米主導の有志連合は12月8日にシリア領内で12回の爆撃を実施、タドムル市近郊ではダーイシュの石油トレーラー168輌を撃破(2016年12月9日)

米中央軍(CENTCOM)は、12月8日のシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

それによると、有志連合は両国領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して12回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は7回で、ラッカ市近郊(3回)、アイン・イーサー市近郊(2回)、ダイル・ザウル市近郊(1回)、タドムル市近郊(1回)に対して攻撃が行われた。

このうちタドムル市近郊の空爆に関して、CENTCOMは、石油トレーラー168輌からなる車列を撃破したと発表した。

AFP, December 9, 2016、AP, December 9, 2016、ARA News, December 9, 2016、Champress, December 9, 2016、al-Hayat, December 10, 2016、Iraqi News, December 9, 2016、Kull-na Shuraka’, December 9, 2016、al-Mada Press, December 9, 2016、Naharnet, December 9, 2016、NNA, December 9, 2016、Reuters, December 9, 2016、SANA, December 9, 2016、UPI, December 9, 2016などをもとに作成。

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国連総会はアレッポ市東部での戦闘停止、人道支援を求める決議を採択(2016年12月9日)

国連総会は、アレッポ市東部でのシリア軍の攻勢に対して、民間人を保護するための必要な措置、民間人への無差別攻撃の即時停止、国連安保理決議第2268号に基づく即時戦闘停止、封鎖地域への人道支援の配給を求める決議を、賛成122、反対13で採択した。

決議案はカナダなど65カ国が共同提出した。

『ハヤート』(12月10日付)が伝えた。

AFP, December 9, 2016、AP, December 9, 2016、ARA News, December 9, 2016、Champress, December 9, 2016、al-Hayat, December 10, 2016、Iraqi News, December 9, 2016、Kull-na Shuraka’, December 9, 2016、al-Mada Press, December 9, 2016、Naharnet, December 9, 2016、NNA, December 9, 2016、Reuters, December 9, 2016、SANA, December 9, 2016、UPI, December 9, 2016などをもとに作成。

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ハワール・キリス作戦司令室がアレッポ県北部のダーイシュの拠点都市バーブ市に突入する一方、トルコ軍が特殊部隊300人と投入、同地を爆撃し民間人12人を殺害(2016年12月9日)

アレッポ県では、ハラブ・トゥデイ・ニュース(12月9日付)によると、トルコ軍の全面支援を受け、「ユーフラテスの盾」作戦を続行するハワール・キリス作戦司令室はダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市バーブ市への突入作戦を開始した。

また、クッルナー・シュラカー(12月9日付)によると、ハワール・キリス作戦司令室はバーブ市近郊のバラーター村、ダーナー市をダーイシュから奪取し、制圧した。

しかし、シリア人権監視団によると、「ユーフラテスの盾」作戦を続行するハワール・キリス作戦司令室を支援するトルコ軍が、バーブ市に対して空爆・砲撃を実施、民間人12人が死亡、10人が負傷した。

またアナトリア通信(12月9日付)などによると、トルコ軍はハワール・キリス作戦司令室によるバーブ市制圧作戦を支援するため、特殊部隊隊員300人を派遣したという。

ARA News, December 9, 2016
ARA News, December 9, 2016

一方、トルコ軍の発表によると、ハワール・キリス作戦司令室は、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の支配下にあるマンビジュ市とダーイシュ支配下のバーブ市を結ぶ高速道路を掌握した。

AFP, December 9, 2016、Anadolu Ajansı, December 9, 2016、AP, December 9, 2016、ARA News, December 9, 2016、Champress, December 9, 2016、Halab News Today, December 9, 2016、al-Hayat, December 10, 2016、Iraqi News, December 9, 2016、Kull-na Shuraka’, December 9, 2016、al-Mada Press, December 9, 2016、Naharnet, December 9, 2016、NNA, December 9, 2016、Reuters, December 9, 2016、SANA, December 9, 2016、UPI, December 9, 2016などをもとに作成。

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ラヴロフ露外相「人道停戦期間終了後、アレッポ市東部への爆撃は再開される」(2016年12月9日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、訪問中のドイツのハンブルグで記者団に対して、アレッポ市南東部での「人道停戦期間終了後、空爆は再開され、悪党が(アレッポ市に)とどまる限り続けられるだろう。世界はそのことを理解しているし、米国も理解している」と述べた。

