シリア軍とファトフ軍がイドリブ県・ハマー県・ラタキア県境一帯で攻防を続ける(2015年8月27日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ガーブ平原のヒルバト・ナークース村一帯で、シリア軍、国防隊、アラブ系・アジア系外国人戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線、ジュヌード・シャーム(チェチェン人)、トルキスターン・イスラーム党などと交戦、またシリア軍はズィヤーラ町、タッル・ワースィト村、マンスーラ村、ヒルバト・ナークース村、アンカーウィー村、ザジュラム丘、カーヒラ村、マシーク村一帯を20回にわたり空爆した。

これに対して、ヌスラ戦線側は、ハークーラ村などシリア政府支配下の村に対して砲撃を行った。

一方、SANA(8月27日付)によると、シリア軍が、サルマーニーヤ村、カストゥーン村、ザイズーン村、タンジャラ村、カーヒラ村、ザイズーン発電所一帯、マンスーラ村、アンカーウィー村、クライドゥーン村、ザジュラム丘を空爆し、ファトフ軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がフバイト村、ジューズィフ村を「樽爆弾」などで空爆した。

一方、SANA(8月27日付)によると、シリア軍がハミーディーヤ村、ハシール村、ウンム・ジャリーン村、マジャース村、トゥルア村、カルア・ガザール村、アブー・ズフール町、カンスフラ村、ジャドラーヤー村、ムハムバル村、サフン村、フライカ村、砂糖工場(ジスル・シュグール市郊外)で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がドゥワイル・アクラード村(ハマー県)に面する県境一帯、ナビー・ユーヌス峰一帯を空爆し、国防隊とともにジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(8月27日付)によると、シリア軍が国防隊など非正規部隊とともに県北部のジュッブ・アフマル村制圧に向けて、同村に近いルワイサト・ジャウラト・タンブール丘一帯で反体制武装集団と交戦、戦闘員らを殲滅し、同地を制圧した。

シリア軍はまた、サルマー町、バルザ村、アラーフィート村、トゥウーマ村、アブー・リーシャ村などで反体制武装集団と交戦する一方、ドゥワイル・アクラード村(ハマー県)に接する県境一帯を空爆した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シャイフ・マスキーン市をシリア軍が「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(8月27日付)によると、シリア軍がバスラー・シャーム市西部地区に対して正確に空爆を行い、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、シャイフ・イブラーヒーム地区、ジュッバ地区、バーブ・トゥーマー区、ウマウィーイーン広場、アッシュ・ウルール地区(バルザ区)に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が着弾し、住民8人が負傷した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハラスター市一帯を2度にわたり空爆、また車輌局一帯で、シリア軍、国防隊がシャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(8月27日付)によると、ドゥーマー市、シャイフーニーヤ村近郊、タッル・クルディー町、ザマルカー町、サクバー市・ジスリーン町間で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、イスラーム軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ハラーリーヤ村、ウンム・シャルシューフ村一帯で、シリア軍、国防隊がシャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦、またシリア軍はフーシュ・ハッジュー村、キースィーン村を砲撃した。

一方、SANA(8月27日付)によると、キースィーン村、イッズッディーン町、クナイトラート村、南マシュジャル村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市アシュラフィーヤ地区で、シリア軍、国防隊がジハード主義武装集団と交戦、ジハード主義武装集団側が同地区、ハーリディーヤ地区などシリア政府支配地域に対して砲撃を行った。

またサーフール地区では、反体制武装集団が掘削した地下トンネルをシリア軍が爆破したと思われる大きな爆音が聞こえた。

一方、アレッポ市郊外のラトヤーン村には、シリア軍が撃ったと思われる地対地ミサイル2発が着弾した。

他方、SANA(8月27日付)によると、アレッポ市サイイド・アリー地区で、シリア軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、戦闘員46人を殲滅、装備を破壊した。

シリア軍はまた、アレッポ市ラーシディーン地区、バーブ・ハディード地区、カースティールー地区、ライラムーン地区、バニー・ザイド地区、ブスターン・バーシャー地区、ブスターン・カスル地区、スライマーン・ハラビー地区、タッル・ムサイビーン村、バヤーヌーン町、ハイヤーン町、フライターン市、ハンダラート・キャンプ一帯、バーシュカウィー村一帯、ラトヤーン村、ハーン・アサル村で反体制武装集団と交戦し、シャーム戦線、シャーム自由人イスラーム運動、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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スワイダー県では、シリア人権監視団によると、スワイダー市内で爆発が発生した。

