ラッカ市内に対する米主導の有志連合の爆撃とYPG主体のシリア民主軍の砲撃で民間人35人死亡(2017年7月9日)

ラッカ県では、ARA News(7月9日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がラッカ市内の旧市街各所、ダルイーヤ地区、ヒシャーム・ブン・アブドゥルマリク地区、ラウダ地区、ヒッティーン地区、ルマイラ地区、パノラマ地区などでダーイシュ(イスラーム国)と交戦を続けた。

『ハヤート』(7月10日付)などによると、米軍主導の有志連合はラッカ市各所を爆撃する一方、シリア民主軍も各所を砲撃、この攻撃で民間人35人が死亡した。

ARA News, July 9, 2017

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シリア民主軍のタラール・スィッルー公式報道官は、アフマド・ウアイヤーン・ジャルバー氏が率いるシリア・エリート部隊(シリア・ガド潮流の民兵)がラッカ市での戦闘から撤退したとの一部情報を否定した。

AFP, July 9, 2017、AP, July 9, 2017、ARA News, July 9, 2017、Champress, July 9, 2017、al-Hayat, July 10, 2017、Kull-na Shuraka’, July 9, 2017、al-Mada Press, July 9, 2017、Naharnet, July 9, 2017、NNA, July 9, 2017、Reuters, July 9, 2017、SANA, July 9, 2017、UPI, July 9, 2017などをもとに作成。

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南部戦線幹部「米国・ロシア・ヨルダンによる停戦合意の内容を正式に告知されていない」(2017年7月9日)

ダルアー県で活動する南部戦線を主導する革命軍のアブー・バクル・ハサン報道官は声明で、9日に発効した米国・ロシア・ヨルダン(・イスラエル)によるシリア南西部での停戦に関して、停戦合意の内容を正式には告知されていないと不満を表明した。

クッルナー・シュラカー(7月9日付)が伝えた。

Kull-na Shuraka’, July 9, 2017

AFP, July 9, 2017、AP, July 9, 2017、ARA News, July 9, 2017、Champress, July 9, 2017、al-Hayat, July 10, 2017、Kull-na Shuraka’, July 9, 2017、al-Mada Press, July 9, 2017、Naharnet, July 9, 2017、NNA, July 9, 2017、Reuters, July 9, 2017、SANA, July 9, 2017、UPI, July 9, 2017などをもとに作成。

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米・ロシア・ヨルダンによる戦闘停止と緊張緩和地帯設置にかかる停戦合意が発効、シリア南西部での戦闘止む(2017年7月9日)

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領と米国のドナルド・トランプ大統領が7日のハンブルグ(ドイツ)での首脳会談で交わしたシリア南西部(ダルアー県、クナイトラ県、スワイダー県)での戦闘停止と緊張緩和地帯設置にかかる停戦合意が9日現地時間午前9時に発効した。

ARA News(7月9日付)が複数の反体制筋の話したところによると、停戦発効後、空爆、戦闘は行われていないという。

また、『ハヤート』(7月10日付)は、ロシア軍消息筋の話として、ロシアは、シリア南西部の緊張緩和地帯の画定、停戦監視の仕組みなどについて米国、ヨルダンと詳細にわたる協議を継続していると伝えた。

なお、『ハヤート』(7月10日付)などによると、米国、ロシア、ヨルダンが交わした停戦合意は、①イランが支援する武装勢力の対ヨルダン国境、ゴラン高原から40キロ以上撤退すること、②シリア軍のダルアー市サジュナ地区などから段階的に撤退すること、③ダルアー市一帯に全長5キロからなる兵力引き離し地域を設置すること、④「自由シリア軍」が管理する国境通行所を対ヨルダン国境に設置すること、④9月を目処にシリア国外に逃れている難民の帰国を開始すること、などを骨子とするという。

AFP, July 9, 2017、AP, July 9, 2017、ARA News, July 9, 2017、Champress, July 9, 2017、al-Hayat, July 10, 2017、Kull-na Shuraka’, July 9, 2017、al-Mada Press, July 9, 2017、Naharnet, July 9, 2017、NNA, July 9, 2017、Reuters, July 9, 2017、SANA, July 9, 2017、UPI, July 9, 2017などをもとに作成。

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ハサカ県でアサーイシュはシーア派への改宗のために布教活動を行っていた親政権シャイフを身柄拘束(2017年7月9日)

ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(7月9日付)が複数の地元消息筋の話として、同県でシーア派への改宗のため布教活動を行っていたシャイフ、ファーイズ・ナーミス氏が数日前、西クルディスタン移行期民政局のアサーイシュに身柄を拘束されたと伝えた。

ナーミス氏はハサカ県での国防隊を創設した政権支持者の1人で、イラクのムクタダー・サドル氏との親交がある。

Kull-na Shuraka’, July 9, 2017


AFP, July 9, 2017、AP, July 9, 2017、ARA News, July 9, 2017、Champress, July 9, 2017、al-Hayat, July 10, 2017、Kull-na Shuraka’, July 9, 2017、al-Mada Press, July 9, 2017、Naharnet, July 9, 2017、NNA, July 9, 2017、Reuters, July 9, 2017、SANA, July 9, 2017、UPI, July 9, 2017などをもとに作成。

