ロシア軍は兵力引き離し部隊としてダルアー市内に展開(2017年7月27日)

ダルアー県では、クッルナー・シュラカー(7月28日付)によると、米国・ロシアによるシリア南西部での緊張緩和地帯設置にかかる合意を受け、ロシア軍部隊が、シリア軍(第4師団)に代わって、シャーム解放機構が主導する「堅固な建造物」作戦司令室が支配するダルアー市ダルアー・バラド地区(マンシヤ地区)とシリア政府支配下のダルアー市内北部一帯を隔てるサハーリー地区などに、兵力引き離し部隊として展開した。

なおロシア軍は、ダルアー県のカニーヤ村、ダイル・ブフト村、サナマイン市、スワイダー県ムジャイミル村、バルド村一帯にも展開し、検問所を設置している。

AFP, July 28, 2017、AP, July 28, 2017、ARA News, July 28, 2017、Champress, July 28, 2017、al-Hayat, July 29, 2017、Kull-na Shuraka’, July 28, 2017、al-Mada Press, July 28, 2017、Naharnet, July 28, 2017、NNA, July 28, 2017、Reuters, July 28, 2017、SANA, July 28, 2017、UPI, July 28, 2017などをもとに作成。

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アル=カーイダ系のシャーム解放機構はシリア北部での武装組織の新設を禁止(2017年7月27日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構は声明を出し、シリア北部(イドリブ県、アレッポ県西部)で活動する反体制武装集団の司令官らに対し、新組織を結成することを禁じる決定を下した、と発表した。

Kull-na Shuraka’, July 28, 2017

AFP, July 28, 2017、AP, July 28, 2017、ARA News, July 28, 2017、Champress, July 28, 2017、al-Hayat, July 29, 2017、Kull-na Shuraka’, July 28, 2017、al-Mada Press, July 28, 2017、Naharnet, July 28, 2017、NNA, July 28, 2017、Reuters, July 28, 2017、SANA, July 28, 2017、UPI, July 28, 2017などをもとに作成。

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ロシア・シリア両軍はシャーム解放機構に対し24時間以内に東グータ地方(ダマスカス郊外県)から退去するよう最期通告(2017年7月27日)

22日に、ロシア国防省がシリア政府と反体制派の合意に基づいて緊張緩和地帯への追加を発表したダマスカス郊外県東グータ地方の戦況、とりわけダマスカス郊外県アイン・タルマー村一帯およびダマスカス県ジャウバル地区でのシリア軍と、シャーム解放機構と共闘するラフマーン軍団との戦況に関して、ロシア軍消息筋は『ハヤート』(7月28日付)に対して「ヌスラ戦線(シャーム解放機構の旧称)には猶予期間が終わるまでに二つの選択肢が与えられている。イドリブ県に退去するか、ロシア軍航空部隊の支援を受けるシリア軍による大規模軍事行動に対峙するかだ」と述べた。

複数の反体制派筋によると、ロシア・シリア両軍は、シャーム解放機構に対して24時間以内に東グータ地方から退去するよう最期通告を行ったという。

AFP, July 27, 2017、AP, July 27, 2017、ARA News, July 27, 2017、Champress, July 27, 2017、al-Hayat, July 28, 2017、Kull-na Shuraka’, July 27, 2017、al-Mada Press, July 27, 2017、Naharnet, July 27, 2017、NNA, July 27, 2017、Reuters, July 27, 2017、SANA, July 27, 2017、UPI, July 27, 2017などをもとに作成。

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南部戦線はゴラン高原の処遇をめぐりイスラエル高官と会談したとの情報を否定(2017年7月27日)

南部戦線(自由シリア軍)の報道官を務めるイサーム・ライイス氏はユーチューブを通じてビデオ声明(https://youtu.be/V_Pagc2i7TY)を出し、南部戦線幹部がイスラエルを訪問し、イスラエル高官とゴラン高原の処遇について協議を行ったとの一部報道を否定し、「敵国イスラエルに対する自由シリア軍の姿勢は明白だ」としつつ、「イスラエルとの関係はバッシャール・アサドの政府ではなく、未来のシリアの政府が決する」と強調した。

