米主導の有志連合は12月7日にシリア領内で12回の爆撃を実施(2016年12月8日)

米中央軍(CENTCOM)は、12月7日のシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

それによると、有志連合は両国領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して23回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は12回で、ラッカ市近郊(6回)、アイン・イーサー市近郊(2回)、ダイル・ザウル市近郊(3回)、マンビジュ市近郊(1回)に対して攻撃が行われた。

AFP, December 8, 2016、AP, December 8, 2016、ARA News, December 8, 2016、Champress, December 8, 2016、al-Hayat, December 8, 2016、Iraqi News, December 8, 2016、Kull-na Shuraka’, December 8, 2016、al-Mada Press, December 8, 2016、Naharnet, December 8, 2016、NNA, December 8, 2016、Reuters, December 8, 2016、SANA, December 8, 2016、UPI, December 8, 2016などをもとに作成。

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ロシアのラヴロフ外相はケリー米国務長官との会談が進展を見せないなか、トルコでの反体制派との停戦合意に基づき、シリア軍がアレッポ市東部での戦闘を停止したと発表(2016年12月8日)

ラブロフ外務大臣は訪問先のドイツのハンブルグの記者会見で、反体制武装集団の支配が続くアレッポ市南東部からの民間人の退去と人道支援物資搬入のため、シリア軍が同地への攻撃を中止したと述べた。

アレッポ市南東部での負傷者、住民の退去については、トルコのアンカラで7日、ロシア軍と反体制武装集団が5日の停戦合意が成立していた。

一方、6、7日に行われた米ジョン・ケリー国務長官との会談に関しては、シリア情勢、とりわけアレッポ市南東部の停戦と人道支援について協議したとしたうえで、10日にスイスの首都ジュネーブで両国専門家による会合を行うことで合意したと付言した。

『ハヤート』(12月9日付)などが伝えた。

SANA, December 8, 2016
SANA, December 8, 2016

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AFP(12月8日付)は、米高官の話として、両者の会談は何らの進展も見せなかったという。

また、ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は、両者の会談を支持するとしつつ、「これまでと同様、答えを必要とする多くの問題が提起された」と述べ、会談が結論を得なかったことを認めた。


AFP, December 8, 2016、AP, December 8, 2016、ARA News, December 8, 2016、Champress, December 8, 2016、al-Hayat, December 8, 2016、Iraqi News, December 8, 2016、Kull-na Shuraka’, December 8, 2016、al-Mada Press, December 8, 2016、Naharnet, December 8, 2016、NNA, December 8, 2016、Reuters, December 8, 2016、SANA, December 8, 2016、UPI, December 8, 2016などをもとに作成。

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ロシア政府はチェチェン共和国に駐留するザーパド大隊、ヴォストーク大隊のシリアへの派遣を決定(2016年12月8日)

『イズベスチア』(12月8日付)は、軍消息筋の話として、ロシア政府がチェチェン共和国に駐留するザーパド大隊(ロシア連邦軍第42自動車化狙撃師団所属の特殊任務大隊)とヴォストーク大隊(ロシア連邦軍第42自動車化狙撃師団所属の特殊任務大隊)のシリアへの派遣を決定したと伝えた。

Kull-na Shuraka', December 8, 2016
Kull-na Shuraka’, December 8, 2016

 

AFP, December 8, 2016、AP, December 8, 2016、ARA News, December 8, 2016、Champress, December 8, 2016、al-Hayat, December 8, 2016、Iraqi News, December 8, 2016、Izvestia, December 8, 2016、Kull-na Shuraka’, December 8, 2016、al-Mada Press, December 8, 2016、Naharnet, December 8, 2016、NNA, December 8, 2016、Reuters, December 8, 2016、SANA, December 8, 2016、UPI, December 8, 2016などをもとに作成。

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ダルアー県でダーイシュに忠誠を誓うハーリド・ブン・ワリード軍がイスラーム過激派と交戦(2016年12月8日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、アイン・ズィクル村、カウカブ・ダム一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を使うハーリド・ブン・ワリード軍が、ジハード主義武装集団と交戦した。

AFP, December 8, 2016、AP, December 8, 2016、ARA News, December 8, 2016、Champress, December 8, 2016、al-Hayat, December 8, 2016、Iraqi News, December 8, 2016、Kull-na Shuraka’, December 8, 2016、al-Mada Press, December 8, 2016、Naharnet, December 8, 2016、NNA, December 8, 2016、Reuters, December 8, 2016、SANA, December 8, 2016、UPI, December 8, 2016などをもとに作成。