爆発の原因は不明だが、前日のヒムス市での爆発と同様、燃料トレーラーの爆発、迫撃砲弾着弾といった情報が錯綜しているという。

AFP, August 27, 2015、AP, August 27, 2015、ARA News, August 27, 2015、Champress, August 27, 2015、al-Hayat, August 28, 2015、Iraqi News, August 27, 2015、Kull-na Shuraka’, August 27, 2015、al-Mada Press, August 27, 2015、Naharnet, August 27, 2015、NNA, August 27, 2015、Reuters, August 27, 2015、SANA, August 27, 2015、UPI, August 27, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダーイシュ(イスラーム国)は「安全保障地帯」における反体制派の拠点マーリア市をほぼ完全包囲か(2015年8月27日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、マーリア市周辺地域およびハルジャラ村、ダルハ村一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)とジハード主義者を含む反体制武装集団が交戦し、反体制武装集団が交戦した。

『ハヤート』(8月28日付)などによると、戦闘は、ダーイシュがマーリア市周辺各所で爆弾を爆発させたことをきっかけに激化し、戦闘ではダーイシュ戦闘員12人、反体制武装集団戦闘員40人が死亡、また多くの住民がマーリア市西方に避難した。

これに関して、反体制武装集団側は、戦闘の末に、反体制武装集団はハルジャラ村、ダルハ村を制圧したと発表した。

しかし、ダーイシュ(イスラーム国)アレッポ州は、ダフラ村、ハルジャラ村、ハルバル村、サンダフ村を制圧したと発表した。

ロイター通信(8月27日付)、ARA News(8月26日付)は、ダーイシュが同地の3カ村を制圧し、反体制武装集団の拠点であるマーリア市をほぼ完全に包囲したと発表したと伝えた。

また、複数の活動家は、国境なき医師団の25日の声明を受けるかたちで、ダーイシュがこの戦闘で有毒ガスを使用したと主張、また戦闘では有志連合と思われる戦闘機がダーイシュの拠点に対して空爆を行ったことを明らかにした。

マーリア市、ハルジャラ村、ダルハ村はいずれも、米トルコ政府が設置合意したとされる「安全地帯」内に位置し、このうちハルジャラ村、ダルハ村は、シャームの民のヌスラ戦線からスルターン・ムラード旅団などに移譲された直後に、ダーイシュによって制圧されていた。

他方、SANA(8月27日付)によると、航空士官学校一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

ARA News, August 27, 2015
ARA News, August 27, 2015

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がタッル・ハミース市近郊の西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊拠点複数カ所に対して砲撃を行う一方、ハサカ市南西部郊外で両者が交戦した。

またARA News(8月27日付)によると、有志連合が、人民防衛隊を援護するため、シャッダーディー市近郊、フール町近郊などのダーイシュ拠点を空爆した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、有志連合がラッカ市郊外でダーイシュ(イスラーム国)の車輌に対して空爆を行い、戦闘員2人が死亡した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がタドムル市郊外を空爆した。

一方、SANA(8月27日付)によると、シリア軍がワーディー・マースィク、シューマリーヤ山東部一帯を空爆する一方、ジャズル・ガス採掘所一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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米中央軍(CENTCOM)は、6月27日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して24回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は3回におよび、ハサカ市近郊のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, August 27, 2015、AP, August 27, 2015、ARA News, August 27, 2015、August 28, 2015、Champress, August 27, 2015、al-Hayat, August 28, 2015、Iraqi News, August 27, 2015、Kull-na Shuraka’, August 27, 2015、al-Mada Press, August 27, 2015、Naharnet, August 27, 2015、NNA, August 27, 2015、Reuters, August 27, 2015、SANA, August 27, 2015、UPI, August 27, 2015などをもとに作成。

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ザバダーニー市(ダマスカス郊外県)、フーア市(イドリブ県)などで2度目の停戦が発効、ザバダーニー市からのシャーム自由人イスラーム運動の「安全な退去」とフーア市などからの住民の避難が争点に(2015年8月27日)

『ハヤート』(8月28日付)などは、ダマスカス郊外県ザバダーニー市とイドリブ県フーア市、カファルヤー町で戦闘を続けるシリア軍、ヒズブッラー戦闘員とシャーム自由人イスラーム運動など反体制武装集団が、48時間の一時停戦に合意した。

停戦合意は8月12日の合意に次いで2度目で、8月12日に発効した1度目の停戦は、反体制武装集団側の負傷者らのザバダーニー市からの搬送、フーア市、カファルヤー町住民の避難などをめぐって決裂していた。