AFP, July 27, 2017、AP, July 27, 2017、ARA News, July 27, 2017、Champress, July 27, 2017、al-Hayat, July 28, 2017、Kull-na Shuraka’, July 27, 2017、al-Mada Press, July 27, 2017、Naharnet, July 27, 2017、NNA, July 27, 2017、Reuters, July 27, 2017、SANA, July 27, 2017、UPI, July 27, 2017などをもとに作成。

ダーイシュ内の「過激派?!」がバグダーディー指導者らに背教宣告を行い、組織分裂の危機(2017年7月27日)

『クドス・アラビー』(7月27日付)は、ダイル・ザウル県内でダーイシュ(イスラーム国)のメンバーどうしの戦闘が相次ぎ、組織の統一を脅かしていると伝えた。

この戦闘は、ダーイシュ内の「過激派」は、死亡がとりざたされているアブー・バクル・バグダーディー指導者や組織の幹部に対して背教宣告を行っているという。

彼らのなかには「ハーズィミーヤ」もいるという。

「ハーズィミーヤ」とは、サウジアラビア人のシャリーア学徒ウマル・ハーズィミー氏(現在サウジアラビアで拘束中)の名前にちなんだもので、バグダーディー指導者のほか、ダーイシュの前身であるイラク・イスラーム国の指導者アブー・ムスアブ・ザルカーウィー氏、さらにはアル=カーイダ総司令部の前指導者ウサーマ・ビン・ラーディン氏に対しても背教宣告を行ってきたグループ。

こうした勢力が最近になって、シャリーアに基づく裁定を行っているとされる「最高委任委員会」を経由してダーイシュに根を下ろし、そのことがバグダーディー指導者ら幹部への背教宣告につながり、内部対立を激化させていると見られる。

ダーイシュ幹部に近い複数の消息筋によると、事態を受け、バグダーディー指導者は、「最高委任委員会」のメンバー2人(アブー・ザイド・イラーキー氏およびアルジェリア人)を罷免、またダーイシュの治安組織内部でも「ハーズィミーヤ」に共鳴する勢力(その多くがチュニジア人とウズベク人)を粛清したという。

AFP, July 27, 2017、AP, July 27, 2017、ARA News, July 27, 2017、Champress, July 27, 2017、al-Hayat, July 28, 2017、Kull-na Shuraka’, July 27, 2017、al-Mada Press, July 27, 2017、Naharnet, July 27, 2017、NNA, July 27, 2017、al-Quds al-‘Arabi, July 27, 2017、Reuters, July 27, 2017、SANA, July 27, 2017、UPI, July 27, 2017などをもとに作成。

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米国の支援を受ける殉教者アフマド・アブドゥー軍団などがダマスカス郊外県東部砂漠地帯にある親政権民兵の拠点をロケット弾で攻撃(2017年7月27日)

ダマスカス郊外県では、米国の支援を受ける殉教者アフマド・アブドゥー軍団などからなる反体制武装集団(「ハマード浄化のために我らは馬具を備えし」作戦司令室、自由シリア軍諸派、「土地は我らのものだ」作戦司令室)が、県東部の砂漠地帯に位置するウンム・ルマム地区で、イランの支援を受ける民兵の拠点にロケット弾140発を発射し破壊、戦闘員多数を殺傷し、戦車、砲台などを破壊した。

殉教者アフマド・アブドゥー軍団広報局メンバーのサイード・サイフ氏がクッルナー・シュラカー(7月27日付)に対して明らかにした。

AFP, July 27, 2017、AP, July 27, 2017、ARA News, July 27, 2017、Champress, July 27, 2017、al-Hayat, July 28, 2017、Kull-na Shuraka’, July 27, 2017、al-Mada Press, July 27, 2017、Naharnet, July 27, 2017、NNA, July 27, 2017、Reuters, July 27, 2017、SANA, July 27, 2017、UPI, July 27, 2017などをもとに作成。

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アナトリア通信:アサド政権とPYDはハサカ県の油田の収益を分け合っている(2017年7月27日)

トルコ国営のアナトリア通信(7月27日付)は、シリア政府(アサド政権)と西クルディスタン移行期民政局を主導する民主統一党(PYD)が、ハサカ県の石油生産にかかる収益を分け合っていると伝えた。

同通信が複数の地元筋の話として伝えたところによると、シリア政府とPYDは、ハサカ県内の油田9カ所を共同で監督、うち現在稼動中の油田3カ所(ルマイラーン油田、スワイディーヤ油田、カッラ・ジューク油田)では、1日3万~3万5,000バレルの石油が採掘されているという。