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ダーイシュがヒムス県東部砂漠地帯でシリア軍拠点を奇襲し、複数カ所を制圧(2016年12月8日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がタドムル市郊外の砂漠地帯のフワイスィース村、シャーイル油田一帯、ジャズル油田一帯、マフル油田一帯、タイフール航空基地近郊の放棄された大隊基地、アーラーク村一帯、タドムル市郊外の穀物サイロ地区などでシリア軍の拠点を奇襲し、兵士約30人を殺害し、複数の拠点を制圧、士官1人を含む兵士複数人を捕捉した。

一方、SANA(12月8日付)によると、シリア軍がシャーイル油田一帯、ジャズル油田一帯、バーリダ地区、放棄された大隊基地、ザムラ村などでダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

ARA News, December 8, 2016
ARA News, December 8, 2016

 

AFP, December 8, 2016、AP, December 8, 2016、ARA News, December 8, 2016、Champress, December 8, 2016、al-Hayat, December 8, 2016、Iraqi News, December 8, 2016、Kull-na Shuraka’, December 8, 2016、al-Mada Press, December 8, 2016、Naharnet, December 8, 2016、NNA, December 8, 2016、Reuters, December 8, 2016、SANA, December 8, 2016、UPI, December 8, 2016などをもとに作成。

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シリア軍はダルアー県、ヒムス県北部で反体制武装集団との交戦を続ける(2016年12月8日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がジュムーア丘、マトゥーク丘一帯を空爆した。

一方、SANA(12月8日付)によると、シリア軍がダルアー市避難民キャンプ一帯でシャーム・ファトフ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。

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ヒムス県では、SANA(12月8日付)によると、シリア軍がガントゥー市でシャーム自由人イスラーム運動の拠点に対して特殊作戦を敢行し、戦闘員20人を殲滅した。


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SANAはシリア軍が解放したアレッポ市旧市街の写真を配信(2016年12月8日)

SANA(12月8日付)は、7日にシリア軍が解放したアレッポ市旧市街の写真を配信した。

SANA, December 8, 2016
SANA, December 8, 2016
SANA, December 8, 2016
SANA, December 8, 2016
SANA, December 8, 2016
SANA, December 8, 2016
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SANA, December 8, 2016
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SANA, December 8, 2016
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SANA, December 8, 2016
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SANA, December 8, 2016
SANA, December 8, 2016
SANA, December 8, 2016
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SANA, December 8, 2016
SANA, December 8, 2016
SANA, December 8, 2016
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SANA, December 8, 2016
SANA, December 8, 2016
SANA, December 8, 2016
SANA, December 8, 2016
SANA, December 8, 2016
SANA, December 8, 2016
SANA, December 8, 2016
SANA, December 8, 2016
SANA, December 8, 2016
SANA, December 8, 2016
SANA, December 8, 2016
SANA, December 8, 2016
SANA, December 8, 2016
SANA, December 8, 2016
SANA, December 8, 2016

AFP, December 8, 2016、AP, December 8, 2016、ARA News, December 8, 2016、Champress, December 8, 2016、al-Hayat, December 8, 2016、Iraqi News, December 8, 2016、Kull-na Shuraka’, December 8, 2016、al-Mada Press, December 8, 2016、Naharnet, December 8, 2016、NNA, December 8, 2016、Reuters, December 8, 2016、SANA, December 8, 2016、UPI, December 8, 2016などをもとに作成。

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シリア軍はアレッポ市南東部のシャイフ・サイード地区内の複数カ所を新たに制圧(2016年12月8日)

アレッポ県では、SANA(12月8日付)によると、シリア軍がアレッポ市南東部のシャイフ・サイード地区で反体制武装集団と交戦、同地区内の複数の建物群と農場を制圧した。

シリア軍はまた、シャイフ・ルトフィー地区、バッルーラ地区一帯への進軍を続けた。

Twitter, December 8, 2016
Twitter, December 8, 2016

一方、シリア人権監視団によると、反体制武装集団の支配下にとどまっているアレッポ市南東部のサラーフッディーン地区、ブスターン・カスル地区で、シリア軍と反体制武装集団が交戦、反体制武装集団はシリア政府支配下のアレッポ市西部各所を砲撃した。

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アサド大統領「アレッポ解放は戦争の終わりを意味しない…。テロリストを殲滅するまで戦争を続ける」(2016年12月8日)

アサド大統領はシリアの民間日刊紙『ワタン』(12月8日付)のインタビューに応じた。

大統領が国内メディアのインタビューに応じるのは異例で、インタビューは全文掲載ではなく、発言の要旨を解説するかたち(http://alwatan.sy/archives/82034)で掲載された。

