デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表「テロ組織に指定されている組織の退去が民間人への被害を食い止める」(2018年3月7日)

国連安保理では、ダマスカス郊外県東グータ地方情勢などへの対応を協議するための非公式会合が開かれた。

『ハヤート』(3月8日付)によると、会合で、英国とフランスは同地の人道状況の悪化に懸念を表明し、国連安保理決議第2401号を遵守し、停戦を実現することを主唱した。

会合に出席したスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表は、「アレッポ市東部の過ちを繰り返さない」ことが必要と強調、「テロ組織に指定されている組織の戦闘員の退去が民間人への被害を食い止めることを早める」と主張した。

AFP, March 7, 2018、ANHA, March 7, 2018、AP, March 7, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 7, 2018、al-Hayat, March 8, 2018、Reuters, March 7, 2018、SANA, March 7, 2018、UPI, March 7, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコのカルン大統領府報道官「米国はYPGがマンビジュからアフリーンに転戦するのを阻止すべき」(2018年3月7日)

トルコのイブラヒム・カルン大統領府報道官は報道声明を出し、「我々は、同盟国が(アレッポ県の)マンビジュ市からアフリーン郡へのクルド人の人民防衛隊(YPG)の移動を阻止するために介入することを期待する」と述べ、米国にYPG主体のシリア民主軍のアフリーン郡への転戦を抑止するよう求めた。

al-Durar al-Shamiya, March 7, 2018

AFP, March 7, 2018、ANHA, March 7, 2018、AP, March 7, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 7, 2018、al-Hayat, March 8, 2018、Reuters, March 7, 2018、SANA, March 7, 2018、UPI, March 7, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコの支援を受ける反体制派支配下のジャラーブルス市(アレッポ県)の自由警察検問所で車が爆発し、9人が死亡(2018年3月7日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月7日付)によると、トルコ国境に面するユーフラテス川河畔のジャラーブルス市の南部入口で爆弾が仕掛けられた車1台が爆発し、9人が死亡、複数が負傷した。

ジャラーブルス市はトルコの支援を受ける反体制武装集団の支配地域で、爆発は「自由警察」の検問所で発生した。

al-Durar al-Shamiya, March 7, 2018
al-Durar al-Shamiya, March 7, 2018
al-Durar al-Shamiya, March 7, 2018

AFP, March 7, 2018、ANHA, March 7, 2018、AP, March 7, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 7, 2018、al-Hayat, March 8, 2018、Reuters, March 7, 2018、SANA, March 7, 2018、UPI, March 7, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

 

 

 

YPG主体のシリア民主軍「オリーブの枝」作戦による民間人死者は227人」(2018年3月7日)

西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍広報センターは声明を出し、トルコ軍が「オリーブの枝」作戦開始を宣言した1月20日以降の、アレッポ県アフリーン郡の被害状況を発表した。

それによると、シリア民主軍側の戦闘員死者数は283人、民間人死者数は227人(うち子供32人、女性28人)、負傷者数は651人(うち子供87人、女性93人)、トルコ軍および反体制武装集団側の死者数は1,588人だった。

またトルコ軍戦闘機による無差別爆撃は1,026回、ヘリコプターによる爆撃は56回、トルコ軍と反体制武装集団による無差別砲撃は3,307回に及んでいるという。

AFP, March 7, 2018、ANHA, March 7, 2018、AP, March 7, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 7, 2018、al-Hayat, March 8, 2018、Reuters, March 7, 2018、SANA, March 7, 2018、UPI, March 7, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍と反体制武装集団はシャッラーン町近郊のカフルジャンナ村を制圧(2018年3月7日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月7日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍との戦闘の末、シャッラーン町近郊のカフルジャンナ村と同地近郊の軍事キャンプ、ジンディールス市近郊のジンディールス丘を制圧した。

ANHA, March 7, 2018

一方、ANHA(3月7日付)によると、トルコ軍が、ジンディールス市近郊のマイスカ村を爆撃し、住民4人が死亡したほか、マイダーニカ村に対しても爆撃を加え、5人が負傷した。

トルコ軍はまた、シャッラー村一帯のマシュアラ村、クールティカ村、カルト・カラーク村、マーティーナー村および周辺の丘陵地帯を砲撃し、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍と交戦した。

AFP, March 7, 2018、ANHA, March 7, 2018、AP, March 7, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 7, 2018、al-Hayat, March 8, 2018、Reuters, March 7, 2018、SANA, March 7, 2018、UPI, March 7, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

東グータ地方でシリア軍とイスラーム軍、「彼らが不正を働いた」作戦司令室がそれぞれ交戦(2018年3月7日)

