シリア人権監視団はシリア内戦が8年目に入ろうとしているのを前に死者数を発表:51万人以上が死亡、シリア政府側がうち85%を殺害(2018年3月12日)

英国で活動する反体制系NGOのシリア人権監視団は、「アラブの春」がシリアに波及してから3月15日で8年目を入ろうとしているのを前に、2011年3月以降の「シリア内戦」での死者数(推計)とその内訳を発表した。

それによると、この7年での死者総数(推計)は51万1,000人以上にのぼり、うち85%がシリア軍およびその同盟勢力によって殺害された民間人だという。

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死者総数51万人強のうち身元が判明しているのは35万3,935人で、その内訳は以下の通り:

  • 民間人:10万6,390人(子供1万9,811人、女性1万2,513人を含む)
  • 「武装・イスラーム主義勢力、シリア民主軍、そのほかの組織」の戦闘員:5万9,424人
  • シリア軍離反兵:2,615人
  • シリア軍兵士:6万3,820人
  • 国防隊など親政権民兵:4万8,814人
  • 「イスラーム主義勢力、シリア解放戦線、ダーイシュ(イスラーム国)、トルキスタン・イスラーム党、ジュンド・アクサー機構、ジュンド・シャーム機構、ハドラー大隊、チェチェン・シャームの兵、そのほかレバノン人、イラク人、パレスチナ人、湾岸出身者、北アフリカ出身者、エジプト人、イエメン人、イラン人、アフガン人、スーダン人など」の戦闘員:6万3,360人
  • ヒズブッラー戦闘員:1,630人
  • 親政権シーア派外国人民兵:7,686人
  • 所属不明:196人。

民間人犠牲者10万人強の死因は以下の通り:

  • シリア軍の爆撃・砲撃:2万5,151人(うち男性1万6,076人、子供5,510人、女性3,565人)
  • シリア軍・親政権民兵の暴力:4万3,040人(うち男性2万6,882人、子供1万11人、女性6,147人)
  • シリア政府の拘置所での拷問など:1万4,751人(うち男性1万4,572人、子供120人、女性59人)
  • 反体制派の暴力:7,579人(うち男性5,750人、子供11,31人、女性698人)
  • ダーイシュの暴力:4,905人(うち男性4,187人、子供397人、女性321人)
  • ロシア軍の爆撃:6,891人(うち男性4,134人、子供1,702人、女性1,055人)
  • 米主導の有志連合の爆撃:2,967人(うち男性1,737人、子供707人、女性523人)
  • トルコ軍の攻撃:754人(うち男性476人、子供167人、女性111人)
  • トルコ国境警備隊の攻撃:352人(うち男性252人、子供66人、女性34人)。
SOHR, March 12, 2018

加えて、約45万人がシリア政府の拘置所での拷問で死亡、5,200人以上がダーイシュによって拉致・殺害され、4,700人以上がシリア軍や親政権民兵に捕捉・殺害され、2,000人以上が「武装勢力、イスラーム主義勢力、ダーイシュ、シャーム解放機構」によって拉致・殺害されたと推計されるという。

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一方、シリア全土のうち、シリア政府の支配下にあるのは10万6,508平方キロメートル(57.57%)、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)の支配下にあるのは4万9,653平方キロメートル(26.8%)、「武装勢力、イスラーム主義勢力、シャーム解放(戦線)」の支配下にあるのは2万3,369平方キロメートル(12.7%)、トルコ軍およびその支援をうける武装勢力の支配下にあるのは3,438平方キロメートル(1.9%)、米国の支援を受ける武装勢力の支配下にあるのは3,543平方キロメートル(1.9%)、ダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるのは5,403平方キロメートル(2.9%)、ダーイシュに忠誠を誓うハーリド・ブン・ワリード軍の支配下にあるのは247平方キロメートル(0.13%)だという。

「武装勢力、イスラーム主義勢力、シャーム解放(戦線)」の支配下にあるのは2万3,369平方キロメートル(12.7%)のうち、「イスラーム主義勢力、シャーム解放(戦線)」の支配下にはるのは1万5,388平方キロメートル(8.9%)。

SOHR, March 12, 2018

AFP, March 12, 2018、ANHA, March 12, 2018、AP, March 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 12, 2018、al-Hayat, March 13, 2018、Reuters, March 12, 2018、SANA, March 12, 2018、UPI, March 12, 2018などをもとに作成。

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YPGはトルコ軍がアフリーン市に迫るなか、タッル・リフアト市、マンナグ航空基地などをシリア軍に移譲(2018年3月12日)

ドゥラル・シャーミーヤ(3月12日付)は、複数の親政権サイトの情報として、西クルディスタン移行期民政局人民防衛部隊(YPG)がアレッポ県北部のタッル・リフアト市を含む複数カ所をシリア軍に以上した、と伝えた。

YPGがシリア軍に移譲したのは、タッル・リフアト市、キーマール村、ズィヤーラ村、ブルジュ・カース村、バーシュマラー村、バースーファーン村、ダイル・ジャマール村、マンナグ村、マンナグ航空基地。