ラブロフ外務大臣はまた、米国・ロシアの専門家によるアレッポ市東部からの戦闘員退去に向けた協議に関して、「シリアに関する我々との交渉に際しての米国のやり方には理解できないことが多い…。米国は左手で建設的な事をしながら、右手で戦闘員に武器を供与するチャンネルを開設しようとしている」と批判した。

『ハヤート』(12月10日付)などが伝えた。

AFP, December 9, 2016、AP, December 9, 2016、ARA News, December 9, 2016、Champress, December 9, 2016、al-Hayat, December 10, 2016、Iraqi News, December 9, 2016、Kull-na Shuraka’, December 9, 2016、al-Mada Press, December 9, 2016、Naharnet, December 9, 2016、NNA, December 9, 2016、Reuters, December 9, 2016、SANA, December 9, 2016、UPI, December 9, 2016などをもとに作成。

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国連OHCHR報道官「シリア政府支配地域に逃れた男性数百人の消息が不明だが、彼らが民間人かどうかは明らかではない」「反体制派はアレッポ市東部から脱出しようとした民間人多数を拉致・殺害」(2016年12月9日)

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のルパート・コルビル報道官は、スイスの首都ジュネーブでの記者会見で、反体制派に属する二つの武装集団のシャーム・ファトフ戦線とアブー・アマーラ大隊が、過去2週間で、アレッポ市東部からの避難を懇願していた民間人多数を拉致、殺害したとする報告を受けたと発表した。

コルビル報道官はそのうえで、アレッポ市南東部を支配し続けている反体制装集団によるこうした行為が戦争犯罪にあたるとの見方を示した。

一方、シリア政府によるアレッポ市北東部の制圧を受けるかたちで、反体制武装集団を支援してきたとされる民間人に対して「報復」が行われるとの噂が広まっているとしたうえで、「シリア政府支配地域に脱出した後に男性数百人が失踪したとの極めて懸念すべき主張」があると指摘した。

同報道官によると、30歳から50歳の男性が10日前にアレッポ市西部に脱出して以降消息不明の状態が続いているという。

ただし、失踪したのが民間人かどうかは明らかではないという。

AFP, December 9, 2016、AP, December 9, 2016、ARA News, December 9, 2016、Champress, December 9, 2016、al-Hayat, December 10, 2016、Iraqi News, December 9, 2016、Kull-na Shuraka’, December 9, 2016、al-Mada Press, December 9, 2016、Naharnet, December 9, 2016、NNA, December 9, 2016、Reuters, December 9, 2016、SANA, December 9, 2016、UPI, December 9, 2016などをもとに作成。

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米主導の有志連合はラッカ市北部のマイーズィーラ村を爆撃し、女性と子供を含む19人を殺害(2016年12月9日)

ラッカ県では、ARA News(12月9日付)によると、有志連合がラッカ市北部に位置するマイーズィーラ村を空爆し、女性と子供を含む19人が死亡、数十人が負傷した。

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ハサカ県では、ARA News(12月9日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がシャッダーディー市南部のアッザーウィー村にある西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の拠点複数カ所を攻撃した。

AFP, December 9, 2016、AP, December 9, 2016、ARA News, December 9, 2016、Champress, December 9, 2016、al-Hayat, December 10, 2016、Iraqi News, December 9, 2016、Kull-na Shuraka’, December 9, 2016、al-Mada Press, December 9, 2016、Naharnet, December 9, 2016、NNA, December 9, 2016、Reuters, December 9, 2016、SANA, December 9, 2016、UPI, December 9, 2016などをもとに作成。

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ダーイシュがUNESCO世界文化遺産のパルミラ遺跡を擁するタドムル市一帯で再び勢力を拡大、反体制派はシリア軍増援部隊を襲撃し、これを側方支援(2016年12月9日)

ヒムス県では、ダーイシュ(イスラーム国)の戦果を喧伝するアアマーク通信(12月9日付)、クッルナー・シュラカー(12月9日付)、ARA News(12月9日付)によると、ダーイシュが、UNESCO世界文化遺産のパルミラ遺跡を擁するタドムル市北西部のヒジャール村、マフル油田一帯に侵攻し、ヒシャール村、マフル・ガス社のほか、シリア軍および親政権武装勢力の主要拠点3カ所(ブルジュ丘、マフル丘、イルトゥーズィーヤ検問所)を含む複数カ所を制圧した。