インタビュー記事の要旨は以下の通り:

al-Watan, December 8, 2016
al-Watan, December 8, 2016

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アサド大統領は、国家の最優先課題が「テロとの戦い」と市民生活の充実にあるとする一方、これまでの政治プロセスが、愛国的なシリア人どうしの対話だけでなく、愛国的なシリア人と外国の手先となっているシリア人の対話で、初めから死産の状態にあったと指摘、シリアがこうしたプロセスに参加してきたのが「政治的解決について発言する国、とりわけ西側諸国が信用できないということをみなに知らしめるため」だったと述べた。

アサド大統領は「すべての反体制派が(外国の)手先ではない」と強調した。だが、大統領は「シリアとの対話に応じるよう指示された反体制派とは(外国の)手先であり。我々としては、これに関して議論の余地などない」と述べた。そのうえで、「シリア人どうしのあらゆる対話…、外国のアジェンダに与さず、テロリストを支援していないシリア人どうしの対話」であれば、ダマスカスで行われようと、それ以外の場所で行われようと支持すると明言した。

アサド大統領は、湾岸諸国、とりわけサウジアラビアとカタールがシリアに対する敵対的な姿勢をとっており、歴史を通じてイスラエル存続と中東地域における同国の優位の主因をなしているとの見方を示した。しかし、このことは、サウジアラビア、カタールといった国々の国民が敵国民であることを意味しないと念を押した。

また、アサド大統領は、ロシアが約1年半前からシリアとサウジアラビアの関係改善の仲介を行ってきたが、「サウジアラビアには、シリアをイランと敵対させようと目的しかない」ゆえにこの仲介は失敗したことを明らかにしたうえで、「なぜ我々がサウジアラビアを満足させるため、あるいはサウジアラビアの遅れた知能を満足させるためにイランと敵対しなければならないのかが分からない」と述べた。

エジプトとの関係について、「ゆっくりではあるが改善している。しかし、両国関係は依然として安全保障分野に限定されている」と述べたとした。アサド大統領は、両国関係がムスリム同胞団のムハンマド・ムルスィー前政権の間に低迷したにもかかわらず、国交が断絶しなかったのは「ムルスィー、同胞団が望まなかったからではなく、軍治安機関が望んでいなかったからだ」と述べた。

アレッポ市東部の解放作戦に関して、アサド大統領はそれが政治的枠組みではなく、軍事的な行動の一環として実現したと強調、「我々がリアリストであるなら、これ(アレッポ市解放)はシリアをめぐる戦争の終わりを意味するのではなく、終わりに向けた大いなる足がかりとなる…。テロリストを完全の殲滅しなければ戦争は終わらない…。我々は彼らへの戦争を続行する」と述べた。

アサド大統領は、国民和解プロセスについて、ジュネーブ・プロセスとは異なった道筋を辿るだろうとしたうえで、「テロリストの打倒と平行して」進められるべきとの見方を示した。

アサド大統領は、シリア経済を支えるものとして、「シリア国民の生活を営もうとする意志」、「契約に基づく経済制度」、「国家による長期戦への構え」、「イラン、ロシアといった友好国の支援」の四つをあげた。

復興をめぐって、アサド大統領は「安全が確保されたときに…着工されるだろう…。友好国がこの分野における第一の貢献者となるだろう」としたうえで、「敵対的姿勢をとってきた国の企業が復興に携わることをシリア国民は許さないと思う」と述べた。

一方、汚職問題をめぐっては「汚職が処罰なしには続けられてはならない」と強調した。

最後に、シリア軍を支援する「人民防衛諸部隊」については「国家が採用した選択肢ではなく、愛国主義に基づくすべての戦争のなかで生じる経験だ…。こうした経験には良い面と悪い面がある。我々の場合、領内で多くの戦果を挙げるという良い面があった。だが、悪い面は、汚職がそうであるように、つねに個人が置かれた状況と結びついて発生する…。私はすでに検挙された事案を詳しく承知している。また検挙されていない事案もある」と述べた。

AFP, December 8, 2016、AP, December 8, 2016、ARA News, December 8, 2016、Champress, December 8, 2016、al-Hayat, December 8, 2016、Iraqi News, December 8, 2016、Kull-na Shuraka’, December 8, 2016、al-Mada Press, December 8, 2016、Naharnet, December 8, 2016、NNA, December 8, 2016、Reuters, December 8, 2016、SANA, December 8, 2016、UPI, December 8, 2016などをもとに作成。

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