トルコのボズクルEU担当相「シリア北部に安全保障地帯を設置し、家や学校を建設し、シリア人難民の帰還を促したい」(2015年8月15日)

トルコのヴォルカン・ボズクルEU担当大臣は、米トルコ両政府が設置合意したとされるアレッポ県北部の「安全地帯」に関して、「トルコは、シリア北部に安全地帯を設置し、家や学校を建設し、シリア人難民のそこへの帰還を促したいと考えている」と述べた。

ARA News(8月16日付)が伝えた。

AFP, August 16, 2015、AP, August 16, 2015、ARA News, August 16, 2015、Champress, August 16, 2015、al-Hayat, August 17, 2015、Iraqi News, August 16, 2015、Kull-na Shuraka’, August 16, 2015、al-Mada Press, August 16, 2015、Naharnet, August 16, 2015、NNA, August 16, 2015、Reuters, August 16, 2015、SANA, August 16, 2015、UPI, August 16, 2015などをもとに作成。

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ダマスカス郊外県ザバダーニー市、イドリブ県フーア市、カファルヤー町の停戦破棄、シリア軍、反体制武装集団が無差別攻撃を再開(2015年8月15日)

ダマスカス郊外県ザバダーニー市およびイドリブ県フーア市、カファルヤー町での一時停戦が、反体制武装集団(シャーム自由人イスラーム運動)とイラン高官の交渉が難航するなか、期限の16日6時を待たずして破棄され、シリア軍がザバダーニー市一帯に対する空爆・砲撃を再開したのに対し、反体制武装集団は東グータ地方での攻撃を激化、またファトフ軍がフーア市に対して砲撃を再開した。

『ハヤート』(8月16日付)によると、停戦破棄は、シリア当局が収監中の逮捕者を何人釈放するかをめぐり妥協点が見出せなかったこと、またイドリブ県(フーア市、カファルヤー町など)のシーア派住民をダマスカス県およびダマスカス郊外県に避難させる代わりに、ザバダーニー市の反体制武装集団の退避の安全を保障する案が合意に達しなかったことによるという。

これに関して、シャーム自由人イスラーム運動などからなるムジャーヒディーン・シューラー評議会は声明を出し、「ヒムス市、クサイル市のシナリオを繰り返さないため…、イランによるすべての提案を拒否する」と発表した。

複数の反体制消息筋によると、イラン側は、①国連監視下でザバダーニー市からの反体制武装集団の退避・撤退、②シリア軍の同市への進駐、③ザバダーニー市民への支援物資の搬入、④ザバダーニー市一帯半径40キロの地域からの重火器の撤収を要求していた。

これに対して、シャーム自由人イスラーム運動は、シリア当局が収監中の逮捕者約2万人の釈放を要求したが、イラン側は、釈放の代償として、フーア市、カファルヤー町の民間人数千人のダマスカス県、ダマスカス郊外県への避難を要求した、という。

シリア人権監視団によると、交渉は、イランおよびヒズブッラーのメンバーからなる使節団と、ザバダーニー市の地元戦闘員などとの間で行われていたが、前者が、シリア当局が釈放できる逮捕者(捕虜)の数を1,000人としたため、決裂したという。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、停戦破棄を受けて、シリア軍がザバダーニー市に対する空爆・砲撃を再開した。

クッルナー・シュラカー(8月15日付)、ドゥラル・シャーミーヤ(8月15日付)によると、イスラーム軍が「ザバダーニー市救済」の戦いを開始し、県内各所での攻撃を激化させ、ハラスター市内の車輌局周辺のシリア軍拠点複数カ所および技術研究所でシリア軍と交戦、兵士多数を殺傷し、同地を制圧した。

これに対して、シリア軍はダーライヤー市、さらには14日にダマスカス県への水道供給を再び遮断している「バラダー渓谷ムジャーヒディーン評議会」が活動しているバラダー渓谷のバスィーマ町、ダイル・ムクリン町、アイン・フィージャ町、カフィール・ザイト村を地対地ミサイル、「樽爆弾」などで砲撃・空爆した。

