YPG主体のシリア民主軍が城壁の一部を破壊し、ラッカ市旧市街に突入(2017年7月3日)

ラッカ県では、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、米国主導の有志連合の航空支援を受けて、ラッカ市内の旧市街への突入作戦を開始したと発表した。

シリア民主軍の「ユーフラテスの怒り」作戦司令室が出した声明によると、シリア民主軍は、旧市街に突入し、ダーイシュ(イスラーム国)との激しい戦闘の末にバナート城を制圧した。

この戦闘で、ダーイシュ戦闘員34人、シリア民主軍戦闘員4人が死亡したという。

シリア人権監視団によると、シリア民主軍は三つの部隊を城壁の東側から進軍させ、米主導の有志連合の航空支援を受け、ラッカ市旧市街内に突入したという。

Kull-na Shuraka’, July 4, 2017

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米中央軍(CENTCOM)も声明で、シリア民主軍が「旧市街を囲むラフィーカ城壁に2カ所を破壊し、小さな突入口を開き、ラッカ市内のもっとも堅固な地区に進軍」したと発表した。

破壊された突破口は幅が25メートルほどで、それ以外の城壁(全長約2,500メートル)は破壊されず、維持されているという。

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一方、シリア民主軍とともに「ユーフラテスの怒り」作戦に参加するシリア・エリート部隊は、戦闘員200人以上をバグダード門からラッカ市旧市街に突入させ、ダーイシュと激しく交戦した。

シリア・エリート部隊のムハンマド・ハーリド・シャーキル報道官が報道声明を通じて明らかにした。

http://esyria.sy

AFP, July 4, 2017、AP, July 4, 2017、ARA News, July 4, 2017、CENTCOM, July 4, 2017、Champress, July 4, 2017、al-Hayat, July 5, 2017、Kull-na Shuraka’, July 4, 2017、al-Mada Press, July 4, 2017、Naharnet, July 4, 2017、NNA, July 4, 2017、Reuters, July 4, 2017、SANA, July 4, 2017、UPI, July 4, 2017などをもとに作成。

 

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トルコ軍の支援を受ける反体制武装集団はマーリア市の自治を担うとしてマーリア革命評議会を発足(2017年7月3日)

ダルアー県では、クッルナー・シュラカー(7月3日付)によると、トルコ軍の支援を受ける反体制武装集団(ハワール・キリス作戦司令室)が、「マーリア革命評議会」を設置することに合意、ムスタファー・ファッルーフ氏(アブー・ワリード・マーリイー)を議長に選出した。

マーリア広報局が明らかにしたところによると、マーリア革命評議会は、革命運動委員会、軍事治安委員会、地方自治委員会、渉外政治委員会、内務関係市民平和委員会、フォローアップ委員会から構成され、マーリア市の唯一正統な代表として自治を行うという。

Kull-na Shuraka’, July 3, 2017

AFP, July 3, 2017、AP, July 3, 2017、ARA News, July 3, 2017、Champress, July 3, 2017、al-Hayat, July 4, 2017、Kull-na Shuraka’, July 3, 2017、al-Mada Press, July 3, 2017、Naharnet, July 3, 2017、NNA, July 3, 2017、Reuters, July 3, 2017、SANA, July 3, 2017、UPI, July 3, 2017などをもとに作成。

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米国はタンフ国境通行所を拠点とする革命特殊任務軍にハサカ県シャッダーディー市方面への転戦を提案(2017年7月3日)

ムサイウィル・ニュース(7月3日付)は、複数の消息筋の話として、米国が、「ハマード浄化のために我らは馬具を備えし」作戦司令室(自由シリア軍砂漠諸派、「土地は我らのものだ」作戦司令室」)を主導する革命特殊任務軍に対して、ヒムス県のタンフ国境通行所一帯からハサカ県シャッダーディー市方面に戦闘員約100人を転戦させるよう提案した、と伝えた。

米国は、米軍などが不法に占拠するタンフ国境通行所の基地を閉鎖せずに、シャッダーディー市方面で革命特殊任務軍のための新たな基地を建設することも合わせて提案したという。

