ダイル・ザウルで親政権民兵司令官が何者かにより暗殺(2015年8月5日)

ダイル・ザウル県では、ダーイシュ(イスラーム国)に対するシリア軍の戦いを指揮するイサーム・ザフルッディーン准将が擁する民兵組織「アッラーの獅子突撃隊」がフェイスブックを通じて、ダイル・ザウル市で活動する親政権民兵組織「東部獅子」の司令官、アブドゥルバースィト・アブー・ムハンマド氏が何者かよって暗殺されたと発表した。

アブー・ムハンマド氏は、ダーイシュ(イスラーム国)によって1,000人以上を殺害されたシュアイタート部族の出で、「東部獅子」には、シュアイタート部族の子息からなる民兵組織として知られていたという。 

Kull-na Shuraka', August 5, 2015
Kull-na Shuraka’, August 5, 2015

AFP, August 5, 2015、AP, August 5, 2015、ARA News, August 5, 2015、Champress, August 5, 2015、al-Hayat, August 6, 2015、Iraqi News, August 5, 2015、Kull-na Shuraka’, August 5, 2015、al-Mada Press, August 5, 2015、Naharnet, August 5, 2015、NNA, August 5, 2015、Reuters, August 5, 2015、SANA, August 5, 2015、UPI, August 5, 2015などをもとに作成。

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ヨルダン国連大使「シリア政府はシリア国内でテロや過激派の温床をはぐくむことで国際人道法に体系的に違反している」(2015年8月5日)

ヨルダンのディーナー・カアワール国連大使は、安保理議長および事務総長に宛てて書簡を送り、ヨルダンがシリア国内で活動するテロリストを支援しているとするシリア政府(バッシャール・ジャアファリー国連代表ら)の主張を否定した。

書簡のなかで、カアワール国連大使は「ヨルダンは、シリア国民と完全に連隊し、人道的な苦難に立ち向かい、シリア人難民流入による負担に耐え続けてきた」としたうえで、「シリア政府はシリア国内でテロや過激派の温床をはぐくむことで国際人道法に体系的に違反し続けており、そのことが地域、さらには世界全体に脅威を与えている」と非難した。

そのうえで、国連に対して、シリア政府に国連の諸決議を遵守させるため断固且つ早急に対処するよう要請した。

『ハヤート』(8月5日付)が伝えた。

AFP, August 5, 2015、AP, August 5, 2015、ARA News, August 5, 2015、Champress, August 5, 2015、al-Hayat, August 6, 2015、Iraqi News, August 5, 2015、Kull-na Shuraka’, August 5, 2015、al-Mada Press, August 5, 2015、Naharnet, August 5, 2015、NNA, August 5, 2015、Reuters, August 5, 2015、SANA, August 5, 2015、UPI, August 5, 2015などをもとに作成。

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シャーム自由人イスラーム運動は、ザバダーニー市停戦に向けたイランとの交渉が中断したと発表(2015年8月5日)

シャーム自由人イスラーム運動は声明を出し、ダマスカス県ザバダーニー市での停戦に向けてイランの高官と交渉していることを認めたうえで、イラン側がザバダーニー市からの住民の退去に固執したために交渉が中断したと発表、同市一帯の「スンナ派の存在をなくし…、ダマスカス県近郊の人口バランスを変化させようとしている」と非難した。

SLN(8月3日付)は、ザバダーニー市でのシリア軍第4師団、ヒズブッラー戦闘員とシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、地元武装集団との攻防線をめぐって、イランの複数の高官がシャーム自由人イスラーム運動と、同市からの民間人、戦闘員の退去に関する交渉を行ったと伝えていた。

AFP, August 5, 2015、AP, August 5, 2015、ARA News, August 5, 2015、Champress, August 5, 2015、al-Hayat, August 6, 2015、Iraqi News, August 5, 2015、Kull-na Shuraka’, August 5, 2015、al-Mada Press, August 5, 2015、Naharnet, August 5, 2015、NNA, August 5, 2015、Reuters, August 5, 2015、SANA, August 5, 2015、SLN, August 3, 2015、UPI, August 5, 2015などをもとに作成。

