シリア軍がハマー県北部でファトフ軍に対する攻撃を激化させ、ガーブ平原の複数の村を奪還(2015年8月18日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターがガーブ平原北部に「樽爆弾」など100発以上を投下した。

シリア軍の空爆は、マシーク村、アンカーウィー村、カストゥーン村、ハミーディーヤ村、カーヒラ村、カルクール村・マシーク村街道一帯に集中的に行われた。

またこの空爆と合わせて、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、アジア系・アラブ系外国人戦闘員がカルクール村奪還に向けて攻勢を強め、ジャズラム丘、カーヒラ村一帯、カルクール村一帯で、ジハード主義武装集団(ファトフ軍)と交戦した。

マサール・プレス(8月18日付)によると、これによりシリア軍は、タッル・ワースィト村、ヒルバト・ナークース村、マンスーラ村を奪還したという。

一方、SANA(8月18日付)によると、ラターミナ町、ズィヤーラ町、ザクーム村、ザジュラム丘、ダクマーク村、カストゥーン村、マシュバク村、ザイズーン村、カフルズィーター市をシリア軍が空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がイドリブ市内に対して空爆を行い、4人が死亡、15人が負傷した。

シリア軍はまた、シャームの民のヌスラ戦線などによって包囲されているアブー・ズフール航空基地一帯を空爆した。

さらに、ファトフ軍によって包囲されているフーア市一帯では、国防隊、人民諸委員会、ヒズブッラー戦闘員が、ジハード主義武装集団と交戦、後者の戦闘員2人が死亡した。

一方、ジャルジャナーズ町では、シャーム自由人イスラーム運動所属のアフル・スンア旅団のフサーム・アブー・バクル司令官の車に仕掛けられた爆弾が爆破された。

このほか、シリア人権監視団によると、トルコ国境に面するバーブ・ハワー国境通行所の管理局棟に「アッラーの他に神なし」と書かれた旗が掲げられた。

他方、マサール・プレス(8月18日付)によると、「アブー・イッズ・ファールージー」を名乗るシャームの民のヌスラ戦線の司令官の一人が、ラタキア県とイドリブ県を結ぶ街道で、何者かが敷設した爆弾の爆発に巻き込まれて、死亡した。

SANA(8月18日付)によると、ハミーディーヤ村、アンカーウィー村、アミーカ村、サルマーニーヤ村、ハムカ丘、マウザラ村、スフーフン村、ジューズィフ村、カンスフラ村北部、アナブ村、カフル・ウワイド村、ガッサーニーヤ村、バルシューン村、カルクール村、マジャース村、ズィヤーディーヤ村、アアワル丘、サラーリーフ村、クファイル村、タッル・トゥーカーン村、タマーニア町、フライカ村、ムハムバル村をシリア軍が空爆などで攻撃し、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などファトフ軍戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がザバダーニー市に対して「樽爆弾」25発以上を投下する一方、地対地ミサイルと思われる砲弾28発を打ち込んだ。

また市内では、シリア軍第4師団、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、パレスチナ解放軍が、ジハード主義武装集団、地元武装集団と交戦し、ザフラ地区、西ハーッラ地区を制圧した。

シリア軍、国防隊はまた、ハラスター市で、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム軍などからなるジハード主義武装集団と交戦したほか、シリア軍戦闘機がドゥーマー市を2度にわたって空爆した。

一方、SANA(8月18日付)によると、シリア軍がアルバイン市、ハラスター市を空爆するとともに、ハラスター市、マディーラー市で反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またザバダーニー市でも、シリア軍はレバノンのレジスタンス(ヒズブッラー戦闘員)とともに進軍を続けた。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シャイフ・マスキーン市がシリア軍の「樽爆弾」による空爆を受けた。

またダルアー市内の病院で、シャームの民のヌスラ戦線の治安部門責任者が何者かによって射殺された。

一方、SANA(8月18日付)によると、ラジャート高原にあるタッバ村をシリア軍を攻撃し、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殲滅、同地を制圧した。