AFP, July 3, 2017、AP, July 3, 2017、ARA News, July 3, 2017、Champress, July 3, 2017、al-Hayat, July 4, 2017、Kull-na Shuraka’, July 3, 2017、al-Mada Press, July 3, 2017、al-Musawwir News, July 3, 2017、Naharnet, July 3, 2017、NNA, July 3, 2017、Reuters, July 3, 2017、SANA, July 3, 2017、UPI, July 3, 2017などをもとに作成。

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シリア軍、ヒズブッラー、イラク人民動員隊は米軍が不法占拠するタンフ国境通行所一帯に対する攻撃を再開(2017年7月3日)

ヒムス県では、ムサイウィル・ニュース(7月3日付)によると、米軍が不法に占拠するタンフ国境通行所北部一帯で、シリア軍第5師団がヒズブッラーの戦闘員、イラクの人民動員隊の支援を受けて攻撃を再開、同地を拠点とする「ハマード浄化のために我らは馬具を備えし」作戦司令室(自由シリア軍砂漠諸派、「土地は我らのものだ」作戦司令室」)と交戦した。

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ダマスカス県・ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアイン・タルマー村一帯、ジャウバル区一帯で反体制武装集団(ラフマーン軍団)と交戦し、同地を空爆・砲撃した。

シリア軍はまた、アルバイン市一帯、ドゥーマー市一帯、ジャルマーナー市一帯を空爆・砲撃した。

クッルナー・シュラカー(7月3日付)によると、東グータ地方のドゥーマー市、アイン・タルマー村をシリア軍が砲撃し、3人が死亡した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がフラーク市、イズラア市、タファス市を砲撃し、反体制武装集団と交戦した。

また、クッルナー・シュラカー(7月3日付)によると、シリア軍武装部隊総司令部による戦闘停止宣言発表の数時間後、シリア軍がダルアー市ダルアー・バラド地区、ヌアイマ村を「樽爆弾」で空爆した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハイヤーン町を砲撃した。

AFP, July 3, 2017、AP, July 3, 2017、ARA News, July 3, 2017、Champress, July 3, 2017、al-Hayat, July 4, 2017、Kull-na Shuraka’, July 3, 2017、al-Mada Press, July 3, 2017、al-Musawwir News, July 3, 2017、Naharnet, July 3, 2017、NNA, July 3, 2017、Reuters, July 3, 2017、SANA, July 3, 2017、UPI, July 3, 2017などをもとに作成。

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シリア軍はヒムス県東部の第3石油輸送ステーション北部の丘陵地帯からカーラト・ミスカ丘に至る一帯を制圧(2017年7月3日)

ヒムス県では、SANA(7月3日付)によると、シリア軍が「同盟者」とともに、タドムル市東方のアーラーク油田、ハイル油田方面の砂漠地帯で、ダーイシュ(イスラーム国)に対する掃討作戦を継続し、第3石油輸送ステーション北部の丘陵地帯からカーラト・ミスカ丘に至る一帯を制圧した。

SANA, July 3, 2017

また、シリア人権監視団によると、シリア軍がアーラーク油田、ハイル山一帯を砲撃し、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(7月3日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市南部のパノラマ交差点、電力会社、電気保全旅団基地、労働者住宅地区、フワイジャト・サクル、ブガイリーヤ村一帯でダーイシュ(イスラーム国)を攻撃した。

一方、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がダイル・ザウル市クスール地区、ジャウラ地区を砲撃し、2人が死亡した。

AFP, July 3, 2017、AP, July 3, 2017、ARA News, July 3, 2017、Champress, July 3, 2017、al-Hayat, July 4, 2017、Kull-na Shuraka’, July 3, 2017、al-Mada Press, July 3, 2017、Naharnet, July 3, 2017、NNA, July 3, 2017、Reuters, July 3, 2017、SANA, July 3, 2017、UPI, July 3, 2017などをもとに作成。

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シリア軍はアスタナ5会議開催に先立ち、アル=カーイダ系組織や米軍の支援を受ける武装集団との戦闘が続くダルアー県、クナイトラ県、スワイダー県で3日間の戦闘停止を宣言(2017年7月3日)

シリア軍武装部隊総司令部は声明を出し、7月2日正午12時から6日午前0時までの3日半、ダルアー県、クナイトラ県、スワイダー県での戦闘を停止すると発表した。

戦闘停止は、同地での「和平プロセスと国民和解の支援」が目的で、違反が発生した場合は相応の報復を実施するとしている。

SANA(7月3日付)が伝えた。

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なお、7月4~5日には、カザフスタンでシリア政府と反体制武装集団による停戦協議「アスタナ5会議」が開催される予定。

