米主導の有志連合は、9~11日までの3日間で、ラッカ市近郊、アイン・イーサー市近郊などを中心に37回の爆撃を実施(2016年12月12日)

米中央軍(CENTCOM)は、12月9~11日の3日間のシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

12月9日はシリア、イラク領内のダーイシュ(ダーイシュ)拠点などに対して20回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は10回で、ラッカ市近郊(4回)、アイン・イーサー市近郊(3回)、ダイル・ザウル市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(1回)、タドムル市近郊(1回)に対して攻撃が行われた。

12月10日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対して27回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は18回で、ブーカマール市近郊(1回)、シャッダーディー市近郊(2回)、ラッカ市近郊(1回)、アイン・イーサー市近郊(10回)、ダイル・ザウル市近郊(3回)、タドムル市近郊(1回)に対して攻撃が行われた。

12月11日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対して19回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は9回で、ブーカマール市近郊(1回)、ラッカ市近郊(3回)、アイン・イーサー市近郊(4回)、ダイル・ザウル市近郊(1回)に対して攻撃が行われた。

AFP, December 12, 2016、AP, December 12, 2016、ARA News, December 12, 2016、Champress, December 12, 2016、al-Hayat, December 13, 2016、Iraqi News, December 12, 2016、Kull-na Shuraka’, December 12, 2016、al-Mada Press, December 12, 2016、Naharnet, December 12, 2016、NNA, December 12, 2016、Reuters, December 12, 2016、SANA, December 12, 2016、UPI, December 12, 2016などをもとに作成。

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アサド大統領はローマ法王フランシスコの書簡を受け取る(2016年12月12日)

アサド大統領は、駐シリア・ヴァチカン大使のマリオ・ゼナリ枢機卿と会談し、第266代ローマ教皇フランシスコの親書を受け取った。

フランシスコ教皇は書簡のなかで、シリアおよびシリア国民が経験している困難な状況への深い同情の念と過激主義、テロへの非難の意を示すとともに、シリアでの戦争を終結させ、平和を実現し、異なった文化と宗教の共存のモデルとなるため、さらなる取り組みを行うよう呼びかけた。

これに対して、アサド大統領は、シリアが国家と国民をあげて治安と安定の回復に努めており、そのための和解に邁進していると答えた。

SANA(12月12日付)が伝えた。

SANA, December 12, 2016
SANA, December 12, 2016

AFP, December 12, 2016、AP, December 12, 2016、ARA News, December 12, 2016、Champress, December 12, 2016、al-Hayat, December 13, 2016、Iraqi News, December 12, 2016、Kull-na Shuraka’, December 12, 2016、al-Mada Press, December 12, 2016、Naharnet, December 12, 2016、NNA, December 12, 2016、Reuters, December 12, 2016、SANA, December 12, 2016、UPI, December 12, 2016などをもとに作成。

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ロシア大統領府はシリア軍のタドムル市喪失の責任を「テロとの戦い」で非協力的な米国に転化(2016年12月12日)

ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は、ダーイシュ(イスラーム国)が11日にUNESCO世界文化遺産のパルミラ遺跡を擁するタドムル市を再制圧したことに関して、「米国をはじめとする諸外国が「テロとの戦い」において実質的な協力を行わないこと」の結果だと述べた。

『ハヤート』(12月13日付)が伝えた。

AFP, December 12, 2016、AP, December 12, 2016、ARA News, December 12, 2016、Champress, December 12, 2016、al-Hayat, December 13, 2016、Iraqi News, December 12, 2016、Kull-na Shuraka’, December 12, 2016、al-Mada Press, December 12, 2016、Naharnet, December 12, 2016、NNA, December 12, 2016、Reuters, December 12, 2016、SANA, December 12, 2016、UPI, December 12, 2016などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はラッカ県で4カ村をダーイシュから奪取(2016年12月12日)

ラッカ県では、ARA News(12月12日付)によると、「ユーフラテスの怒り」作戦第2段階を開始した西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦の末、ティシュリーン・ダム南部のサファーヒール村、アッジャージュ村、ラッカ市北部のビール・シャッラール村、ウンム・サリーム村を新たに制圧した。

