ダーイシュ(イスラーム国)がカルヤタイン市(ヒムス県)のキリスト教徒住民に、イスラーム教への改宗か、ジズヤ支払いか、退去を迫る(2015年8月30日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)ヒムス州が、キリスト教徒が多く住むカルヤタイン市の男性に対して、48時間以内にイスラーム教徒に改宗するか、「ジズヤ」(人頭税)を支払うか、同市から退去するかを選択するよう通達した。

Kull-na Shuraka', September 2, 2015
Kull-na Shuraka’, September 2, 2015

AFP, September 2, 2015、AP, September 2, 2015、ARA News, September 2, 2015、Champress, September 2, 2015、al-Hayat, September 3, 2015、Iraqi News, September 2, 2015、Kull-na Shuraka’, September 2, 2015、September 3, 2015、al-Mada Press, September 2, 2015、Naharnet, September 2, 2015、NNA, September 2, 2015、Reuters, September 2, 2015、SANA, September 2, 2015、UPI, September 2, 2015などをもとに作成。

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ダマスカス県・郊外県、イドリブ県でシリア軍による爆撃・砲撃と反体制武装集団による砲撃の応酬が続く(2015年8月30日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダーライヤー市に「樽爆弾」18発を投下、またアルバイン市、ハラスター市にも空爆を行った。

この空爆で、アルバイン市で女性1人が死亡、ドゥーマー市では子供2人、女性2人を含む5人が死亡した。

また、ハラスター市の車輌局一帯では、シリア軍、国防隊がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

一方、ザバダーニー市では、シリア軍第4師団、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、パレスチナ解放軍が、ジハード主義武装集団、地元武装集団と交戦、ヒズブッラー戦闘員2人が死亡した。

これに関して、SANA(8月30日付)は、シリア軍がレバノンのレジスタンス(ヒズブッラー戦闘員)とともに、ザバダーニー市内で進軍を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊したと伝えた。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カフルスーサ区、シャイフ・ラスラーン地区、マズラア地区、教育省周辺、アッシュ・ウルール地区などに、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が着弾し、救急車両が被害現場に駆けつけた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ファトフ軍が、シリア政府支配下のフーア市、カラフヤー町に対して、迫撃砲弾複数発を撃ち込んだ。

これに対して、シリア軍は、ビンニシュ市、マアッラトミスリーン市、そしてフーア市とカファルヤー町周辺の町村を空爆、またバサーミス村、ジスル・シュグール市、カフル・ナブル市、アウラム・ジャウズ村に対して砲撃を行い、カフル・ナブル市の砲撃で3人が死亡した。

その一方、シリア軍は、反体制武装集団との戦闘や空爆の末、30日までにヒルバト・ナークース村を奪還した。

これに関して、SANA(8月30日付)は、シリア軍が、カファルヤー町、フーア市周辺の町・村、バラーグーティー村、ハミーマート村、ハシール村、タッル・ルーズ村、ワリーダ村、アブー・ズフール航空基地周辺、マアッラト・ヌウマーン市、マアッラト・ハルマ村、カフルナブル市南部、ハーッス村、タマーニア町、ファッティーラ村、クファイル村、アイン・ラールーズ村西部、アナブ村、イブリーン村、バルユーン村、サワーギヤ村、バイダル・シャムスー村、ハムカ丘、シール・ディーバ村を空爆し、シャームの民のヌスラ戦線などからなるファトフ軍の戦闘員50人以上を殺傷、拠点・装備を破壊したと伝えた。

Kull-na Shuraka', August 30, 2015
Kull-na Shuraka’, August 30, 2015

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、タッル・ワースィト村、カストゥーン村、ズィヤーラ町、サイヤード村をシリア軍が空爆した。

一方、SANA(8月30日付)によると、ハウワーシュ村、ダクマーク村、ザクーム村、ズィヤーラ町、フライカ村、サイヤード村をシリア軍が空爆し、シャームの民のヌスラ戦線などからなるファトフ軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、イドリブ県との県境に位置するナビー・ユーヌス峰一帯で、シリア軍、国防隊とファトフ軍が交戦した。