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ダルアー県では、アル=カーイダ系組織のシャーム解放機構が主導する「堅固な建造物」作戦司令室や南部戦線所属と目される武装集団が、クナイトラ県では、イスラエルの実質的航空支援を受けるシャーム解放機構と「自由シリア軍」諸派からなるムハンマド軍が、シリア軍、親政権武装勢力と交戦を続けてきた。

またスワイダー県では、米軍の支援を受ける「ハマード浄化のために我らは馬具を備えし」(自由シリア軍諸派、「土地は我らのものだ」作戦司令室」)がシリア軍、親政権武装勢力と交戦を続けてきた。

AFP, July 3, 2017、AP, July 3, 2017、ARA News, July 3, 2017、Champress, July 3, 2017、al-Hayat, July 4, 2017、Kull-na Shuraka’, July 3, 2017、al-Mada Press, July 3, 2017、Naharnet, July 3, 2017、NNA, July 3, 2017、Reuters, July 3, 2017、SANA, July 3, 2017、UPI, July 3, 2017などをもとに作成。

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米主導の有志連合はハサカ県やラッカ市に対する爆撃で民間人20人を殺害(2017年7月3日)

ハサカ県では、SANA(7月3日付)によると、米主導の有志連合がダーイシュ(イスラーム国)を標的とするとしてキシュキシュ村を空爆し、民間人9人を殺害した。

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シリア人権監視団によると、ラッカ市に対する有志連合の空爆で女性1人と子供3人を含む11人が死亡した。

AFP, July 3, 2017、AP, July 3, 2017、ARA News, July 3, 2017、Champress, July 3, 2017、al-Hayat, July 4, 2017、Kull-na Shuraka’, July 3, 2017、al-Mada Press, July 3, 2017、Naharnet, July 3, 2017、NNA, July 3, 2017、Reuters, July 3, 2017、SANA, July 3, 2017、UPI, July 3, 2017などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はラッカ市北東部と西部の2街区に突入(2017年7月3日)

ラッカ県では、ARA News(7月3日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がラッカ市南東部のラトラ村をダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末に制圧した。

シリア民主軍はまた、ラッカ市内北東部のヒシャーム・ブン・アブドゥルマリク地区、西部のヤルムーク地区に突入し、ダーイシュと交戦した。

AFP, July 3, 2017、AP, July 3, 2017、ARA News, July 3, 2017、Champress, July 3, 2017、al-Hayat, July 4, 2017、Kull-na Shuraka’, July 3, 2017、al-Mada Press, July 3, 2017、Naharnet, July 3, 2017、NNA, July 3, 2017、Reuters, July 3, 2017、SANA, July 3, 2017、UPI, July 3, 2017などをもとに作成。

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「ユーフラテスの盾」作戦に参加した唯一のクルド人武装集団がトルコ軍主導のアフリーン市攻撃への参加を拒否(2017年7月3日)

トルコ軍が主導した「ユーフラテスの盾」作戦に参加した反体制武装集団の一つサラーフッディーン末裔旅団のマフムード・ハッルー司令官は声明を出し、アレッポ県南西部にある西クルディスタン移行期民政局の拠点都市アフリーン市に対するトルコ軍主導のいかなる軍事作戦にも参加しないと表明した。

サラーフッディーン末裔旅団は「ユーフラテスの盾」作戦に参加した唯一のクルド人組織。

Kull-na Shuraka’, July 3, 2017

AFP, July 3, 2017、AP, July 3, 2017、ARA News, July 3, 2017、Champress, July 3, 2017、al-Hayat, July 4, 2017、Kull-na Shuraka’, July 3, 2017、al-Mada Press, July 3, 2017、Naharnet, July 3, 2017、NNA, July 3, 2017、Reuters, July 3, 2017、SANA, July 3, 2017、UPI, July 3, 2017などをもとに作成。

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トルコ軍の支援を受けた反体制武装集団がロジャヴァの拠点都市アフリーン市(アレッポ県)一帯を砲撃(2017年7月3日)

