米主導の有志連合は12月19日にシリア領内で2回の爆撃を実施(2016年12月20日)

米中央軍(CENTCOM)は、12月19日のシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

それによると、有志連合は両国領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して16回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は11回で、ラッカ市近郊(3回)、アイン・イーサー市近郊(5回)、タドムル市近郊(3回)に対して攻撃が行われた。

AFP, December 20, 2016、AP, December 20, 2016、ARA News, December 20, 2016、Champress, December 20, 2016、al-Hayat, December 21, 2016、Iraqi News, December 20, 2016、Kull-na Shuraka’, December 20, 2016、al-Mada Press, December 20, 2016、Naharnet, December 20, 2016、NNA, December 20, 2016、Reuters, December 20, 2016、SANA, December 20, 2016、UPI, December 20, 2016などをもとに作成。

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2015年9月30日の爆撃開始以降、ロシア軍の出撃回数は3万回以上におよび、テロ組織の拠点・標的6万2,000カ所以上を破壊(2016年12月20日)

ロシア航空宇宙軍(空軍)は声明を出し、2015年9月30日に開始したシリアでの空爆で、ロシア軍機の出撃回数が3万回以上に達し、テロ組織の拠点や標的6万2,000カ所以上を破壊したと発表した。

RT(12月20日付)が伝えた。

AFP, December 20, 2016、AP, December 20, 2016、ARA News, December 20, 2016、Champress, December 20, 2016、al-Hayat, December 21, 2016、Iraqi News, December 20, 2016、Kull-na Shuraka’, December 20, 2016、al-Mada Press, December 20, 2016、Naharnet, December 20, 2016、NNA, December 20, 2016、Reuters, December 20, 2016、RT
, December 20, 2016、SANA, December 20, 2016、UPI, December 20, 2016などをもとに作成。

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有志連合のドリアン報道官は、トルコにYPG主体のシリア民主軍の掃討を控えるよう暗に求める(2016年12月20日)

有志連合のジョン・ドリアン報道官は、訪問先の英国ロンドンで記者団に対して「シリアは極めて複雑な様相を呈している。我々がダーイシュ(イスラーム国)と戦っている一方で、内戦状態にある…。我々はシリア民主軍とともに活動し…、彼らはラッカ市を孤立させるための作戦を開始した…。その一方、我々の同盟国でNATO加盟国でもあるトルコは、ユーフラテスの盾作戦を通じて緩衝地帯を作り出そうしている…。これによって事態は好転し、ダーイシュの前で国境は封鎖された…。我々は外交チャンネルを通じて、ラッカ市解放にかかる行動計画を継続する」と述べた。

一方、トルコがアレッポ県バーブ市制圧後にシリア民主軍をユーフラテス川以東に掃討しようとしていることに関しては、「すべての当時者、すなわち、トルコ、シリア民主軍…、有志連合、イラクにとって、ダーイシュを敗北させることが利益になる。我々はすべての当時者とともに、シリアとイラクをダーイシュから解放するための活動を継続する」としたうえで、「我々はシリアにいるすべての人がダーイシュとの戦いに集中して欲しいと思っている。我々はダーイシュと戦うためにパートナーとの対話を続ける」と強調した。

『ハヤート』(12月21日付)が伝えた。

AFP, December 20, 2016、AP, December 20, 2016、ARA News, December 20, 2016、Champress, December 20, 2016、al-Hayat, December 21, 2016、Iraqi News, December 20, 2016、Kull-na Shuraka’, December 20, 2016、al-Mada Press, December 20, 2016、Naharnet, December 20, 2016、NNA, December 20, 2016、Reuters, December 20, 2016、SANA, December 20, 2016、UPI, December 20, 2016などをもとに作成。

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国連総会はシリア国内でのアサド政権などによる人権侵害を非難する決議を採択(2016年12月20日)

国連総会は、シリア国内での人権侵害に関する非難決議を賛成116カ国、反対16カ国、棄権52カ国で採択した。

反対はロシア、中国、イラン、イラク、南アフリカ、北朝鮮、ベラルーシ、シリアなど。

棄権はレバノンなどで、それ以外のアラブ諸国は、欧米諸国などとともに賛成にまわった。

決議は、シリアの反体制派を支援するサウジアラビアとカタールが提案、「樽爆弾」を含むすべての民間人に対する無差別攻撃」、「2011年の平和的抗議行動の開始当初依頼のシリア政府による国民への武力弾圧」、「民間人を飢餓に追い込むこと、学校、病院、礼拝所への攻撃、恣意的処刑」を非難し、シリア政府を筆頭とするすべての当時者に民間人への攻撃停止を求めている。

