ダマスカス県南部のダーイシュ孤立地帯からの戦闘員交渉開始に向け、シリア軍とダーイシュが停戦合意(2018年3月15日)

パレスチナ・キャンプ・ネットワーク(3月15日付)は、複数の地元消息筋から得た情報だとして、ダマスカス県南部のカダム区、タダームン区、ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ、ダマスカス郊外県ハジャル・アスワド市で活動を続けるダーイシュ(イスラーム国)と同地を包囲するシリア軍が2日にわたる戦闘の末に、同地での停戦に合意したと発表した。

この停戦合意は、①双方による発砲停止、②シリア政府当局によるカダム区検問所の開放、③ダーイシュ・メンバーの退去にかかる交渉の開始、を骨子とする。

al-Durar al-Shamiya, March 15, 2018

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ドゥラル・シャーミーヤ(3月15日付)によると、13日にダマスカス県カタム区を出発し、ハマー県カルアト・マディーク町に到着した大型バス26台のうち、トルコ軍の実質占領下にあるアレッポ県ジャラーブルス市への退去を希望する戦闘員(アジュナード・シャーム・イスラーム連合)とその家族202人を乗せたバス7台が同地への受入を拒まれ、カルアト・マディーク町に引き返した。

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なお、ダマスカス県南部では、13日に反体制派戦闘員が退去、ダーイシュとシリア軍の戦闘がにかわに激化していた(https://syriaarabspring.info/?p=47270)。

AFP, March 15, 2018、ANHA, March 15, 2018、AP, March 15, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 15, 2018、al-Hayat, March 16, 2018、Reuters, March 15, 2018、SANA, March 15, 2018、Shabaka al-Mukhayyamat al-Filastiniya – Shamikh, March 15, 2018、UPI, March 15, 2018などをもとに作成。

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ラッカ文民評議会議長が遺体で発見される(2018年3月15日)

ラッカ県では、ANHA(3月15日付)などによると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の統治下にあるラッカ市の自治組織であるラッカ文民評議会のウマル・アッルーシュ氏が何者かによって暗殺された。

アッルーシュ氏はタッル・アブヤド市の自宅で遺体で発見されたという。

al-Durar al-Shamiya, March 15, 2018

AFP, March 15, 2018、ANHA, March 15, 2018、AP, March 15, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 15, 2018、al-Hayat, March 16, 2018、Reuters, March 15, 2018、SANA, March 15, 2018、UPI, March 15, 2018などをもとに作成。

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米国防省はシリア南部の反体制派支配地域温存に向け、武装集団司令官、11カ国の代表をアンマンに招集(2018年3月15日)

『シャルク・アウサト』(3月15日付)は、シリア軍によるダルアー県ブスル・ハリール市などへの攻撃激化を受けて、米国務省が、シリア南部で活動を続けている反体制武装集団の司令官らをヨルダンの首都アンマンに招集した、と伝えた。

この招集を受け、米CIA主導の「軍事作戦司令室」(通称MOC:Military Operations Command)に参加してきた欧米諸国、アラブ湾岸諸国、トルコなど11カ国の代表との会合が開かれ、シリア南部の緊張緩和地帯の防衛に向け、MOK再編についての協議が行われるという。

al-Durar al-Shamiya, March 15, 2018

AFP, March 15, 2018、ANHA, March 15, 2018、AP, March 15, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 15, 2018、al-Hayat, March 16, 2018、Reuters, March 15, 2018、SANA, March 15, 2018、al-Sharq al-Awsat, March 15, 2018、UPI, March 15, 2018などをもとに作成。

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トルコのカルン大統領府報道官「アフリーンをシリア政府に明け渡すつもりはなく、地域の住民からなる委員会を設置し、自治を行わせる」(2018年3月15日)

トルコのイブラヒム・カルン大統領府報道官は、「オリーブの枝」作戦を続行するトルコ軍および反体制武装集団が、アレッポ県アフリーン郡の約70%を制圧したと発表した。

カルン大統領府報道官はまた、作戦を通じて制圧した地域に関して、「シリア政府に明け渡すつもりはなく、地域の住民からなる委員会を設置し、自治を行わせる」と述べた。

一方、アレッポ市東部のユーフラテス川西岸のマンビジュ市の処遇については、「トルコと米国は同地一帯に安全地帯を設置するだろう」と述べた。

ドゥラル・シャーミーヤ(3月15日付)、『ハヤート』(3月16日付)などが伝えた。

AFP, March 15, 2018、ANHA, March 15, 2018、AP, March 15, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 15, 2018、al-Hayat, March 16, 2018、Reuters, March 15, 2018、SANA, March 15, 2018、UPI, March 15, 2018などをもとに作成。