アレッポ県では、ARA News(7月3日付)によると、トルコ軍の支援を受けた反体制武装集団(ハワール・キリス作戦司令室)が2日深夜から3日未明にかけて、アフリーン市郊外のバースーファーン村、ブルジュ・ハイド村にある西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊主導のシリア民主軍拠点に対して激しい砲撃を加えた。

シリア民主軍もこの砲撃に応戦した。

AFP, July 3, 2017、AP, July 3, 2017、ARA News, July 3, 2017、Champress, July 3, 2017、al-Hayat, July 4, 2017、Kull-na Shuraka’, July 3, 2017、al-Mada Press, July 3, 2017、Naharnet, July 3, 2017、NNA, July 3, 2017、Reuters, July 3, 2017、SANA, July 3, 2017、UPI, July 3, 2017などをもとに作成。

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シリアのミクダード外務副大臣は「米国はシリアでテロを創出している」と非難(2017年7月3日)

ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣は首都ダマスカスで記者会見を開き、そのなかで「米国はシリアでテロを創出している」と批判した。

また、4月4日にイドリブ県ハーン・シャイフーン市で発生した化学兵器使用疑惑事件をめぐって、化学兵器禁止機関(OPCW)がサリンが使用されたと判断したことに関して、ミクダード副大臣は、「シリアは国連に調査を行うよう呼びかけるとともに、米国によるシャイーラート航空基地への攻撃についても調査を求めてきた…。しかし、米国とその同盟諸国は、ハーン・シャイフーン市、シャイーラート航空基地での事件についての調査を求めるロシアの決議案を拒否した」と非難した。

OPCWの調査がトルコでのサンプル検査や証言に基づいていることについて、ミクダード副大臣は「OPCWの検査は、シリアに敵対するトルコで行われただけだ。トルコに証言者を送り込んだのは武装集団だ。この手の調査がクリーンだとどうして言えるのか…。これらの証言者、そしてホワイト・ヘルメットなどの組織が提示したサンプルを認めることはできないはずだ」と非難した。

そのうえで、ミクダード副大臣は、「シリアの敵は、テロ組織との関係を正当化するため、もはや化学兵器の問題を利用するほか手がなくなっている。しかし、これはシリアの名声を損ねようとする陳腐なプロパガンダに過ぎない」と非難した。

SANA(7月3日付)などが伝えた。

AFP, July 3, 2017、AP, July 3, 2017、ARA News, July 3, 2017、Champress, July 3, 2017、al-Hayat, July 4, 2017、Kull-na Shuraka’, July 3, 2017、al-Mada Press, July 3, 2017、Naharnet, July 3, 2017、NNA, July 3, 2017、Reuters, July 3, 2017、SANA, July 3, 2017、UPI, July 3, 2017などをもとに作成。

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アスタナ5会議にヨルダンの代表が参加(2017年7月3日)

カザフスタンのカイラット・アブドラフマノフ外務大臣は、4~5日に開催予定のシリア政府と反体制武装集団の停戦協議「アスタナ5会議」に関して、ヨルダンの代表団が参加することを明らかにした。

なおアブドラフマノフ外務大臣が6月29日に発表したところによると、アスタナ5会議では、①テロとの戦い、②「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」にかかる調整、③国民和解委員会設置、④人道支援、インフラ復興、の4点が主要な議題として審議されるという。

『ハヤート』(7月4日付)などが伝えた。

AFP, July 3, 2017、AP, July 3, 2017、ARA News, July 3, 2017、Champress, July 3, 2017、al-Hayat, July 4, 2017、Kull-na Shuraka’, July 3, 2017、al-Mada Press, July 3, 2017、Naharnet, July 3, 2017、NNA, July 3, 2017、Reuters, July 3, 2017、SANA, July 3, 2017、UPI, July 3, 2017などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは11件の停戦違反を、トルコ側は10件の違反を確認(2017年7月3日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(7月3日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を11件(ハマー県3件、ラタキア県2件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県6件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも10件(ハマー県1件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県3件、スワイダー県3件、ダルアー県3件)の停戦違反を確認したという。

ほとんどの停戦違反は、ダーイシュ(イスラーム国)、シャーム解放機構の支配地域として登録されている地域で発生したという。

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一方、過去24時間に7ヵ村の代表がシリア政府との停戦合意に署名した。

これにより、シリア政府との停戦に応じた自治体は1,871市町村、武装組織の数は228組織に達したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 3, 2017をもとに作成。

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