シリア人権監視団によると、一時停戦の期間は、8月28日午前5時から30日午前5時までの48時間で、戦闘停止地域からは、ザバダーニー市に隣接するマダーヤー町は除外されており、同市では、シリア軍ヘリコプターによる攻撃で、女性1人、子供3人を含む5人が死亡したが、ザバダーニー市、フーア市、カファルヤー町では今のところ目立った戦闘は起きていないという。

また2度目となる停戦交渉期間中、ザバダーニー市およびマダーヤー町からの反体制武装集団の「安全な退去」、フーア市とカファルヤー町からの住民約1,000人の避難、4市町への人道支援物資の搬入と負傷者の搬送についての協議が行われるという。

これに関して、停戦交渉を仲介を行っているという野党の団結党(シリア・アラブ団結党)のムハンマド・アブー・カースィム書記長は、AFP(8月27日付)に対し、停戦合意の「第1の項目は三つの地域(ザバダーニー市、マダーヤー町、フーア市・カファルヤー町)での発砲停止でありこれは達成された。現在、それ以外の項目について協議が続けられており、そのなかでもっとも重要な問題は、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員のザバダーニー市からの退去」であると述べた。

またカースィム書記長は、「交渉はトルコでイランの使節団とシャーム自由人イスラーム運動の使節団が直接行っており、団結党代表も同席している」と付言した。

一方、ロイター通信(8月27日付)は、シリア政府に近い消息筋の話として、負傷者の搬送が28日に開始されるが、ザバダーニー市からの戦闘員の退去、フーア市、カファルヤー町からの民間人避難などについてはまだ協議されていないと伝えた。

なお『ハヤート』(8月28日付)によると、ザバダーニー市、フーア市、カファルヤー町での攻防に参加している反体制武装集団メンバーのほとんどはシャーム自由人イスラーム運動だという。

ARA News, August 27, 2015
ARA News, August 27, 2015

 

AFP, August 27, 2015、AP, August 27, 2015、ARA News, August 27, 2015、Champress, August 27, 2015、al-Hayat, August 28, 2015、Iraqi News, August 27, 2015、Kull-na Shuraka’, August 27, 2015、al-Mada Press, August 27, 2015、Naharnet, August 27, 2015、NNA, August 27, 2015、Reuters, August 27, 2015、SANA, August 27, 2015、UPI, August 27, 2015などをもとに作成。

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サウジアラビアが「飛行禁止空域」設置を求めるシリア国民連合の書簡を国連安保理に提出、シリア国連代表は安保理会合で、サウジアラビア、トルコ、カタールが支援するアル=カーイダ系組織が無差別砲撃を行っていると非難(2015年8月27日)

国連安保理(米ニューヨーク)で、安保理決議第2193号、第2165号、第2191号の実施状況を報告するための定例会合が開催された。

SANA(8月27日付)によると、会合では、バッシャール・ジャアファリー国連代表大使が、「シリア政府は国連と協力し、すべての被災者に対する人道支援を継続する用意がある」と表明する一方、「シリアの悲惨な人道状況は、外国の政治的、軍事的、経済的な干渉を背景と切り離して対処することはできない」と強調した。

そのうえで、西側において「穏健な反体制派」という呼称によって、アル=カーイダに忠誠を誓っている組織の活動が是認されていると批判するとともに、サウジアラビアが支援するイスラーム軍やトルコ、カタールとつながりがあるファトフ軍がダマスカス県、アレッポ市、イドリブ県各地に無差別砲撃を行っていると糾弾した。

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一方、『ハヤート』(8月28日付)は、サウジアラビアが国連安保理に対して、シリア領内に「飛行禁止空域」の設置を求めるシリア革命反体制勢力国民連立の書簡を提出した。

シリア革命反体制勢力国民連立の書簡では、国連安保理決議第2139号、第2165号、第2191号に基づき、シリア国内で人道支援を必要としているすべての人への緊急支援を行えるよう「飛行禁止空域」の設定が求められている。

またこの書簡において、シリア革命反体制勢力国民連立は、シリア領内で1429回にわたり有毒ガスが使用され、14万人が犠牲になったと指摘、国際刑事裁判所への提訴を改めて安保理に要請、この提訴が不可能な場合は、特別法廷を設置すべきだと主唱した。

AFP, August 27, 2015、AP, August 27, 2015、ARA News, August 27, 2015、Champress, August 27, 2015、al-Hayat, August 28, 2015、Iraqi News, August 27, 2015、Kull-na Shuraka’, August 27, 2015、al-Mada Press, August 27, 2015、Naharnet, August 27, 2015、NNA, August 27, 2015、Reuters, August 27, 2015、SANA, August 27, 2015、UPI, August 27, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.