ダーイシュ(イスラーム国)に続いてアル=カーイダ系組織のヌスラ戦線もスーフィー教団シャイフ廟を「押収したタバコを焼却する」として爆破(2015年8月24日)

イドリブ県では、ARA News(8月25日付)によると、同県での反体制武装闘争を主導するアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線が、アブー・ズフール町郊外の砂漠地帯にあるイスラーム教スーフィー教団のシャイフの廟の一つを爆破した。

アブー・ハサン・ハディーディーを名乗る現地の活動家によると、ヌスラ戦線のヒスバ(宗教警察)が数日前から「多神教の史跡根絶」と銘打って、スーフィー教団のシャイフの廟や墓地などの破壊を開始していたという。

これに対して、ヌスラ戦線のヒスバの隊員らは、「砂漠地区で密輸業者から押収した大量のタバコを焼却した」だけだと否定しているという。

ハディーディー氏は、「ヌスラ戦線はこれまでこのようなことはしなかった。ヌスラ戦線のヒズバが砂漠地帯で、墓地を破壊したり、タバコを押収したのは今回が初めてだ」と付言した。

ARA News, August 25, 2015
ARA News, August 25, 2015
ARA News, August 25, 2015
ARA News, August 25, 2015

AFP, August 25, 2015、AP, August 25, 2015、ARA News, August 25, 2015、Champress, August 25, 2015、al-Hayat, August 26, 2015、Iraqi News, August 25, 2015、Kull-na Shuraka’, August 25, 2015、al-Mada Press, August 25, 2015、Naharnet, August 25, 2015、NNA, August 25, 2015、Reuters, August 25, 2015、SANA, August 25, 2015、UPI, August 25, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

東グータ地方に対するシリア軍の無差別爆撃に対抗して、反体制派が首都ダマスカスを連日無差別砲撃(2015年8月24日)

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、シャイフ・ムフイーッディーン・モスク近く、バグダード通り、ジャーッド・ナフラーウィー地区、ウマイヤ・モスク周辺、旧市街、教育省地区、カッサーア地区、バーブ・トゥーマー区、バーブ・シャルキー地区、ジュッバ地区、ファイハー・トンネル、ザバダーニー地区、クスール地区など各所に、反体制武装集団が無差別砲撃を行い、迫撃砲弾多数が着弾し、住民約10人が重軽傷を負ったほか、建物などが損壊した。

首都ダマスカスへの砲撃は23日にも行われ、フェイスブックなどの書き込みによると、23日だけで83発の迫撃砲弾が着弾、またダマスカス郊外県の中央刑務所(サイドナーヤー刑務所)にも迫撃砲が撃ち込まれ、死傷者が出ている。

一方、SANA(8月24日付)によると、ジャウバル区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダーライヤー市に「樽爆弾」16発を投下したほか、地対地ミサイルでの攻撃を続けた。

またザバダーニー市でも、シリア軍は、約55回の空爆を行い、市内では第4師団、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、パレスチナ解放軍がシャーム自由人イスラーム運動などジハード主義武装集団、地元武装集団と交戦、ヒズブッラー戦闘員1人、ジハード主義戦闘員1人が死亡した。

さらに23日深夜、シリア軍はサクバー市、ハムーリーヤ市を空爆し、子供6人を含む23人が死亡した。

一方、SANA(8月24日付)によると、シリア軍がレバノンのレジスタンス(ヒズブッラー)とともに、ザバダーニー市の中心部に向けて進軍を続け、同市西部地区にあるアッジャーン広場一帯を制圧した。

また東グータ地方では、ハラスター市、アルバイン市、ドゥーマー市、アイン・タルマー村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、イスラーム軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、ARA News(8月24日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団は、包囲を続けるアブー・ズフール航空基地制圧に向けて攻撃を激化させ、シリア軍と激しく交戦した。

なお、クッルナー・シュラカー(8月24日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線は23日にアブー・ズフール航空基地制圧に向け、攻撃を激化させると発表していた。