また「すべての当時者による、塩素ガスを含む有毒化学物質のあらゆる使用」を非難、シリア政府に対して化学兵器の使用に関する国際社会の規制を遵守するよう求めている。

AFP, December 20, 2016、AP, December 20, 2016、ARA News, December 20, 2016、Champress, December 20, 2016、al-Hayat, December 21, 2016、Iraqi News, December 20, 2016、Kull-na Shuraka’, December 20, 2016、al-Mada Press, December 20, 2016、Naharnet, December 20, 2016、NNA, December 20, 2016、Reuters, December 20, 2016、SANA, December 20, 2016、UPI, December 20, 2016などをもとに作成。

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イランのシャムハーニー国家安全保障最高評議会事務局長は国連安保理決議第2328号を「国際監視団にかこつけてテロを支援する軍治安要員が入り込む」と非難(2016年12月20日)

イランのアリー・シャムハーニー国家安全保障最高評議会事務局長は、19日に全回一致で採択された国連安保理決議第2328号を「破壊行為を資し、国際監視団にかこつけてテロを支援する軍治安要員が入り込む基盤となる」と非難した。

シャムハーニー事務局長は、20日のモスクワでのロシア・イラン・トルコの外相会談に関して、ロシア側から、ロシア軍戦闘機のイラン領空通過についての提案などについて審議することを明らかにするとともに、トルコとは、シリア危機を政治的解決に解決するため、シリアの国土保全(トルコによるシリア領内での駐留と占領の停止)、テロ活動への支援停止、治安と安定の回復をめざすという点で一致していると述べた。

『ハヤート』(12月21日付)が伝えた。

AFP, December 20, 2016、AP, December 20, 2016、ARA News, December 20, 2016、Champress, December 20, 2016、al-Hayat, December 21, 2016、Iraqi News, December 20, 2016、Kull-na Shuraka’, December 20, 2016、al-Mada Press, December 20, 2016、Naharnet, December 20, 2016、NNA, December 20, 2016、Reuters, December 20, 2016、SANA, December 20, 2016、UPI, December 20, 2016などをもとに作成。

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ロシア、イラン、トルコは近く、シリアの紛争を解決するための行程表「モスクワ宣言」を採択(2016年12月20日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣、トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣、イランのイランのモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣はモスクワで初となる三カ国外相会談を行った。

また、ロシアのセルゲイ・ショイグ国防大臣、トルコのフィクリ・イシク国防大臣、イランのホセイン・ホセイン・ダフカーン国防大臣も三カ国国防相会談に先だって、両国国防大臣と個別会談を行った。

SANA, December 20, 2016
SANA, December 20, 2016

『ハヤート』(12月21日付)などによると、ロシア、イラン、トルコの三カ国は、この外相・国防相会談を経て、シリア情勢の正常化に向けた「行程表」について協議し、「モスクワ宣言」を採択する見込みだという。

「モスクワ宣言」は「民主的世俗国家としてのシリアの主権と領土の統一性」を確認、「シリアにおける危機に軍事的解決はない」と強調したうえで、「紛争解決に向けた政治プロセスを再生」する三カ国の決意を表明している。

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会談後の共同記者会見で、ラブロフ外務大臣は、アレッポ市東部、ダマスカス郊外県ザバダーニー市、マダーヤー町からの反体制武装集団とその家族の退去、イドリブ県フーア市、カファルヤー町からの負傷者・重篤患者とその家族の移送を貫徹するとしたうえで、2日以内にこの作業が完了するだろうとの見通しを示し、ロシア、トルコ、イランの取り組みによって、アレッポ市からの反体制武装集団と市民の退去が可能になったことを自賛した。

また、ダーイシュ(イスラーム国)とシャーム・ファトフ戦線を除外するかたちで、シリア領内全土での戦闘停止に向けた措置を講じ、政治的解決を促すことで三カ国が合意したことを明らかにした。

そのうえで、ロシア、イラン、トルコの連携がシリア政府と反体制派の和平合意を成立させる用意があるとしたうえで、欧米諸国、サウジアラビア、カタール、トルコなどを軸とする「シリアの友連絡グループ」にも増して、より効率的に紛争を解決に導くことができると強調した。