ドゥラル・シャーミーヤ(8月30日付)によると、この戦闘でシャーム自由人イスラーム運動、海外第1師団が、クルド山のジュッブ・ガール地区にあるカバル・ハシーシュ丘のシリア軍を攻撃し、同地を制圧したという。

一方、SANA(8月30日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団(国防隊など)とともに、ラビーア町で反体制武装集団と交戦し、トルコ人、チェチェン人戦闘員を含むシャームの民のヌスラ戦線戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がシャイフ・マスキーン市を「樽爆弾」で空爆した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊が、ウンム・シャルシューフ村、ハラーリーヤ村一帯で、シャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(8月30日付)によると、タルビーサ市、ラスタン市、アイン・フサイン村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

これに関連して、ヒムス解放運動を名乗るグループは声明を出し、29日のラスタン市に対するシリア軍の砲撃で、「化学物質」が使用され、戦闘員5人が死亡した、と発表した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府支配下のアレッポ市アズィーズィーヤ地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が着弾し、建物などが被害を受けた。

また、アレッポ市北東部入り口に位置するブライジュ村一帯では、シリア軍、国防隊、パレスチナ人のクドス旅団、ヒズブッラー戦闘員が攻勢をかけ、ムハージリーン・ワ・アンサール軍(チェチェン人)などからなるアンサール・ディーン戦線と交戦した。

さらに、アレッポ市ハーリディーヤ地区(シーハーン回廊)では、シリア軍、国防隊がアレッポ・ファトフ作戦司令室と交戦した。

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クナイトラ県では、SANA(8月30日付)によると、ウンム・アッザーム村、ジュャバーター・ハシャブ村、ハミーディーヤ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線

の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, August 30, 2015、AP, August 30, 2015、ARA News, August 30, 2015、Champress, August 30, 2015、al-Durar al-Shamiya, August 30, 2015、al-Hayat, August 31, 2015、Iraqi News, August 30, 2015、Kull-na Shuraka’, August 30, 2015、al-Mada Press, August 30, 2015、Naharnet, August 30, 2015、NNA, August 30, 2015、Reuters, August 30, 2015、SANA, August 30, 2015、UPI, August 30, 2015などをもとに作成。

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ヌスラ戦線は米軍が教練した「穏健な反体制派」の第30師団がアレッポ県北部の「安全保障地帯」の反体制武装集団の拠点都市マーリア市に入ることを拒否(2015年8月30日)

ARA News(8月30日付)は、米軍の教練を受けシリアに潜入している第30(歩兵)師団の戦闘員の一人、アフマド・アブドゥッラー氏の話として、シャームの民のヌスラ戦線が、ダーイシュ(イスラーム国)が攻勢を強めているマーリア市に第30師団が援軍として派遣されることを拒否した、と報じた。

アブドゥッラー氏によると、ヌスラ戦線と自由シリア軍の戦闘員はこれまで数回にわたり、マーリア市防衛を話し合うための会合を開いてきたが、ヌスラ戦線は、第30師団のマーリア市への派遣を拒否した。

その一方、会合において、ヌスラ戦線は自らの支配地域において第30師団を攻撃しないことも確約したという。

マーリア市は、米トルコ両政府が設置合意したとされる「安全地帯」における反体制武装集団の拠点都市で、同市一帯では、攻勢を強めるダーイシュに対して、シャーム自由人イスラーム運動、シャーム戦線などからなる反体制武装集団が防戦を強いられている。

一方、シリア人権監視団によると、米トルコ両政府が設置合意したとされる「安全地帯」に位置する反体制武装集団の拠点都市マーリア市に対して、ダーイシュ(イスラーム国)が砲撃を加え、ハルジャラ村、ハワール・キリス村一帯で反体制武装集団と交戦した。

