帯」で反体制武装集団に対して攻勢(2015年8月22日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、クワイリス航空基地一帯で、シリア軍とダーイシュ(イスラーム国)が交戦、シリア軍が同地一帯を空爆した。

また、ARA News(8月23日付)によると、シャーム戦線は、マーリア市でダーイシュ(イスラーム国)内通者を処刑した。

一方、SANA(8月22日付)は、複数の地元消息筋の話として、ダーイシュ(イスラーム国)がマーリア市に対する攻撃で、住宅地区に化学物質を装填した迫撃砲を使用したと伝えた。

複数の活動家はSNSなどで、この攻撃により、複数の住民が呼吸困難などの症状を訴えているとしたうえで、毒ガスが使用された可能性が高いと主張しているという。

なお、マーリア市は、米トルコ両政府が設置合意した「安全地帯」内に位置する反体制武装集団の主要拠点。

また、SANA(8月22日付)によると、マスィービーン、バーブ市一帯、クワイリス航空基地一帯で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はさらに、クワイリス航空基地一帯、ジャービリーヤ村、ダイル・ハーフィル市を空爆した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、マクサル・ヒサーン村一帯で、シリア軍、国防隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

一方、同監視団は、ダーイシュがタドムル市とカルヤタイン市を制圧して以降、ダーイシュに忠誠を誓った若者の数が数百人に達していると発表した。

他方、SANA(8月22日付)によると、タドムル市、ジャズル・ガス採掘所一帯、ウンム・サフリージュ村、ラッフーム村をシリア軍が攻撃し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, August 22, 2015、AP, August 22, 2015、ARA News, August 22, 2015、August 23, 2015、Champress, August 22, 2015、al-Hayat, August 23, 2015、Iraqi News, August 22, 2015、Kull-na Shuraka’, August 22, 2015、al-Mada Press, August 22, 2015、Naharnet, August 22, 2015、NNA, August 22, 2015、Reuters, August 22, 2015、SANA, August 22, 2015、UPI, August 22, 2015などをもとに作成。

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ユーフラテスの火山合同作戦司令室はYPGの脱退を否定(2015年8月22日)

ユーフラテスの火山合同作戦司令室のシャルファーン・ダルウィーシュ広報官は、ラッカ県タッル・アブヤド市の国境通行所に「シリア革命旗」(委任統治領シリアの国旗)が掲揚されたことに関して、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が同合同作戦司令室から脱退したとの一部情報を否定した。

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