一方、チャヴシュオール外務大臣は、ロシア、イラン、トルコの合意の重要性を強調しつつ、外国によるテロ組織への支援を停止する必要があるかとの問いに対して「ヒズブッラーへの支援を停止する必要がある」と答え、イランによるヒズブッラーへの支援を暗に批判した。

これに対して、ザリーフ外務大臣は、テロへの取り組みを活性化し、シリアの紛争を政治的に解決すべきとしたうえで、「国連安保理が指定するテロ組織について話している」と付言し、ヒズブッラーへの支援の正当性を強調、「イランは友好国の意見を尊重するが、意見を異にしている」と異論を唱えた。

ヒズブッラーをめぐる意見の相違に対して、ラブロフ外務大臣は「テロとの戦いはダブル・スタンダードであってはならない。国連安保理決議第2254号は、外国によるテロ組織への支援停止の必要を強調している」としつつ、「しかし問題は極めて複雑だ。なぜならこの地域にはさまざまな宗教・エスニック集団がおり、スンナ派とシーア派の対立もあるからだ」と述べた。

そのうえで「重要なのは、ダマスカスとの連携を呼びかける当時者であれ、連携しない当時者であれ、テロとの戦いを優先すべきだという点で合意しているということだ」と強調した。

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トルコのイシク国防大臣、イランのホセイン・ダフカーン国防大臣との個別会談したショイグ国防大臣は、ロシア、イラン、トルコ各国の専門家らが、シリアの紛争を終結させるための行程表を記した三カ国合意「モスクワ宣言」を策定、近く合意に達するだろうと述べた。

ショイグ国防大臣はまた、ロシア、イラン、トルコがシリアの紛争解決を保障する役割を果たす用意があるとしたうえで、米国がもはや実質的影響力を行使し得ないと指摘、「ロシア、トルコ、イランの取り組みによって、アレッポにおいて「穏健な反体制派」と過激派を峻別することに成功した」と強調した。

一方、シャームプレス(12月20日付)によると、トルコのイシク国防大臣は、ショイグ国防大臣との会談で「今日、アレッポ市東部を武装集団から解放し、反体制派が捕捉していた子供らを避難させるためのプロセスが成功裏に進んでいるのを目にしている」と述べたという。

SANA, December 20, 2016
SANA, December 20, 2016

AFP, December 20, 2016、AP, December 20, 2016、ARA News, December 20, 2016、Champress, December 20, 2016、al-Hayat, December 21, 2016、Iraqi News, December 20, 2016、Kull-na Shuraka’, December 20, 2016、al-Mada Press, December 20, 2016、Naharnet, December 20, 2016、NNA, December 20, 2016、Reuters, December 20, 2016、SANA, December 20, 2016、UPI, December 20, 2016などをもとに作成。

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アレッポ市解放を祝う会場の近くで爆弾が爆発(2016年12月20日)

アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(12月20日付)、イフバーリーヤ・チャンネル(12月20日付)、SANA(12月20日付)などによると、アレッポ市アズィーズィーヤ地区で、アレッポ市解放を祝っていた会場(アズィーズィーヤ後援)の近く(約70メートル)の路肩で爆弾が爆発した。

死傷者はなかった。

Youtube, December 20, 2016
Youtube, December 20, 2016

AFP, December 20, 2016、AP, December 20, 2016、ARA News, December 20, 2016、Champress, December 20, 2016、al-Hayat, December 21, 2016、al-Ikhbariya, December 20, 2016、Iraqi News, December 20, 2016、Kull-na Shuraka’, December 20, 2016、al-Mada Press, December 20, 2016、Naharnet, December 20, 2016、NNA, December 20, 2016、Reuters, December 20, 2016、SANA, December 20, 2016、UPI, December 20, 2016などをもとに作成。

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ヒムス県、ハマー県でシリア軍と反体制武装集団の戦闘続く(2016年12月20日)

ヒムス県では、シャームプレス(12月20日付)によると、シリア軍がアイン・フサイン村でシャーム・ファトフ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。

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ハマー県では、ARA News(12月20日付)によると、反体制武装集団がマアッルダス村・スーラーン市間の街道でシリア軍車列を攻撃した。

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ダマスカス郊外県では、シャームプレス(12月20日付)によると、ヤルダー市郊外でイスラーム軍とダーイシュ(イスラーム国)が交戦した。