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トルコ外相「米国とともに”近く”ダーイシュ(イスラーム国)への全面戦争を行う」(2015年8月5日)

トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は訪問先のマレーシアの首都クアラルンプールでジョン・ケリー米国務長官と会談した。

会談後、チャヴシュオール外務大臣は「米軍の有人戦闘機および無人航空機がトルコのインジルリク空軍基地に到着した。我々は近く、米国とともにダーイシュ(イスラーム国)に対して全面戦争を行う」と述べた。

『ハヤート』(8月6日付)が伝えた。

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トルコ領内で活動する反体制組織のシリア・イスラーム評議会は、トルコ政府との連携のもとにダーイシュ(イスラーム国)と戦うことを認めるファトワーを発した。

クッルナー・シュラカー(8月6日付)が伝えた。

AFP, August 5, 2015、AP, August 5, 2015、ARA News, August 5, 2015、Champress, August 5, 2015、al-Hayat, August 6, 2015、Iraqi News, August 5, 2015、Kull-na Shuraka’, August 5, 2015、August 6, 2015、al-Mada Press, August 5, 2015、Naharnet, August 5, 2015、NNA, August 5, 2015、Reuters, August 5, 2015、SANA, August 5, 2015、UPI, August 5, 2015などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)がシリア軍との戦闘の末にヒムス県のカルヤタイン市を制圧か(2015年8月5日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、カルヤタイン市一帯でシリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、同地一帯を空爆した。

これに関して、ダーイシュ(イスラーム国)ヒムス州広報局はまた、シリア軍との戦闘の末に、カルヤタイン市を制圧したと発表した。

またヒムス州広報局は、タイフール航空基地のレーダー・サイトに対して、アブー・ムサンナー・ハマウィーを名乗る戦闘員が6トンの爆弾を積んだ車輌で自爆攻撃を行い、破壊した、と発表した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が包囲するクワイリス航空基地一帯で、シリア軍とダーイシュが交戦した。

一方、ARA News(8月5日付)によると、スィッリーン町南部一帯で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とダーイシュ(イスラーム国)が交戦を続けた。

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ハサカ県では、ARA News(8月5日付)によると、ハサカ市北東部のラジュマーン村一帯で未明に、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とダーイシュ(イスラーム国)が交戦した。

また、クッルナー・シュラカー(8月6日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がタッル・ブラーク町の西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊拠点を襲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク渓谷一帯で、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うヤルムーク殉教者旅団が交戦し、ヌスラ戦線戦闘員1人が死亡した。

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米中央軍(CENTCOM)は、8月5日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して27回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は16回におよび、ハサカ市近郊(7回)、アレッポ市近郊(2回)、ラッカ市近郊(1回)、アイン・アラブ市近郊(1回)のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, August 5, 2015、AP, August 5, 2015、ARA News, August 5, 2015、Champress, August 5, 2015、al-Hayat, August 6, 2015、Iraqi News, August 5, 2015、Kull-na Shuraka’, August 5, 2015、August 6, 2015、al-Mada Press, August 5, 2015、Naharnet, August 5, 2015、NNA, August 5, 2015、Reuters, August 5, 2015、SANA, August 5, 2015、UPI, August 5, 2015などをもとに作成。

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イドリブ県・ハマー県境でヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が反転攻勢、ザイズーン発電所を奪還(2015年8月5日)

シリア人権監視団によると、イドリブ県南部のジスル・シュグール市一帯、ハマー県北部のガーブ平原一帯で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、アジア系・アラブ系戦闘員と、ハック旅団、シャーム軍団、スンナムン、第101歩兵師団、ジュンド・アクサー機構、シャームの民のヌスラ戦線、アンサール・ディーン戦線、山地の鷹旅団、アジュナード・シャーム・イスラーム連合、第111歩兵師団、ジュヌード・シャーム(チェチェン人)、トルキスターン・イスラーム党、アンサール・シャーム、シャーム自由人イスラーム運動、ガーブの鷹などが交戦した。

