イスラーム軍は東グータ地方での戦闘に参加させるため、ウンマ軍のターハー司令官を釈放(2018年3月10日)

イスラーム軍の政治局長を務めるヤースィル・ダルワーン氏はツイッター(3月10日付)を通じて、ダマスカス郊外県東グータ地方で活動していたウンマ軍のアフマド・ターハー(アブースブヒー)司令官を釈放したと発表した。

ターハー司令官の釈放は「ムジャーヒディーンの戦列に加わるため」だという。

この発表を受け、SNSでは、軍服を身につけ、機関銃を手にしたターハー司令官の写真が拡散された。

ターハー司令官が率いるウンマ軍は東グータ地方で有力な武装集団の一つだったが、イスラーム軍が、「アサド政権と共謀している」との嫌疑を向けて壊滅させ、2015年1月4日にタ ーハー司令官を拘束していた。

al-Durar al-Shamiya, March 10, 2018

AFP, March 10, 2018、ANHA, March 10, 2018、AP, March 10, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 10, 2018、al-Hayat, March 11, 2018、Reuters, March 10, 2018、SANA, March 10, 2018、UPI, March 10, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラーム軍がシリア政府に引き渡したシャーム解放機構メンバー13人はイドリブ県に近いハマー県カルアト・マディーク町に移送される(2018年3月10日)

『ハヤート』(3月11日付)によると、イスラーム軍の政治局長を務めるヤースィル・ダルワーン氏は、シャーム解放機構のメンバー13人の身柄を9日晩に国連使節団に引き渡し、彼らがワーフィディーン・ゴラン高原難民キャンプを経由して、シリア政府支配地域に移送されたことを認めた。

スマート・ニュース(3月10日付)によると、13人はその後、ハマー県カルアト・マディーク町まで移送されたという。

**

SANA(3月9日付)は、東グータ地方で活動を続けてきた反体制武装集団の戦闘員多数が、人道回廊が設置されているワーフィディーン・ゴラン高原難民キャンプに到達、同地で待機していた大型バスに乗ってシリア政府支配地域に移送されたと伝えていた。

また、イスラーム軍も9日、シリア赤新月社、赤十字国際委員会、国連世界食糧機関(WFP)の支援チームとともにダマスカス郊外県東グータ地方の反体制派支配地域に入った国連使節団と会談し、イスラーム軍が拘束中のシャーム解放機構のメンバーを同地から移送することで合意したと発表していた。

AFP, March 10, 2018、ANHA, March 10, 2018、AP, March 10, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 10, 2018、al-Hayat, March 11, 2018、Reuters, March 10, 2018、SANA, March 9, 2018、March 10, 2018、SMART News, March 10, 2018、UPI, March 10, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコのエルドアン大統領「トルコ軍はアフリーン市でテロリストを掃討した後、マンビジュ市、カーミシュリー市に向かう」(2018年3月10日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、メルスィン市にある与党公正発展党(AKP)本部で演説し、「トルコ軍は、アフリーン市でテロリストを掃討した後に、マンビジュ市、アイン・アラブ(コバネ)市、タッル・アブヤド市、ラアス・アイン市、カーミシュリー市に向かうだろう」と述べた。

アナトリア通信(3月10日付)が伝えた。

**

トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、ドイツの『ディー・ツァイト』(3月10日付)に対して「我々は米国とマンビジュ市やユーフラテス川東岸の都市の安定を実現することで合意した。我々はこの問題に対処するための作業グループを設置し、3月19日にレックス・ティラーソン米国務長官と会談する予定だ」と述べた。

AFP, March 10, 2018、Anadolu Ajansı, March 10, 2018、ANHA, March 10, 2018、AP, March 10, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 10, 2018、al-Hayat, March 11, 2018、Reuters, March 10, 2018、SANA, March 10, 2018、UPI, March 10, 2018、Die Zeit, March 10, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍と反体制武装集団はロジャヴァの中心都市アフリーン市から1キロの地点に到達(2018年3月10日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月10日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍との戦闘を続け、ジンディールス市近郊のカフルズィーター村、カフルズィーター基地、カアン・クールク村、ザラーカ村、ブルブル町近郊のティフラ村、フーラーン村、シャッラーン町近郊のカフルルム村、大クールト・クーラーク村、小クールト・クーラーク村、カッラト・ティッバ村、カスタル・キシュク村、キーバール基地(第135旅団基地)を制圧した。