AFP, December 12, 2016、AP, December 12, 2016、ARA News, December 12, 2016、Champress, December 12, 2016、al-Hayat, December 13, 2016、Iraqi News, December 12, 2016、Kull-na Shuraka’, December 12, 2016、al-Mada Press, December 12, 2016、Naharnet, December 12, 2016、NNA, December 12, 2016、Reuters, December 12, 2016、SANA, December 12, 2016、UPI, December 12, 2016などをもとに作成。

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シャーム自由人イスラーム運動傘下の自由人軍に吸収統合された組織のシャイフ、説教師が自由人軍結成を撤回するよう要求(2016年12月12日)

シャーム自由人イスラーム運動の傘下組織として10日に新設された自由人軍に吸収統合された反体制武装集団に所属するシャイフ、説教師12人が共同声明を出し、「(合併された)武装組織は、国民と革命の所産で、自由な革命家に帰属するのであって、特定の個人のものではない」と非難、自由人軍結成を撤回するよう要求した。

Kull-na Shuraka', December 12, 2016
Kull-na Shuraka’, December 12, 2016

 

AFP, December 12, 2016、AP, December 12, 2016、ARA News, December 12, 2016、Champress, December 12, 2016、al-Hayat, December 13, 2016、Iraqi News, December 12, 2016、Kull-na Shuraka’, December 12, 2016、al-Mada Press, December 12, 2016、Naharnet, December 12, 2016、NNA, December 12, 2016、Reuters, December 12, 2016、SANA, December 12, 2016、UPI, December 12, 2016などをもとに作成。

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トルコ軍がアレッポ県北部のダーイシュの拠点都市バーブ市の市街地を砲撃(2016年12月12日)

アレッポ県では、ARA News(12月12日付)によると、「ユーフラテスの盾」作戦を続行し、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市バーブ市に進攻中のハワール・キリス作戦司令室を全面支援するトルコ軍が、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市バーブ市の住宅街、ターディフ市一帯、ザルズール村に対して砲撃を行った。

ARA News, December 12, 2016
ARA News, December 12, 2016

ロイター通信(12月12日付)によると、トルコ軍はまたバーブ市にビラを散布し、住民に対して安全な場所に避難するよう呼びかけた。

AFP, December 12, 2016、AP, December 12, 2016、ARA News, December 12, 2016、Champress, December 12, 2016、al-Hayat, December 13, 2016、Iraqi News, December 12, 2016、Kull-na Shuraka’, December 12, 2016、al-Mada Press, December 12, 2016、Naharnet, December 12, 2016、NNA, December 12, 2016、Reuters, December 12, 2016、SANA, December 12, 2016、UPI, December 12, 2016などをもとに作成。

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ロシア軍と思われる戦闘機がハマー県東部のダーイシュ支配地域での爆撃で毒ガスを使用か?(2016年12月12日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍ないしはシリア軍の戦闘機がダーイシュ(イスラーム国)支配下のウカイリバート町一帯を空爆し、子供11人、女性8人を含む34人が死亡した(クッルナー・シュラカー(12月12日付)によると、87人死亡、350人負傷)。

Kull-na Shuraka', December 12, 2016
Kull-na Shuraka’, December 12, 2016

これに関して、ダーイシュの戦果を喧伝するアアマーク通信(12月12日付)は、ロシア軍が毒ガス兵器で空爆を行い、20人が死亡、200人あまりが呼吸困難などの症状を訴えたと伝えた。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タドムル市を再制圧したダーイシュ(イスラーム国)が、捕捉した親政権武装勢力の戦闘員1人を処刑した。

またダーイシュはタドムル市内での掃討作戦中に子供2人を含む住民4人を殺害した。

ダーイシュはこのほかにも、カルヤタイン市一帯、タイフール航空基地一帯に進軍し、シリア軍と交戦した。

一方、SANA(12月12日付)によると、シリア軍がタドムル市一帯、バーリダ地区一帯、ラッフーム村、ウンク・ハワー村、ワーディー・ナイーミー、スフナ市一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点、車輌に対して空爆を実施した。

