アル=カーイダ系組織のヌスラ戦線がイドリブ県のシリア軍の牙城アブー・ズフール軍事基地の正面玄関を完全制圧(2015年8月28日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アブー・ズフール航空基地周辺で、シリア軍、国防隊とシャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団との交戦が続き、シリア軍が同地一帯に対して空爆を行った。

ARA News(8月28日付)によると、この攻勢によりヌスラ戦線は、アブー・ズフール航空基地正面玄関を完全制圧した。

シリア人権監視団によると、26日に激化したアブー・ズフール航空基地をめぐる攻防戦で、シリア軍兵士16人、反体制武装集団戦闘員28人(うち1人はヌスラ戦線司令官)が死亡しているという。

一方、シリア軍は、ビダーマー町、バーラ村、カンスフラ村を「樽爆弾」などでも空爆を続けた。

またサラーキブ市では巨大な爆発が発生、原因に関しては「爆弾を積んだ車が爆発した」、「武器庫が爆発した」といった情報が錯綜している。

他方、SANA(8月28日付)によると、シリア軍がアブー・ズフール航空基地周辺を空爆、また地上部隊がシャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦した。

シリア軍はまた、ハシール村一帯、マジャース村、タッル・サラムー村、ウンム・ジャリーン村、アバティーター村、バシーリーヤ村、ハミーディーヤ村などを空爆し、ファトフ軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がフワイズ村を激しく空爆した。

一方、SANA(8月28日付)によると、シリア軍が国防隊などとともに、ヒルバト・ナークース村、タッル・ワースィト村のシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などファトフ軍の拠点に対して特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、マンスーラ村、カストゥーン村、マシーク村、カルクール村、新ザイズーン村、ジャズラム丘、サルマーニーヤ村、タンジャラ村、カーヒラ村、アンカーウィー村で、反体制武装集団と交戦し、ファトフ軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ラスタン市一帯、キースィーン村一帯でシリア軍とジハード主義武装集団が交戦、シリア軍が同地を砲撃した。

一方、SANA(8月28日付)によると、ラスタン市、ガントゥー市、キースィーン村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアレッポ市ラーシディーン地区を地対地ミサイルと思われる砲弾5発で攻撃、同地区の科学研究センター一帯で、国防隊、人民諸委員会などとともに、山地の鷹旅団、ヌールッディーン・ザンキー運動、イスラーム自由運動と交戦した。

シリア軍、国防隊はまた、アレッポ市サイフ・ダウラ地区一帯でジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(8月28日付)によると、バーシュカウィー村、ハンダラート・キャンプ一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ドゥーリーン村でシリア軍、国防隊がシャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦、またシリア軍がクルド山やトルクメン山(ラビーア町一帯)を空爆した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザバダーニー市での一時停戦が継続される一方、バラダー渓谷のバスィーマ町一帯に対してシリア軍が攻撃を強め、シリア軍が撃った迫撃砲弾2発が町に着弾した。

シリア軍はまた、ダーライヤー市に「樽爆弾」30発を投下する一方、ドゥーマー市を3回にわたり空爆、マディーラー市、アイン・タルマー村、タイバ村一帯に対しても砲撃を加えた。

これに対して反体制武装集団はダマスカス・ヒムス街道で燃料を輸送するトレーラーを襲撃した。

一方、SANA(8月28日付)によると、ザーキヤ町・タイバ村間で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾がアブー・ルンマーナ地区、ウマウィーイーン広場、サーリヒーヤ区、ティジャーラ地区に着弾した。

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ダルアー県では、SANA(8月28日付)によると、ダーイル町、ズィムリーン村をシリア軍が空爆し、複数のシャームの民のヌスラ戦線を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、ムザイリーブ町、タファス市、ダーイル町、ハーッラ丘で、反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(8月28日付)によると、ハミーディーヤ村、ウーワーニヤー村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, August 28, 2015、AP, August 28, 2015、ARA News, August 28, 2015、Champress, August 28, 2015、al-Hayat, August 29, 2015、Iraqi News, August 28, 2015、Kull-na Shuraka’, August 28, 2015、al-Mada Press, August 28, 2015、Naharnet, August 28, 2015、NNA, August 28, 2015、Reuters, August 28, 2015、SANA, August 28, 2015、UPI, August 28, 2015などをもとに作成。

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シリア北部の「安全保障地帯」でダーイシュ(イスラーム国)とアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動などからなる反体制武装集団の攻防続く(2015年8月28日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、マーリア市一帯でダーイシュ(イスラーム国)と反体制武装集団の戦闘が続き、ダーイシュは、マーリア市に近いカフラ村で、爆弾を爆破、またマーリア市一帯では、ダーイシュと反体制武装集団が交戦を続け、双方に数十人の死者が出た。