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ダルアー県では、SANA(12月20日付)によると、シャーム・ファトフ戦線などからなる反体制武装集団が、ダルアー市サビール地区、マハッタ地区を砲撃し、女性8人を含む10人が負傷した。

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YPG主体のシリア民主軍はこれまでにラッカ市北西部の97ヵ村をダーイシュから奪取したと発表(2016年12月20日)

ラッカ県では、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の「ユーフラテスの怒り」作戦司令室は声明を出し、ラッカ市北西部での戦闘でこれまでに97ヵ村をダーイシュ(イスラーム国)から奪取したと発表した。

また、ARA News(12月20日付)によると、シリア民主軍がラッカ市郊外のジャアバル村およびジャアバル城一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

AFP, December 20, 2016、AP, December 20, 2016、ARA News, December 20, 2016、Champress, December 20, 2016、al-Hayat, December 21, 2016、Iraqi News, December 20, 2016、Kull-na Shuraka’, December 20, 2016、al-Mada Press, December 20, 2016、Naharnet, December 20, 2016、NNA, December 20, 2016、Reuters, December 20, 2016、SANA, December 20, 2016、UPI, December 20, 2016などをもとに作成。

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ダーイシュはタドムル市でシリア軍兵士2人を拘束(2016年12月20日)

ヒムス県では、アアマーク通信(12月20日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がタドムル市内に潜伏していたシリア軍兵士2人を拘束した。

AFP, December 20, 2016、AP, December 20, 2016、ARA News, December 20, 2016、Champress, December 20, 2016、al-Hayat, December 21, 2016、Iraqi News, December 20, 2016、Kull-na Shuraka’, December 20, 2016、al-Mada Press, December 20, 2016、Naharnet, December 20, 2016、NNA, December 20, 2016、Reuters, December 20, 2016、SANA, December 20, 2016、UPI, December 20, 2016などをもとに作成。

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シリアのジャアファリー国連代表はアレッポ市東部で米国、カタール、サウジアラビアなどの軍諜報機関関係者を拘束したと発表、その氏名を公開(2016年12月20日)

シリアのバッシャール・ジャアファリー国連代表は、国連安保理決議第2328号採択後の記者会見(https://www.youtube.com/watch?v=RJdMKsFbhQI&feature=youtu.be)で、反体制武装集団戦闘員とその家族が退去を続けるアレッポ市東部で米国、イスラエル、カタール、サウジアラビア、ヨルダン、モロッコの軍諜報機関関係者を拘束したと明らかにしたうえで、その氏名を公表した。

ジャアファリー国連代表が公表した外国軍諜報機関関係者の氏名と国籍は以下の通り:

ムタズ・カノール(Mutaz Kanoğlu):トルコ
デヴィッド・スコット・ワイナー(David Scott Winer):米国
デビッド・シュロモ・アラム(David Shlomo Aram):イスラエル
ムハンマド・タミーミー(Muhamad Tamimi):カタール
ムハッマド・アフマド・アサビアン(Muhamad Ahmad Assabian)、アブドゥルムンハム・ファフド・ハリージュ(Abd-el-Menham
Fahd al Harij)、イスラーム・サラーム(Islam Salam Ezzahran Al Hajlan )、アフマド・ビン・ナウファル・ダリージュ(Ahmed
Ben Naoufel Al Darij)、ムハンマド・ハサン・シャビーヒー(Muhamad Hassan Al Sabihi)、ハマド・ファフド・ドゥースリー(Hamad
Fahad Al Dousri)、カースィム・サアド・シャムリー(Qassem Saad Al Shamry)、アイマン・カースィム・サハラビー(Ayman
Qassem Al Thahalbi)、アイマン・カースィム・サハラビー(Ayman Qassem Al Thahalbi):サウジアラビア
アムジャド・カースィム・ティラウイー(Amjad Qassem Al Tiraoui):ヨルダン
ムハンマド・シャフィーヒー・イドリースィー(Mohamed Ech-Chafihi El Idrissi):モロッコ

Youtube, December 20, 2016
Youtube, December 20, 2016

AFP, December 20, 2016、AP, December 20, 2016、ARA News, December 20, 2016、Champress, December 20, 2016、al-Hayat, December 21, 2016、Iraqi News, December 20, 2016、Kull-na Shuraka’, December 20, 2016、al-Mada Press, December 20, 2016、Naharnet, December 20, 2016、NNA, December 20, 2016、Reuters, December 20, 2016、SANA, December 20, 2016、UPI, December 20, 2016などをもとに作成。