Kull-na Shuraka', August 5, 2015
Kull-na Shuraka’, August 5, 2015

戦闘は、ヒズブッラー戦闘員、シリア軍、アジア系・アラブ系外国人戦闘員の作戦司令室本部が置かれているジューリーン村から2キロほど離れたバフサ村(シーア派の村)一帯で激しく行われたという。

シリア軍側の作戦司令室近くにまで、反体制武装集団が進軍し、戦闘が行われたのは、シリア人権監視団によると、これが初めてだという。

クッルナー・シュラカー(8月5日付)によると、この戦闘により、反体制武装集団は、ザイズーン発電所などガーブ平原内のシリア軍の陣地複数カ所を再制圧したという。

これに関して、シャーム軍団渉外担当者のアフマド・アフマドを名乗る活動は、ファトフ軍がシリア軍に対する反転攻勢をかけ、イドリブ県のハムカ丘、ハッターブ丘、アアワル丘、フライカ村、ハマー県のザイズーン・ダム、ザイズーン発電所を制圧するとともに、ズィヤーディヤ村でシリア軍を包囲、部隊はジューリーン村に向けて撤退している、と主張した。

シリア人権監視団によると、反体制武装集団の反転攻勢に対して、シリア軍はイドリブ県のアブー・ズフール航空基地一帯に対して10回以上にわたり空爆を行ったという。

同監視団によると、このほかハマー県のジャビーン村、タッル・ミルフ村一帯でも、シリア軍と反体制武装集団が砲撃戦を行った。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハウラ平原一帯を砲撃し、子供3人が負傷した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ハンダラート・キャンプ一帯、バーシュカウィー村で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、アジア系・アラブ系外国人戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線、アンサール・ディーン戦線などジハード主義武装集団と交戦した。

シリア軍はまた、アレッポ市マルジャ地区などを「樽爆弾」で空爆した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍第4師団、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がザバダーニー市一帯でジハード主義武装集団および地元の武装集団との戦闘を続けた。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がフラーク市などを砲撃した。

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トルコによるイラク北部のPKK拠点への爆撃、米国によるシリア北部の「安全保障地帯」設置、「穏健な反体制派」への支援に関する米トルコ間の合意の全貌(2015年8月5日)

『ハヤート』(8月5日付、イブラーヒーム・ハミーディー記者)は、ダーイシュ(イスラーム国)による領内での「テロ」に端を発するイラク北部へのトルコ軍の空爆やシリア北部での「安全保障地域」(安全保障島、جزيرة آمنة)の設置などをめぐる米国とトルコの合意内容の詳細を伝えた。

西側の高官が『ハヤート』に明らかにしたところによると、この合意は過去8ヶ月間におよぶ米国とトルコの折衝を経て成立し、以下の項目を骨子とするという:

1. トルコ政府は、ダーイシュ殲滅をめざす有志連合を主導する米軍に限り、トルコ南東部のインジルリク空軍基地の使用を認める。
2. トルコ政府は、ダーイシュに対する「インキラーブ」(政策転換)を開始し、領内のダーイシュのネットワークを解体し、対シリア国境、および対西欧国境の規制を強化する。
3. 米政府は、シリア北部アレッポ県ジャラーブルス市一帯からアアザーズ市一体、ユーフラテス西岸からマーリア市一帯、バーブ市一帯にいたる全長117キロ、幅70キロの地域を「安全保障島」として実質承認する。
4. 米政府は、米軍がトルコ領内で教練したシリアの「穏健な反体制派」への航空支援を行う。
5. トルコ政府は、クルディスタン労働者党(PKK)に対する武力行使を行う。
6. 「安全保障島」の設置を通じて、西クルディスタン移行期民政局が実効支配するアレッポ県アイン・アラブ市一帯(コバネ)とアフリーン市一帯(アフリーン地区)、さらにはハサカ県(ジャズィーラ地区)を分断する。
7. 「安全保障島」の設置は国連決議などで承認せず、有志連合戦闘機の飛行を通じて実体化する。
8. 米政府は、イラク政府を通じて、シリア政府に対して「安全保障島」上空での有志連合戦闘機をレーダーで捕捉し、シリア軍戦闘機を近づけないよう告知・要請する。

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