また、ARA News(8月30日付)によると、アレッポ市の反体制武装集団支配地域やアアザーズ市で、ダーイシュ(イスラーム国)の攻勢に対抗するため、自由シリア軍の統合と統一作戦司令室の設置を求めるデモが発生した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、有志連合がラッカ市の競技場一帯などを空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)のメンバー少なくとも8人を殺害した。

殺害されたメンバーのなかには外国人の司令官も含まれているという。

またダーイシュは競技場の一部をシャリーア法廷として使用するなど拠点を置いており、この空爆ではダーイシュが拘束している拘置者多数が負傷したとの情報もある。

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スワイダー県では、SANA(8月30日付)によると、ブサイナ丘、ハラフーシュ農場に侵入しようとしたダーイシュ(イスラーム国)を撃退するとともに、サーキヤ村に対して特殊作戦を行い、ダーイシュ戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(8月30日付)によると、タドムル市、柑橘農園、ジャズル・ガス採掘所一帯、カルヤタイン市、採石場一帯、ワーディー・ザカーラをシリア軍が空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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米中央軍(CENTCOM)は、8月30日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して12回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は1回で、フール町(ハサカ県)近郊のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, August 30, 2015、AP, August 30, 2015、ARA News, August 30, 2015、August 31, 2015、Champress, August 30, 2015、al-Hayat, August 31, 2015、Iraqi News, August 30, 2015、Kull-na Shuraka’, August 30, 2015、al-Mada Press, August 30, 2015、Naharnet, August 30, 2015、NNA, August 30, 2015、Reuters, August 30, 2015、SANA, August 30, 2015、UPI, August 30, 2015などをもとに作成。

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イドリブ県サルキーン市内のヌスラ戦線の裁判所に対してダーイシュ(イスラーム国)が自爆攻撃(2015年8月30日)

イドリブ県サルキーン市内のヌスラ戦線の裁判所に対してダーイシュ(イスラーム国)が自爆攻撃(2015年8月30日)

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(8月30日付)によると、サルキーン市内の市場にあるシャームの民のヌスラ戦線の裁判所で、ダーイシュ(イスラーム国)のメンバーが自爆ベルトを着用して自爆、これにより3人が死亡、住民15人以上が負傷した。

Kull-na Shuraka', August 30, 2015
Kull-na Shuraka’, August 30, 2015

 

AFP, August 30, 2015、AP, August 30, 2015、ARA News, August 30, 2015、Champress, August 30, 2015、al-Durar al-Shamiya, August 30, 2015、al-Hayat, August 31, 2015、Iraqi News, August 30, 2015、Kull-na Shuraka’, August 30, 2015、al-Mada Press, August 30, 2015、Naharnet, August 30, 2015、NNA, August 30, 2015、Reuters, August 30, 2015、SANA, August 30, 2015、UPI, August 30, 2015などをもとに作成。

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ヌスラ戦線がアレッポ市内の反体制派警察詰所2カ所を襲撃(2015年8月30日)

アレッポ県では、『ハヤート』(8月31日付)などによると、ジハード主義武装集団の支配下にあるアレッポ市カッラーサ地区およびフィルドゥース地区では、シャームの民のヌスラ戦線が両地区シャリーア委員会の「要請」を受け、地区内の警察詰所2カ所を襲撃、強制捜査を行った。

この強制捜査は、詰所の所員が医師を名乗るヌスラ戦線に近い男性1人を逮捕したことを受けた対抗措置で、ARA News(8月30日付)によると、両地区のシャリーア委員会のヌスラ戦線の実質統制下にあるという。

ARA News, August 30, 2015
ARA News, August 30, 2015

 

AFP, August 30, 2015、AP, August 30, 2015、ARA News, August 30, 2015、Champress, August 30, 2015、al-Hayat, August 31, 2015、Iraqi News, August 30, 2015、Kull-na Shuraka’, August 30, 2015、al-Mada Press, August 30, 2015、Naharnet, August 30, 2015、NNA, August 30, 2015、Reuters, August 30, 2015、SANA, August 30, 2015、UPI, August 30, 2015などをもとに作成。