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ハリーリー最高交渉委員会代表「アサド政権はほぼ毎日化学兵器を使用している。最近ではハムーリーヤ市で使用した」(2018年3月15日)

最高交渉委員会のナスル・ハリーリー代表はツイッターのアカウント(https://twitter.com/nasr_hariri)で、シリアのアサド政権が頻繁に化学兵器使用を繰り返しているにもかかわらず、国連はそれを食い止めることができないでいると綴った。

ハリーリー代表は「政権はほぼ毎日化学兵器を使用している。もっとも最近使用したのは東グータ地方のハムーリーヤ市でだ。だが、国連安保理はこうした虐殺を止めることができないでいる」と綴った。

AFP, March 15, 2018、ANHA, March 15, 2018、AP, March 15, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 15, 2018、al-Hayat, March 16, 2018、Reuters, March 15, 2018、SANA, March 15, 2018、UPI, March 15, 2018などをもとに作成。

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ロシアとイスラーム軍が東グータ地方ドゥーマー市の処遇をめぐって、ロシア軍憲兵隊の進駐などを骨子とする非公式合意に達する(2018年3月15日)

シリア人権監視団によると、ダマスカス郊外県東グータ地方のドゥーマー市の処遇をめぐって、ロシアとイスラーム軍の非公式合意に達した。

この合意は、①イスラーム軍のドゥーマー市への残留、②ロシア軍憲兵隊の進駐、③公共機関でのシリア国旗の掲揚、を骨子とし、これに基づき15日、ドゥーマー市に食糧物資が搬入されたという。

同様の停戦に向けた交渉は、ハラスター市でもシリア政府と地元名士の間で続けられているという。

『ハヤート』(3月16日付)が伝えた。

AFP, March 15, 2018、ANHA, March 15, 2018、AP, March 15, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 15, 2018、al-Hayat, March 16, 2018、Reuters, March 15, 2018、SANA, March 15, 2018、UPI, March 15, 2018などをもとに作成。

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シリア赤新月社、赤十字国際委員会、WFPの支援チームがイスラーム軍支配下の東グータ地方ドゥーマー市に食糧を搬入(2018年3月15日)

ダマスカス郊外県では、SANA(3月15日付)によると、シリア赤新月社、赤十字国際委員会、国連世界食糧機関(WFP)の支援チームが、イスラーム軍の支配下にある東グータ地方のドゥーマー市に食糧パックと穀物340トンを大型貨物トラック25台で搬入した。

SANA, March 15, 2018

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イスラーム軍の支配下にある東グータ地方ドゥーマー市からも住民数千人がシリア政府支配地域に退去(2018年3月15日)

ダマスカス郊外県ではSANA(3月15日付)によると、イスラーム軍が活動を続ける東グータ地方のドゥーマー市の住民数千人が、シリア軍によって設置されたワーフィディーン・ゴラン高原難民キャンプの人道回廊を通じてシリア政府支配地域に退去、シリア軍およびシリア赤新月社などの関係当局がこれを保護した。

SANA, March 15, 2018

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ラフマーン軍団、シャーム解放機構などが支配するハムーリーヤ市の制圧を受け、住民2万人がシリア政府支配地域に避難(2018年3月15日)

ダマスカス郊外県では、SANA(3月15日付)によると、ラフマーン軍団の支配下にあったハムーリーヤ市をシリア軍が完全制圧したのを受け、同地とシリア政府支配地域を結ぶ人道回廊がシリア軍によって開放され、住民がシリア政府支配地域に避難した。