これにより、トルコ軍と反体制武装集団は、アフリーン市から1キロ地点にまで到達した。

al-Durar al-Shamiya, March 10, 2018
Twitter, March 10, 2018

**

SANA(3月10日付)によると、トルコ軍が「オリーブの枝」作戦開始を宣言した1月20日以降、トルコ軍によるアフリーン郡への攻撃による死者数は222人、負傷者数は700人以上にのぼっているという。

AFP, March 10, 2018、ANHA, March 10, 2018、AP, March 10, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 10, 2018、al-Hayat, March 11, 2018、Reuters, March 10, 2018、SANA, March 10, 2018、UPI, March 10, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

反体制武装集団は東グータ地方の人道回廊を通じて避難しようとした住民4人を殺害、15人を拘束(2018年3月10日)

ダマスカス郊外県では、SANA(3月10日付)によると、8日にシリア軍が関係当局とともに新設したジスリーン町・ムライハ市間の人道回廊を通じて避難しようとした住民を、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団が攻撃し、一家4人(女性1人と子供3人)が死亡した。

反体制武装集団はまた、マディーラー市からシリア政府支配地域に避難しようとした3家族(15人)を拘束した。

AFP, March 10, 2018、ANHA, March 10, 2018、AP, March 10, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 10, 2018、al-Hayat, March 11, 2018、Reuters, March 10, 2018、SANA, March 10, 2018、UPI, March 10, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍は進軍を続け、東グータ地方を三つの孤立地帯に分断することに成功(2018年3月10日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が反体制武装集団の包囲を受け長らく孤立状態にあるハラスター市近郊の車輌運輸局に向けて進軍を続け、反体制派の支配下にある東グータ地方をドゥーマー市および同市北部一帯、ハラスター市一帯、それ以外の南東部の三つに分断することに成功した。

これを受け、ラフマーン軍団などからなる反体制武装集団が、マディーラー市、ハムーリーヤ市、サクバー市、アフタリース村でシリア軍と激しく交戦した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(3月10日付)によると、ロシア・シリア両軍が東グータ地方のハラスター市、ジスリーン町、ドゥーマー市、アルバイン市を爆撃・砲撃し、多数が死傷した。

他方、SANA(3月10日付)によると、シリア軍が東グータ地方のミスラーバー市、アフタリース村、マディーラー市に進攻し、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

戦闘の最中、シリア軍はミスラーバー市で反体制武装集団に拘束されていた住民数十人を解放することに成功した。

SANA, March 10, 2018

住民は反体制武装集団によって「人間の盾」として利用されていたという。

これに対して、反体制武装集団はジャルマーナー市を砲撃し、女児1人が死亡、4人が負傷した。

**

ダマスカス県では、SANA(3月10日付)によると、ダマスカス郊外県東グータ地方で活動を続けるシャーム解放機構などの反体制武装集団が、ファイハー競技場一帯、バーブ・トゥーマ地区を砲撃した。

**

スワイダー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月10日付)によると、アリーカ町に進攻した正体不明の武装集団とシリア軍、予備部隊が交戦した。

AFP, March 10, 2018、ANHA, March 10, 2018、AP, March 10, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 10, 2018、al-Hayat, March 11, 2018、Reuters, March 10, 2018、SANA, March 10, 2018、UPI, March 10, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは9件の停戦違反を、トルコ側は4件の違反を確認(2018年3月10日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(3月10日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を9件(ダマスカス県・ダマスカス郊外県5件、ラタキア県3件、アレッポ県1件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも4件(ダマスカス県・ダマスカス郊外県2件、ハマー県2件)の停戦違反を確認したという。

一方、過去24時間にアレッポ県の1カ村の代表がシリア政府との停戦合意に署名した。

これにより、シリア政府との停戦に応じた自治体は2,429市町村、武装組織の数は234組織に達したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 10, 2018をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.