これに対して、ダーイシュの戦果を喧伝するアアマーク通信(12月12日付)は、ダーイシュが県東部のタイフール航空基地(T4)を制圧したと発表した。

しかし、SANA(12月12日付)は、シリア軍消息筋の話として、タドムル市一帯で攻勢を続けるダーイシュが県東部のタイフール航空基地を制圧したとの一部情報を否定した。

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ダイル・ザウル県では、ARA News(12月12日付)によると、ダイル・ザウル市ハウィーカ地区、ブガイリーヤ村一帯、ダイル・ザウル航空基地一帯で、シリア軍とダーイシュ(イスラーム国)が交戦した。

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アレッポ県では、SANA(12月12日付)によると、シリア軍がアレッポ市東部のズブダ村でダーイシュ(イスラーム国)の車輌を攻撃、破壊した。

AFP, December 12, 2016、AP, December 12, 2016、ARA News, December 12, 2016、Champress, December 12, 2016、al-Hayat, December 13, 2016、Iraqi News, December 12, 2016、Kull-na Shuraka’, December 12, 2016、al-Mada Press, December 12, 2016、Naharnet, December 12, 2016、NNA, December 12, 2016、Reuters, December 12, 2016、SANA, December 12, 2016、UPI, December 12, 2016などをもとに作成。

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ハマー県、イドリブ県でシリア軍が反体制派との戦闘を続ける(2016年12月12日)

ハマー県では、SANA(12月12日付)によると、反体制武装集団がラビーア村を砲撃し、女性1人が負傷した。

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イドリブ県では、SANA(12月12日付)によると、シリア軍がキンダ村一帯で反体制武装集団の拠点を空爆した。

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ラタキア県では、SANA(12月12日付)によると、シリア軍がカフルサンドゥー山、第1154地点、アイン・バイダー町、トゥッファーヒーヤ村一帯で反体制武装集団の拠点を空爆した。

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ダルアー県では、SANA(12月12日付)によると、シリア軍がダルアー市内各所、ヤードゥーダ村一帯で反体制武装集団と交戦した。

AFP, December 12, 2016、AP, December 12, 2016、ARA News, December 12, 2016、Champress, December 12, 2016、al-Hayat, December 13, 2016、Iraqi News, December 12, 2016、Kull-na Shuraka’, December 12, 2016、al-Mada Press, December 12, 2016、Naharnet, December 12, 2016、NNA, December 12, 2016、Reuters, December 12, 2016、SANA, December 12, 2016、UPI, December 12, 2016などをもとに作成。

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地元活動家や反体制派系メディアは、シリア軍がアレッポ市東部各所で住民の処刑を行っていると主張(2016年12月12日)

アリー・ジャアファルを名乗る地元活動家の一人は、ARA News(12月12日付)に対して、シリア軍が、ブスターン・カスル地区、カッラーサ地区などを制圧後、住民が反体制武装集団を支持していたとして処刑、カッラーサ地区内の墓地では民間人数十人(アジャム家、サンダ家の女性、子供)、ブスターン・カスル地区の旅客バス・ターミナル近くでは13人(ハサン家とミスリー家)が殺害されたと主張した。

また、反体制派系メディアのAMC(12月12日付)もシリア軍および親政権民兵が、フィルドゥース地区、サーリヒーン地区、ブスターン・カスル地区で75人以上が処刑されたと宣伝した。

AMC, December 12, 2016
AMC, December 12, 2016

AFP, December 12, 2016、AMC, December 12, 2016、AP, December 12, 2016、ARA News, December 12, 2016、Champress, December 12, 2016、al-Hayat, December 13, 2016、Iraqi News, December 12, 2016、Kull-na Shuraka’, December 12, 2016、al-Mada Press, December 12, 2016、Naharnet, December 12, 2016、NNA, December 12, 2016、Reuters, December 12, 2016、SANA, December 12, 2016、UPI, December 12, 2016などをもとに作成。

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シリア人権監視団:アレッポ市攻防戦で13万人の住民が反体制武装集団支配下にあった同市東部から脱出(2016年12月12日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、過去24時間でアレッポ市南東部から1万人以上の住民がシリア政府支配下のアレッポ市西部に避難、11月半ば以降のアレッポ市東部からの避難民の数は13万人に達しているという。