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イドリブ県フーア市、カファルヤー町からの負傷者・重篤患者およびその家族の移送作業も順調に進む(2016年12月20日)

イドリブ県では、赤十字国際委員会によると、アル=カーイダ系組織シャーム・ファトフ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなるファトフ軍の包囲を受けるフーア市、カファルヤー町からの負傷者・重篤患者、そしてその家族ら750人の退去が完了した。

トルコの仲介によって成立したロシア、イラン、反体制武装集団の合意では、4,000人をフーア市、カファルヤー町から退去させることになっている。

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一方、SANA(12月20日付)によると、18日に負傷者・重篤患者らを移送するため、イドリブ県フーア市、カファルヤー町に向かっていた旅客バスが反体制武装集団の焼き討ちにあった事件に関して、焼き討ちに遭ったバスのドライバー21人が、シリア赤新月社の仲介によりシリア政府側に引き渡された。

ドライバーの多くは負傷しており、また2人は遺体での帰宅となった。

Kull-na Shuraka', December 20, 2016
Kull-na Shuraka’, December 20, 2016

AFP, December 20, 2016、AP, December 20, 2016、ARA News, December 20, 2016、Champress, December 20, 2016、al-Hayat, December 21, 2016、Iraqi News, December 20, 2016、Kull-na Shuraka’, December 20, 2016、al-Mada Press, December 20, 2016、Naharnet, December 20, 2016、NNA, December 20, 2016、Reuters, December 20, 2016、SANA, December 20, 2016、UPI, December 20, 2016などをもとに作成。

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アレッポ市東部からの反体制武装集団戦闘員とその家族の退去が最終段階に入り、シリア軍は同地に残留する退去希望者に拡声器で退去を呼びかける(2016年12月20日)

アレッポ県では、AFP(12月20日付)によると、反体制武装集団とその家族の退去作業が最終段階に入ったアレッポ市東部で、シリア軍が拡声器で、退去を希望する戦闘員と市民に退去を呼びかけた。

赤十字国際委員会の推計によると、12月15日以降、アレッポ市東部から約2万5,000人が、シリア政府の用意した旅客バスで同地から退去し、アル=カーイダ系組織シャーム・ファトフ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなるファトフ軍の支配地域(アレッポ県西部、イドリブ県)に移送されたという。

また、同委員会がAFP(12月20日付)に明らかにしたところによると、アレッポ市東部には、数千人が退去を希望し、待機しているという。

一方、『ハヤート』(12月22日付)によると、アレッポ市東部からの反体制武装集団戦闘員とその家族の退去作業が悪天候により中止された。

アレッポ市一帯を襲った寒波と降雪で、予定されていた旅客バス60輌の東部への進入が見送られたのが中断の理由。

しかし、SANA(12月20日付)は、反体制武装集団内の対立や旅客バスの受け入れ阻止などで、アレッポ市東部(ザバディーヤ地区、マシュハド地区、サラーフッディーン地区、アンサーリー地区)からの反体制武装集団戦闘員およびその家族の退去作業の最終段階に遅れが生じていると報じた。

20日は、イドリブ県フーア市、カファルヤー町から旅客バス8輌が負傷者・重篤患者らを搬送するとともに、アレッポ市東部から62輌のバスが戦闘員とその家族を移送する予定だったが、フーア市、カファルヤー町からの搬送が妨害を受け、アレッポ市東部の退去プロセスにも遅れが出たという。

また19日に引き続き、アレッポ市東部から反体制武装集団戦闘員とともに旅客バスでアレッポ県西部・イドリブ県方面に移送されようとしていた住民数十人(複数世帯)が、アレッポ市南西部のラームーサ橋(ラームーサ地区)一帯に展開するシリア軍拠点の近くで、バスから脱出し、シリア軍に保護された。

SANA, December 20, 2016
SANA, December 20, 2016

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一方、トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、ツイッターの自身のアカウントで、3万7,500人が退去したと発表、20日中に退去作業が完了するとの見通しを示した。

また、アナトリア通信(12月20日付)によると、トルコ政府は声明で、これまでにアレッポ市東部を退去した負傷者148人(うち子供58人)のハタイ県内に移送され、64人が県内の病院に入院、また13人が治療を終え退院、8人が治療の甲斐もなく死亡したと発表した。

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