また、シリア政府は最近になって、PYDにルマイラーン油田の石油生産局を移譲、その収益を分割する合意を交わしたという。

この合意では、収益の65%をシリア政府が、20%をPYDが、15%を油田の警護にあたるアラブ人部族部隊が取得することが定められているという。

シリア政府は取得した65%の収益から油田の労働者への給与を支払う一方、PYDは油田内に事務局を設け、油田労働者から生産にかかる報告書の作成などを支持するという。

採掘された石油は、ヒムス県内の精製所に運搬され、この業務にはアサド家に近いビジネスマンのフサーム・カーティルジー氏が担当するという。

このほか、シリア政府はヒムス県の石油精製所とカフターニーヤ油田、バドラーン油田、ザルバー油田、バーバースィー油田、ウルヤーン油田を結ぶパイプラインの補修作業を行う。

AFP, July 27, 2017、Anadolu Ajansı, July 27, 2017、AP, July 27, 2017、ARA News, July 27, 2017、Champress, July 27, 2017、al-Hayat, July 28, 2017、Kull-na Shuraka’, July 27, 2017、al-Mada Press, July 27, 2017、Naharnet, July 27, 2017、NNA, July 27, 2017、Reuters, July 27, 2017、SANA, July 27, 2017、UPI, July 27, 2017などをもとに作成。

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東グータ地方(ダマスカス郊外県)でシリア軍が、ラフマーン軍団、イスラーム軍とそれぞれ交戦(2017年7月27日)

ダマスカス県・ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍はジャウバル地区および東グータ地方アイン・タルマー村一帯でラフマーン軍団が交戦し、ジャウバル区一帯を地対地ミサイルと思われる砲弾で攻撃し、少なくとも1人が死亡した。

クッルナー・シュラカー(7月27日付)によると、ジャウバル区に突入しようとしたシリア軍第4師団がラフマーン軍団と交戦、シリア軍兵士5人が死亡した。

シリア人権監視団によると、シリア軍はまた、シリア軍が東グータ地方のウーターヤー村、ズライキーヤ村などイスラーム軍の拠点に対して空爆・砲撃を行ったほか、ザマルカー町とアイン・タルマー村を結ぶ街道、ザマルカー町に対しても空爆を行い、7人が負傷した。

一方、シリア政府支配下のダーヒヤト・アサド町、ハッザ町にも複数の迫撃砲弾が着弾した。

AFP, July 27, 2017、AP, July 27, 2017、ARA News, July 27, 2017、Champress, July 27, 2017、al-Hayat, July 28, 2017、Kull-na Shuraka’, July 27, 2017、al-Mada Press, July 27, 2017、Naharnet, July 27, 2017、NNA, July 27, 2017、Reuters, July 27, 2017、SANA, July 27, 2017、UPI, July 27, 2017などをもとに作成。

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米主導の有志連合とYPG主体のシリア民主軍によるラッカ市攻撃で民間人36人死亡(2017年7月27日)

ラッカ県では、「ラッカは沈黙によって惨殺される」(7月27日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)支配下のラッカ市各所を米国主導の有志連合が空爆を、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が砲撃を実施し、民間人36人が死亡、50人以上が負傷した。

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ラッカ県では、クッルナー・シュラカー(7月28日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がラッカ市東部のカラーマ村にあるカラーマ・キャンプに駐留する西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に奇襲攻撃を行った。

ダーイシュ・ラッカ州広報局によると、この奇襲攻撃でシリア民主軍53人を殲滅したという。

AFP, July 27, 2017、AP, July 27, 2017、ARA News, July 27, 2017、Champress, July 27, 2017、al-Hayat, July 28, 2017、Kull-na Shuraka’, July 27, 2017、July 28, 2017、al-Mada Press, July 27, 2017、Naharnet, July 27, 2017、NNA, July 27, 2017、Raqqa-sl, July 27, 2017、Reuters, July 27, 2017、SANA, July 27, 2017、UPI, July 27, 2017などをもとに作成。

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シリア軍はヒムス県東部の要衝スフナ市数キロの地点に到達(2017年7月27日)

ヒムス県では、ARA News(7月27日付)などがシリア軍の複数の消息筋の話として伝えたところによると、シリア軍は県東部の砂漠地帯でダーイシュ(イスラーム国)に対する掃討作戦を継続し、タドムル市とダイル・ザウル市およびラッカ市を結ぶ交通の要衝スフナ市数キロの地点まで到達した。

