シリア人権監視団「ダーイシュのバグダーディーが死亡したとの確かな情報を得た」(2017年7月11日)

英国で活動するシリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表は、ロイター通信(7月11日付)の取材に対し、ダーイシュ(イスラーム国)の指導者アブー・バクル・バグダーディー氏が死亡したとの確かな情報を得たことを明らかにした。

アブドゥッラフマーン代表によると、「シリア東部のダイル・ザウル県郊外にいる…幹部司令官の一人から(バグダーディー氏死亡の)得た確かな情報を得た…。複数の消息筋が…バグダーディー氏が死亡したことを知らせてきたが、どこで死亡したかは定かでない」という。

AFP, July 11, 2017、AP, July 11, 2017、ARA News, July 11, 2017、Champress, July 11, 2017、al-Hayat, July 12, 2017、Kull-na Shuraka’, July 11, 2017、al-Mada Press, July 11, 2017、Naharnet, July 11, 2017、NNA, July 11, 2017、Reuters, July 11, 2017、SANA, July 11, 2017、UPI, July 11, 2017などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍は「ウサーマ・ビン・ラーディン教練キャンプ」を擁するウカイラシー村(ラッカ県)を制圧(2017年7月11日)

ラッカ県では、『ハヤート』(7月12日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がダーイシュ(イスラーム国)との先頭の末、ラッカ市南部約15キロの距離に位置するウカイラシー村を制圧した。

ウカイラシー村には、通称「ウサーマ・ビン・ラーディン教練キャンプ」と拘置所が建設され、戦闘員の教練や逮捕者の処刑が行われてきた。

また、ARA News(7月11日付)によると、シリア民主軍はラッカ市内のヒシャーム・ブン・アブドゥルマリク地区、旧市街でダーイシュとの戦闘を続けた。

一方、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合がラッカ市およびその一帯を空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員30人あまりを殺害した。


AFP, July 11, 2017、AP, July 11, 2017、ARA News, July 11, 2017、Champress, July 11, 2017、al-Hayat, July 12, 2017、Kull-na Shuraka’, July 11, 2017、al-Mada Press, July 11, 2017、Naharnet, July 11, 2017、NNA, July 11, 2017、Reuters, July 11, 2017、SANA, July 11, 2017、UPI, July 11, 2017などをもとに作成。

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イランの支援を受けるアフガン人民兵組織「ファーティミーユーン旅団」の司令官が戦死(2017年7月11日)

ファルス通信(7月11日付)は、ファーティミーユーン旅団の司令官アリー・ジャアファリー氏が「サイイダ・ザイナブ廟の防衛任務遂行中」、シリア国内での戦闘で死亡したと伝えた。

シリア南西部での戦闘で死亡したと見られる。

なおファーティミーユーン旅団の司令官の戦死は、2015年3月のダマスカス郊外県・ダルアー県・クナイトラ県の県境に位置するいわゆる「死の三角地帯」で同旅団創設者のアリー・トゥーサリー氏が戦死したのに次いで2件目。

AFP, July 11, 2017、AP, July 11, 2017、ARA News, July 11, 2017、Champress, July 11, 2017、FARS, July 11, 2017、al-Hayat, July 12, 2017、Kull-na Shuraka’, July 11, 2017、al-Mada Press, July 11, 2017、Naharnet, July 11, 2017、NNA, July 11, 2017、Reuters, July 11, 2017、SANA, July 11, 2017、UPI, July 11, 2017などをもとに作成。

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ロシア軍顧問がハマー県での反体制派の砲撃で死亡(2017年7月11日)

ロシア国防省は声明を出し、ロシア軍顧問(大尉)がハマー県内にあるシリア軍の拠点に対する反体制武装集団の砲撃で死亡したと発表した。

スプートニク・ニュース(7月11日付)が伝えた。

AFP, July 11, 2017、AP, July 11, 2017、ARA News, July 11, 2017、Champress, July 11, 2017、al-Hayat, July 12, 2017、Kull-na Shuraka’, July 11, 2017、al-Mada Press, July 11, 2017、Naharnet, July 11, 2017、NNA, July 11, 2017、Reuters, July 11, 2017、SANA, July 11, 2017、Sputnik News, July 11, 2017、UPI, July 11, 2017などをもとに作成。

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米軍の支援を受ける東部獅子軍はシリア軍戦闘機を撃墜(2017年7月11日)