避難した住民は、ドゥワイル村の仮設居住センターに移送された。

SANAは、避難した住民の数を数千人にのぼるとしたうえで、彼らが「テロ組織」によって退去を阻止され、「人間の盾」にされてきたと伝えた。

一方、『ハヤート』(3月16日付)は、「集団避難」した住民の数が2万人に達していると伝えた。

「集団避難」はハムーリーヤ市一帯からラフマーン軍団、シャーム解放機構が撤退したことを受けたもの。

SANA, March 15, 2018

AFP, March 15, 2018、ANHA, March 15, 2018、AP, March 15, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 15, 2018、al-Hayat, March 16, 2018、Reuters, March 15, 2018、SANA, March 15, 2018、UPI, March 15, 2018などをもとに作成。

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シリア軍はラフマーン軍団、シャーム解放機構との戦闘の末、東グータ地方ハムーリーヤ市を完全制圧(2018年3月15日)

ダマスカス郊外県では、SANA(3月15日付)によると、シリア軍が東グータ地方で反体制武装集団との戦闘を続け、ラフマーン軍団の支配下にあった中部のハムーリーヤ市を完全制圧した。

『ハヤート』(3月16日付)によると、シリア軍はまた、ラフマーン軍団、シャーム解放機構などが活動を続けるカフルバトナー町、アルバイン市、ハッザ町、ザマルカー町を砲撃した。

SANA, March 15, 2018
syria.liveuamap.com, March 15, 2018

なお、シリア人権監視団によると、2月18日以降のロシア・シリア両軍の東グータ地方への攻撃で、民間人1,249人(うち子供252人)が死亡しているという。

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ダマスカス県では、SANA(3月15日付)によると、ダマスカス郊外県東グータ地方で活動を続ける反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が、旧市街のバーブ・トゥーマ地区、中心街のヴィクトリア橋に着弾し、住民1人が死亡、18人が負傷した。

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ダルアー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月15日付)によると、ブスル・ハリール市、西ガーリヤ村に対するシリア軍の連日の攻撃により、住民数千人が避難を余儀なくされた。

al-Durar al-Shamiya, March 15, 2018

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アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月15日付)によると、アレッポ・シャフバー軍を名乗る武装集団が、14日晩から15日にかけて、ダマスカス郊外県東グータ地方での反体制武装集団の反抗を支援するとして、アレッポ市内の県庁近く、ザフラー協会地区、アサド軍事アカデミー近くのシリア軍拠点を襲撃した。

AFP, March 15, 2018、ANHA, March 15, 2018、AP, March 15, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 15, 2018、al-Hayat, March 16, 2018、Reuters, March 15, 2018、SANA, March 15, 2018、UPI, March 15, 2018などをもとに作成。

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トルコ軍はアフリーン市を爆撃し、住民13人を殺害するなか、アフリーン郡からの避難民の数は3万人に(2018年3月15日)

ドゥラル・シャーミーヤ(3月15日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍との戦闘の末、アフリーン市近郊のザルカー村、ガールール村、バルカシュ山、第1102高地を制圧し、アフリーン市への包囲を強めた。

トルコ軍と反体制武装集団はまた、ブルブル町近郊のマハッビーヤ村、ジャウラーキー村、クールザリー村、クーターン村、バルカシュリー村、シーヤ(シャイフ・ハディード)村近郊のバラカ村、ジューマーザーンリー村、ハムーラージュー村、アリー・ジャールー村も制圧した。

一方、ANHA(3月15日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が、西クルディスタン移行期民政局の拠点都市アフリーン市内各所を「無差別」に砲撃し、住民13人が死亡、23人が負傷した。

ANHA, March 15, 2018
Twitter, March 15, 2018

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シリア人権監視団によると、トルコ軍による攻撃により、アフリーン郡から避難した住民の数は3万人に達しているという。

AFP, March 15, 2018、ANHA, March 15, 2018、AP, March 15, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 15, 2018、al-Hayat, March 16, 2018、Reuters, March 15, 2018、SANA, March 15, 2018、UPI, March 15, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは13件の停戦違反を、トルコ側は5件の違反を確認(2018年3月15日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(3月15日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を13件(ダマスカス県・ダマスカス郊外県3件、ラタキア県6件、アレッポ県4件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも5件(ダマスカス県・ダマスカス郊外県)の停戦違反を確認したという。

一方、過去24時間に1カ村の代表がシリア政府との停戦合意に署名した。

これにより、シリア政府との停戦に応じた自治体は2,435市町村、武装組織の数は234組織に達したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 15, 2018をもとに作成。

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