また、シリア人権監視団によると、ロシア軍航空部隊と親政権武装勢力の支援を受けたシリア軍がスフナ市から5キロの地点にまで到達したという。

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ハマー県では、SANA(7月27日付)によると、シリア軍がイスリヤー村とラッカ県ラサーファ市を結ぶ街道に位置するザキーヤ交差点近く(イスリヤー村東部)に潜入しようとしたダーイシュ(イスラーム国)と交戦、これを撃退した。

シリア軍はまた、サラミーヤ市東部のジュッブ・マザーリア村西部でダーイシュの車輌2台を攻撃、これを破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(7月27日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル航空基地一帯、ダイル・ザウル市パノラマ交差点一帯、ブガイリーヤ村一帯、第137連隊基地一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

AFP, July 27, 2017、AP, July 27, 2017、ARA News, July 27, 2017、Champress, July 27, 2017、al-Hayat, July 28, 2017、Kull-na Shuraka’, July 27, 2017、al-Mada Press, July 27, 2017、Naharnet, July 27, 2017、NNA, July 27, 2017、Reuters, July 27, 2017、SANA, July 27, 2017、UPI, July 27, 2017などをもとに作成。

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ヒズブッラーとシャーム解放機構は、戦闘停止とシャーム解放機構メンバーの退去を骨子とする停戦に合意(2017年7月27日)

『ハヤート』(7月28日付)によると、レバノンのベカーア県バアルベック郡アルサール村郊外無人地帯で戦闘を続けてきたヒズブッラーの武装部隊とアル=カーイダ系組織シャーム解放機構が、27日6時00分付で戦闘を停止することに合意した。

停戦合意はレバノンのアッバース・イブラーヒーム総合治安局の仲介によって交わされ、戦闘停止のほか、シャーム解放機構メンバーとその家族のイドリブ県への退去などが決定されたという。

AFP, July 27, 2017、AP, July 27, 2017、ARA News, July 27, 2017、Champress, July 27, 2017、al-Hayat, July 28, 2017、Kull-na Shuraka’, July 27, 2017、al-Mada Press, July 27, 2017、Naharnet, July 27, 2017、NNA, July 27, 2017、Reuters, July 27, 2017、SANA, July 27, 2017、UPI, July 27, 2017などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは1件の停戦違反を確認(2017年7月27日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(7月26日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を1件(アレッポ県)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームはデータを発表しなかった。

停戦違反は、ダーイシュ(イスラーム国)、シャーム解放機構の支配地域として登録されている地域で発生したという。

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一方、過去24時間に27ヵ村の代表がシリア政府との停戦合意に署名した。

これにより、シリア政府との停戦に応じた自治体は2,073市町村、武装組織の数は228組織に達したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 27, 2017をもとに作成。

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米主導の有志連合は7月26日、ラッカ市近郊などで18回の爆撃を実施(2017年7月27日)

米中央軍(CENTCOM)は、7月26日のシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

それによると、有志連合は両国領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して22回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は18回で、ブーカマール市近郊(2回)、シャッダーディー市近郊(1回)、ダイル・ザウル市近郊(3回)、ラッカ市近郊(12回)で実施された。

CENTCOMはまた、イラク、シリア両国での有志連合の空爆によって幹部7人を殺害したと発表した。

殺害が確認されたのは、アブー・スライマーン・イラーキー(喧伝責任者、7月初めのモスル市近郊に対する空爆で殺害)、バッサーム・ジャイフース(資金管理責任者、7月18日のマヤーディーン市近郊に対する空爆で殺害)、ライヤン・ミシュアル(メディア責任者、5月25~27日のマヤーディーン市近郊に対する空爆で殺害)、アブー・ハッターブ・ラーウィー(メディア司令官(アミール)、5月17日のバアジュ村に対する空爆で殺害)、アブー・サイフ・イーサーウィー(メディア司令官(アミール)、4月27日のカーイム市に対する空爆で殺害)、アブー・アリー・ジャヌービー(メディア司令官(アミール)、4月16日のマヤーディーン市に対する空爆で殺害)、イブラーヒーム・アンサーリー(喧伝責任者、3月25日のカーイム市に対する空爆で殺害)。

CENTCOM, July 27, 2017をもとに作成。

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