米国の支援を受ける「土地は我らのものだ」作戦司令室(「ハマード浄化のために我らは馬具を備えし」作戦司令室、自由シリア軍砂漠諸派)を主導する東部獅子軍の広報局(ファーリス・ムンジド報道官)は、ダマスカス郊外県東部の砂漠地帯ウンム・ルマム地区でシリア軍戦闘機1機を対空兵器で攻撃したと発表した。

『ハヤート』(7月12日付)、クッルナー・シュラカー(7月11日付)が伝えた。

なお、シリア人権監視団によると、この戦闘機は被弾し、不時着したという。

AFP, July 11, 2017、AP, July 11, 2017、ARA News, July 11, 2017、Champress, July 11, 2017、al-Hayat, July 12, 2017、Kull-na Shuraka’, July 11, 2017、al-Mada Press, July 11, 2017、Naharnet, July 11, 2017、NNA, July 11, 2017、Reuters, July 11, 2017、SANA, July 11, 2017、UPI, July 11, 2017などをもとに作成。

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YPGとラッカ市解放に向けて連携するシリア・エリート部隊の政治母体であるシリア・ガド潮流は米・ロシア・ヨルダンによるシリア南西部での停戦合意に従うよう呼びかける(2017年7月11日)

西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍とともにラッカ市解放に向け、ダーイシュ(イスラーム国)との戦闘を続けるシリア・エリート部隊の政治母体であるシリア・ガド潮流(アフマド・ウワイヤーン・ジャルバー氏が代表)が声明を出し、米国・ロシア・ヨルダンによるシリア南西部での戦闘停止と緊張緩和地帯設置にかかる停戦合意(7月9日発効)について、歓迎の意を示すとともに、すべての当事者にその順守を呼びかけた。

AFP, July 11, 2017、AP, July 11, 2017、ARA News, July 11, 2017、Champress, July 11, 2017、al-Hayat, July 12, 2017、Kull-na Shuraka’, July 11, 2017、al-Mada Press, July 11, 2017、Naharnet, July 11, 2017、NNA, July 11, 2017、Reuters, July 11, 2017、SANA, July 11, 2017、UPI, July 11, 2017などをもとに作成。

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ジュネーブ7会議:デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表「シリアは最悪のシナリオを脱した」(2017年7月11日)

スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表は、「最悪のシナリオ…ソマリア化を回避した」としたうえで、「我々は8、9月、そして11月までに自らの仕事を終え、年末には、シリアに関してこれまでとは異なったイメージが生じることを希望している」と述べる一方、新憲法の起草(ないしは改正)を行うにあたっては、これまでの会合で排除されてきたクルド民族主義勢力の民主統一党を参加させる必要があると強調した。

スプートニク・ニュース(7月11日付)が伝えた。

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バッシャール・ジャアファリー国連シリア代表を団長とするシリア政府代表団は、ジュネーブ7会議2日目にあたる7月11日、スイスのジュネーブにある国連本部でスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表と会談した。

ジャアファリー国連シリア代表は会談後の記者会見で、デミストゥラ氏との間でテロとの戦いについての協議を開始したことを明らかにした。

SANA(7月11日付)が伝えた。

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『ハヤート』(7月12日付)によると、ジュネーブ7会議に参加している最高交渉委員会(「リヤド・プラットフォーム」)、「モスクワ・プラットフォーム」(民主統一党以外のモスクワ・リスト)、「カイロ・プラットフォーム」(カイロ宣言グループ)の三つの反体制派代表団が会合を開き、意見のすり合わせを行った。

この三つの反体制派代表団が会合を開くのはジュネーブ会議が始まってからこれで2回目。

「カイロ・プラットフォーム」の代表を務めるフィラース・ハーリディー氏は、デミストゥラ氏とのこれまでの折衝で、憲法起草の選挙にかかる提案などについて合意したことを明らかにした。

最高交渉委員会のナスル・ハリーリー代表は、「停戦は分離境界線を画定することではない…。いかなる合意や取り組みも、シリア分割ではなく、住民生活の安定をもたらすものであるべき」と述べる一方、政治移行については、ジュネーブ合意(2012年)、正義の実現を謳う国際社会の諸決定の枠組みを踏まえたかたちで、アサド政権を退陣させるべきだとの主張を繰り返した。

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ヒムス市ワアル地区の約150世帯が退去していたアレッポ県ジャラーブルス市方面から帰宅(2017年7月11日)