Kull-na Shuraka', December 9, 2016
Kull-na Shuraka’, December 9, 2016
Kull-na Shuraka', December 9, 2016
Kull-na Shuraka’, December 9, 2016

ハマー県では、ARA News(12月9日付)によると、イスリヤー村・ハナースィル村(アレッポ県)街道をヒムス県東部(タドムル市方面)に向かって移動中のシリア軍の補給部隊の車列を反体制武装集団が襲撃し、兵士多数を殺傷した。

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ダイル・ザウル県では、ARA News(12月9日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市フサイニーヤ地区などでダーイシュ(イスラーム国)に対して空爆を実施した。

AFP, December 9, 2016、AP, December 9, 2016、ARA News, December 9, 2016、Champress, December 9, 2016、al-Hayat, December 10, 2016、Iraqi News, December 9, 2016、Kull-na Shuraka’, December 9, 2016、al-Mada Press, December 9, 2016、Naharnet, December 9, 2016、NNA, December 9, 2016、Reuters, December 9, 2016、SANA, December 9, 2016、UPI, December 9, 2016などをもとに作成。

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シリア軍はフィキーア村(ダルアー県)総攻撃を前に住民に退去を呼びかける(2016年12月9日)

ダルアー県では、クッルナー・シュラカー(12月9日付)によると、シリア軍がフィキーア村の住民に対して、同地への総攻撃を行うと告知、12月10日の朝までに退去するよう呼びかけた。

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イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(12月9日付)によると、戦闘機(所属明示せず)がイドリブ市内の23カ所を空爆、またビンニシュ市、タフタナーズ市、トゥウーム村なども爆撃を受けた。

Kull-na Shuraka', December 9, 2016
Kull-na Shuraka’, December 9, 2016

また、ARA News(12月9日付)によると、戦闘機(所属明示せず)がカフルナブル市にある民間防衛隊(ホワイト・ヘルメット)のセンター、パン製造工場を空爆した。

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ラタキア県では、SANA(12月9日付)によると、シリア軍がフィッラ村一帯でシャーム・ファトフ戦線などからなる反体制武装集団と交戦し、戦闘員25人を殺傷した。

AFP, December 9, 2016、AP, December 9, 2016、ARA News, December 9, 2016、Champress, December 9, 2016、al-Hayat, December 10, 2016、Iraqi News, December 9, 2016、Kull-na Shuraka’, December 9, 2016、al-Mada Press, December 9, 2016、Naharnet, December 9, 2016、NNA, December 9, 2016、Reuters, December 9, 2016、SANA, December 9, 2016、UPI, December 9, 2016などをもとに作成。

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反体制武装集団支配下のアレッポ市南東部から住民4,000人以上がシリア政府支配地域に脱出(2016年12月9日)

アレッポ県では、SANA(12月9日付)によると、シリア軍のアレッポ市南東部への攻撃中止を受け、反体制武装集団支配下の同地(スッカリー地区、フィルドゥース地区、サラーフッディーン地区)から住民4,000人以上が脱出し、シリア政府支配下のアレッポ市西部の仮設居住センターに収容された。

SANA, December 9, 2016
SANA, December 9, 2016

一方、シリア人権監視団によると、反体制武装集団の支配下にとどまっているアレッポ市南東部がシリア軍の砲撃を受けるとともに、ブスターン・バーシャー地区、シャイフ・サイード地区などでシリア軍と反体制武装集団の戦闘が続いた。

これに関して、民間防衛隊(ホワイト・ヘルメット)はSNSなどを通じて、アレッポ市ジュルーム地区でシリア軍の「樽爆弾」による空爆で女性、子供を含む25人が死亡したと主張した。

AFP, December 9, 2016、AP, December 9, 2016、ARA News, December 9, 2016、Champress, December 9, 2016、al-Hayat, December 10, 2016、Iraqi News, December 9, 2016、Kull-na Shuraka’, December 9, 2016、al-Mada Press, December 9, 2016、Naharnet, December 9, 2016、NNA, December 9, 2016、Reuters, December 9, 2016、SANA, December 9, 2016、UPI, December 9, 2016などをもとに作成。

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