一方、SANA(8月24日付)によると、クファイル村、ズィヤーディーヤ村、アイン・ハムラー村、ジスル・シュグール市、ムハムバル村、カンスフラ村、アウラム・ジャウズ村、アリーハー市、トゥルア村、ブーヤダル村、アブー・ズフール町、カフル・ウワイド村、ハシール村北部、ウンム・ジャリーン村、ダブシーヤ村、カルクール村、フライカ村、アアワル丘、ジューズィフ村、ファッティーラ村北部、スフーフン村、アナブ村、ジャドラーヤー村、シャーグーリート村をシリア軍が空爆し、ファトフ軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(8月24日付)によると、ダルアー市電力会社南部一帯、マンシヤ地区、Syriatelビル西部一帯、アトマーン村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハマー県では、SANA(8月24日付)によると、ザクーム村、カストゥーン村、クライディーン村北部、ザカート村、ラターミナ町、カフルズィーター市をシリア軍が空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、ハミーディーヤ村、ラッジュ村、ザジュラム丘、ハミーマート村、ハスラーヤー村、ザイズーン村一帯で反体制武装集団と交戦し、ファトフ軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(8月24日付)によると、ジュッブ・アフマル村、アブー・リーシャ村、サファフ村、キンサッバー町一帯をシリア軍が空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(8月24日付)によると、ラスタン市、フーシュ・ザバーディー村、ダブール丘、ザアフラーナ村、サアン・アスワド村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、SANA(8月24日付)によると、アレッポ市ブスターン・バーシャー地区、カルム・ジャバル地区、旧市街、アーミリーヤ地区、サミーリーヤ地区、ブルジュ・ルンマーン地区、シャイフ・ルトフィー村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム戦線、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。


AFP, August 24, 2015、AP, August 24, 2015、ARA News, August 24, 2015、Champress, August 24, 2015、al-Hayat, August 25, 2015、Iraqi News, August 24, 2015、Kull-na Shuraka’, August 24, 2015、al-Mada Press, August 24, 2015、Naharnet, August 24, 2015、NNA, August 24, 2015、Reuters, August 24, 2015、SANA, August 24, 2015、UPI, August 24, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダーイシュ(イスラーム国)がアイン・アラブ市南部で村人多数を拉致(2015年8月24日)

ハサカ県では、ARA News(8月24日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がアイン・アラブ市南部のクーラーン村に潜入し、女性、子供を含む住民多数を拉致、連行した。

**

ハマー県では、SANA(8月24日付)によると、カスル・ブン・ワルダーン村をシリア軍が空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(8月24日付)によると、ジャズル・ガス採掘所一帯、ワディーヒー村、カルヤタイン市、ラッフーム村、アブー・ハワーディード村で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

スワイダー県では、SANA(8月24日付)によると、ブサイナ丘一帯で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、SANA(8月24日付)によると、サフィーラ市東部、ターディフ市、航空士官学校一帯、キシーシュ航空基地一帯で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

米中央軍(CENTCOM)は、8月24日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対し36回の空爆を行ったと発表した。
このうちシリア領内での空爆は5回におよび、ハサカ市近郊(2回)、フール町(ハサカ県)近郊(1回)、ラッカ市近郊(1回)、ワフシーヤ村(アレッポ県、CENTCOM声明によると「ワシーヤ」)近郊(1回)のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

**

シャームの民のヌスラ戦線のシャリーア学者の一人で「アブー・アドハム」を名乗る活動家は、ARA News(8月24日付)に対して、ファトフ軍を構成するジュンド・アクサー機構メンバー多数が武器弾薬、車輌ごとファトフ軍を離反し、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓ったとする一部報道を「噂以外の何ものでもない」と否定した。

