トルコのエルドアン大統領はロジャヴァ支配下のタッル・アブヤド市、マンビジュ市侵攻の意思を改めて表明(2018年3月25日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は北部のギレソン市での与党公正発展党(AKP)の大会で演説し、西クルディスタン移行期民政局支配下のアレッポ県タッル・リフアト市への侵攻の意思を改めて表明するとともに、米国に対してマンビジュ市を「本来の持ち主」に引き渡すよう求め、同地から人民防衛部隊(YPG)が退去しない場合、「トルコは地域住民と協力し、それを実現せざるを得ない」と述べた。

エルドアン大統領はまた、ダマスカス郊外県東グータ地方の女性から送られたとするメッセージを読み上げた。

このメッセージは、アフリーン市で行われているのと同様の措置を東グータ地方でも行うよう求めるもので、「グータには2万人が留まっていたが、みなこの地を去ろうとしています。私たちの運命がどうなるか分かりません」などと綴られていた。

このほか、エルドアン大統領は、1月20日に開始宣言された「オリーブの枝」作戦で「自由シリア軍」戦闘員302人が死亡、「テロリスト」(西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍)3,747人を殲滅したことを明らかにした。

なお、2015年夏から2016年春にかけての「ユーフラテスの盾」作戦で死亡した「自由シリア軍」戦闘員は614人だったという。

アナトリア通信(3月25日付)などが伝えた。

AFP, March 25, 2018、Anadolu Ajansı, March 25, 2018、ANHA, March 25, 2018、AP, March 25, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 25, 2018、al-Hayat, March 26, 2018、Reuters, March 25, 2018、SANA, March 25, 2018、UPI, March 25, 2018などをもとに作成。

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東グータ地方を退去したラフマーン軍団は、トルコ軍が進める「オリーブの枝」作戦への参加意思表明(2018年3月25日)

ダマスカス郊外県東グータ地方からの退去を開始したラフマーン軍団のワーイル・アルワーン報道官は、イドリブ県に移動した後の活動に関して、シリア北部でのトルコ軍による「オリーブの枝」作戦への参加に向けて、トルコやその支援を受ける「自由シリア軍」と連絡を行っていることを明らかにした。

アルワーン報道官は、退去先でのイドリブ県が過密状態であると指摘、アレッポ県北部への移動に向けた取り組みを行っていると述べた。

だが、アレッポ県北部への移動が、戦闘員のみなのか、戦闘員とともに退去した家族を含むのかについては明言しなかった。

スマート・ニュース(3月25日付)が伝えた。

AFP, March 25, 2018、ANHA, March 25, 2018、AP, March 25, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 25, 2018、al-Hayat, March 26, 2018、Reuters, March 25, 2018、SANA, March 25, 2018、SMART News, March 25, 2018、UPI, March 25, 2018などをもとに作成。

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東グータ地方ドゥーマー市の停戦交渉をめぐり、イスラーム軍内で対立続く(2018年3月25日)

シリア人権監視団は、ダマスカス郊外県東グータ地方ドゥーマー市の処遇をめぐって、ロシアの仲介で行われているシリア軍とイスラーム軍の停戦交渉に関して、イスラーム軍が、投降を拒否する戦闘員と家族をダマスカス郊外県東カラムーン地方に移送することを求めていると発表した。

同監視団によると、シリア政府とイスラーム軍の停戦合意案には、①ロシア軍憲兵隊の展開、②投降したイスラーム軍メンバーのシリア政府支配下での復権、③負傷者、病人の治療のためのシリア政府支配地域への移送、④イスラーム軍によるシリア軍捕虜の解放、⑤投降拒否者の安全な移送、などが定められているという。

一方、シリア・アラブ・テレビ(3月25日付)などによると、イスラーム軍内では、投降拒否者の処遇をめぐって、停戦受入派と拒否派の対立が続いているという。

 

al-Durar al-Shamiya, March 25, 2018

AFP, March 25, 2018、ANHA, March 25, 2018、AP, March 25, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 25, 2018、al-Hayat, March 26, 2018、Reuters, March 25, 2018、SANA, March 25, 2018、UPI, March 25, 2018などをもとに作成。

 

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アフリーン市での略奪品を分配めぐって「自由シリア軍」の戦闘員どうしが砲撃戦、トルコが停戦のため介入(2018年3月25日)

アレッポ県では、ANHA(3月25日付)によると、トルコ軍の支援を受けてアフリーン市を制圧した反体制武装集団の東部自由人連合とハムザ師団の戦闘員が、バーブ市内や、ラーイー村近郊の街道、カディーラーン村近郊の街道などで、略奪品の分配をめぐって交戦となった。

東部自由人連合とハムザ師団は双方の拠点や本部を砲撃し合い、り、少なくとも10人が死亡、数十人が負傷した。


死亡した戦闘員のなかには、アブー・サクル・カーディスィーヤを名乗る東部自由人の司令官も含まれているという。

ANHA, March 25, 2018

また複数の住民も巻き添えとなり、負傷したという。

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複数の消息筋によると、トルコの諜報機関やそのほかの武装集団が停戦を試みた。