ARA News(8月28日付)によると、有志連合がマーリア市近郊のマスカナ市のダーイシュ拠点を空爆し、戦闘員10人が死亡、多数が負傷したという。

マスカナ市はダーイシュの支配下にある。

また、ARA News(8月28日付)は、シャーム戦線が、カフル村近郊でダーイシュの車輌を爆破し、アブドゥッラー・アブドゥッラヒーム・バクリー・ハミードゥーというシリア国籍のダーイシュ司令官を殺害したと発表している、と伝えた。

「安全地帯」に対する最近のダーイシュの攻勢に関して、ヌールッディーン・ザンキー運動のアブー・バシーラ・マアーッラ司令官は、クッルナー・シュラカー(8月28日付)に対し、ダーイシュによりマーリア市郊外のタラーリーン村、ハルジャラ村、ウンム・フーシュ村が制圧されたことを認める一方、マーリア市一帯からの撤退を否定、ダーイシュが「安全地帯」設置を阻止するべく攻勢をかけていると主張した。

一方、シャーム自由人イスラーム運動はツイッターを通じて声明を出し、マーリア市近郊のサンダフ村でほかの反体制武装集団とともにダーイシュ(イスラーム国)の「浄化」を完了したと発表した。

他方、SANA(8月28日付)によると、シリア軍が航空士官学校一帯を空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、ダイル・ザウル・トゥズバフ・ビ・サムト(8月28日付)は、ダーイシュ(イスラーム国)ハイル州(ダイル・ザウル県一帯のこと)の福祉局が、支配地域内の商店主に対して店舗の賃貸料を米ドルで支払うよう命じる通達を出したと報じた。

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ヒムス県では、SANA(8月28日付)によると、シリア軍がカルヤタイン市およびその周辺、タドムル市および同市西部の三角地帯、ジャズル・ガス採掘所東部一帯、ワーディー・ザカーラ一に対して集中攻撃を加え、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, August 28, 2015、AP, August 28, 2015、ARA News, August 28, 2015、Champress, August 28, 2015、Dayr al-Zawr Tudhbah bi-Samt, August 29, 2015、al-Hayat, August 29, 2015、Iraqi News, August 28, 2015、Kull-na Shuraka’, August 28, 2015、al-Mada Press, August 28, 2015、Naharnet, August 28, 2015、NNA, August 28, 2015、Reuters, August 28, 2015、SANA, August 28, 2015、UPI, August 28, 2015などをもとに作成。

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ハサカ市でダーイシュ(イスラーム国)が放棄した防毒マスクが発見される(2015年8月28日)

ハサカ県では、SANA(8月28日付)によると、人民防衛集団(国防隊、バアス大隊などの総称)が、ハサカ市グワイラーン地区を占拠中のダーイシュ(イスラーム国)が掘削したと思われる近トンネルから、複数の防毒マスクを発見、押収した。

SANA, August 28, 2015
SANA, August 28, 2015


AFP, August 28, 2015、AP, August 28, 2015、ARA News, August 28, 2015、Champress, August 28, 2015、al-Hayat, August 29, 2015、Iraqi News, August 28, 2015、Kull-na Shuraka’, August 28, 2015、al-Mada Press, August 28, 2015、Naharnet, August 28, 2015、NNA, August 28, 2015、Reuters, August 28, 2015、SANA, August 28, 2015、UPI, August 28, 2015などをもとに作成。

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オブライエン国連事務次長「シリア政府から人道支援活動を行う国連職員47人への入国査証発給を認めるとの連絡を受けた」(2015年8月28日)

ステファン・オブライエン国連人道問題担当事務次長は、シリア政府から人道支援活動を行う国連職員47人への入国査証発給を認めるとの連絡を受けたことを明らかにした。

入国査証発給は、オブライエン事務次長が8月半ばにシリアを訪問した際にシリア政府に対して要請していたもの。

AFP(8月28日付)が伝えた。

AFP, August 28, 2015、AP, August 28, 2015、ARA News, August 28, 2015、Champress, August 28, 2015、al-Hayat, August 29, 2015、Iraqi News, August 28, 2015、Kull-na Shuraka’, August 28, 2015、al-Mada Press, August 28, 2015、Naharnet, August 28, 2015、NNA, August 28, 2015、Reuters, August 28, 2015、SANA, August 28, 2015、UPI, August 28, 2015などをもとに作成。

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潘国連事務総長がシリアでの化学兵器の使用に対する責任追及にあたるため、国連と化学兵器禁止機関(OPWC)による合同査察機構組織案を安保理に提示(2015年8月28日)

国連の潘基文事務総長は、シリアでの化学兵器の使用に対する責任追及にあたるため、国連と化学兵器禁止機関(OPWC)による合同査察機構を創設することを定めた決議第2235号採択を受け、同機構の組織案を具体的に記した書簡を安保理に提出した。