一方、SANA(12月12日付)によると、反体制武装集団支配下のアレッポ市南東部から住民3,500人以上がバーブ・ナイラブ通行所、カーディー・アスカル交差点通行所、アズィーザ通行所、バーブ・ハディード通行所を経由して新たに脱出、シリア政府支配下のジャブリーン村、ティシュリーン地区に設置された仮設居住センターに移送された。

また、ラタキア県のフマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが発表したところによると、反体制武装集団戦闘員728人が地元和解プロセスの一環でシリア政府支配下のアレッポ市西部に投降、 2016年政令第15号に従って、放免となった。

SANA, December 12, 2016
SANA, December 12, 2016

AFP, December 12, 2016、AP, December 12, 2016、ARA News, December 12, 2016、Champress, December 12, 2016、al-Hayat, December 13, 2016、Iraqi News, December 12, 2016、Kull-na Shuraka’, December 12, 2016、al-Mada Press, December 12, 2016、Naharnet, December 12, 2016、NNA, December 12, 2016、Reuters, December 12, 2016、SANA, December 12, 2016、UPI, December 12, 2016などをもとに作成。

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アレッポ市攻防戦はシリア軍が反体制派支配地域の95%強を解放し最終段階へ(2016年12月12日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団(アレッポ・ファトフ軍作戦司令室、ないしはアレッポ軍)がアレッポ市南東部の6地区から撤退、シリア軍が同地を制圧した。

反体制武装集団が撤退したのは、ブスターン・カスル地区、カッラーサ地区、カラム・ダアダア地区、フィルドゥース地区、ジュルーム地区、ジスル・ハッジ地区。

この撤退に先立ち、シリア軍はシャイフ・サイード地区、サーリヒーン地区を制圧していた。

一方、SANA(12月12日付)によると、シリア軍が予備部隊、同盟部隊とともにアレッポ市南東部で反体制武装集団の掃討を続け、ブスターン・カスル地区、シャイフ・サイード地区、シハーディーン地区、イスカーン地区、カラム・エフェンディー地区、カラム・ダアダア地区、サーリヒーン地区、ジルス・ハッジ地区、ジャッルーム地区、バーブ・マカーム地区、フィルドゥース地区、カルアト・シャリーフ地区を制圧し、治安と安定を回復した。

シリア軍はまた、カッラーサ地区、スーク・ハール地区に進軍、反体制武装集団の残党を追撃した。

almasdarnews.com, December 12, 2016
almasdarnews.com, December 12, 2016
al-Hayat, December 13, 2016
al-Hayat, December 13, 2016

シリア人権監視団によると、これにより、アレッポ市の反体制武装集団は「完全に衰退」し、「アレッポの戦いは終わり」を迎えつつあり、シリア軍による同地の完全解放は「時間の問題」となった。

反体制武装集団はアレッポ市東部の95%強を喪失、マシュハド地区とスッカリー地区の全域のほか、市内の複数カ所を維持しているだけで、これらはいつ陥落しても不思議でないという。

一方、ロイター通信(12月12日付)が伝えたところによると、アレッポ市治安委員会議長を務めるシリ軍のザイド・サーリフ少将は記者団に対して、アレッポ市攻防戦が最終段階に入ったとしたうえで「アレッポ市東部の戦いを早急に終わらせねばならない。つまり反体制派にとって時間は非常に限られたものとなっている。降伏するか、死ぬかだ」と述べた。

このほか、SANA(12月12日付)によると、反体制武装集団がシリア政府支配下のアレッポ市イザーア地区、バーブ・ファラジュ地区、マイサルーン地区、マシャーティーヤ地区、サイフ・ダウラ地区、マアーディー地区、マルジャ地区、マガーイル地区を砲撃し、8人を殺害、47人を負傷させた。

SANA, December 12, 2016
SANA, December 12, 2016

AFP, December 12, 2016、AP, December 12, 2016、ARA News, December 12, 2016、Champress, December 12, 2016、al-Hayat, December 13, 2016、Iraqi News, December 12, 2016、Kull-na Shuraka’, December 12, 2016、al-Mada Press, December 12, 2016、Naharnet, December 12, 2016、NNA, December 12, 2016、Reuters, December 12, 2016、SANA, December 12, 2016、UPI, December 12, 2016などをもとに作成。

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