この移譲は、「オリーブの枝」作戦を推し進めるトルコ軍がアフリーン市に迫ったことを受けたもの。

また、シリア人権監視団によると、共和国護衛隊の部隊が、ヌッブル町、ザフラー市一帯に安全ベルト地帯を設置するかたちで、アフリーン郡南部の村々に展開した。

syria.liveuamap.com, March 12, 2018

AFP, March 12, 2018、ANHA, March 12, 2018、AP, March 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 12, 2018、al-Hayat, March 13, 2018、Reuters, March 12, 2018、SANA, March 12, 2018、UPI, March 12, 2018などをもとに作成。

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アサド政権は東グータ地方で反体制派と戦ってきたパレスチナ人複数人を処刑、パレスチナ解放軍はこれに反発50人が離反(2018年3月12日)

フェイスブックのアカウント「パレスチナ・キャンプ・ネットワーク」(https://www.facebook.com/palsyr.2011/)は、アサド政権がダマスカス郊外県東グータ地方での戦闘への参加を拒否したパレスチナ人戦闘員複数人を処刑、またこれを受け、シリア軍とともに戦闘に参加していたパレスチナ解放軍の戦闘員50人が離反したと発表した。

なお同アカウントによると、東グータ地方での戦闘では、パレスチナ人戦闘員250人以上が戦死しているという。

al-Durar al-Shamiya, March 12, 2018

AFP, March 12, 2018、ANHA, March 12, 2018、AP, March 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 12, 2018、al-Hayat, March 13, 2018、Reuters, March 12, 2018、SANA, March 12, 2018、UPI, March 12, 2018などをもとに作成。

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国連安保理でシリア情勢についての審議が行われ、米国が新たな停戦決議案を開示(2018年3月12日)

国連安保理で、シリア情勢への対応を審議するための非公式会合が開かれ、アントニオ・グテーレス事務総長事務総長が国連安保理決議第2401号が定めた人道停戦の実施状況についての報告を行った。

会合ではまた、ニッキー・ヘイリー米国連大使がダマスカス郊外県東グータ地方と首都ダマスカスでのすべての当事者による即時戦闘停止、人道支援物資の搬入、負傷者らの移送を定めた新たな決議案を提出した。

ヘイリー米国連大使はまた、東グータ地方での停戦に関する安保理決議が採択されない場合、米国単独で軍事行動を行うと脅迫した。

『ハヤート』(3月13日付)などが伝えた。

AFP, March 12, 2018、ANHA, March 12, 2018、AP, March 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 12, 2018、al-Hayat, March 13, 2018、Reuters, March 12, 2018、SANA, March 12, 2018、UPI, March 12, 2018などをもとに作成。

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トルコ軍はロジャヴァの拠点都市アフリーン市に向けてさらに進軍するなか、住民2,000人以上がシリア政府支配地域に避難(2018年3月12日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月12日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団がアフリーン郡各所で西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍との戦闘を続け、ブルブル町近郊のクーターンリー村、イビーラー村、ジンディールス市近郊のジャルマ村、ズィーンダカーン村、キーラ村、ブルジュ・カムシューン村を制圧した。

一方、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍広報センターによると、トルコ軍がアフリーン市およびその一帯、ジンディールス市近郊のシャーディーラー村、イースカー村、ブルブル町近郊のカウーターナー村、タシュタビク村、カズル・バーシュ村、ダルウィーシュ村、シーラーワー町近郊のバースリーヤ村、フィーラー・カーディー村、シャッラー村近郊のマイダーニカ・ダム一帯、ラージュー町一帯を爆撃・砲撃、また反体制武装集団とともにシリア民主軍と交戦した。

ANHA(3月12日付)が伝えた。

シリア人権監視団によると、トルコ軍と反体制武装集団がアフリーン市に迫るなか、同市の住民2,000人以上がシリア政府支配下のヌッブル町に避難した。

AFP, March 12, 2018、ANHA, March 12, 2018、AP, March 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 12, 2018、al-Hayat, March 13, 2018、Reuters, March 12, 2018、SANA, March 12, 2018、UPI, March 12, 2018などをもとに作成。

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ダーイシュがヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ一帯を砲撃し、2人が死亡(2018年3月12日)

ダマスカス県では、SANA(3月12日付)によると、ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプを占拠するダーイシュ(イスラーム国)が、キャンプ一帯を砲撃し、バシール・モスクが被弾し、女児1人を含む2人が死亡、4人が負傷した。

AFP, March 12, 2018、ANHA, March 12, 2018、AP, March 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 12, 2018、al-Hayat, March 13, 2018、Reuters, March 12, 2018、SANA, March 12, 2018、UPI, March 12, 2018などをもとに作成。

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ロシア軍はハマー県、イドリブ県を激しく爆撃、カフルズィーター専門病院を利用不能に(2018年3月12日)

ハマー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月12日付)によると、ロシア軍戦闘機がカフルズィーター市にあるカフルズィーター専門病院を爆撃し、女性診療科、小児科の施設が利用不能となった。

al-Durar al-Shamiya, March 12, 2018
al-Durar al-Shamiya, March 12, 2018
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イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月12日付)によると、ロシア軍がタフタナーズ市を爆撃し、6人が死亡、20人以上が負傷した。