この書簡において、潘事務総長は、①合同査察機構を無所属の調査官3人が統括すること、②政務局(本部ニューヨーク)、調査局(本部ラハイ)、ロジ支援局(本部ニューヨーク)の三つの部署を設け、3人の調査官の活動を支援すること、などが提案されている、という。

複数の外交筋によると、安保理が近日中に、この書簡で示されている案を審議するという。

『ハヤート』(8月29日付)が伝えた。

AFP, August 28, 2015、AP, August 28, 2015、ARA News, August 28, 2015、Champress, August 28, 2015、al-Hayat, August 29, 2015、Iraqi News, August 28, 2015、Kull-na Shuraka’, August 28, 2015、al-Mada Press, August 28, 2015、Naharnet, August 28, 2015、NNA, August 28, 2015、Reuters, August 28, 2015、SANA, August 28, 2015、UPI, August 28, 2015などをもとに作成。

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ラトニー米国務省シリア問題担当特使がロシアを訪問する一方、国務省はアサド大統領の退陣の必要を強調(2015年8月28日)

『ハヤート』(8月29日付)によると、マイケル・ラトニー米国務省シリア問題担当特使がロシアを訪問、モスクワでミハイル・ボクダノフ外務副大臣と会談した。

ロシア外務省報道官によると、会談ではシリア問題が集中的に議論されたという。

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一方、米国務省は声明を出し、シリア情勢に関して、「アサド政権の存続は地域の過激化と緊張を高めるだけ」としたうえで、「暴力を抑止するため、アサドを排除するかたちで、対話に基づく真の政治的移行を実現するために関与を続ける」との意思を表明した。

AFP, August 28, 2015、AP, August 28, 2015、ARA News, August 28, 2015、Champress, August 28, 2015、al-Hayat, August 29, 2015、Iraqi News, August 28, 2015、Kull-na Shuraka’, August 28, 2015、al-Mada Press, August 28, 2015、Naharnet, August 28, 2015、NNA, August 28, 2015、Reuters, August 28, 2015、SANA, August 28, 2015、UPI, August 28, 2015などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)幹部の妻が「ヌスラ戦線戦闘員の妻を姦婦とみなす」とするファトワーを発出(2015年8月28日)

ヨルダン日刊紙『ガド』(8月28日付)は、ヨルダンのサラフィー主義潮流の複数の消息筋の七誌として、ダーイシュ(イスラーム国)のシャリーア法務責任者であるトゥルキー・ブン・アリー氏の妻が、「シャームの民のヌスラ戦線の「ムジャーヒディーンの妻たち」が夫たちと離縁しない場合、彼女らを「姦婦」とみなす」とするファトワーを発したと伝えた。

このファトハーの発出は、ダーイシュを離反し、ヨルダン国内に戻り、当局に投降したヨルダン人戦闘員の1人が明らかにしたのだという。

トゥルキー・ブン・アリー(トゥルキー・ブン・ムバーラク・ブン・アブドゥッラー・アフマド・ムバーラク・アール・アリー)氏はバーレーン人で、ヨルダンのサラフィー主義潮流のイデオローグであるアブー・ムハンマド・マクディスィー氏に師事していたとされる。

「アブー・スフヤーン・スィルミー」、「ハマーム・ブン・バクル・アサリー」、「アブー・フザイファ・バハライニー」などの名でも知られている。

AFP, August 28, 2015、AP, August 28, 2015、ARA News, August 28, 2015、Champress, August 28, 2015、al-Ghad, August 28, 2015、al-Hayat, August 29, 2015、Iraqi News, August 28, 2015、Kull-na Shuraka’, August 28, 2015、al-Mada Press, August 28, 2015、Naharnet, August 28, 2015、NNA, August 28, 2015、Reuters, August 28, 2015、SANA, August 28, 2015、UPI, August 28, 2015などをもとに作成。

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アレッポ県・イドリブ県の県境でアル=カーイダ系組織のヌスラ戦線と西クルディスタン移行期民政局人民防衛部隊が交戦(2015年8月28日)

アレッポ県では、ARA News(8月28日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線が、西クルディスタン移行期民政局アフリーン地区の支配下にあるジンディールス町に近いダイル・バッルート村、ディーユー村を砲撃し、住民多数が負傷した。

これに対して、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊は反撃を行い、イドリブ県アティマ村近郊のヌスラ戦線拠点複数カ所を攻撃したという。

ヌスラ戦線に近い複数の報道筋によると、この砲撃によりアティマ村の小児病院に迫撃砲弾が着弾したという。

AFP, August 28, 2015、AP, August 28, 2015、ARA News, August 28, 2015、Champress, August 28, 2015、al-Hayat, August 29, 2015、Iraqi News, August 28, 2015、Kull-na Shuraka’, August 28, 2015、al-Mada Press, August 28, 2015、Naharnet, August 28, 2015、NNA, August 28, 2015、Reuters, August 28, 2015、SANA, August 28, 2015、UPI, August 28, 2015などをもとに作成。

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