ダマスカス郊外県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月7日付)によると、シリア解放戦線(シャーム自由人イスラーム運動)、ラフマーン軍団、シャーム解放機構などからなる「彼らが不正を働いた」作戦司令室が、バイルーニー病院、警察病院などが隣接する病院地区でシリア軍と交戦した。

イスラーム軍も、ドゥーマー市近郊のアッブ農場一帯でシリア軍と交戦した。

一方、SANA(3月7日付)によると、シリア軍は、バイト・サワー村、ムハンマディーヤ町一帯でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

SANA(3月8日付)によると、シリア軍は「砂漠自由人大隊」を名乗る武装集団が本営として使用していたヨーグルト工場を制圧した。

また、シリア人権監視団によると、シリア軍がミスラーバー市を激しく爆撃・砲撃した。

同監視団によると、シリア軍は、親政権民兵約700人(アフガン人、パレスチナ人、シリア人)を東グータ地方の各前線に新たに派遣したという。

SANAによると、これに対して東グータ地方で活動を続けるシャーム解放機構などの反体制武装集団は、バイルーニー病院、警察病院、ジャルマーナー市、ワーフィディーン・ゴラン高原難民キャンプを砲撃した。

このほか、SANA(3月6日付)は、ワーフィディーン・ゴラン高原難民キャンプに設置された人道回廊を通じた住民の避難が、東グータ地方で活動を続けるシャーム解放機構などの反体制武装集団が退去を阻止しているために実現しなかったと伝えた。

他方、ダマスカス県・ダマスカス郊外県革命指導評議会のヤースィル・カーディリー議長はビデオ声明を出し、ロシア・シリア両軍の攻撃から東グータ地方を防衛するため、総動員を発令すると発表した。

al-Durar al-Shamiya, March 7, 2018

また、イスラーム軍のハムザ・ビールクダール報道官はテレグラムを通じて声明を出し、ダマスカス郊外県東グータ地方での停戦をめぐってロシアとの間に交渉を行っているとの情報を否定した。

ビールクダール報道官は「ロシアとの間に交渉もなければ、我々とロシアとの間で合意が成立したとのSNSの情報は正しくない」と述べた。

**

ダマスカス県では、SANA(3月7日付)によると、ダマスカス郊外県東グータ地方で活動を続けるシャーム解放機構などの反体制武装集団が撃った迫撃砲弾がバーブ・トゥーマ地区、アマーラ地区に着弾した。

**

アレッポ県では、SANA(3月7日付)によると、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾がアレッポ市ブスターン・カスル地区に着弾し、女性2人が負傷した。

一方、アナトリア通信(3月7日付)によると、シリア政府とムンタスィル・ビッラー軍団が捕虜交換を行い、シリア政府側が戦闘員とその家族10人を、ムンタスィル・ビッラー軍団側がシリア軍兵士9人をそれぞれ解放した。

**

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月7日付)によると、ロシア・シリア両軍がジスル・シュグール市、ガッサーニーヤ村などを爆撃し、3人が死亡した。

AFP, March 7, 2018、Anadolu Ajansı, March 7, 2018、ANHA, March 7, 2018、AP, March 7, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 7, 2018、al-Hayat, March 8, 2018、Reuters, March 7, 2018、SANA, March 7, 2018、March 8, 2018、UPI, March 7, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは17件の停戦違反を、トルコ側は10件の違反を確認(2018年3月7日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(3月7日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を17件(ダマスカス県・ダマスカス郊外県6件、ラタキア県8件、アレッポ県3件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも10件(イドリブ県1件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県9件)の停戦違反を確認したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 7, 2018をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ドイツ野党「ドイツのための選択肢」使節団がシリアを訪問、メルケル内閣はこれを批判(2018年3月7日)

ドイツのアンゲラ・メルケル内閣は、右派の議員団によるシリア訪問を批判した。

シュテファン・ザイベルト内閣報道官はベルリンで「この体制(アサド政権)に歩み寄るものは自らの価値を貶めることになる」と述べた。

シリアには現在、野党「ドイツのための選択肢」の議員4人を含む使節団が「人道状況視察」を目的として滞在し、共和国ムフティーのアフマド・バドルッディーン・ハッスーン師、・・アリー・ハイダル国民和解担当国務大臣(シリア民族社会党インティファーダ派)らと会談、首都ダマスカス、ヒムス市などを訪問している。

SANA, March 7, 2018

同党は声明で「ダマスカスの街の普通の状態に驚いた」との声明を出している。

AFP, March 7, 2018、ANHA, March 7, 2018、AP, March 7, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 7, 2018、al-Hayat, March 8, 2018、Reuters, March 7, 2018、SANA, March 7, 2018、UPI, March 7, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.