これを受け、東部自由人連合とハムザ師団は、停戦に合意した。

al-Durar al-Shamiya, March 25, 2018

ドゥラル・シャーミーヤ(3月25日付)が公開した手書きの文書によると、停戦合意は①アフリーン市を含むすべての場所での即時戦闘停止、②指名手配者、容疑者の中立的な当事者への引き渡し、③双方が拘束した捕虜の即時釈放、④双方が捕獲した武器・装備の返還、⑤双方が仲介人として同意した当事者による事態のフォローアップ、⑥拠点、村、本部などの返還、を骨子とする。

al-Durar al-Shamiya, March 25, 2018
al-Durar al-Shamiya, March 25, 2018

AFP, March 25, 2018、ANHA, March 25, 2018、AP, March 25, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 25, 2018、al-Hayat, March 26, 2018、Reuters, March 25, 2018、SANA, March 25, 2018、UPI, March 25, 2018などをもとに作成。

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ラッカ市近郊でYPG主体のシリア民主軍と部族民兵が交戦(2018年3月25日)

ラッカ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月25日付)によると、マンスーラ市で西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍とブーハミース部族の民兵が激しく交戦し、双方に複数の負傷者が出た。

戦闘は、シリア民主軍がマンスーラ市の名士の一人バシール・ハムダーン・ハムシャル氏を逮捕したことが理由だという。

AFP, March 25, 2018、ANHA, March 25, 2018、AP, March 25, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 25, 2018、al-Hayat, March 26, 2018、Reuters, March 25, 2018、SANA, March 25, 2018、UPI, March 25, 2018などをもとに作成。

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トルコ実効支配下のジャラーブルス市で爆弾テロ、ロジャヴァ支配下のマンビジュ市でシリア民主軍司令官暗殺未遂(2018年3月25日)

アレッポ県では、ANHA(3月25日付)によると、トルコの支援を受ける反体制武装集団の実効支配下にあるジャラーブルス市内で爆発が発生し、1人が死亡、4人が負傷した。

爆発は市内北部の病院前で発生したという。

『ハヤート』(3月26日付)によると、爆発は車に仕掛けられていた爆弾によるもので、子供2人を含む10人が負傷した。

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アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月25日付)によると、マンビジュ市で、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に所属するマンビジュ軍事評議会のシャルファーン・ダルウィーシュ司令官が何者かの発砲を受け、負傷した。

ドゥラル・シャーミーヤ(3月26日付)によると、自由シリア軍所属の「エルトゥールル特殊旅団」を名乗る集団が犯行声明を出した。

ANHA, March 25, 2018

AFP, March 25, 2018、ANHA, March 25, 2018、AP, March 25, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 25, 2018、March 26, 2018、al-Hayat, March 26, 2018、Reuters, March 25, 2018、SANA, March 25, 2018、UPI, March 25, 2018などをもとに作成。

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前日に引き続き東グータ地方アルバイン市一帯からラフマーン軍団の戦闘員と家族5,247人がイドリブ県に向けて退去(2018年3月25日)

ダマスカス郊外県では、SANA(3月25日付)によると、前日に引き続き、ラフマーン軍団やシャーム解放機構の支配下にあった東グータ地方南西部のアイン・タルマー村、ザマルカー町、アルバイン市、ダマスカス県ジャウバル区から戦闘員と家族の移送作業が行われた。

2日目となる25日に移送されたのは5,247人で、シリア政府によって用意された大型バス77台に分乗して、イドリブ県に退去した。

SANA, March 25, 2018

なお、24日に大型バス17台に分乗して退去した981人は、ハマー県のカルアト・マディーク町に無事到着した。

al-Durar al-Shamiya, March 25, 2018

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イスラーム軍支配下の東グータ地方ドゥーマー市から1,092人が新たにシリア政府支配地域に脱出(2018年3月25日)

ダマスカス郊外県では、SANA(3月25日付)によると、イスラーム軍の支配下にある東グータ地方ドゥーマー市からワーフィディーン・ゴラン高原難民キャンプの人道回廊を経由して、新たに住民1,092人がシリア政府支配地域に脱出し、シリア軍やシリア赤新月社に保護された。

SANA, March 25, 2018

AFP, March 25, 2018、ANHA, March 25, 2018、AP, March 25, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 25, 2018、al-Hayat, March 26, 2018、Reuters, March 25, 2018、SANA, March 25, 2018、UPI, March 25, 2018などをもとに作成。

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シリア軍はラフマーン軍団支配下の東グータ地方ハッザ町を完全制圧(2018年3月25日)

ダマスカス郊外県では、SANA(3月25日付)によると、シリア軍が、ラフマーン軍団やシャーム解放機構によって支配されていた東グータ地方のハッザ町を完全制圧した。

一方、シリア人権監視団によると、イスラーム軍の支配下にあるドゥーマー市近郊のリーハーン農場で、シリア軍とイスラーム軍が交戦した。

SANA, March 25, 2018
SANA, March 25, 2018
SANA, March 25, 2018

AFP, March 25, 2018、ANHA, March 25, 2018、AP, March 25, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 25, 2018、al-Hayat, March 26, 2018、Reuters, March 25, 2018、SANA, March 25, 2018、UPI, March 25, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは9件の停戦違反を、トルコ側は2件の違反を確認(2018年3月25日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(3月25日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を9件(ラタキア県5件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県2件、アレッポ県1件、ヒムス県1件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも2件(ダマスカス県・ダマスカス郊外県)の停戦違反を確認したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 25, 2018をもとに作成。

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