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アル=カーイダ系のシャーム解放機構はイドリブ県でダーイシュ幹部を含むメンバー100人以上を摘発(2017年7月9日)

イドリブ県では、イバー通信(7月9日付)によると、アル=カーイダ系組織のシャーム解放機構が、県内でダーイシュ(イスラーム国)を細胞摘発するための大規模治安作戦を開始、住民に対して作戦が完了するまえで、外出を控えるよう呼びかけた。

シャーム解放機構はこの作戦により、ダーナー市などでダーイシュのメンバー100人以上を摘発した。

そのなかには、シリア北部のワーリー(統治者)と目されるアブー・カアカーア・ジャヌービー氏、法務官のアブー・サウダー・ミスリー氏、イドリブ県の細胞組織の統括者アブー・イブラーヒーム・イラーキー氏が含まれているという。

Kull-na Shuraka’, July 9, 2017

AFP, July 9, 2017、AP, July 9, 2017、ARA News, July 9, 2017、Champress, July 9, 2017、al-Hayat, July 10, 2017、Kull-na Shuraka’, July 9, 2017、al-Mada Press, July 9, 2017、Naharnet, July 9, 2017、NNA, July 9, 2017、Reuters, July 9, 2017、SANA, July 9, 2017、UPI, July 9, 2017、Wikalat al-Iba’ al-Ikhbariya, July 9, 2017などをもとに作成。

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シリア軍はヒムス県東部のカリーラート山の丘陵地帯および複数拠点をダーイシュより奪還(2017年7月9日)

ヒムス県では、SANA(7月9日付)によると、シリア軍が予備部隊とともにジバーブ・ハマド村北東部でダーイシュ(イスラーム国)に対する掃討作戦を継続し、ハイル油田北西部に位置するカリーラート山の丘陵地帯および複数拠点を制圧した。

シリア軍はまた、マスカル・ヒサーン村一帯でダーイシュと交戦した。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍、親政権武装集団が、シューマリーヤ山地一帯でダーイシュ(イスラーム国)との戦闘を続けるとともに、スフナ市一帯、アーラーク油田一帯、ハイル油田一帯を空爆した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(7月9日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル航空基地一帯、ダイル・ザウル市墓地地区、パノラマ交差点一帯、ハウィーカ通行所一帯、ブガイリーヤ村、下サフィーラ村、フサイニーヤ町、ブーライル村、ムーハサン市のダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆した。

AFP, July 9, 2017、AP, July 9, 2017、ARA News, July 9, 2017、Champress, July 9, 2017、al-Hayat, July 10, 2017、Kull-na Shuraka’, July 9, 2017、al-Mada Press, July 9, 2017、Naharnet, July 9, 2017、NNA, July 9, 2017、Reuters, July 9, 2017、SANA, July 9, 2017、UPI, July 9, 2017などをもとに作成。

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ダマスカス郊外県東グータ地方でシリア軍とラフマーン軍団が戦闘を続ける(2017年7月9日)

ダマスカス県・ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区一帯、アイン・タルマー村一帯で、シリア軍、親政権武装勢力が、ラフマーン軍団などからなる反体制武装集団と交戦、同地を空爆・砲撃した。

この戦闘でシリア軍は、アイン・タルマー村近郊の大理石工場一帯を制圧した。

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ラタキア県では、SANA(7月9日付)によると、カンジャラ村を反体制武装集団が砲撃し、2人が負傷した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機がヒルブナフサ村、ザーラ村一帯を空爆、ザーラ火力発電所一帯、ジャドリーン村一帯、タッラフ村一帯でジハード主義武装集団と交戦した。

また、クッルナー・シュラカー(7月9日付)によると、シャーム自由人イスラーム運動がヒルブナフサ村でシリア軍を要撃し、兵士6人を殺害した。

一方、SANA(7月9日付)によると、シリア軍が、ザーラ火力発電所に侵攻したシャーム解放機構と交戦し、これを撃退した。

AFP, July 9, 2017、AP, July 9, 2017、ARA News, July 9, 2017、Champress, July 9, 2017、al-Hayat, July 10, 2017、Kull-na Shuraka’, July 9, 2017、al-Mada Press, July 9, 2017、Naharnet, July 9, 2017、NNA, July 9, 2017、Reuters, July 9, 2017、SANA, July 9, 2017、UPI, July 9, 2017などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは2件の停戦違反を、トルコ側は7件の違反を確認(2017年7月9日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(7月9日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を2件(ラタキア県2件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも7件(ラタキア県2件、ハマー県2件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県2件、ダルアー県1件)の停戦違反を確認したという。

ほとんどの停戦違反は、ダーイシュ(イスラーム国)、シャーム解放機構の支配地域として登録されている地域で発生したという。
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一方、過去24時間にクナイトラ県の1カ村の代表がシリア政府との停戦合意に署名した。

これにより、シリア政府との停戦に応じた自治体は2,001市町村、武装組織の数は228組織に達したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 9, 2017をもとに作成。

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