AFP, August 24, 2015、AP, August 24, 2015、ARA News, August 24, 2015、August 25, 2015、Champress, August 24, 2015、al-Hayat, August 25, 2015、Iraqi News, August 24, 2015、Kull-na Shuraka’, August 24, 2015、al-Mada Press, August 24, 2015、Naharnet, August 24, 2015、NNA, August 24, 2015、Reuters, August 24, 2015、SANA, August 24, 2015、UPI, August 24, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア・ムスリム同胞団がアル=カーイダ系組織シャーム自由人イスラーム運動との連携を主唱、シャーム自由人はアル=カーイダとの関係を否定(2015年8月24日)

トルコに活動拠点を置くシリア・ムスリム同胞団のムハンマド・ヒクマト・ワリード最高監督者が声明を出し、アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動への支持を表明し、政治活動と武装闘争の連携を主唱した。

声明において、ワリード最高監督者は、シリア・ムスリム同胞団とシャーム自由人イスラーム運動には「共通項がある」としてうえで、「この共通項が大いなる協力に向けた肥沃なる大地となり、政治と軍事の統合を作り出すチャンスを与える」と主張した。

**

また、シャーム自由人イスラーム運動も声明を出し、「シリア国民にその基盤を…置いており、アル=カーイダを含む外国のいかなる当事者とも組織的な関係はない」と強調し、アル=カーイダ系組織であることを否定、「革命の目標は体制、その象徴、幹部の完全打倒である」と強調し、その活動が「シリア国民の自決を強化」することにあると表明した。

Kull-na Shuraka', August 24, 2015
Kull-na Shuraka’, August 24, 2015


AFP, August 24, 2015、AP, August 24, 2015、ARA News, August 24, 2015、Champress, August 24, 2015、al-Hayat, August 25, 2015、Iraqi News, August 24, 2015、Kull-na Shuraka’, August 24, 2015、al-Mada Press, August 24, 2015、Naharnet, August 24, 2015、NNA, August 24, 2015、Reuters, August 24, 2015、SANA, August 24, 2015、UPI, August 24, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ外相:ダーイシュ(イスラーム国)掃討に向けて「近くシリア北部での包括的な航空作戦が開始されるだろう」(2015年8月24日)

『ハヤート』(8月25日付)によると、トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、ダーイシュ(イスラーム国)掃討に向けた米トルコ両政府の折衝が23日に終わり、近くシリア北部での包括的な航空作戦が開始されるだろう、と述べた。

チャヴシュオール外務大臣によると、この航空作戦には、サウジアラビア、カタール、ヨルダン、さらには英国、フランスも参加を検討しているという。

これに関して、ロイター通信(8月24日付)は、この作戦に通じた高官筋の話として、シリア北部の幅約80キロに及ぶ地帯からダーイシュを掃討するため、「穏健な反体制派」への航空支援を拡充することを決定したと伝えた。

この作戦が実行に移されれば、ダーイシュはトルコからの兵員・兵站補給路を失うことになり、戦況にも大きな変化が生じるのだという。

しかし、トルコの野党は、国内でのダーイシュ・メンバーらの逮捕者数が120人程度に過ぎないと指摘し、トルコ政府の対ダーイシュ政策が真剣さを欠いていると批判しているという。

AFP, August 24, 2015、AP, August 24, 2015、ARA News, August 24, 2015、Champress, August 24, 2015、al-Hayat, August 25, 2015、Iraqi News, August 24, 2015、Kull-na Shuraka’, August 24, 2015、al-Mada Press, August 24, 2015、Naharnet, August 24, 2015、NNA, August 24, 2015、Reuters, August 24, 2015、SANA, August 24, 2015、UPI, August 24, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シャンマート前社会問題大臣がNGOの物資転売に関与か?(2015年8月24日)

ロザナ・ラジオ(8月24日付)は、20日に解任されたキンダ・シャンマート社会問題大臣に関して、在任中に国際人道支援機関から提供される物資の転売への関与が疑われているNGOに対して設立・活動認可を与えていたと伝えた。