爆撃はまた、ジャフタルク(・ハッジ・ハンムード)村に対しても行われ、3人が死亡した。

さらに、イドリブ市、ビンニシュ市、マアッラトミスリーン市、ラーム・ハムダーン村、トゥウーム村に対しても爆撃は行われた。

一方、バービーラー村の地元評議会は声明を出し、シャーム解放機構とシリア解放戦線の対立に対して完全なる中立の立場をとるともに、村での戦闘を認めないと表明した。

AFP, March 12, 2018、ANHA, March 12, 2018、AP, March 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 12, 2018、al-Hayat, March 13, 2018、Reuters, March 12, 2018、SANA, March 12, 2018、UPI, March 12, 2018などをもとに作成。

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「東グータの女性たち」がビデオ声明で徹底抗戦を呼びかける(2018年3月12日)

ジャウバル区(ダマスカス県)広報局を名乗る組織がユーチューブ(3月12日付)を通じて、シリア軍に対する徹底抗戦の意思を表明する「東グータの女性たち」のビデオ声明を配信した。

ビデオ声明には、黒服をまとい、銃を携えた女性数人が出演、「私たちは東グータの女性です。私たちは戦場にいる男達を支えるために出撃しました。20日にわたりさまざまな砲撃に曝され続けています。私たち、そして高貴なる私たちのくにを救うためにみなに行動を求めます。これが我々の要求です。グータが消滅するまで待つことはできません…。私たちは「アッラーは偉大なり」という言葉のもとに蜂起しました…。シリア国民みなが立ち上がれば、アサド政権を倒すことができます。武器を持てるすべての人に我々とともに戦うことを求めます。政権にこう言います。私たちは緑色のバスで立ち去ることはない、と」と述べた。

Youtube, March 12, 2018

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イスラーム軍はロシアとの停戦交渉を否定しつつ、国連の仲介で、東グータ地方からの負傷者搬出をロシアと合意したと発表(2018年3月12日)

イスラーム軍の政治委員会は声明を出し、国連の仲介により、ダマスカス郊外県東グータ地方から負傷者を搬送することをロシアと合意したと発表した。

また、ロシア側と停戦に向けた交渉が行われているとの情報については、「心理戦」と改めて否定した。

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ダマスカス郊外県東グータ地方でラフマーン軍団、シャーム解放機構とともに抵抗を続けるシャーム自由人イスラーム運動(シリア解放戦線)のムンズィル・ファーリス報道官は声明を出し、アサド政権に対する抵抗を続け、同地から退去しないとの意思を表明した。

al-Durar al-Shamiya, March 12, 2018

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ドゥラル・シャーミーヤ(3月12日付)によると、ドゥーマー市地元評議会は声明を出し、ハラスター市以南の東グータ地方南西部と切り離されたドゥーマー市が深刻な人道状況にあるとして窮状を訴えた。

AFP, March 12, 2018、ANHA, March 12, 2018、AP, March 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 12, 2018、al-Hayat, March 13, 2018、Reuters, March 12, 2018、SANA, March 12, 2018、UPI, March 12, 2018などをもとに作成。

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シリア軍は東グータ地方のアフタリース村を完全制圧し、反体制派の化学兵器工場を発見したと発表(2018年3月12日)

ダマスカス郊外県では、SANA(3月12日付)によると、シリア軍が東グータ地方でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦、アフタリース村を完全制圧した。

またシリア軍のフィラース・イブラーヒーム大佐は、アフタリース市内で化学兵器製造工場を発見したと発表した。

イブラーヒーム大佐によると、この工場で「シリア軍が化学兵器を使用したとの嫌疑をかけるための準備が行われていた」と断じた。

一方シリア軍は、11日に解放したマディーラー市に留まっていた住民がジスリーン町・ムライハ市間とワーフィディーン・ゴラン高原難民キャンプに設置された人道回廊を経由して仮設居住センターに移動するための安全を確保した。

これに対して、東グータ地方で活動を続ける反体制武装集団はジャルマーナー市を砲撃した。

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ダルアー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月12日付)によると、シリア軍が県東部のヒラーク市、ブスル・ハリール市、スーラ町、西ガーリヤ村を爆撃した。

一方、SANA(3月12日付)によると、ダマスカス郊外県東グータ地方で活動を続ける反体制武装集団が撃った迫撃砲弾がカッバース地区に着弾した。

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ダルアー県では、SANA(3月12日付)によると、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団がダルアー市の中心街を砲撃し、1人が負傷した。

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ハサカ県では、SANA(3月12日付)によると、カーミシュリー市の西部地区で、爆弾が爆発した。

死傷者はなかった。

AFP, March 12, 2018、ANHA, March 12, 2018、AP, March 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 12, 2018、al-Hayat, March 13, 2018、Reuters, March 12, 2018、SANA, March 12, 2018、UPI, March 12, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは20件の停戦違反を、トルコ側は0件の違反を確認(2018年3月12日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(3月12日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を20件(ダマスカス県・ダマスカス郊外県16件、ラタキア県2件、アレッポ県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 12, 2018をもとに作成。

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