SANA(7月10日付)によると、ロシアの仲介によるシリア政府と反体制武装集団の停戦合意に従い、この5月にトルコ軍およびその支援を受ける反体制武装集団の支配下にあるジャラーブルス市方面に退去していたヒムス市ワアル地区住民のうち約150世帯が、シリア政府支配下のアレッポ県ターディフ市(バーブ市南部)を経由し、ヒムス市に帰還した。 

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シリア軍はダイル・ザウル県、ヒムス県でダーイシュとの戦闘を続ける(2017年7月11日)

ダイル・ザウル県では、SANA(7月11日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市南部郊外(パノラマ交差点一帯)、西部郊外、ダイル・ザウル航空基地一帯、フサイニーヤ町、ブガイリーヤ村、ハトラ村、ムッラート村、マズルーム村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

一方、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がシリア政府支配下のダイル・ザウル市ジャウラ地区を砲撃した。

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ヒムス県では、SANA(7月11日付)によると、シリア軍が県東部のウンム・トゥワイナ村一帯のダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆した。

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米・ロシア・ヨルダンによる停戦合意を受け、ダルアー市からシリア軍部隊が撤退する一方、ロシア軍は同市北部に新たな基地を建設(2017年7月11日)

ダルアー県では、クッルナー・シュラカー(7月11日付)によると、米国・ロシア・ヨルダンによるシリア南西部での戦闘停止と緊張緩和地帯設置にかかる停戦合意(7月9日発効)に基づき、ダルアー市内に展開していたシリア軍部隊の一部が、ダマスカス郊外県のダマスカス国際空港方面への撤退を開始した。

撤退を開始した部隊は約70台の車輌からなり、ダルアー市内のパノラマ競技場を後にし、アトマーン村で再集結したという。

撤退した部隊は、第4師団、第9師団、第5師団、第15特殊任務師団、ヒズブッラー、人民動員隊、サイナビーユーン旅団、ファーティミーユーン旅団からなるという。

一方、ダルアー市北部のムーサビーン村にある自動車教習学校を改築して新設されたロシア軍の基地では、ロシア軍士官、シリア軍士官、イランの支援を受ける民兵の幹部が3日目となる会合を開いたという。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機がアイン・タルマー村一帯を空爆、同地でラフマーン軍団と交戦した。

シリア軍はまたフライタ村郊外の無人自体にあるシャーム解放機構の拠点を空爆した。

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ダマスカス県では、SANA(7月11日付)によると、ダマスカス郊外県の東グータ地方で活動する反体制武装集団がティジャーラ地区の住宅街を砲撃し、女性1人が死亡した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市ザフラー地区郊外、ラーシディーン地区郊外で、シリア軍と反体制武装集団が交戦した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がジスル・シュグール市郊外、ズアイニーヤ村を砲撃した。

AFP, July 11, 2017、AP, July 11, 2017、ARA News, July 11, 2017、Champress, July 11, 2017、al-Hayat, July 12, 2017、Kull-na Shuraka’, July 11, 2017、al-Mada Press, July 11, 2017、Naharnet, July 11, 2017、NNA, July 11, 2017、Reuters, July 11, 2017、SANA, July 11, 2017、UPI, July 11, 2017などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは3件の停戦違反を、トルコ側は8件の違反を確認(2017年7月11日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(7月11日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(ラタキア県2件、ハマー県1件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも8件(ダマスカス県・ダマスカス郊外県6件、ヒムス県1件、ハマー県1件)の停戦違反を確認したという。

ほとんどの停戦違反は、ダーイシュ(イスラーム国)、シャーム解放機構の支配地域として登録されている地域で発生したという。

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一方、過去24時間にヒムス県の10カ村の代表がシリア政府との停戦合意に署名した。

これにより、シリア政府との停戦に応じた自治体は2,011市町村、武装組織の数は228組織に達したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 11, 2017をもとに作成。

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米主導の有志連合は7月10日、ダイル・ザウル市近郊、ラッカ市近郊などで21回の爆撃を実施(2017年7月11日)

米中央軍(CENTCOM)は、7月10日のシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

それによると、有志連合は両国領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して23回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は21回で、ブーカマール市近郊(4回)、ダイル・ザウル市近郊(5回)、ラッカ市近郊(12回)で実施された。

CENTCOM, July 11, 2017をもとに作成。

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