またザバダーニー市近郊のマダーヤー町、ブカイン市でも、シリア軍、国防隊がジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(8月15日付)によると、シリア軍がマディーラー市、アルバイン市、ハラスター市を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、クッルナー・シュラカー(8月16日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線のダマスカス県カラムーン区司令官のアブー・ラーティブ・マザーウィー氏が何者かによって爆殺された。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、停戦破棄を受けて、ファトフ軍が200発のロケット弾、迫撃砲でフーア市、カファルヤー町を無差別攻撃した。

一方、SANA(8月15日付)によると、アブー・ズフール町一帯、ムハムバル村、バサーミス、カルクール村、ビンニシュ市、マアッラト・ヌウマーン市をシリア軍が空爆し、ファトフ軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

これに対して、反体制武装集団はフーア市に対して砲撃を加えた。

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ヒムス県では、『ハヤート』(8月16日付)によると、県北部で活動する「イウティサーム・ビッラー作戦司令室」(ヒムス軍団、シャームの民のヌスラ戦線などが参加)が、ザバダーニー市救済に向けて、タスニーン村、ジャッブーリーン村、カフルナーン村などのシリア軍拠点を解放するための戦いを開始すると発表した。

しかし、クッルナー・シュラカー(8月16日付)によると、タスニーン村一帯での戦闘で、反体制武装集団戦闘員19人が死亡したという。

一方、SANA(8月15日付)によると、キースィーン村、ウンム・シャルシューフ村、ガントゥー市、タルビーサ市、ブルジュ・カーイー村、アンジャル村、アブー・タッラーハ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ファトフ軍がバフサ村郊外でシリア軍の車輌2台を襲撃、また同地一帯、ジューリーン村でシリア軍、国防隊と交戦した。

これに対してシリア軍はジスル・バイト・ラース村、アトシャーン村、タッル・ワースィト村、カルクール村、ズィヤーラ町、ラターミナ町を砲撃・空爆、ファトフ軍もムハルダ市に砲撃を加えた(この砲撃・空爆による死傷者はなかった)。

一方、SANA(8月15日付)によると、シリア軍がマンスーラ村、カストゥーン村、タッル・ワースィト村、ジャズラム丘、ズィヤーラ町、ザイズーン村、ハルービー村?、カフルズィーター市、カスル・ブン・ワルダーン村を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市イザーア地区、アアザミーヤ地区、サイフ・ダウラ地区、ザバディーヤ地区、サラーフッディーン地区、サイフ・ダウラ地区をシリア軍が砲撃、またザバディーヤ地区、サイフ・ダウラ地区でジハード主義武装集団と交戦し、反体制武装集団戦闘員3人が死亡した。

一方、SANA(8月15日付)によると、マンスーラ村、アレッポ市科学研究センター施設一帯、旧市街、ライラムーン地区、ザフラー協会地区、ブスターン・カスル地区、ラーシディーン地区、バニー・ザイド地区、マイサルーン病院、サイフ・ダウラ地区、ラドヤーン地区、マシュハド広場一帯、サラーフッディーン交差点一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(8月15日付)によると、シリア軍がダルアー市ゼノビア学校一帯、意思組合ビル一帯、避難民キャンプ一帯、スィーバ地区、ハマーディーン地区、同市南部および西部郊外、アトマーン村、ヤードゥーダ村、ハッラーブ・シャフム村、フラーク市、ブスル・ハリール市、スーラ町、アルマー町、サイダー町、ヌアイマ村、シャイフ・マスキーン市、ナワー市、サムリーン村、インヒル市、ハーッラ丘、ジャースィム市、カフルシャムス町で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、ハウラーン殉教者大隊、ヤルムーグ軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、クッルナー・シュラカー(8月15日付)によると、ダルアー県制圧をめざす「真理の嵐の戦い」に参加する反体制武装集団が、ダルアー市東部入り口のシリア軍検問所に対して、爆弾を積んだ車を突入させ、爆破した。