シリア軍はまた、マール丘、アクラバー村を空爆したほか、ファタス、東カラク村で反体制武装集団と交戦し、ヌスラ戦線戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(8月18日付)によると、ウンム・アッザーム・ダム一帯、ナブア・サフル村、クーム・バーシャー村、フッリーヤ村、西サムダーニーヤ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(8月18日付)によると、タッル・ザハブ町、サアン・アスワド村、サアン村、ザアフラーナ村、ダイル・フール村一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(8月18日付)によると、シリア軍が国防隊とともに、キンサッバー町一帯で反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、バイト・ズィーファー村北部、バラードゥーン・ダム一帯、バイト・アワーン村、カトフ・ガナム村、マールーニーヤート村を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(8月18日付)によると、アズィーザ村、シャイフ・ルトフィー村、アレッポ市アンサーリー地区、サラーフッディーン地区、サイフ・ダウラ地区、旧市街、シャッアール地区、ブスターン・カスル地区、マルジャ地区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダーイシュ(イスラーム国)とジハード主義武装集団が米トルコ両政府が設置合意したとされる「安全保障地帯」内で交戦(2015年8月18日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、米トルコ両政府が設置合意したとされる「安全地帯」内に位置するウンム・フーシュ村を制圧したダーイシュ(イスラーム国)に対して、反体制武装集団が砲撃を行い、ダーイシュのメンバー1人が死亡した。

また反体制武装集団は、17日にマーリア市近郊で拘束したとされるダーイシュ・メンバーで爆弾敷設責任者を処刑した。

一方、SANA(8月18日付)によると、シリア軍が航空士官学校一帯を空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がシリア政府支配下のダイル・ザウル市ジャウラ地区を砲撃し、子供2人が死亡した。

一方、SANA(8月18日付)によると、ダイル・ザウル市ジュナイナ地区をシリア軍が空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、ARA News(8月19日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が、1963年から2003年までタドムル市遺跡博物館局長を務めていたハーリド・アスアド氏を処刑した。

一方、SANA(8月18日付)によると、タドムル市北西部採石場一帯、ジャズル・ガス採掘所一帯、ジュッブ・ジャッラーフ村、ウンム・リーシュ村、ラスム・ラック村、ナースィーフ農場、フーシュ・ザバーディー村をシリア軍が空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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スワイダー県では、SANA(8月18日付)によると、サフン丘、カスル村で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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シリア外務省高官がデミストゥラ共同特別代表の声明を批判(2015年8月18日)

シリアの外務在外居住者省高官は、SANA(8月18日付)に対し、シリア軍によるドゥーマー市空爆を批判したスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表の声明が「中立から乖離」していると批判、「テロ組織がアレッポ市、ラタキア市、ダルアー市に対して行う砲撃、アレッポ市に対する水道、電気封鎖、ダーイシュ(イスラーム国)とシャームの民のヌスラ戦線などといったテロ組織による虐殺についても批判すべきだった」と遺憾の意を示した。

デミストゥラ共同特別代表は17日、声明でシリア軍によるドゥーマー市への空爆に関して、「住宅地、市場への攻撃は…国際的に禁止されており、いかなる状況においても受け入れられない」と非難していた。

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ファトフ軍を構成するジュンド・アクサー機構のメンバー約40人がダーイシュ(イスラーム国)に加入(2015年8月18日)

シリア人権監視団によると、イドリブ県を実効支配するファトフ軍を構成するジュンド・アクサー機構のメンバー約40人が離反し、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓い、加入した。

ジュヌード・アクサー機構の「イスラーム法学者」は、アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動やシャームの民のヌスラ戦線が主導するファトフ軍に関して、「ファトフ軍の兵士は、イスラーム国の兵士のようにヌサイリー派体制に対抗することはできない」と述べているという。

なお、クッルナー・シュラカー(8月19日付)によると、ジュンド・アクサー機構は、シリアに潜入した「ムハージリーン」(外国人戦闘員)を主体とする組織で、アル=カーイダに忠誠を誓っているが、ダーイシュとヌスラ戦線の対立とは一線を画しているという。

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