内務省刑事課の捜査記録(ロザナ・ラジオがそのコピーをインターネットで公開)によると、2014年9月に、野党のシリア国民青年党のマーヒル・ムルヒジュ書記長と妻のナスリーン・アッバース氏が「自分と社会を支援する人」という名でNGO(本部クラー・アサド市)の設立申請を行い、シャンマート社会問題大臣(当時)がこれを認可した。

このNGOは、紛争による避難民、被災者への支援を目的として設立された組織で、マーヒル・ムルヒジュ・シリア国民青年党書記長、シャンマート前社会問題大臣の兄弟のラーフィア・シャンマート氏がこのNGOに物資の転売を行うよう指示していたという。

このNGOで働いていたというサフィール・サッタースを名乗る人物によると、ムルヒジュ書記長は、ダマスカス県内の倉庫に保管されていた物資「複数箱」を売却するよう指示したという。

なお、事件には、同じく野党の国民青年公正成長党のバルウィーン・イブラーヒーム書記長の関与も疑われているという。

Rozana Radio, August 24, 2015
Rozana Radio, August 24, 2015

AFP, August 24, 2015、AP, August 24, 2015、ARA News, August 24, 2015、Champress, August 24, 2015、al-Hayat, August 25, 2015、Iraqi News, August 24, 2015、Kull-na Shuraka’, August 24, 2015、al-Mada Press, August 24, 2015、Naharnet, August 24, 2015、NNA, August 24, 2015、Reuters, August 24, 2015、Rozana Radio, August 24, 2015、SANA, August 24, 2015、UPI, August 24, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

タッル・アブヤド市の活動家らが同市の西クルディスタン移行期民政局コバネ(アイン・アラブ市)地区への編入を決定(2015年8月24日)

民主統一党系の社会組織「民主連合運動(TEV-DEM)」のメンバーの一人で、ラッカ県タッル・アブヤド市の自治運営のために地元活動家が結成した「タッル・アブヤド市自治地元行政評議委員会」のメンバーでもあるウマル・アッルーシュ氏は、クッルナー・シュラカー(8月24日付)に対し、タッル・アブヤド市自治地元行政評議委員会は、タッル・アブヤド市を西クルディスタン移行期民政局コバネ(アイン・アラブ市)地区に編入することを決定した、と述べた。

AFP, August 24, 2015、AP, August 24, 2015、ARA News, August 24, 2015、Champress, August 24, 2015、al-Hayat, August 25, 2015、Iraqi News, August 24, 2015、Kull-na Shuraka’, August 24, 2015、al-Mada Press, August 24, 2015、Naharnet, August 24, 2015、NNA, August 24, 2015、Reuters, August 24, 2015、SANA, August 24, 2015、UPI, August 24, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダーイシュ(イスラーム国)がUNESCO世界文化遺産パルミラのバアル・シャミーン神殿を破壊(2015年8月24日)

ARA News(8月24日付)は、ダーイシュ(イスラーム国)がUNESCO世界文化遺産に登録されているパルミラ遺跡(ヒムス県タドムル市)のバアル・シャミーン神殿を破壊したと伝えた。

ヒムス市の活動家だというウマル・アブー・ズィヤーブを名乗る人物はARA Newsに対して、「昨晩(23日)、ダーイシュの専門家がまる1日かけて作業を行い、数トンの爆発物を仕掛け、爆破した。爆音は50キロ以上離れた場所でも聞こえた」と証言した。

また、シリア文化省文化財博物館総局のマアムーン・アブドゥルカリーム総裁もAFP(8月23日付)の取材に対し、ダーイシュがバアル・シャミーン神殿を爆破、神像安置所、周囲の柱が破壊されたことを確認したと述べた。

バアル・シャミーン神殿は西暦17年に建設され、130年にはローマ皇帝ハドリアヌスの支配下で一度拡張された。

ARA News, August 24, 2015
ARA News, August 24, 2015

AFP, August 23, 2015、ARA News, August 24, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.