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クナイトラ県では、SANA(8月15日付)によると、ハムル丘一帯、ウンム・バーティナ村、マムティナ村、アブー・シャトバ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, August 15, 2015、AP, August 15, 2015、ARA News, August 15, 2015、Champress, August 15, 2015、al-Durar al-Shamiya, August 15, 2015、al-Hayat, August 16, 2015、Iraqi News, August 15, 2015、Kull-na Shuraka’, August 15, 2015、August 16, 2015、al-Mada Press, August 15, 2015、Naharnet, August 15, 2015、NNA, August 15, 2015、Reuters, August 15, 2015、SANA, August 15, 2015、UPI, August 15, 2015などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)は米トルコ両政府が設置合意したアレッポ県北部の「安全保障地帯」内で攻勢を続け、トルコ・アレッポ市間の兵站路上に位置するタラーリーン村を制圧し、反体制武装集団の一大拠点マーリア市を完全包囲(2015年8月15日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が、マーリア市北部に位置するタラーリーン村でジハード主義武装集団と交戦し、同村の西部を掌握、同村一帯を完全制圧した。

タラーリーン村は、トルコとアレッポ市を結ぶ兵站路上に位置する戦略的要衝で、同村を制圧したことで、ダーイシュはアレッポ市北部の反体制武装集団の拠点であるマーリア市を完全包囲した。

同監視団によると、同地で9日から激化していた戦闘で、マーリア市、ウンム・フーシュ村、タラーリーン村を拠点とするジハード主義武装集団戦闘員76人と、ダーイシュ45人が死亡した。

マーリア市完全包囲に際して、ダーイシュは爆弾を積んだ車で6回にわたり自爆攻撃などを行った。

タッラーリーン村、ウンム・フーシュ村、そしてマーリア市は、米トルコ両政府が「安全地帯」設置で合意したとされる地域内に位置し、米国がトルコとともにダーイシュの排除を企図している。

一方、SANA(8月15日付)によると、ワディーヒー村、ブラート村、サフィール市東部、東クワイリス町一帯、アルバイド村、ジャディーダ村、航空士官学校一帯で、シリア軍が反ダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(8月15日付)によると、シリア軍がタドムル市西部郊外三角地帯、タドムル市、ジャズル・ガス採掘所一帯、ワーディー・ザカーラ、フナイフィース村、カルヤタイン市を空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, August 15, 2015、AP, August 15, 2015、ARA News, August 15, 2015、Champress, August 15, 2015、al-Hayat, August 16, 2015、Iraqi News, August 15, 2015、Kull-na Shuraka’, August 15, 2015、al-Mada Press, August 15, 2015、Naharnet, August 15, 2015、NNA, August 15, 2015、Reuters, August 15, 2015、SANA, August 15, 2015、UPI, August 15, 2015などをもとに作成。

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ロシアのラブロフ外務大臣が「第2回カイロ大会」の主導者らと会談(2015年8月15日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、「第2回カイロ大会」の開催を主導したハイサム・マンナーア氏(「カフム」代表)、ハーリド・マハーミード氏、ジャマール・スライマーン氏、ジハード・マクディスィー氏と会談した。

シリア政府と反体制派の和平交渉「モスクワ3」開催に向けてロシア外務省高官らと折衝を行うためにモスクワを訪問したマンナーア氏らに対して、ラブロフ外務大臣は「モスクワ訪問は、あなたがたにとってこれが初めてではない。しかし、前回の会談と異なっているのは、我々は今回は、シリアの現状を受け入れられないとの共通の理解のもとに会していることだ」と述べた。

そのうえで、ラブロフ外務大臣は、ジュネーブ合意(2012年6月)の原則やスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表のイニシアチブに沿って、政治的解決を実現するために国際社会が努力を結集すべきだと述べた。

クッルナー・シュラカー(8月15日付)などが伝えた。

AFP, August 15, 2015、AP, August 15, 2015、ARA News, August 15, 2015、Champress, August 15, 2015、al-Hayat, August 16, 2015、Iraqi News, August 15, 2015、Kull-na Shuraka’, August 15, 2015、al-Mada Press, August 15, 2015、Naharnet, August 15, 2015、NNA, August 15, 2015、Reuters, August 15, 2015、SANA, August 15, 2015、UPI, August 15, 2015などをもとに作成。

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