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ダマスカス郊外県南部のハジャル・アスワド市でダーイシュ(イスラーム国)とイスラーム軍が交戦(2015年8月30日)

ドゥラル・シャーミーヤ(8月30日付)によると、ダマスカス県ヤルムーク区、カダム区に隣接するダマスカス郊外県ハジャル・アスワド市にダーイシュ(イスラーム国)が侵入を試み、イスラーム軍と交戦、イスラーム軍側がダーイシュ戦闘員22人を殺害した。

なお、ダーイシュの通信部門であるアアマーク通信は、ダーイシュが29日に、ダマスカス県カダム区の半分を制圧したと発表した。

ダーイシュは29日に、ダマスカス県カダム区、ダマスカス郊外県東カラムーン地方の反体制武装集団制圧地域に対する攻勢を強めていた。

AFP, August 30, 2015、AP, August 30, 2015、ARA News, August 30, 2015、Champress, August 30, 2015、al-Durar al-Shamiya, August 30, 2015、al-Hayat, August 31, 2015、Iraqi News, August 30, 2015、Kull-na Shuraka’, August 30, 2015、al-Mada Press, August 30, 2015、Naharnet, August 30, 2015、NNA, August 30, 2015、Reuters, August 30, 2015、SANA, August 30, 2015、UPI, August 30, 2015などをもとに作成。

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ダマスカス県ジャウバル区の反体制活動家が、イスラーム軍の「独裁政治」に異議を唱えたことで、何度か暗殺未遂に遭った、と暴露(2015年8月30日)

ダマスカス県ジャウバル区地元評議会のガッサーン・アブドゥルワヒード副議長がビデオ声明(https://youtu.be/FT0dfiGSo-Y)を出し、イスラーム軍が自身の暗殺をたびたび試みている、と暴露した。

アブドゥルワヒード副議長は声明のなかで、ダマスカス郊外県東グータ地方でイスラーム軍のザフラーン・アッルーシュ司令官が行う「独裁政治」に異議を唱えてきたことが、暗殺未遂の背景にあると主張している。

AFP, August 30, 2015、AP, August 30, 2015、ARA News, August 30, 2015、Champress, August 30, 2015、al-Hayat, August 31, 2015、Iraqi News, August 30, 2015、Kull-na Shuraka’, August 30, 2015、al-Mada Press, August 30, 2015、Naharnet, August 30, 2015、NNA, August 30, 2015、Reuters, August 30, 2015、SANA, August 30, 2015、UPI, August 30, 2015などをもとに作成。

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シリア人権ネットワーク:過去4年間でシリア政府が拉致した強制失踪者は6万5,000人、対するダーイシュ(イスラーム国)による強制失踪者は1,122人(2015年8月30日)

シリア人権ネットワークと欧州地中海人権監視団は「Forced Disappearance in Syria: Gone without Trace」と題した英語の報告書を共同で発表、そのなかで過去4年間で、6万7,561人が強制失踪していると発表した。

報告書全文はhttp://sn4hr.org/wp-content/pdf/english/Dahaya-EUROMID-english.pdfにて公開されている。

このうち6万5,000人以上がシリア政府、約2,400人が西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊、ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線などといった武装集団によって拉致・連行されたという。

報告書によると、シリア政府が拉致したとされる強制失踪者6万5,000人のうちの5万8,148人が民間人で、そのなかには子供3,879人、女性2,145人も含まれるという。

シリア政府が関与した強制失踪がもっとも激しかったのは2012年で、失踪者の数は2万5,276人におよぶという。

一方、人民防衛隊によって拘束された強制失踪者数は352人(うち子供43人)、ダーイシュによる強制失踪者数は1,122人(うち子供109人)を占め、ヌスラ戦線による強制失踪者数は211人(うち子供22人)だという。

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